グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

豚コレラウイルスの拡散を防ぐためにも。

2019-09-05 15:30:01 | Weblog
​​豚コレラウイルスの拡散を防ぐためにも。

​​
前回は、なかなか終息の見えないPED/豚流行性下痢についての回でし
たが[​こちら​]、今回は豚コレラウイルス。8月30日に愛知県農業総合
試験場で発生した豚コレラウイルスについての話です。この発生につい
て農水省の拡大豚コレラ疫学調査チームは、道路の衛生管理区別が不十
分であったこと、そして豚舎に出入りする場合の履き物の履き換え場所
が曖昧であったこと、というその2つをウイルス侵入の原因であったと
発表しています。
ということで今回は本ブログの2018年11月分・衛生区分などについて
はなしである2018年11月に岐阜市の畜産センターでの豚コレラにつ
いての回を再掲載してみました[宮崎の鳥インフルエンザ対策例も有]。
今回の愛知県農業総合試験場と昨年の岐阜市の畜産センター、どちら
も公の施設ということも含めまして よろしかったらご参考に。



『​豚コレラウイルスの拡散を防ぐためにも/2018年11月』​

岐阜市におけ豚コレラの問題で、11月15日に岐阜市の畜産センタ
ーの公園の豚2頭から豚コレラウイルスの陽性反応が出たのだそうで
すね。報道によれば

 市畜産センター公園は、市民が動物と触れ合える憩いの場で、豚は
 出荷もされている。岐阜県などによると15日午後、獣医師から
 「豚の元気がなくなり、熱が出ている」と県中央家畜保健衛生所に
 連絡があった。県の検査で陽性と判定され16日未明から防疫措置
 に着手した

などと さらっと書いてありますが、民間よりもちからをいれておか
ねばならない、防除のお手本ともなるべき 公/おおやけの施設から
現実に2例目の感染を出してしまったわけですから、なんともびっく
りというか くちあんぐりというか、驚かざるを得ない事態になって
いるようで農業関係者のひとりとしてはじつに不安になります。

なんでまたそんなことに・・となった この岐阜市畜産センターの豚
コレラの感染の起こった原因ですが、

 ● 豚舎周辺だけが衛生管理区域に設定されており、関係者が行き
   来する飼料や
堆肥置き場が衛生管理区域に設定されていない
 ● 豚コレラに感染した野生猪の存在がセンター周辺で確認されて
   いたにもかかわらず、公園エリアと畜産エリアで共通の機械が
   使用されており、 その機械類を衛生管理区域で使用する際に 
   洗浄・消毒が行われていない事例もあったこと
 ● 飼養管理者等が豚舎に入る際に専用の衣服を着用しておらず、
   作業用の長靴を消毒のみで豚舎で使用していた場合があること​​


などが確認されているといいますから、これなら感染しても当然とい
うか、むしろよくいままで 感染・発症しなかったなあ・・と逆に感
心してもしまいます。 なんといっても豚コレラウイルスは

 ● 猪だけでなく農場やたい肥置き場にいる小動物からも感染
 ● ヒトの履いている靴の、靴底の土からも感染する

というのはもとより

 ● 生肉類はもちろんハムやソーセージの加工品からも感染
   [実際に日本の空港などでは​探知犬も活躍していますし]

と いうのが定説であり、常識であるのですからね。・・・そうい
ったことから考えれば、 
農水省のページなどで公開されている野生のイノシシの豚コレラウ
イルス感染個体数が増加し続けてなかでの この岐阜市の畜産セン
ターのとっていた対策って・・・なんとも不可解としかいいようが
ない気がします。。

たとえばですが、ウイルス病対策のいち例として宮崎県の養鶏関係
者の現場の鳥インフルザ対策では

 ● 鶏舎内にはいるときはその鶏舎専用の作業服や靴を用意する
 ● ウイルスを持っているかもしれない野生の鳥のフンが落ちて
   くるのを警戒して作業服などの洗濯物を戸外で干さない 
 ● 定期的に巡回して鶏舎への小動物の侵入防止策を徹底する

