葵から菊へ&東京の戦争遺跡を歩く会The Tokyo War Memorial Walkers

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東葛看護専門学校FWレポート

2008年03月19日 | 歴史探訪<靖国神社>

 さる2月4日から6日まで千葉県流山市にある東京勤医会東葛看護専門学校の地域フィールドワーク(平和チーム)を案内し説明をしました。生徒4人(男子2女子2)教師1人でした。      3月11日に研究発表があり、レポートが送られてきましたのでご紹介します。

コース等については2月9日の投稿をご覧下さい。

『 以前は戦争や平和という言葉を耳にすると、広島・長崎の原爆に代表されるように、被害国=日本というイメージだった。しかし、3日間のフィールドワークを通して日本の戦争の歴史は明治時代を境に始まっていること、植民地化されないように、天皇中心の帝国主義体制のもとで、侵略戦争をした。そして、アジア諸国の犠牲のもとに、近代化を図ることで欧米列強に肩を並べたという加害の歴史もあるということを知った。

 今回の私達のテーマである平和と医療、加害の代表的であった731部隊の実験は、戦争に勝つためのデータを集めるために、他国の捕虜に対して強制的に繰り返し人体実験を行なったことで、医療が発展していった。これは、決して医療を発展させようと思い行なってきたものではない。しかし、皮肉にもこれらのことは現在の医療と深く繋がりがあるという事が分かった。

 そしてフィールドワークから学び、「平和と医療について考える」というテーマに沿ってレポートをまとめる中で、まずは明治時代からの歴史を紐解くことからはじめることにしていったが、今まで私達が勉強してきた日本史というものは、年号や人物をただ覚えるという暗記の科目で、深く勉強してこなかったことに気づいた。高校時代に使用した教科書とその他多くの資料を参考にして学んでいったが、それぞれ内容に若干の違いや、情報として不足している部分もあり、何を基準に学んでいったらよいのかわからなくなってしまつた。今まで、高校の教科書が全てだと思っていたが、それだけでなく様々な情報を併せてみていくことで、教科書にはない政治的、経済的な背景まで含めた歴史がみえてくることがわかった。

 近年では、有事関連7法案が施行され、法律の範囲ではすでに再び戦中の国家総動員法に近づいている形になつており、戦争が起これば私達医療従事者を含め、様々な職種の人たちが目の前の仕事を中断し、戦争へと駆り出されてしまう。また、私達が普段口にしている食糧や、ありとあらゆる物資が戦争のために使われ、国民の暮らしはますます苦しくなってしまうだろう。憲法9条は、日本が戦争をしなくてすむ最後のバリアみたいなものだ。

 近々、そのバリアが壊されようとしている。だから、医療と深く関わっている戦争や平和について、身近なこととして、もっと危機感を持って考えなければならないと感じた。』

レポートを読んだ管理人のコメントです。

これまで行ってきた横田、横須賀基地や戦災資料センターと靖国神社見学のFWではなく、、今回の加害事実と正面から向き合った三日間のFWは成果が有ったと思います。

特に防衛省防衛省市ヶ谷台ツアーはイージス艦「あたご」事件もあったので現在の日米安保体制について深く学べたと思います。

レポートは、明治維新から現代までの近現代史を平和と戦争の視点に立った「縦糸」と「軍人教護法」から始まる「医療と福祉」を「横糸」で織りなす素晴らしいものでした。織られた布地には「憲法九条」の模様がくっきりと浮かび上がってきます。

戦争責任では東京裁判とニュールンベルグ裁判を比較したことは立派です。

しかし、ニュールンベルグ裁判で虐殺に協力した医師達が極刑になったことと、戦犯を免責された石井四郎達にもっと鋭く迫ったならば「100点満点」を付けたいですね。

「孫たちの戦後責任」通称マゴセンというグループがありました。現在は戦後責任ドットコム
http://sengosekinin.peacefully.jp/index.html
となっています。

平和チーム4人の「孫たち」がこれから「医療と平和」問題を医療現場で実践する看護師になってくれることを心から期待します。

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