葵から菊へ&東京の戦争遺跡を歩く会The Tokyo War Memorial Walkers

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東大駒場・国際シンポ「国際刑法におけるニュルンベルグ裁判と東京裁判の今日的意義」

2018年11月17日 | 歴史探訪<市ヶ谷台・防衛省・東京裁判>

本日、東京大学駒場キャンパス 18号館ホールで開かれた国際シンポ「国際刑法におけるニュルンベルグ裁判と東京裁判の今日的意義 東京裁判70周年・国際刑事裁判所ローマ規程採択20周年記念企画」(同時通訳付き)に参加してきました。
冒頭の開会挨拶の中で司会の石田勇治氏(東京大学大学院教授)は私たちが11月11日に開いた東京裁判判決70年記念講演会に参加されたことに触れられました。
そして、石田氏は私たちの現状報告(映像紹介「今も遺る 極東国際軍事裁判法廷 ~防衛省 市ヶ谷記念館~」)により市ケ谷記念館の展示が貧弱であることを知った旨も話されました。
ただ、具体的に私たちの講演会の名称と主催団体名をあげてくれなかったことがとても残念でした。
しかし、休憩時間に「防衛省市ヶ谷記念館を考える会」共同代表の春日恒男さんがご挨拶に伺ったところ、石田氏はパネリストの戸谷由麻氏(ハワイ大学教授)をご紹介くださいました。
戸谷氏は市ケ谷記念館に関心があり、私たちの東京裁判70年記念吉田裕講演会の配布資料も読まれたとの由。
そして、さらに戸谷氏は同じくパネリストのディートリック氏(国際ニュルンベルク原則アカデミー副所長)をご紹介くださいました。
ディートリック氏は前日、市ケ谷記念館を訪問して、その貧弱さに驚いたことを話されました。
戸谷氏やディートリック氏など著名な研究者が市ケ谷記念館の現状に関心を抱いていらっしゃることがわかったことだけでも、今回の大きな収穫でした。
今後もこれらの人たちと連携を図っていきたいと思っています。
閉会の挨拶で、林博史氏(関東学院大学経済学部教授)が「5月にドイツで東京裁判70周年のイベントが開かれました。今日は東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センターが主催してくれました。本来であれば我々(戦争責任資料センターなど)が開かなければなりませんでした」と反省の念を語っていました。
小さな市民団体である「防衛省市ヶ谷記念館を考える会」が主催した「東京裁判70年記念吉田裕講演会」の意義が大きかったと自負しています。
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主催:東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター
後援:ドイツ学術交流会・ドイツ連邦共和国外務省
国際刑法におけるニュルンベルグ裁判と東京裁判の今日的意義
東京裁判70周年・国際刑事裁判所ローマ規程採択20周年記念企画
基調講演:「国際刑法におけるニュルンベルグ裁判と東京裁判の今日的意義ー法学的見地から」
ダーチュン・リュウ(刘大群)判事 (旧ユーゴ国際刑事裁判所上訴裁判部裁判官、国際法廷残余メカニズム裁判官、常設仲裁裁判所メンバー、 万国国際法学会メンバー、中国法政大学教授)

パネルディスカッション:
司会: 石田勇治
東京大学大学院教授。『過去の克服-ヒトラー後のドイツ』(白水社、2002年)、『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書、2015年)等。

「ニュルンベルグ裁判と東京裁判の遺産」
ヴィヴィアン・ディートリック
International Nuremberg Principles Academy副所長

「東京裁判における検察側と弁護側の責任論の争点」
戸谷由麻
ハワイ大学歴史学部教授、スタンフォード大学フーヴァ一研究所客員研究員。『東京裁判一第二次大戦後の法と正義の追求(新装版)』(みすず書房、2018年)、『不確かな正義-B⊂級戦犯裁判の軌跡』(岩波書店、2015年)等。 

「東京裁判とニュルンベルグ裁判ー二重基準?」
デイヴィッド・コーエン
人権と国際正義の為のWSD半田センター所長、スタンフォード大学教授。人権と国際正義の為のWSD半田センター所長。『東京裁判「神話」の解体-パル、レーリンク、ウェブ三判事の相克』(ちくま新書、2018年)は戸谷由麻と共著。

芝健介
大阪経済法科大学(東京麻布台セミナーハウス)アジア太平洋研究センター客員教授、東京女子大学名誉教授。『ニュルンベルク裁判』(岩波書店、2015年)、『ホロコーストーナチスによるユダヤ人大量殺教の全貌』(中公新書、2008年)等。
ダーチュン・リュウ判事

総括コメント:
林博史
関東学院大学経済学部教授。『戦犯裁判の研究一戦犯裁判政策の形成から東京裁判・BC級裁判まで』(勉誠出版、2010年)、『BC級戦犯裁判』(岩波新書、2005年)等。
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ニュルンベルグ裁判所条例 および同裁判所の判決において認められた国際法の諸原則(ニュルンベルグ諸原則の定式化)
一九五〇年採択(国際法委員会第二会期)
第一原則 国際法上の犯罪を構成する行為を犯したいかなる者も、それについて責任を負い、処罰されなければならない。
第二原則 国際法上の犯罪を構成する行為に対して国内法が刑罰を科していないという事実により、当該行為を犯した者が、国際法上の責任を免れることはない。
第三原則 国際法上の犯罪を構成する行為を犯した者が、元首又は責任ある政府職員として行為したという事実により、その者が、国際法上の責任を免れることはない。
第四原則 ある者が政府又は上官の命令により行為したという事実により、その者が国際法上の責任を免れることはない。ただし、その者にとつて、道義的選択が実際に可能であったことを条件とする。
第五原則 国際法上の犯罪について容疑をかけられているいかなる者も、事実及び法について公正な裁判を受ける権利を有する。
第六原則 以下に掲げる犯罪は、国際法上の犯罪として処罰することができる。
(a)平和に対する犯罪
 (ⅰ)侵略戦争又は国際的条約、協定若しくは保証に反する戦争の計画、準備、開始又は遂行
 (ⅱ)(ⅰ)にいう行為の実行についての共同計画又は共同謀議への参加
(b)戦争犯罪
  戦争の汝規文は慣例の違反川井跡転吼を含むがこれに限定されない。いかなる目的によるのであれ文民の殺人、虐待若しくは奴隷労働のための移送、又は占領地におけるそれらの行為、又は、捕虜若しくは海上のある者の殺人若しくは虐待、人質の殺人、公有若しくは私有財産の掠奪、都市、街若しくは村落の放縦な破壊、又は軍事的必要により正当化されない荒廃化
(c)人道に対する罪
  文民に対して行われた殺人、残減、奴隷化、強制移送その他の非人道的行為、又は政治的、人種的若しくは宗教的理由による迫害。ただし、これらの行為がいずれかの平和に対する犯罪又は戦争犯罪の遂行中に又はそれらと関連して実行された場合に限る。
第七原則 第六原則に掲げる平和に対する犯罪、戦争犯罪または人道に対する犯罪を犯すことについての共同謀議は、国際法上の犯罪である。

【会場で配布された資料】
東信堂刊「ベーシック条例集」(2009年版)より
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(了)


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