
大阪フィル定期を目前に控え、昨夜は道義先生による合唱マエストロ稽古(ピアノ)。
我々が挑む作品は、ショスタコーヴィチの交響曲第2番、第3番である。ショスタコーヴィチの交響曲中にあって、演奏頻度の少ない(=人気も高くない)両作品を敢えて並べる、という辺りがマエストロらしくて良いなぁ。
音楽自体は、ショスタコーヴィチの天才性の発揮された独創的なもので、これらを生で耳にできる機会を逃す手はない。次に聴くことのできるのはいつになるか分からないからである。マエストロ自身、あの日比谷でのツィクルス以来とのこと。
問題は、両作品の最後に登場する合唱のテキストだ。ロシア語の発音の難しさはさておき、ソビエト連邦共和国の社会主義を讃え、レーニンを崇め奉るという内容。権力に阿る文学がいかにツマラナいものになるか、という見本のようなのだ。しかし、こうした作品を過去の遺物として演奏できることも幸せなことと考えることもできよう。
極上プリンアラモードを食べて臨んだ闘争であったが、マエストロには大阪フィル合唱団の出来栄えにご満足頂けて一安心。なんといっても、音楽は実に面白く、今宵のオーケストラ合わせが楽しみでならない。
