グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

猛暑と少雨で元気になるのは。

2013-08-19 23:46:52 | Weblog
猛暑と少雨で元気になるのは。


7月8日の梅雨明け以来、少雨の続く九州南部。8月はじめに発表された
降水量は統計史上最小の平年のわずか13パーセントという状態でした。

8月にはいっても、この天候の少雨傾向は変わらず、とくに水分をほしが
る作物であるサトイモ〔3月植え〕では、収穫量が大きく落ち込む事態に
陥っています。


 県内猛暑.jpg


これいじょうの水不足の影響を避けるために、せめてサトイモの品質を確
保しようとして収穫が前倒しされていることも、収穫量が減少している原
因なのではあるのですが・・・それでもイモの小玉化〔価格が安くなる〕
の傾向は避けられない様子であるようです。

それではサトイモとは逆に、雨のおおい気候を嫌うサツマイモの生育はど
うでしょう。8月にはいると、4月にマルチ栽培で植えつけられたサツマ
イモの収穫が始まるではないかと思ったところ・・・


のののののののののののののの ツルだけになったサツマイモ.jpg


 葉っぱはもちろんのこと葉脈もなくなって、葉柄だけ ↑

になったサツマイモ畑が、けっこう目につきます。

これは エビガラスズメ と、ナカジロシタバ という、大型のガの幼虫の
食害にあったせい。5月から6月の越冬世代の子どもである7月生まれの
第一世代が少雨と高温のために大発生したのが原因です。


 スズメガなど.jpg 


とくに左2枚の体長が9センチ近くになるエビガラスズメの、葉脈も食べ尽
くすというその旺盛な食欲ぶりには、ただただ圧倒されてしまいます。

ということで今回は、少雨と高温が 

  作物自体の収穫量の不作と品質の低下
  害虫の大発生という2次被害を受けることによる作物のさらなる減収

を招くというケースをお伝えしてみました。

・・・エビガラスズメは、幼虫が生長して 蛹/サナギ になる段階とな
ると、蛹化する場所を求めて、イモ畑からぞろぞろと這い出してきます。
もちろんイモの地上部を食べつくした場合は、老齢幼虫でなくても、這い
出して次の畑へと移動していきます。

思いのほかに早いペースで高温化のすすむわが国。

数年後の夏にはそんな南九州の今夏の光景が、全国のここかしこで見受
けられるようになっていくのかもしれません。


◎ それにしても雨です。平年であれば 気にも留めない降雨で
  ありますが、降らなくなってみるととたんに、そのありがたさが
  身に沁みるものですね。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染










消費増税にまつわる御呪い〔おまじない〕。

2013-08-18 12:08:58 | Weblog
消費増税にまつわる御呪い〔おまじない〕。

期限がせまってくるにつれ、なにかと喧〔かまびす〕しくなってきた
消費増税ですが、個人的に気になっているのは増税を判断しなければ
ならない安部首相ではなく、この方。

昨年5月当時副総理であった民主党の岡田さんです。


 消費税・岡田副総裁.jpg


その理由は、岡田さんの手首に見える白い糸の束。

写真では いっけん江戸時代の手鎖りの刑 のようにも見えるこのひも。
これこそ、ブッダの歯が安置されているというスリランカの仏歯寺の高僧
によって「願掛け」されたといういわくつきの おまじないなのです。

記事によれば・・・

南アジア訪問中にこの寺を訪れて高僧の願掛けを受けたのちに「消費税が
上がるまで外さない」とつぶやいた
といわれる岡田さん。

いまわたくしは、岡田さんの手首が 気になってしかたありません/笑。


◎ 民主党でもアズミさんやハラグチさんが願掛けしたのであったら
  〔個人的な意見で・・すみません〕気にならないのですが、岡田さん
  ならあまりに本気〔マジ〕度が高かそうで・・。

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借田でのイネの茎数を確保する工夫。

2013-08-17 15:45:16 | Weblog
借田でのイネの茎数を確保する工夫。

高齢化された農家さんなどから、イナ作を委託される農家さん〔機械化さ
れた農家さんや大規模栽培農家さんなど
〕が増えてきました。
そのような栽培を委託された農家さんにとって頭の痛い問題に、委託され
た水田の地力維持に関わる管理作業があります。

そうなんです、自分の水田でさえあれば

  作るのに手間ひまのかかる植物質たい肥
  施肥し続けることによって効果がでてくるケイカルやヨウリン

などを毎年施用し続けていくことで、植えたイネの品質や収量をじょじょ
に高めていく楽しみがあります。しかし、委託された水田ではそうもいか
ない。それは、水田の持ち主の都合ひとつで委託されていた水田を急に返
還しなければならなくなる〔急に自分の都合がつかなくなる場合だったあ
りますしね
〕場合などが、往往にしてあるからです。

それでは経費と時間をかけて土づくりした甲斐がなくなる

そこで今回ですが、そのような委託された水田のうち、とくに田植えされ
た直後のリンサンや苦土が効かないために、イネの分けつが少なめに生育
してしまう水田の対策についてのおはなしになります。

 

例年の普通作ヒノヒカリで茎数を確保できない借田があるのだが、なん
とかならないだろうか
」と、兼業農家のAさんのご相談を受けたのが、普
通作ヒノヒカリの田植えまえの4月のこと。そこでさっそく、その借田を
見にいったところ・・・こちらが想像していたとおりの、ばりばりの黒ボク田
とくにリンサンが効き難い〕でした。


