福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

モーツァルト命日追悼コンサート ~ 大阪支部レッスン開始!

2017-04-12 00:12:03 | コーラス、オーケストラ

Mozartian Chorus Japan 大阪支部 FB記事より

「4/11(火)初練習は35名の皆様にお集まり頂きました。とてもいいメンバーに恵まれ、雰囲気も良い練習会となりました。
Lachrimosaまでザッと通し(!)1曲目とLachrimosaを返しました。
次回はOffertorium以降をザっと通して初めての方にも曲の雰囲気を感じて頂き、後半の曲を返す予定です。5月以降は音とラテン語のドイツ発音の確認を中心に、じっくりと練習を進めます♪
発声の基礎から、言葉へのアプローチ、音楽の作り方など、モーツァルトのレクイエムを通して新らしい発見を体験していただける機会になればと思います。
途中参加も大歓迎です♪」

モーツァルトの命日に聖シュテファン大聖堂に「レクイエム」を奉納するための合唱団、

即ち、Mozartian Chorus Japanの大阪支部のレッスンがスタートしたという嬉しい知らせが届きました。

大阪支部は、ボクの信頼する眞木喜規さん、北爪かおりさんというお二人によりご指導。

時期がきたら、わたしも何度か指導に伺う予定です。

『本日モツレク初練習でした♪予想以上にたくさんの方にご参加頂きました♪
皆さん明るくて素敵な雰囲気です。時々も笑いもありつつ、講師陣は出し惜しみなく、発声・発音・音楽のアドバイスをしております。
第2・4週火曜18:30-20:30@東梅田教会
ご見学・途中参加、大阪演奏会のみ・練習のみのご参加も大歓迎です♪』(北爪かおり)

とのこと。

順調な船出だったことを知り、とても嬉しく思っているところです。

以下、主催のエムセックの岩本様の記事と写真を転載致します。

「11/16のオペラシティでのモーツァルト「レクイエム」特別コンサート、12月にウィーンの聖シュテファン大聖堂で開催予定の「モーツァルト命日追悼コンサート」に向けての練習が、いよいよ開始となりました。
今日は大阪練習会に伺い、北爪先生、眞木先生による熱心なご指導のもと、初回とは思えない素敵なハーモニーを聴かせて頂きました🎵

今週金曜日には東京での練習も開始します。
11月、12月のコンサートが今からとても楽しみです😊

11/16の国内コンサート、12月のウィーンツアーともに、お申し込み期日は過ぎていますが、まだお申し込みをお受付致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい🎵

詳細はこちらから↓↓↓
https://www.facebook.com/mcecinternational/ 」

東京の練習会は、いよいよ今週金曜日=14日・18時45分より、東京芸術劇場リハーサル室(地下)にてスタートします。

然るべき音楽的なレベルは求められますが、ご見学、ご体験もご自由です。こぞってご参加下さい。

追伸

神奈川県厚木市での練習は、混声合唱団ヴォイスにておこなっております。

レッスン日は、基本的に毎週土曜日の午前10時より12時まで。

今後の練習日程、会場、会費など、詳細は、混声合唱団ヴォイスのホームページにてご確認下さい。

 https://konseivoice.jimdo.com


ヤノフスキ「神々の黄昏」2日目

2017-04-07 10:06:52 | コンサート


少し遅くなったが、やはり書き残しておこう・・。

東京春祭ヤノフスキ&N響のリングがついに終わってしまった。

「ラインの黄金」こそ初日のみの観劇であったが、その後の6公演にはすべて足を運んだ。始まったときには、先は長いと思ったものだが、終わってみるとあっという間であった。

総合的に2日目はかなり復調。第1幕からオーケストラに集中力と余裕があった。

初日欠席のソプラノ: クリスティアーネ・リボールには、ブリュンヒルデの気品、貫禄が備わっており、舞台がグンと引き締まった。初日のレベッカ・ティームの直向きさも好感の持てるものであったが、ブリュンヒルデには特別な風格が必要なのだと改めて実感した次第。
終幕「ブリュンヒルデの自己犠牲」の最後の一声ではその、我が脳天から背中にビリビリと電気が走った。これぞ、オペラの醍醐味。この感覚を久しぶりに味わえたのは本当に幸せであった。

ハーゲン、グンター、グートルーネ、ヴァルトラウテ、アルベリヒらも初日以上に伸びやかな演技で申し分なし。

その一方、ジークフリートのベズイエンの大化けはなかった。初日より若干の声量アップはあったものの、相変わらず楽譜の棒読みはいただけない。例えば、一幕で薬酒を飲む前と後の表情や声の変化も全くないなど、終始芝居の外にいたのは否めないところだ。

