本日は、久しぶりにコーラスの仕事がオフだったので、宇野功芳先生が振られた女声合唱のレコードを聴くこととした。
それが、わたしにとって、宇野先生を偲ぶにはもっとも相応しい選択であると思えたからである。
宇野先生のご著書でだけ存在を知っていた伝説の「KTU女声合唱団」。昭和41年~48年にかけての8年間の記録。
「KTU心の歌」と題された2枚のレコードは、数年前、中古ショップで偶然に見つけたもので、第1集には最初の6年間がダイジェストで、第2集には最後の年のリサイタルの模様が収められている。
大中恩、中田喜直、モーツァルトを核としたレパートリー、自在なルバートを伴ったスコアの指示を超える演奏スタイルも、後の宇野先生の礎となっているのがよくわかる。
リリー・クラウスを感動させたという歌声の純粋さと、表現の一途さは、後のプロのコーラスからは聴けないもの。
惜しむらくは、録音が良くないこと。
しかし、昭和40年代の民生機器事情を考えれば、致し方あるまい。
日本女声合唱団を振られた「宇野功芳・女声合唱指揮リサイタル」には、第1回を除く第2回から第5回を会場で聴いた。
レコードから、当時の会場の空気感が蘇ってきて懐かしかった。
最初のトリオ・レコードの2枚は、菅野沖彦録音によるもので、優しい空気感に満たされている。
久しぶりに棚から取り出したレコードのジャケットからは、当時のパンフレットやらチケットが出てきて、わたしを喜ばせた。
あまり、この手のものを蒐集する趣味はないのだが、レコード・ジャケットになら保管しやすかったのであろう。
直径の小さなCDではできない芸当だ。
もっとも、チケットに関しては、最近のコンビニ発行の味も素っ気もないデザインでは、コレクションする価値もなさそうだけれど・・・。
しかし、やはり、宇野先生には女声合唱が一番よく似合う。
そんなことを再認識した一日であった。