明鏡   

鏡のごとく

ただ それだけの理由

2011-02-23 21:26:36 | 
そうです
あなたはあの話を読んでしまったのです
あの話は本当の話です
眼鏡橋の川辺で
男が己の右目に落ちていた石を打ち付けようとしたあの話です

それから
ガラス戸を割って入ることもないのに
どうしてもはいらずにはおれなかったのでしょう
男はがたがたとふるえていたのでした
川に入って寒かったから助けてもらいたかったそうです

きょうきはきょうきにもびょうきにもみえますが
男には理由があったのです
どうしても
そうしなければならないという
ただ それだけの理由が