といった対策をとるのは しごくあたりまえというか、当然という
か、そんなかんじで防除している現実がありますから。

とはいったものの、でちゃったものはしかたない。・・・豚コレラ
ウイルスが日本全土に拡散していくことがないように、そしてこれ
以上のブタの生命や 野生のイノシシたちの間の感染拡大をすこし
でも減少させていくためにも岐阜の関係者のみなさまには、今後の
ウイルス対策をしっかりきっちり実行されてくださることをお願い
したいと思います。


晴れ ちなみに​こちら​は 宮崎の口蹄疫発生時の、防疫の初動が
  遅れた経緯をご紹介した回です。参考にしていただければ 
  さいわいです。
  
  
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜



豚コレラにPED/豚流行性下痢、いまだ止まらず。

2019-09-04 16:25:39 | Weblog

​​豚コレラに加えて、PED/豚流行性下痢、いまだ止まらず。

2013年、国内で7年ぶりに発生したPED/豚流行性下痢。その後発生は減少
していたのですが、現時点である2018年9月から2019年8月の2018年度には
前年度の3倍ちかくにまで発生件数が増加しています。特筆すべきはその発生
時期。もともとPED/豚流行性下痢は冬に発生することが多いもの。しかし
なぜか今年は猛暑であった8月にさえ発生するという異常さです。豚コレラの
発生も終息が見えないなか、PED/豚流行性下痢の8月27日現在の発生数は 
7都道府県108戸におよんでいます。

 発生に関する図 →  

そんなPED/豚流行性下痢についての拡大防止策について取り上げた2014年
4月30日の当ブログの記事を再掲載してみました。夏でさえ発生するようにな
った今、とるべき対策は基本を忠実に守ること、それが肝心です。ということ
でとくに動物由来の 家畜ふんたい肥を使用する場合のご参考としてよろしか
ったら。

 

『PED/豚流行性下痢の発生拡大を止めるためには/2014年4月

2013年10月に、国内では7年ぶりとなる豚の伝染病「豚流行性下痢」の
発生が沖縄県で確認されました。その後飼育の現場では飼育場全体の消毒や複
数の農場の間を行き来する機会をなるべく減らすなどの対策がとられ、さらに
は各県の主要道路で豚を運ぶトラックのタイヤや荷台を消毒するといった対策
が徹底されたのですが・・・しかし残念なことにそれでもこの病気の感染は止
まらず、4月2日現在のところ17の県で18万頭余りが感染し、4万頭近く
が死ぬ被害が出ています。

その様子を伝えるメディアの4月最新のニュースは こちら 。

  NHK 「豚流行性下痢」の被害拡大

  毎日新聞 豚流行性下痢18県に拡大/農水省が消毒徹底を指示

  FNN  豚の伝染病が全国に拡大/豚肉価格に影響のおそれ

  東京新聞 豚の伝染病拡大/流行性下痢、17県で4万頭死ぬ

さて、そこで感染のとまらぬ理由です。対策がとられているのに感染が止ま
らない理由は何でしょう。

その一つの理由として考えられるのは、ふん便の処理の不備に関することで
はないかと推察されます。なんといっても、この病気もほかのウイルス病と
同じように

 ふん便中に排出されたウイルスが経口感染して伝ぱんしていく

という性質を持っているからです。したがって更なる拡大防止策とし効果的
だと考えられるのは、排せつ物処理を適切に行うということ。これに尽きる
と思います。具体的には

 ■ ふん尿をたい肥化する場合には、よく完熟させる
 ■ 発酵温度が十分に上がっているかどうかを、よく確認する
 ■ たい肥化の済んだものと、新しいふん便とを混ぜない
 ■ たい肥と、飼育豚を離す
 ■ たい肥と野生動物が接触しないように管理する

といった対策をとることが肝要です。さらに上記の個体分とは別に、液体分
についての注意点として、通常時の塩素消毒処理やばっ気処理ではウイルス
が不活性化していない可能性も考えられることから

 ■ できれば、液体分を肥料として散布しない
 ■ やむをえず用いる場合は、ほかの養豚場の近くで使用しない
 ■ やむをえず用いる場合は、流水の近くでは散布しない
 ■ やむをえず用いる場合は、道路の近くでは使用ない

といった対策が有効だと考えられます。

いったことで今回は、全国に広がりつつある豚の伝染病と、その対策につい
てのおはなしでした。ちなみにやはりふん尿中のウイルスによって感染が拡
大していったと考えられる宮崎県の口蹄疫のケースは こちら 。


