なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

段位詐称?

2009-07-15 11:05:59 | Weblog
 先日仕事で市内の所管する事務所の立ち入り調査の途中で、やや暇というか空白ができた時に、顔を上げると壁に額がかかっているのが見えました。
 ここは先方さんの仕事場であり、仕事上の打ち合わせもするのでしょうから仕事に関する資格などの証明証かと思ったのですが、毛筆で書かれている。
  こういう免許は普通は趣味のものですね・・・私もタンスの中に日本棋院の免許証が眠っていますが、もし自分で事務所を開くようなことがあれば飾るかもしれません(恥ずかしながら)。
 毛筆で書かれ、額に入った免許を見て少しでも感心してもらえれば良いし、商売にも役立つかもしれません。
 まあ実際の役に立つかどうかは別にしても、話のネタにはなりそうです。
  それで、そこにかかっていたのは○○流の師範免許
   顧問が元総理大臣経験者、もう一人の顧問が元女性大臣
  それは詩吟の師範・・・首相の経験者とか元大臣とかが詩吟でどれ程の権威付けになるかは知りませんが、マア趣味の世界でも頑張っている人なのかとは思いました。
 ただ、頭の中では次に「段位詐称」という問題に移っていました。
  仕事をしながら、自問自答とか話題を広げたり・・・脳の中がツーウェイ構造というか分裂構造というか・・・亀裂気味ではあります。
  どこぞの新県知事の問題がありました・・・「二段の実力があると言われたので、自分は二段だと思っていた」みたいなことでしたよね。
 結論から言えば学歴詐称とは違うので有罪か無罪かと聞かれれば無罪のほうに投票するでしょう。
 但し、剣道2段ということを広言して結果的にせよ好感度アップに利用された面はありその点は道義的責任はあるだろうと思うし、さらに好感度アップに敢えて利用した面も否定できない面はかなり濃い灰色だとは思っている。
  利用可能なものは何でも利用するという厚顔無恥・・・
 更に言えば、免許も受けていないのに段位を名乗る常識の無さは問題ですね。

 これが柔道だったら、わたしの認識違いかもしれませんが、柔道が講道館が創始したスポーツである以上段位は講道館が許可するものしか無いはずです。
  従って勝手に柔道○段を名乗ることは出来ないはず。
   柔道○段=講道館○段のはずですよね。
 これが剣道の場合は流派が多いし、歴史的には自分で○○流を名乗ることもできたでしょうからそういう権威付けは曖昧化もしれません。
 但し現在は「連盟」のようなものがあるはずだし、それとの関連問題はありそう

 ところで囲碁の場合は
  通常は日本棋院とか関西棋院が発行する段位が標準でしょうが、碁会所ごとに段位を名乗ることだってある。
  この場合、高段位を名乗って陰で笑われたり、面と向かって「ヘボのくせに」という発言に耐えられるのなら本人の判断のような気もする。
  つまり、段位の前に権威付けをしている団体名を付ければ詐称問題とはならないはずです。
 「アマ囲碁8段」と言ってたとしても「○○碁会所8段格」と言うなら、笑われること眉をひそめられることはあったとしてもインチキではない。
  あるいは「自称8段」と発言しても法的に間違いはない。
  それを単に8段と言うと、これは日本棋院発行段位をかたったような、あるいはそういう想像を誘う曖昧な表現であるということでインチキ性が高い。

 そういえば昔のわたしの経験話・・・仮称N山さんということで
  碁会所で熱心な方で、すでに停年退職していますが在職中は会社でプロ棋士を招いて囲碁クラブの指導を受けていたりしたらしい。
 そういう関係でおそらく日本棋院の段位を取得しているらしいのだが、本人は決して認めない、そういう人がいた。
  周りは冗談で「N山2段」みたいな呼び方をするのだが、敢えて素知らぬ態度をとる・・・
  その碁会所では会員の名札を段級位に分けてかけていますが対局はそれぞれの持ち点によるハンデで打ちます。
 そしてひと月間の成績によって翌月は点数が変わると同時に、場合によっては名札の掛けてある場所が移動するのです。
 棋院などでは申請によって認められれば希望の免除が受けられるはずで、謂わば免状はその人のそれまでの最高到達点、ここでは場合によっては下がることもあれば上がることもある。
 したがって棋院の発行した段位とは異なることもあるわけで、もし所持している段位より碁会所でのランキングが低い場合は本人からは「言えない」こともある。
  まあ棋院○段と碁会所の○段と割り切れば良いのですが。
   そういう意味では最も権威があってしかるべき日本棋院の認定段位を名乗れないというのも寂しい話ですね・・・

 さて、人に聞かれて「囲碁○段」と言えば昔なら「良い趣味ですね」「お強いんですね」と多少は、本心ではないにしろ尊敬されたものですが、最近はそういうことはなくなってきたような気がします。
 囲碁の段位も、(もしあったら)パソコンゲームの段位も変わらないような受け取られ方になってきているような気がします。