なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

それは禁句ですぞ!

2007-05-10 01:36:27 | Weblog
 昼の12時15分頃から打ち始めて、「どんど晴れ」のオープニング曲が流れている頃Fさんが投了して、その言葉が発せられました。
 「私は全然考えていないから・・・」
  いつもは向う3子で打っているから、言葉は悪いけれど私のほうがホンの少し楽をしているかも知れません・・・そろそろ10連勝くらいです。
 だからFさんが黙って4つ置きました。
  これは相当に期すものが有るかも知れないので、要注意です。
 向う4子は1戦1敗ですからね
  さて碁盤の上の進行は猛烈な捻り合いを呈しています。
 というより、4子局ですから白は黒に根拠を脅かされて、攻められていたのですが、鹿を追う猟師というか、中原に鹿を追うというか・・・
 白は黒の攻めの甘さを突いて隅で生きてしまい、真ん中も逃げてしまう作戦
  (いつもの作戦)
 だから、何処かの白を取ってしまわなければ地では黒が足りなくなるに違いない・・・そういう進行・そういう不安感にFさんは弱いのかな?
 だから黒さんは白を取るしかないという気持ちになるのだけれど、この頃には自分の弱みがだんだん見えなくなってくるか、多少の欠点など考慮していられない気分になるらしい。
 こういう時黒は白を包囲して捕獲しようとしていると考えるのだけれど、実は白を攻めているように見える黒を白が割っているということもある、あるいは堤防に蟻の穴が開いていればそれは白を支えきれないのです。
 そんなことで、昼休みを15分も残してFさん投了でした。
私:「白が運がよかったかも知れない・・・」これはホントは半分お世辞で半分嘘!
 本音は、中盤の捻り合いで勝敗が別れた形だけれど、本当は序盤に問題があると思うのです・・・と、これは言えない
 説明に時間も手間もかかるだろうし、こういうことは本人が熱心に検討したいと思わなければ意味も効果も無いと思うのです。
 こういう”運”云々が誘い水になったのかFさんから「私は全然考えていない・・・」発言が出たのです。
 マア本人としてはそれほど重大な発言だとは思っていないでしょう。
  でも私は、突然木石人になって、建前人間に変身してしまいます・・・心の中だけですが。

 私の考えではこれは「禁句」です、絶対に言ってはいけないのです。
  第一囲碁は建前からして、「勝敗」を争うにしても「考えることを楽しむ」ゲームのはずです。
 自分が負けたとき「私は何も考えていないから負けたのです」と言って、それが事実であろうと無かろうとたいへん失礼な話です。
 ひねくれて受け取れば「ちゃんと考えれば、そう簡単に負けるはずが無い」とも受け取れる。
 
 母親が自分の子供の成績について「○○チャンはちゃんと勉強すれば出来る子なんだから・・・」と言っているようなものですね。
 「出来るはずの子がちゃんと勉強して、できることを証明してもらいたいものですね」
 碁の話に戻って。
  読み負け、読み抜け、勘違い・・・そういう読みの内容で負けたというなら普通です。
 いつも言うようにミスで負けたのなら問題は少ない。
  考え方の基本的な部分で間違っていれば、これは少し厄介・・・詠むことすらないのは論外!。
 これは、「昼休みの碁は単なる時間つぶしです」と宣言されたような気がする。
  そういう意味でショックを感じました。
 マア私程度を相手に昼休み碁ですから、さして勉強になるとも言えないとは思うけれど・・・明日からどうしよう?
 この辺が職場碁の難しいところです。

 想像ですが、彼に言わせれば「白だってろくに考えていないクセに」と反論があるかも知れません・・・確かに白も偉そうなことは言えない。
 でも経験の量の蓄積に歴然とした差がある。
  だからこういう機会は黒も経験を積んでいく上で、多少は良い機会だと思うのだけれど・・・
 そういうことで、経験の浅い黒さんが白と同じペースで打つ事自体・・・本当は黒のハマリだと思うのだけれど、そこまで言い切ってしまうと白も威張り過ぎかな?