オーケストラはよかった。初日こそ「キュッヒルとその他大勢」の様相をみせていた弦楽セクションも、随分落ち着いたパフォーマンスになっていた。これは、キュッヒルが自己を抑制したことで、先を行き過ぎることなく、美しい一体感をみせていたことに起因しよう。木管群の歌心やアンサンブル、金管群のバランスの良さなど、全体に素晴らしいパフォーマンスであった。

一方、第3幕、ラインの乙女の三重唱は初日よりマシだったが、まだまだ・・。

評判の芳しくない舞台後方の映像。「ラインの黄金」から一貫して全く存在感がなく、殆ど記憶に残らないものだが、裏を返せば妙な自己主張がなかったのは幸いとも言える。少なくとも音楽の邪魔とはならなかったことは吉としておきたい。



何と行っても最大の功労者はヤノフスキ。まったく外連のないステージマナーそのものに、その演奏にも過剰な表現は全くない。
クナやマタチッチのようは巨大な造型や腸に響く豪壮さはない代わりに、厳しく快適なテンポはこびと、引き締まったサウンドは、これはこれで立派なワーグナーである。

しかし、その中にあって、「神々の黄昏」2日目には、ところどころ、日頃は無縁なロマンの片鱗の如き熱いカンタービレを垣間見せたあたり、(あくまで、わたしの想像に過ぎないが)この巨匠の胸に、四年にわたるリング最終章への熱い感慨が生まれたのかも知れない。



さて、終演後のロビーにて記念に購入した軽井沢・丸山珈琲のワーグナー・セット。4種のブレンドには、リング4作のタイトルが名付けられている。それぞれ、どんな香りを楽しませてくれるのか?

東京春祭 ヤノフスキ「神々の黄昏」初日

2017-04-02 09:06:32 | コンサート


いよいよ、東京春祭の「リング」も大団円。前回「ジークフリート」の感動の記憶から期待して臨んだが、残念ながら、手放しで絶賛できる出来映えとはならなかった。

以下は、移動時間を利用しての走り書き。

まずは、ブリュンヒルデ役のクリスツィアーネ・リボールとジークフリート役のロバート・ディーン・スミスの主役2人が、公演直前に音声障害からリタイアという前代未聞のアクシデント。

WBC開幕直前に筒香と中田がインフルエンザから戦線離脱するに匹敵する、否、それ以上のピンチに、関係者の焦りはいかばかりであったか?

代役のレベッカ・ティーム(ソプラノ)、アーノルド・ベズイエン(テノール)の来日が公演3日前の3月29日だったというから、歌手2人にとっても過酷である。

結論として、ブリュンヒルデ役のティームは大健闘。殊に第3幕の「自己犠牲」には、その直向きさに胸を打つものがあった。一方、ベズイエンは声も表情もなく、終始自信なさげで、もう第1幕で背中に槍を刺されても仕方のない大根ぶり。ウォーミングアップ不十分のリリーフ投手が、連続8四死球をやらかしたような惨状とでも言おうか。急な仕事ゆえ、若干の同情の余地はあるけれど・・。

ヤノフスキとN響も低調なジークフリートに呼応するかのように、第1幕こそ集中力を欠いたが、第2幕以降持ち直したのは良かった。

それにしても、コンサートマスター:ライナー・キュッヒルの存在感は半端ない。そこに鳴る音だけでなく、反応のスピード、身体の使い方が他のメンバーと違い過ぎる。ウィーン・フィルでは見られない現象であり、近年好調のN響にもまだまだ目指すべき上があるということだろう。

第2幕以降の舞台をグッと引き締めたのはアイン・アンガーによるハーゲン。声、表現、存在感ともにピカイチ。グンター役のマルクス・アイヒェ、グートルーネ役のレジーネ・ハングラーも役の性格を描いていて素敵だった。

また、エリーザベト・クールマンによるヴァルトラウテも秀逸。短い出番ながら鮮烈な印象を残した。

一方、第3幕冒頭のラインの乙女たちの三重唱の音程の悪さは耳を覆いたくなるほど。単純な長三和音さえハモらないのは深刻だ。

コーラスは、如何にも東京オペラシンガーズという声。

4月4日(火)の2日目には、是非とも、第1幕からの好調を期待したい。

さて、ベズイエンの大化けはあるのだろうか? 

追記
写真のサイン入りポスターは、9枚限定のうち残り2枚、という状況で出会ったため、悩む間もなくゲット。サインが付くだけで1,000円アップというのも、どうかと思うが・・。