なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

師匠の初勝ち

2008-10-18 17:02:26 | Weblog
 どこかのブログに「間違いだらけの格言集」のようなタイトルで、囲碁格言を裏から読んだり斜めに見たりするものがありました。
 私も日頃からそういう事が好きなので、自分に関することなどでも冗談的視点で見たらどんな風にみえるのかなどと想像して遊んでしまいます。
 例えばネット対局ですが、私の場合平均すれば1日1局くらいになりますが、それはあくまで平均という結果でして、多い時は1日に2,3局打つときもあれば1週間近く打たないときもあるのです。
 対局が多い時は概ね負けている事が多いようで、その反動でしょうか暫く対局が少ない期間があったり、星の波だけでなく対局数の波もあるのです。
 それで負けが続いた後のお休み期間はネット観戦しながら、自分のことを「馬鹿も休み休み・・・」→「馬鹿は休み休み打て!」・・・どちらが好いかななどと考えたりして遊びます。
 そういう感じの自分的諺?「師匠の初勝ち」
 
 ネットで4連敗の後4連勝があって一気に元の点数に戻った反動か、実生活でやや忙しくて疲れいたか、また対局無しの日が続きましたので久し振りの対局。
 ネットに入ると、点数が近いところではKさんだけが対局待ちになっています。
 私はこのKさんとの対局で勝った記憶が無い。
 ここ3年くらいで4,5局打っているはずだけど、向こう先くらいの手合いなんですが負けているはず。
 それも記憶では手も足も出ない感じで「どちらが白か」と思う程の負け方をしている。
 たいてい向こう先でコミ無しなので、白番で地で追いつこうとしたり勝機を見つけようとバタバタするのですが、かえってその欠陥を突かれて黒ペースになり押し切られてしまうか、アッサリ斬り捨てられてしまう・・・。
 考えてみれば、相手が何もしないのに私が勝手に墓穴を掘っている感じですが、苦手意識もできているような気もします。
 
 ネットでは当然年も経験年数も分かりません。
 このネットで分かるのは(おそらく)実名、住んでいる県、勝敗の累計、現在の点数というところですが、それでも名前とか打っている感じで想像すると、Kさんは私よりやや若い感じですから私が兄弟子程度でしょうか。
 それでも星が偏っているのはKさんが冷静な人?
 私の方が点数が上ということは、Kさんは私には強いのだけれどその分を誰かに負けていて、いつも私が白番になっていると言うことですね。
 つまり私はKさんの星配給係、早い話が「カモ!」。
  対局待ちボードを見ながらそういう事を考えていましたが、一方で「4連勝して点数が戻ったことだし、ここでまたKさんに負けても良いではないか、私もその分次に勝てば好いのだし」などと”太っ腹”に私も「対局ボタン」を押しました。

 話が横道にそれて昔の思い出ですが・・・
 昔々、私がまだ級だった頃に通っていた碁会所の常連で高段者だったHさんの口癖です。
 碁を打つときの口癖みたいなものがあって、彼の場合は主なものは三つ
「碁は勝ちと見て和尚の昼寝」:これはどうやっても形勢は揺るがないから、挑戦には乗りませんよという意味。
「そろそろお灸をすえないといけない」:相手が自分の欠陥を放置して攻め続けている時、Hさんが反撃に転じる時の言葉
「師匠の初負け」:本来は入門してきた弟子に、師匠が自信をつけさせるために負けてあげるということでしょうが、ここではその日の口開けの一局に負けたとき、あるいは単に下手に負けたときの悔し紛れの言葉。

 さてKさんとの対局
 「負けても好いさ」という余裕?からか、過去のKさんとの対局の反省から「ゆっくり」に徹してみました。
 何処がどうと言うのは難しいですが、自分からバタバタしない・相手の動きをよく見る・・・そんな感じです。
 それが効を奏したのか?
 ほんのすこしずつでも良いから地で追いつく作戦と言うか、NHK囲碁講座の本のメイエン先生のゾーンプレス風と言うか・・・ともあれ相手が先に動いた。
 黒のKさん「これではタマラン」みたいに。
 「だるまさんが転んだよ・・・」ではないけれど、先に動いた方が負けだったようで、初めてKさんに勝てました。
 この時頭に過ぎったのはHさんの口癖「師匠の初負け」ならぬ「師匠の初勝ち」
  私の棋力で師匠は無いですが・・・ネットの向こうでKさんが「師匠の初負け」と呟いているような気がして・・・深夜の妄想です。