明鏡   

鏡のごとく

京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報より

2012-05-16 14:36:09 | 日記



http://hiroakikoide.wordpress.com/
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報より 

 石巻のがれき受け入れを検討しているという北九州市であるが、京大の小出氏によると、がれきはその土地で処理することを政府が進めるべきであるということを、述べていた。

 少なくとも、拡散するべきではないということには賛成である。

 がれき受け入れが義務のように詰め寄る人もいる、そのようなわがままを言っていてはイザという時に、誰も助けてくれないと言う人もいるが、がれきの処理の方法等をお聞きすると低レベル放射性物質等が含まれている限りは、被害は最小限に抑え、拡散しないことをまず念頭に置くべきであろう。

『一人一殺』

2012-05-16 14:11:01 | 小説
 ひっそりとして何も語ろうとはしない酒蔵を出ようとした時に、一台の車が帰ってきた。
 この家の方らしい。車から出て軽く会釈をされて、話しかけられた。

「清渓文庫にいらしたのですか?」

「はい、ちょっと寄らせていただいたのですが。誰もおられないようだったので、おいとましようと思っていたところです」

「ああ、そうでしたか。よかったら、中にどうぞ」

 ご婦人は、井上準之助の子孫の妻に当たる方であった。

 酒蔵の横に木の扉があり、そこから、普段使っていたと言う客間や玄関に入れるようになっていた。

 一歩、中に入りよく見ると受付のようなものがあり、普段から一般公開されているようであった。

 個人宅にお茶を頂きに入った訳ではなく、清渓文庫の懐に入ったようなものであった。

「『清渓』というのは井上の号であり、よく書を嗜まれていたとのことです。ご家族も楽器などをよくされて、ご本人は尺八よりも短い尺七くらいのものを吹いていたようです。」

 二間続きの座敷の奥の方を見てみると、確かに使い込まれた和楽器が机の上に置かれていた。

 ふと見上げると、手前の座敷には立派な神棚が祀ってあったのだが、和楽器の置いてある奥の間にはやはり立派な仏壇がある。

「仏壇もあって、神棚もありますが」

「ええ、やはり、お酒を作るものとして、神棚を祀るのは習わしですし」

 神棚のちょうど反対側には、「ハチの一刺し」「九州んもん」なぜか「ニーハオ」というお酒等他にもたくさんのお酒が置いてあった。お酒の上に「国酒」と歴代の内閣総理大臣の名前が書かれた色紙も置いてあった。一番真新しい野田総理のものもあった。

「これは、直接、歴代の総理から送られてくるものなのですか?」

「いえ、酒蔵連盟のようなものに申請してから送られてくるものですが、国の為につくしたものに対するようなものは特にありません」

「そうなのですか」

 どこか、物寂しいものをその言葉から感じつつ、左側に目をやると、背中を向けた黒っぽいフロッグコートが目に飛び込んで来た。