女声合唱団スウィング ロビンのレッスンには間に合うように帰りたかったのだが、中央本線の小淵沢~高尾が不通とあっては、身動きがとれず断念。結局、諏訪湖畔の滞在が1日延長となった。
不通の原因は、複数箇所での倒木とのことだが、それを知ったのも17時過ぎ。朝からかけ続け、ようやく通じたJR東日本のサポートセンターへの電話によってである。ホームページには「大雪の影響で不通」としか書かれておらず、もし朝一番に倒木を知っていたら、復旧をアテにせず、別ルートでの帰宅を考えたかも知れない。
たとえば、上諏訪から塩尻まで在来線普通。塩尻から長野まで「ワイドビューしなの号」。長野から東京までは長野新幹線という乗り継ぎなら、なんとかなっただろう。
しかし、結果的には、1月30日の「マタイ受難曲」本番直前ということもあり、そうしなかったのは正解だったと思われる。疲れて風邪でも引いたら、元も子もない。
宿と隣接する片倉館の千人風呂を訪ねたのは、20余年ぶり。25メートルプールのような浴槽と思い込んでいたのだが、そこまで巨大ではなかった。ボクの記憶は全くアテにならない。
写真上は正午ごろに入口方向から、下は19時頃に諏訪湖方面から撮影したもの。パンフレットによれば、シルクエンペラーと呼ばれた二代目片倉兼太郎の呼びかけにより1928年(昭和3年)に完成された地域住民のための保養施設。森山松之助(1869 - 1949)設計による国重要文化財である。
湯上がりには、雪を踏みしめつつ湖岸まで歩いた。空気は冷たかったが、千人風呂の温もりをもってすれば湯冷めの心配もない。対岸に揺らめく灯りが儚くも美しかった。
皇室にも愛されるという由緒ある宿で、温泉に浸り、諏訪湖を眺めるほかないというノンビリした時間を頂けたことは誰からのプレゼントだろう。もちろん、宿にも味のある温泉があり、朝昼晩と温泉三昧。昨年からフル稼働だっただけに、ここで良質のエネルギーをチャージできたのは大きい。
※因みに、ボクの部屋は、宿ご自慢の数寄屋造りによる「菊の間」であるわけはなく、ただの平民部屋である。