明美指圧はりきゅう室の健康歳時記

季節の変化を身心で感じていますか?

痛みについて ①

2011-06-12 22:23:35 | 学問

先週参加しました漢方講座を踏まえ、東洋医学の痛みの捉え方をご紹介します。

西洋医学では、痛い場所により受診する科が異なります。

そこで診察、検査などで原因を突き止め、

原因部位の治療をする。場合により手術で取り除くことで痛みが消失。

または痛みで日常生活がままならない場合、痛みを抑える薬を使用する。

以上のような治療が主になると思います。

東洋医学では、痛い場所だけでなく全身の状態も改善していく治療を行います。

診断法

☆ズキズキ痛む、触れられるのを嫌がる、急激な痛み・・・・・実痛(じっつう)

☆しくしく痛む、触れられると気持よい、緩やかな痛み・・・・虚痛(きょつう)

☆温めると楽になる・・・(かん)・・冷えによるもの

☆冷やすと楽になる・・・(ねつ)・・熱をもっている

☆痛い部位が移動する・・・・・()の病

☆痛い部位が固定している・・・(けつ)の病

さらに問診により、原因を判断していきます。

☆外因 (風、暑、湿、燥、寒、火)・・・・外部の邪に中られる。

☆内因 (怒、喜、思、憂、悲、恐、驚)・・感情の変化によるもの。

その他、食べ過ぎ、働きすぎ、外傷・・・など外因でも内因でもないもの

以上を総合判断し、診断、治療法が決定します。

治療法

今回の漢方講座では、

☆実痛・・・(しゃ)、余ったものを除く。

☆虚痛・・・()、足りないものを補う。・・・人参、当帰などの補剤。

☆寒邪・・・温める。・・・・・・・・・・・・・附子、当帰などで温める。

☆熱邪・・・冷やす。・・・・・・・・・・・・・石膏、知母などで冷やす。

☆氣滞(氣の病)・・・・・・・・・・・・・・・・柴胡などで氣を整える

☆血滞(血の病、瘀血)・・・・・・・・・・・・・駆瘀血剤で血の循環改善

☆水滞(水の病)・・・・・・・・・・・・・・・・駆水剤で水の循環改善

他にも色々な生薬、処方の発表がありましたが、省略させていただきます。

生薬単品でなく、生薬の組み合わせにより薬効の相乗効果があるようです。

また世良田先生は、痛みの変化に伴い処方を変えていらしたので、

私は信頼できる先生だと感じました。

一度処方したら同じ漢方薬を飲み続けるのは、私は?です。

鍼灸もその都度、診断し直しツボを変えていきます。

世良田先生は、

西洋薬の鎮痛薬長期服用は、身体を冷やし、痛みを長引かせる場合があり

注意が必要とのことでした。また再発する確率が高いようです。

漢方薬は再発率が低いと説明されました。

これは、痛いところだけを治療するのでなく、身体全体を整えるからですね。

漢方薬治療では、以上のように主に氣、血、水のバランスを整え

原因(外因、内因、その他の要因)を取り除くことで痛みを消失させます。

漢方=東洋医学。と思われがちですが、

私たち鍼灸師の行う診断、治療法は以上にあげたことも含まれますが、

微妙に異なるところがあります。

そのことについては、後日説明いたしますね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする