グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

遭遇しちゃったのかも・・・な話。

2022-08-19 11:34:46 | Weblog
遭遇しちゃったのかも・・・な話。
長田峡[​こちら​]の駐車場から峡谷の下流のほうの遊歩道に
でて、大人ふたりが ぎりぎり並んで歩けるくらいの道幅
を、張り出した枝に頭をぶつけないように注意を払いつつ



同行者とふたり、右手に峡谷を見ながら上流の方向へ歩く。



歩を進めると、かなりな下に見えていた川面が次第に




うえに せりあがってくるのがわかる。



そうこうしているうちに 峡谷をせき止めている堰/せき
が姿をあらわし



ごうごうという音を立てながら堰を乗り越える清流の生
み出す水しぶきが、あたり一面を ひんやりとした空間
へと 変化させる。



堰の上流は せき止められた水で 満ち満ち・・・上流
のほうへといくほどに、堰からの落水のつくりだす水音
は遠のいて、あたりを静寂が包みはじめる。
 
      

水の生み出す、こんな動と静の対比を、しばし目をつむ
って身体全体で感じていたちょうど、そのとき。



関係者以外は立ち入り禁止となっているはずの 鎖のかけ
られている川の上流方向から なにものかが近寄ってくる
気配をかんじた。



右手には川面、左には用水。大人ひとりがやっと通れるほ
どの川面と用水に挟まれた小径の向こうから音もなく歩い
てこられたのは、洗濯したてであるような作業服の上下を
きこしめしたご老人。白髪の短髪で眼鏡をかけておられる。
その方がうやうやしい態度で、両手でなにやら四角い籠を
おしいただくような格好をしながら 歩いてこられている。

見た目で推し量る年の割には しっかりとした足取り。

立ち入り禁止の上流から あの足場の悪い細い径を無事に
歩いてこられたのだから、
これはこの道の通行に慣れた現地の水利組合の方なのかな
・・・などとおもいをめぐらせつつ、
なにせ狭い通路であるので こちらが避けねば危ないとお
もい、足元をみて道の端に寄って、こんにちは と声をか
けながら、われわれ二人は 道をゆずった。

こんな場面と径の状況には 手馴れたご様子のご老人は
しっかりとした声で、こんにちはと返事を返され,狭い径の
幅など意に介さぬ様子で なにごともともなかったように 
すっとすれちがって道先に歩をすすめられた。

しかし。そのとき。 自分は見たのだ。

すれちがった、そのご老人がうやうやしくおしいただく
竹籠のなかには 和装の男の赤ちゃんがいるのを。

これは妖しい。あまりにも奇妙。

こんな危険な、一歩間違えれば 冷たい川や堰や峡谷に
転落する可能性がおおいにあるせまい道を、赤子がはいっ
た籠を押し頂きながら、立ち入り禁止の道のほうからやっ
てくるご老人がいるなんて。

そんな不審を感じたのは、私のうしろにいた同行者も同じ
らしく、このご老人はいったい何者なんだといったかんじ
で[いろいろなことを想像しつつ]ゆっくりと振り返った私
の顔を怪訝そうな顔でみつめている。

そして。さらに 私が驚かされたのは、同行者のうしろ。

振り返った私の視界から、すれちがったはずの ご老人、
赤子のはいった籠を もっていたはずの ご老人の姿が
視界から消えていたのだ。

たしかにすれちがって数メートル先には、遊歩道にいる
自分たちからは死角となる、直角にまがった峡谷の駐車場
へとつながる上りの階段がある。まちがいなくその階段は
存在するのだけれども、
ただしかし籠を抱えたご老人が それほど素早く移動とは
思えないほどの時間しかたっていなかったはずであるのに、
あるべきはずの後ろ姿が 振り返った私には確認できない
のだ。

これは階段方面を見に行ったほうがいいのかなと思いつつ、
そのとき はっと気づいて、前方を見た。ここでやっと立
ち入り禁止の場所にかけられているはずの鎖、鎖の存在に
気がついのだ[鎖は下から2枚目の写真に写っています]。

視界に入ったのは、しっかりと左右の手すりに かけられ
たままになっている鎖。

籠を抱えて両手がふさがっているはずのご老人は、どうやっ
て この鎖をかけられた場所をすっと通過できたというのか。
おもいだそうとしても思い出せない。 私の頭のなかでは、
すれちがったときの、竹籠のなかの赤ちゃんの穏やかな笑い
顔しか思い出せないのです。

後になって考えても理解できないことだらけの、不思議で
不可思議な、いまから8年ほど前の、夏の長田峡での体験で
した。


晴れ このご老人と赤子の二人連れには、なんとも品の
  ある気高さみたいなものを感じました。水の精霊
  というか自然神という性格を持つ[​こちら​]ものも
  カッパと称するというのであれば・・・おふたり
  こそが 沖水川のカッパであらせられたのかも。。
  とにもかくにも、こちらは最上級の敬意をもって
  接したのもよかったな と思う今日この頃。
  
