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FさんとKさんは”わが社”閉店後に居残りをしてまでも碁を打つ方たちだから、多分今日はKさんが私と打つことが予定されていたんでしょう。
ともかく1階の男子休憩室へ降りていきました。
碁は向う4子です
白が隅のに小ケイマにかかって黒1間受け、反対側の(かかった白の背中側)星にも小ケイマかかり、今度は黒上につけて来て、黒からツケノビ定石をイメージしているようです。
マア、注文通りのツケノビでも良いのですが、余り形を決めすぎるのも面白くないので、ここは黒のツケ、白ハネ、黒ノビの後白は這わずにコスミで打って見ました。
これはこれで何と言うことも無いのだけれど、多分Kさんは余り経験していない形だと思うので、Kさんにとって「何処と無く気持ちの悪い手」だと想像している。
この辺が白のずるさというか・・・冷静に見たら黒が圧倒的に有利なはずなんだけれど、こういう「不安なポイント」も残して置くのです。
序盤ですから黒も頭の中では「状況は黒良いはず」と思っている・・・はず。
そして、今の内に白を叩いてしまおうと目論んでいるはず。
特にKさんは好戦的な碁だから「生意気な白」「一見威張っていても弱そうな白に灸をすえようと」積極的です。
この時が白にとって最大のピンチでもありチャンスでもあるのです。
今日もKさんの意気込みは良かったのですが、返り討ちに・・・
時間が残っているので、今度は(Kさんの3連敗)5子で対局となった。
内心私は「ボロボロにやられる」と覚悟をしていたのですが、またまた返り討ちに・・・
短い昼休みに2局打ってしまった。
さて3時のお茶の頃、Fさんが近くにやってきて「どうでした?」と昼休みの結果を聞いてきました。
結果を話すと「Kさんは好戦的な碁だから・・・」というので、多少弁護的な気分で「いやァ、私も戦いが好きですからね」と言ったのですが・・・
F:「そうですね、貴方のは纏わりついてくるような碁ですから」!!!
これには相槌は打てない
確かに私には「戦いが好きで、力碁も辞さないところはある」、しかし纏わりつくという表現はなんなんだろうか?
多分置き碁で下手を戦いに引きずりこんで苛める悪い上手のイメージなんだろう
「おとなしく言うことを聞けば良し、聞かなければ成敗してくれよう」という越後屋とぐるで悪事を企む悪代官のイメージです。
確かにそういうところが皆無だとは言いませんが。
「あっさり打って、数えると白数目残っているという碁では無いよね」
実はそういうのが私は理想としているのですよ(と言いたかったのだけれど)
実際にどうなるかは別として、互い先、2子くらいの碁ならそのように思っています。
ところが、相手あっての作戦です。
あっさり打って勝たせてくれれば言いのだけれど、黒さんだって堪らず何処かで堪忍袋の緒が切れる・・・そうなれば淡々とした碁が一転火花が散る碁に変わるでしょう・・・
あっさり打って白が勝てるのなら、余程黒がおとなしいか弱いのでしょう。
それとも「白煩いことをやらずに、あっさり打って素直に負けなさい!」と言っているのかな。
ま、置き碁だからそれもあるかも知れないけれど・・・そういう風にお行儀良く打って白は兜を脱ぐ・・・お稽古ならそうなんだろうか?
Kさんの投了直後の感想はそうではなかった
「黒が白を取りに行くのが無理なんでしょうか?」
「いえ、取りに行くやり方が間違っているのですよ」「間違いなく攻めれば、白はたまらないですから」・・・これは私の本音でもある。
若い頃からK畑師匠にこういう風に鍛えられてきました。
向う4子とか5子で行儀よく打って白が残るようでは、手合いが違うのではないだろうか・・・ねじりあいは手合いが拮抗している証拠?
さて、そうは言っても5子は打ちにくい・・・本音で言うと、自分が自分に5子置いたら絶対に白は潰れでしょう?
そろそろ、誤魔化し手などは勿論、様子見の手も控えて、黒がきちんと勝つようにしなくてはいけないでしょう。
KさんもFさんも悪いたくらみを始めた・・・「二面でどうかなと話しているのですよ」
それは勘弁をして下さい、とても無理です。
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