「評論家佐高信は川柳界の小林多喜二と評した」川柳作家鶴彬は、昭和11年(1936)12月1日「火華」十二月号に「 半島の生れ」を掲載しました。
邑書林刊「現代仮名遣い版鶴彬全川柳」木村哲也編 123頁から
半島の生れでつぶし値の生き埋めとなる
内地人に負けてはならぬ汗で半定歩のトロ押す
半定歩だけ働けばなまけるなとどやされる
ヨボと辱しめられて怒りこみ上げる朝鮮語となる
鉄板背負う若い人間起重機で曲る脊骨
母国掠め盗った国の歴史を復習する大声
行きどころのない冬を追っぱらわれる鮮人小屋の群れ
(注1)「半定歩」とは、定められた歩合を半分にされたこと。
(注2)「トロ」とは、トロッコのこと。
(注3)「ヨボ」とは、ヨボセヨのこと。
川柳作家鶴彬「エノケンの笑ひにつゞく暗い明日」 「志村けん笑ひにつゞく暗い明日」
(続く)