 分けつ とれない田.jpg


こちらもAさんの・ご本人の持ち物である水田であるなら、ケイサン資材
やリンサン系資材による、いわゆる“数年にわたる土づくり”を、お薦め
したいところですが、そうもいかない・・・まあ当然のことですよね。こ
こ数年来のコメの価格であれば関係者なら誰でもそう考える。

そこでAさんに提案したのが

 通常どうり側条施肥機〔基準の元肥2袋〕で田植えする
 ↓
 田植え後一週間目
 ↓
 リンサンとカリ・苦土のはいった資材20キロを表層に追肥する

というものです。

実際には〔側条田植えした後の1週間目である〕6月15日にミスト機を
使用して散布してもらいましたが・・・その後のこの水田のイネが7月末
までに茎数確保していったようすはこうなります。


 分けつ経過.jpg 



こちらが7月末の茎数確保のようすとなりますが、おかげさまで平均して
1株当りで26本程度という理想的な茎数を揃えることができました。


ののののののののののののののの分けつ確保.jpg


ということで今回は、「なるべく てまひまをかけないで穂肥までに借田の
イネの茎数を確保したい」というAさんのご希望を〔最低限の投資で〕叶え
た技術のご紹介でした。
そしてもちろん、茎数管理には適切な水管理が必要。今回は中干しや間断か
ん水といったイネ栽培における前半の水管理に関するAさんご自身によるご
努力が実を結んだ収穫はまだですけれど/笑〕結果のご紹介でもありました。
→ 水管理はこちら


◎ ちなみに田植後の追肥に使用したのは多木化学のPKカタム
  0―17―17 に苦土が 5という成分割合の肥料です。

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“血液型判定”に利用される野菜とは。

2013-08-16 03:23:41 | Weblog
“血液型判定”に利用される野菜とは。

2007年当時の記事である「“ルミノール反応”にみるヒトと植物
の意外な関係。
」の後半です。よろしかったら。

 ↓

2002年、宮崎大学農学部が中心となり、県内の農産物・植物から
高活性のレクチンを探す研究に着手。カラスウリやヘチマ、カボチャ
など約20種類を調べ、ある植物の種子のレクチンが抗H活性を持つ
ことを解明。この種子に抽出液を加えて粉砕・ろ過した液を遠心分離
するなどしてレクチンを取り出すことに成功しました。

で、野菜何だと思われますか?

じつは、ゴーヤニガゴリともいわれています〕なんです。宮崎大学
は、04年10月に、この血液検査試薬の製造法について特許出願。
06年9月、製法特許取得しました。

犯罪に対する科学捜査の鍵を握るのが野菜のゴーヤとは、じつに面白
い話しだと思いました。


◎ 夏場の事件に携わる警察の捜査員さんたちのビタミン補
  給にも一役かっていそうですし、ゴーヤって頼もしいですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」 




“ルミノール反応”にみるヒトと植物の意外な関係。

2013-08-15 14:26:23 | Weblog
“ルミノール反応”にみるヒトと植物の意外な関係。

2007年当時の記事ですが 冷や汁のキュウリ関連で再掲載してみました。
よろしかったら。



犯罪現場に残された血液(血痕)、体液(唾液、○液等)、毛髪、骨、組織
など犯罪に関連する多くの資料について、警察が鑑定・検査をおこなうこと
を科学捜査といいます。なかでも有名なのは、実際の犯罪現場よくおこなわ
れるルミノール反応を応用したルミノール試験検査でしょうか。これってい
ろいろな犯罪映画や推理小説でもよく登場しますよね。

この血痕の鑑識に用いられるルミノール試験。現場から血痕を探す場合な
どに利用されることで有名です。その鑑識過程ですが・・・なにがしかの犯
罪がおこったであろう現場でルミノールの塩基性溶液と過酸化水素水との混
液を塗布したり、または噴霧して暗くする。すると血痕があった場合ば、そ
の部分が青白い光を発するというもの。

そして、ルミノール試験において血液反応が確認されると、つぎは血液型の
判定です。
現場に残った血痕・体液・爪などからヒトO型赤血球の凝集能力をもつレク
チンというタンバク質を使って血液型を判定します。最近ではごく微量の・
劣化した赤血球からでさえ正確に血液型を判定できる試薬が開発されている
のです。

・・・そこで本題にはいるわけですが、この凝集能力をもつレクチン

この物質は、いったいなにからとりだされるとおもわれます?

これがじつは植物から。従来はハリエニシダというヨーロッパ原産のマメ科
の植物から採取されていたのですが、最近、このハリエニシダよりも、もっ
と高感度に、より強い凝集能力をもつレクチンが日本の野菜の種からみつけ
られたのです。

ということで本題の〔前置き長すぎ・申し訳ないです〕、その種をもつ野菜
のはなし
につづきます。


◎ ちなみに鑑識での“ルミノール反応”は、きわめて鋭敏なのだそうです。
  新鮮な血痕よりもむしろ〔ヘミンを形成しているような〕古い血痕の方が発
  光が強いということなので心あたりのある方は時間が経過したといっても
  安心はできません/笑。

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