今日から管理人は75歳の後期高齢者となった。変形性股関節症の自骨保存のために杖をついた老人だ。しかし勉強したいことが色々と出てくるので、精神面では楽しく毎日を過ごしている。
金沢市と新宿区の繋がりから、泉鏡花の作品を読み始めたが、「豫備兵」という小説を読んでビックリした。日清戦争中の金沢市内の生々しい情景が描かれていた。「軍都金沢」を研究している、石川県立歴史博物館学芸課長の本康宏史氏の著作「軍都 慰霊空間―国民統合と戦死者たち 」によれば、泉鏡花は、日清日露戦争や軍人を題材にした作品は「豫備兵」「海戦の餘波」「琵琶傳」「海城發電」「勝手口」「凱旋祭」「きぬぎぬ川」「軍人留守宅見舞の文」「外國軍事通信員」「柳小島」の十編といわれる。夏目漱石が日露戦争に出征するのを嫌って、北海道に本籍を移して「徴兵拒否」をしたように明治の文学者達にとって二つの戦争は大きな影響をしたと思われる。(当時、北海道は屯田兵制度であったので徴兵はされなかった)