晴れ この感染症の流行しやすい季節は 冬。 そういった意味では
  はやく春になって温度があがることが、いちばんの薬なのかも
  しれませんね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」​​






苗鉢用の土・・・こんなかんじで作ります。

2019-09-02 14:48:19 | Weblog
苗鉢用の土・・・こんなかんじで作ります。


手軽で簡単・清潔な土壌改良例につづいて、ピートモスを使った苗土
の作り方実例のご紹介です。

ビニールハウス内で、トラクターのロータリー耕と マニュアスプリッダ
を使って作ります。


まずは 山土を マニュアスプリッダに載せます。

 
 元土.jpg


その土のうえに、まずは土づくり資材からということで、ピートモス。
そして ゼオライトをまきます。


 ピートを土の上にのせます。.jpg


そして 肥料分となる 苦土燐酸資材 と、ぼかし肥的な化成肥料を
散布。


 肥料を乗せます.jpg


あらかじめピートモスを土の上に広げておいた場所に・・・


 ピートを広げておきます.jpg


動かしたマニュアスプリッダから、土と資材を混ぜながら・・・


 混ぜながらピートの上に落とす.jpg


こんなかんじで、おとしていきます。


 混合完了.jpg


その土に、トラクターのロータリーをかけて、苗土の完成となります。


 見た目も よさそうでしょう? ロータリーかけて完成.jpg


使用する資材と その量ですが、

山土・1立方メートル〔1m×1m×1m〕に対して、使用する資材の
種類と量はつぎのとうり〔山土の状態で量の変更あり〕。


 ■ 調整ずみピートモス1袋のののの350リットル
 ■ ゼオライトのののののののののの10キロ
 ■ 苦土燐酸資材ののののののののの10キロ
 ■ ぼかし肥的な化成肥料ののののの4キロ


ということで、ピートモスを使った苗土の作り方実例のご紹介でした。


晴れ お花の苗を生産販売する農家さんは、ある意味 鉢土を生産
  販売しているようなもの
・・・ということで、土の品質の良
  さはもちろんですが、それ以上に病気をださないこと鉢土
  を作る経費を下げることも経営にとっての重要な課題
となっ
  てまいります。


 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜






山頭火の詠んだ美々津のうた。

2019-09-01 10:15:33 | Weblog
山頭火の詠んだ美々津のうた。


昭和5年といいますから、1930年の10月27日に美々津を訪れた
山頭火が詠んだいくつかの句のうちの ひとつが こちら。


 



   墓がならんでそこまで波がおしよせて

この句の句碑は、宮崎方面から北進して美々津にはいった場合に
は文化庁指定の重要伝統的建造物群保存地区の始まる場所である
現在は駐車場のある場所に建てられています。

この場所はかつては墓地。

山頭火も[​千石船の停泊している繁華街のあった北側​からではな
く]このコースで美々津にはいったとされていますから、もしそ
の日に海が荒れていたとするならば、墓地の墓石群ちかくにまで
荒波が打ち寄せ、ともすれば墓石が海にもっていかれそうな、そ
んな光景をみながら詠んだ句であったのかもしれません。

なにせ向かいの海は 日向灘。湾でもなければ山頭火の生まれた
防府のような内海でもない。

台風シーズンの大波となれば、小石を巻き上げ、地響きをたてて
浜辺に打ち寄せますからね。いまでこそ波消しの効果のあるテト
ラポット群や頑丈なコンクリート製の堤防で町はまもられており
ますが、むかしはこの場所にはそのような護岸はなかったのです
から迫力のある光景が展開されていたことだろうと想像されます。

ということで今回は 山頭火の詠んだ打ち寄せる波、その波はど
れくらいの大きさだったのだろうかというお話でした。


晴れ  台風時の5メートルを超す波が打ち寄せ砕け散るとき、
  その波の起こす衝撃で堤防沿いの家は揺れるんですよ。
  これが ほんとの 衝撃波/笑。ちなみに海に慣れてい
  ない人であれば、美々津のとくに海に近い通りに並ぶ
  家々での夜は、波音が激しすぎて眠れやしないなどと
  翌朝にボヤかれてしまいます。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染