葵から菊へ&東京の戦争遺跡を歩く会The Tokyo War Memorial Walkers

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外交防衛委員会で「市ヶ谷記念館の展示改善に関する請願」は保留(事実上の不採択)

2016年12月15日 | 歴史探訪<市ヶ谷台・防衛省・東京裁判>

延長された第192回国会は昨日が最終日でしたが、自・公は悪法の成立を狙ってさらに延長しました。
参議院外交防衛委員会は、昨日の午前中開かれ、付託された請願全てが「保留」になったとようです。
国会の請願審査は「採択」「不採択」「保留」の議決になりますが、会期末に審査されますので「保留」は事実上の「不採択」と同意語の扱いとなっています。

「市ヶ谷記念館の展示改善を求める会」事務局は、岩波ブックレット「東京裁判」の著者である立命館大学名誉教授赤澤史朗さんともご相談しながら、来年の通常国会に向けた運動についての方針をつくりたいと考えています。

「外交防衛委員会に付託された請願一覧」
1 戦争法である平和安全保障関連法を速やかに廃止することに関する請願
59米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、沖縄県内移設の中止に関する請願
63核兵器全面禁止に関する請願
85辺野古新基地建設工事の中止と普天間基地の無条件撤去に関する請願
156憲法違反の戦争法(安保法制)の即時廃止に関する請願
170沖縄・高江でのヘリパッド工事中止を求めることに関する請願
185米軍属による凶悪犯罪に抗議し、米軍基地撤去を求めることに関する請願
409安保法制(戦争法)を、南スーダンPKOに参加する自衛隊に発動せず、速やかに廃止することに関する請願
414市ヶ谷記念館の展示改善に関する請願
463安保法制(戦争法)の発動を許さず、自衛隊に駆けつけ警護など新任務を付与せず、南スーダンからの撤退を求めることに関する請願
589沖縄に新しい基地を造らせないことに関する請願
856沖縄県民の民意尊重と基地の押し付け撤回を求めることに関する請願
1062安保法制(戦争法)の即時廃止に関する請願
1146戦争法の廃止に関する請願

・・・・・・・・引用・・・・・・・・・・・・・・・
市ケ谷記念館の展示改善に関する請願

一 請願の趣旨
「市ヶ谷記念館」とは、防衛省庁舎B棟西側にある施設です。本記念館を構成している旧1号館大講堂は、極東国際軍事裁判(以下、東京裁判)法廷の遺構であり、平成10(1998)年、防衛省(当時は防衛庁)が港区桧町から新宿区市谷本村町の現住地に移転する際、市ヶ谷台旧1号館保存運動がおこり移設復原したものです。 現在、防衛省は本記念館を中心に見学ツアーを実施していますが、現行の展示は東京裁判の歴史的重要性を伝える内容とは言えません。市ヶ谷台旧1号館保存運動の目的及び、その運動の結果、参院本会議で採択された「歴史が刻まれた建造物としての1号館の保存に関する請願」(1994年)の趣旨が東京裁判の歴史的重要性にあったことは明白であり、これを踏まえると本記念館の現状は誠に遺憾な事態です。 2010年11月21日、ドイツ連邦共和国は「ニュルンベルク国際軍事裁判」法廷上階に「ニュルンベルク裁判記念館 Memorium Nuremberg Trials」を建設しました。同館では実際に使用された被告席や当時の映像資料のみならず東京裁判の展示もあります。その開館式典では独外相は「過去を知らずして、過去から未来のために学ぶことはできない」と述べ、世界史上で重要な役割を果たした裁判をその現場で後世に伝えていく意義を強調したと伝えられています。このようなドイツの姿勢を鑑みるとき、なお一層、私たちは本記念館の現状を座視することができません。 本記念館を構成している旧1号館大講堂は、戦前、陸軍士官学校、大本営陸軍部等に使用された第一級の「戦争遺跡」でもあります。「防衛庁の市ヶ谷移転」という偶然の結果、しかも、本来は消滅する運命であったにもかかわらず、奇跡的に生き残ることができたのです。先の大戦の「裁き」を受けた場所が<防衛省>構内に現存するという事実は世界でも類例がなく、歴史的、文化的、政治的にも見ても貴重な施設です。 本年は東京裁判開廷70周年に当たります。私たちは、以下、列記したように「市ヶ谷記念館」の展示内容をその歴史的重要性に相応しいものに変更し、有効活用を図ることが目下の急務と考えます。何卒、貴院でご審議くださるようお願い申し上げます。

二 請願事項
1 極東国際軍事裁判(以下、東京裁判)の裁判官、検察官、弁護人、被告人の肖像写真とそのプロフィールを館内に展示すること。
2 極東国際軍事裁判所憲章などを含め、裁判の経過を図示し、その中で検察官の主張、弁護人の主張、被告人の主張、裁判官の判決を館内に展示すること。
3 東京裁判に関する内外の公刊資料を収集し、館内に展示すること。
4 東京裁判に関する映像資料(記録映像)を館内で上映すること。
5 「市ヶ谷記念館」設立の由来に、歴史が刻まれた建造物としての1号館の保存に関する請願採択(平成6年1月)がなされたことを明記すること。
6 大講堂内に当時の法廷を復原すること。
以上

管理人の現職時代に新宿区議会が全会一致で議決した意見書を添付します。
・・・・・・・・引用・・・・・・・・・・・・・・・



「市ヶ谷台一号館」の保存を求める意見書
 防衛庁の市ヶ谷地区への移転計画に伴って、現在市ヶ谷駐屯地内にある「市ヶ谷台一号館」が取り壊されようとしています。
 昭和十二年に陸軍士官学校の庁舎として建設された「市ヶ谷台一号館」はさきの大戦において大本営、参謀本部、陸軍省等がおかれ、戦後はその大講堂において、「極東国際軍事裁判」が行われています。
 わが国の歴史が刻み込まれた、この「市ヶ谷台-号館」は、重要な建造物として政府の責任において保存すべきであります。
 右、地方自治法第九十九条第二項の規定に基づき東京都新宿区議会の議を経て意見書を提出します。
 平成五年十二月一日
          小倉喜文
内閣総理大臣
大蔵大臣
文部大臣   
防衛庁長官
         あて


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