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おい安藤!何が世界に誇るザハ案だ!なれ合い国際コンペ審査の×△評価が“最優秀”とは日本の恥だ!

2015年07月11日 | 東京都政・東京五輪・新国立競技場・神宮外苑開発
 JSC(独立行政法人日本スポーツ振興センター)の新国立競技場設置準備本部と新国立競技場基本構想国際デザイン競技審査委員会(委員長安藤忠雄氏)が公募した46作品を公正に審査し、最優秀作品にザハ・ハディド アーキテクト作品(作品番号17)を選定しました。管理人は、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」のサイトにあった次のPDF資料を分析しました。「有志の方」が、JSCに情報の開示請求をして、入手されたものだと思われます。

(2014.07.26)
デザインコンペ審査議事録
▼第一回審査委員会-1
▼第一回審査委員会-2
▼第二回審査委員会
▼第三回審査委員会
▼技術調査事前説明会-1
▼技術調査事前説明会-2
▼技術調査結果第一次審査-1
▼技術調査結果第一次審査-2
▼技術調査結果第二次審査対象
▼作品番号対応表
 その結果、不真面目、なれ合い、いい加減な「結論先に在りけり」の審査だったことが解りました。
 応募デザインは46作品でした。▼作品番号対応表
(クリックで拡大)
 ▼技術調査結果第一次審査-1を見ると「作品17」は「◯」が33。「△」が30。なんと「×」が7も!。
「×」の所見には「最高高さを超えている(約80m)」「JRを超えて北側と連絡するデッキがある」
「△」の所見には「最高高さが規定の高さを超えている(約80m)」「鉄道跨線橋デッキや都道414号車両アクセスについて要調整」線路北側から渡ってアクセスする跨線デッキ2本をアクセスの重要な軸としており、調整が必要」「線路北側から渡ってアクセスする跨線デッキ2本について調整が必要」
 管理人が、先のブログ記事で指摘してきた、JR中央線・総武線を渡り、新宿区道43-120号に接続する2本のスカイブリッジは、「計画指定範囲」を大きく逸脱していることと、工事費、工期から実現不可能であるデザインなのです。
 さらに新宿区道までのラインを伸ばしたデザインにするからこそ、高さが80メートルにもなってしまうのです。
▼第三回審査委員会の議事録に次の三つの表がありました。

この表は第一次選考で応募46作品を11作品に絞り、10人の審査員が順位1・2・3を評価した一覧です。
「作品17」を1位と評価したのは10人中僅か3人なのです。
それを何とか理屈を付けて「2」「17」「34」の三作品に絞り、採点をしました。


なんと!三作品とも19点と同点なのです。
そこから、こんな議論が展開されていきます。(傍線は管理人)
【河野理事長】(JSC河野一郎理事長です) それでは、安藤委員長にまとめていただきたいと思います。
【安藤委員長】 先ほどの点数表では、2番、17番、34番が同じ点数になっている。
ここで検討しなければなりません。そのときに、日本が世界に発信する力というイメージを皆さんとお話をしして決めていきたいと思います。技術的な問題と機能的な問題等、この施設がどのように使われていくかということも含めてです。どの案にしても、設計者と相当議論しなければならないでしょう。
決めた後に相当に話し合わないと、設計者というのは大体自己中心的な方が多いから、なかなか要望を聞きません。2番も、17番も34番も大きな事務所ですから、事務所が大きいということは話し合える人たちがいるということで、ある程度安心できますが、話し合いを最低限しなければならない。例えば高さの問題等も含めて、景観の問題をしっかり考えなければなりませんので、どの案にしても相当な修正が要るだろうと思います。
 1位を発表するときに、委員会の意見をしっかりと決めておかないといけないのではないか。曖昧にするのではなく、この案が絶対的なのだというところからスタートしないと、中途半端なことになってしまいます。今まで長い間、委員の皆さんと議論をしてきましたから、このチームできっちりと責任をとるということが必要だと思っています。
 この中ですと、圧倒的に2番か17番なのでしょうから、2番か17番かを決めましょう。
【◎委員】 もし議論で決まらないなら、委員長の判断で決定しようか。
【◎委員】 コンペの審査で票が割れたときは、委員長の1票は、2票か3票に重みがあると判断すべきと思いますが、いかがでしょうか。
【安藤委員長】 もう一回、2番と17番についての応援演説をいただきましょうか。
【◎委員】 安藤委員長を2票としていいのではないでしょうか。

【安藤委員長】 私は、日本の技術力のチャレンジという精神から17番がいいと思います。ただし、Zahaと相当話し合わなければならない。例えば芝生の問題があります。高さは10メートル高い。そういう問題も含めてチャック事項がたくさんありますが、17番がいいと思います。どうでしょうか。

【河野理事長】 いかがでしょうか。              (「賛成」の声あり)
【河野理事長】 それでは、委員長発言のとおり、17番、2番、34番の順位とします。
(中略)
【河野理事長】 いろいろ懸念が先に出てきてしまい、本来的に我々が意図しない方向に行ってしまうのは避けたいと思います。
【安藤委員長】 発表の仕方として強いインパクトを持ってこれを推すんだと言わないと、このプロジェクトに1,300億円もかかることもあり、この委員会が少しでも揺れたことで、ネガティブに受け取られるのは本意ではありません。思い切ってはっきりどんと言ったほうがいいと思いますので、そういう原稿の下書きをして、各委員に見ていただきます。
(中略)
1等の建築は相当なものですから、この作品が日本の技術力で完成できるとなれば、世界でそれほどの技術力がある国は少ないですから、そのインパクトは相当あるだろう。材料も、工法も、構造技術も、設備技術も、日本の優秀さを表現できるという意味では、私は建築家として非常によいことだと思います。世界中の注目の的になればさらによいので、これからしっかり発表していきたいと思っています
【河野理事長】 委員長のお話を日本スポーツ振興センターとしてもしっかり受とめながら先へ進めたいと思います。
── 了 ──
 これを読んで、お茶坊主の河野理事長やおべんちゃら委員たちに腹が煮えくりかえりました。
 結局は安藤忠雄氏の思惑とシナリオ通りに、ザハ案による建設計画が決まっていきました。

   

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