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駒袋から取り出したというか、袋をさかさまにして盤の中央にあけて両者が取っていくのですが、王将(あるいは玉将)をまずおいて金を左に、次に右の金と言った風に並べていきます。
アレはルールとは思えないので、恐らく作法なんでしょうね。
マア多少儀式ばった感がしないでも無いけれど、これから大一番が始まる緊張感が伝わってきますし、徐々に緊迫感が高まっていく。
さてその場合もう一つ儀式でも作法でもないことを見受けます。
人により違うので基本的に夫々の自由なんでしょう・・・駒の置く位置です・一桝の中の何処に駒を置くのかということです。
一番多いのは桝の自分に近いほうの線に駒の底の線を合わせるので、たいていはこの置き方ですが、中には逆に前の線に合わせる人、桝の真ん中に置く人もいる。
いずれの場合も左右にはずれていません。
これらの置きかたがばらばらの人はいませんから、皆夫々に自分の気に入った場所に置いているのですね。
囲碁の場合は最初は何も無いのですからそういう癖と言うものはありませんが、多少気がついたこと・以前から気になっていることはあります。
これはプロ棋士の対局風景ではお目にかからないことですが・・・ザル同士の対局ではままあることです。
ザル同士・・・私の偏見では低段や級位の方たちのの対局に多い・・・
それも早碁に多いのですが、早打ちではない人もいるからこちらは必ずしも早碁ということでも無さそう。
どういうことかというと、碁盤の石の繋がりが直線ではない!
それも一定の法則で揺らめくような法則は無いから一個ずつの石が勝手にずれているのです。
これは途中観戦ではお手上げですから即観戦を諦めるのですが、本人たちがそれで支障が無いのなら傍が文句を言う筋合いが無いから黙って隣に移動するしかないのです。
要するに本人たちの問題ですが、偶にはトラブルめいたことが起こらないでもない・・・そういうためにもきちんとした位置に置くのが良いのですが、私にとっては「そういう並べ方をしていてよく考えられる」ということです。
(一般に素人の碁では中盤に白熱してくると、気持ちが石の位置に現れることがあります・・・本来交点と石の中心が同じのはずなんですが、例えば逃げたい場合など、打った石の中心が自分がこれから逃げたい方向へ気持ちズレる・・・気持ち数ミリズレる>>>こういうのは見ていて可愛い方ですが・・・)
盤上に置かれた石の中心は出来るだけ盤の罫線の交点でないと私はダメ
それでも多少のずれは法則性があれば許容範囲ではある(例えば一定の方向に少しずれるとか)。
しかし一個ずつ勝手な位置を主張されるとそれだけで疲労感がある。
盤上の石は単に一手の石の座標的位置を表しているの過ぎないとすれば、それは概ね正しければ”表現”していると言えます。
そうであるならば、例えば天元に置かれた石が多少前後左右にずれようと[10・10」を現しているのだから文字で棋譜を表せば何の問題も無い!?
ところが私にとっては”視覚的”に問題なのです。
視覚的に受け取った情報を頭に送る前に”拒否”されそうな感じです・・・拒否ではないにしても、こういう碁盤の風景に酔っ払う感じです。
酒ではなくて船酔い状態に近いか。
だから自分の対局では自分の石の置いた位置が気に食わなければ指の爪などで数ミリ押して修正します。
(持ち上げて直すのは”二度打ちみたいだからやりませんが)
相手の思考の邪魔にならないように気をつけますが、この辺は石の位置が気に入った所にないと落ち着かないというフラストレーションとの戦いでもある。
これは自分が置いた石だから微調整的修正は出来ます・・・が、相手が置いた石の場合その位置が罫線の交点からずれていても勝手に手を出して修正するのは気が引けるだから自分の石と相手の石は別のスタンダードで盤上に置かれていることもあるわけで、こういう状態に神経が弱い。
ましてや相手の石にスタンダードが無かったら本当に投了を考えたりします。
一番困るのは交点と交点の中央などに打たれた場合、四分六ぐらいでも困る。
こういうことは後で問題が起きることもあるので
「ヤッ、ファジーな位置ですね。後で都合の良い方に移動します?」と尋ねざるを得ない。
いずれにせよ私には盤を見たときにきちんと石が並んでいないと神経が逆撫でされたような不快感が沸いてきます。
それは対局者が親しい人であろうと無かろうと、盤上の風景にギブアップです。
”上手まっすぐ下手こすむ”→”上手まっすぐ下手曲がる”→”上手まっすぐ下手グチャグチャ”という気分。
私は”まっすぐ好き”なんだけれど”上手”では無い・・・それも問題です。
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