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川遊びにはもってこい的な。

2022-08-17 12:04:31 | Weblog
川遊びにはもってこい的な。
先日ご紹介した見晴らしの良すぎるトイレ[こちら]は梶山地区に近い
矢ケ淵公園にあります。 そのトイレから沖水川の方向を見た景色が
こちら。 

       


川には 石造りの小ぶりなメガネ橋がかかっており そのメガネ橋
の上から 逆にトイレの方向をみた映像が こちら。



こちらが公園の表札というか標柱。のどかなかんじで なかなかの
ものなんですよ。

     

こちらが 橋の上に引き返して沖水川の下流をみた風景。左手の
淵は なかなか深そうな色合いをしています。




同じく橋の上から、反対側の沖水川の上流をみた風景が こちら。

      

橋の真下部分には 6角柱からなる台場があります。

子どものころに日常的に川遊びをやってきた経験のある、ちょっと
泳げるヒトであれば、下の右の写真の 岩の出っ張りが絶好の飛び
込み台であることがわかりますでしょう。

この部分はむかしから[江戸時代はもとより]、夏場は 涼を求めて
やってくる 近在の子供たちの 恰好の遊び場だったことでしょう。


  
   

そしてちょっとやんちゃな男の子たちであれば昭和になってできた
という橋の上からのダイブなど日常茶飯事、川の色から推し量ると、
橋の上からのダイブには絶好なポイントでありそうです。

ただ。

宮崎在で、学校の水泳の授業は こういった川でやってきた自分の
体験からいえば、この矢ケ淵は なかなか気難しい難物な淵 であ
るように思われます。
・・・そう 数年に一度くらいは、おおきな水難事故がおこっても
不思議ではない場所に思えます。なんといってもここは 川。プー
ルとちがって 流れがあるのがあたりまえの場所ですものね。

そういったいわゆる “魔の射す場所” であるようにも、十二分に
感じられる場所だと思うんですよ、この矢ケ淵は。そういった感触
を妖魔にたとえるとするならば、カッパが数匹はいる・・といった
表現になる気もします。

ということで今回は見晴らしの良いトイレのあると同時に江戸時代
にカッパが撃たれたという話[こちら]の残る梶原地区に近い矢ケ淵
公園と、そこを流れる沖水川のご紹介でした。


晴れ 一昨年だったか、おもしろく見たロシア映画の『ゴーゴリ』。
 健気だった登場人物というか、妖魔であった“水の精”なんか
 が 川底にいるような そんなロケーションにもおもえます。

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川のそばの見晴らしの良いトイレが、じつは・・・。

2022-08-12 14:32:07 | Weblog
川のそばの見晴らしの良いトイレが、じつは・・・。
暑気払い と称して憑かれたようにカッパ話を続けていますが、
またまたそんなはなし。ただ、ゆえあってこの写真撮ってから
は5年ほど現地に行っておりませんので2022年現在の現況
はちがっているかもしれません。ということで、よろしかったら。
 ↓


男女別に分かれた、見晴らしの良い開放的なトイレ室、2つから
成る建物。

   

トイレの上の屋根は切妻ふうになっております。

   

そしてこのトイレの特長は なんといっても、その立地条件。


     
 
      
見ようによっては、大草原の小さな家ふうに
こんなかんじで 見晴らしのよい川辺りの芝生のなかに建ってます。

晴れた日のドライブ中に立ち寄って用をたすには、もってこい。
みたいな そんな爽快な トイレです。

しかしですね。

この草はらの脇を沖水川が流れるこのトイレのある場所、じつはこの
あたりが、三股町梶山。そう、文政年間に侍の上村休助がカッパを銃
で射止めた[​こちら​]というその梶山地区といってもよい場所であるの
です。 当時はこのあたりがどんな様子であったのか・・・興味がつ
きないトイレではあります。

まあ、そしておもうんです。

カッパの話は別にしても、昼間はよいのですが・・・真夜中にこんな
広い草っぱらのひとけのない場所にあるトイレで用をたすのは、ちょ
っと勇気がいるかもねって。


晴れ トイレにはいってドアを閉めたとたんに、川の方向から水しぶ
  きの音が聞こえたりとか、びちゃぴちゃなんて まるで水掻き
  のあるような足音がちかづいてきて、ドアをノックなんかされ
  ちゃったひには・・・いったいどうしたらよいのでしょうね。
  
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閻魔さまでもなかろうに。

2022-08-09 21:31:06 | Weblog
閻魔さまでもなかろうに。
「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる」と、むかしはよくいわれたもので
すが、そんな話を連想させられたのが、くだんの 都城の島津伝承館で
おこなわれていたカッパの手の展示をみたときでした。そんな カッパ
はなしまだ続きます。

 ↓

カッパに取られるものといえば、ヒトの肛門にあるとされた想像上の玉
である「尻子玉」であるのが普通なのです。しかし、前回 ご紹介した
島津伝承館で公開されたカッパの手足の入った箱」の 説明書きには
尻子玉とは別の、ある意味意外ともいえるものがとられると書いてあり
ました。 

それは・・・シタ。 
なんと、ヒトの舌だというのです。

その説明書きの解説を見た瞬間に、“閻魔さまでもなかろうに”って、
ついついつツッコミいれてしまいましたよ/笑。

それにしても今も昔も猛暑の夏。

たまらない暑さに耐えかね、清流の流れに涼を求めたくなるのは、誰し
も同じ。そんな川遊びにでかけたヒトを見ては舌を抜く河童/カッパが
沖水川の水系にいたとしたら、そして そのようなたちのわるい悪さを
繰り返していたのだとしたならば、
それは上村休助さん[​こちら​]ならずとも〔祟られるかもとは思いつつも
ズドンと鉄砲で撃ちたくもなりますわな。などと、箱の説明文を見た 
わたしは思ってしまいましたよ。

川で見かけた不思議なモグラのはなしにつづく。


<emoji code="h236" /> 失神したときに舌が丸まってしまうという話は、格闘技の世界では
  よく耳にする話です。昔の方は、水でおぼれて失神したヒトの、そ
  んな舌の状態を見て、「河童に舌を抜かれた」なんてことを想像し
  たものかもしれませんね。。

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カッパを撃った男のはなし。

2022-08-03 22:12:41 | Weblog
カッパを撃った男のはなし。
2014年分のリンク先及び内容を一部変更して再掲載
です。 暑気払いに よろしかったら。


前回は、長い年月をかけて沖水川がつくり出した​長田峡​をご紹介しま
した。そして、この長田峡の周辺では、

 ● 沖水川周辺では、河童は “がぐれ” と よばれていること
 ● その がぐれ に関するはなしが 伝承されている

というお話を、すこしばかりさせていただいたのです。そんなことを
考えながら毎年夏が近づくたびに涼を求めて長田峡の周辺に通ってい
たのですが・・・本年[注・2014年]の4月末に 寝耳に水のビッグ
ニュースがとびこんできました。

なんとそれは、「都城市にある都城島津伝承館にて4月19日から
6月22日までの間、江戸時代に三股町の川岸で銃殺されたカッパの
手足が初公開される」というもの。← 注・2014年です。

その都城島津伝承館によるカッパの手足の写真 こちら 。
そしてこの展示に関する新聞記事が こちら となります。

この新聞記事にはありませんが、じっさいにの会場ではもっと詳しい
謂われが、この手足とともに伝わっており、その添付文書によれば

 文政年間、侍の上村休助が現在の三股町梶山でカッパを銃で射止
 めた後、急病になったが、 友人の大川原世則が修験者にまじない
 を頼み回復。世則は休助からお礼にカッパの両手足をもらい、
 一対を同家に献上した


と記されていたのです。

カッパの手足が本物か否かももちろん気になります。が、それより
も重大なのは、

 ● 事件に関する前後の詳細が残っている
 ● 関係する人物の氏名がわかっている
 ● 撃った場所が特定できる

ことだとおもいます。

そうなんですよ、とかく “正確性を欠く伝承ばなし” として伝え
られることばかりの、カッパというUMAの存在が、このような
章という形としてはっきりと残っているのがすごい
なと、でかけて
いった都城島津伝承館でカッパの手足を眺めながら私は思いました。

そしてなんといっても感嘆するのは撃ったという上村休助さんです。

見かけたカッパをいきなり[だと思う]撃つって、すごく豪胆です
ねっ。そのごの祟りなど怖くなかったのか、あるいはもとより鉄砲
に精通されていて反射的に引き金をひいたのか。   そのあたり、
会えるものなら本人に会って話を聞いてみたいものです。

まあ、よぽどカッパが悪さしてたのかしらん・・と思いもしますが。


晴れ ちなみに 添付文書にあるカッパの撃たれた 三股町梶山。
  この場所は深山なのかと思えば、これがさにあらず。なんと
  先日ご紹介した​長田峡​よりも かなりな下流にあるんですよ。
  ・・ということはですよ、沖水川の上流にあたる長田峡や、
  そのもっと上流には いまでも カッパ/がぐれ が いて
  くれるかも 
って思ってしまいますよね、UMA好きなら。


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​のの​