明鏡   

鏡のごとく

『こんぽすと』

2015-01-02 20:18:54 | 詩小説
生きたままダンボールの暗闇とともに送られてきた
おがくずにうもれた蝦は
正月の朝
喰われました
髭と尾をちょんぎられても
おがくずを箒のようにしゅっしゅと這わいては暴れた蝦ですが
背中の曲がった養老の赤と白の縞々のちゃんちゃんこを着たじさまばさまのように
おとなしく無口になるのでした
蝦は身を喰われた後は殻となり
この軽やかな棺桶のようなダンボールで
コンポストになるのでした
微生物に分解されながら
殻はダンボールの棺桶の中に敷き詰められた堆肥になるのでした

「社会保障を受けることだけが目的のEU外国人に 対して、社会保障費の交付を拒否することができる」

2015-01-02 08:31:43 | 詩小説
それはルーマニア人の女性だった。子供を連れて、ドイツのライプツィヒ市に引っ越してきた。

最初の日の分から、ドイツの児童手当(月184ユーロ)と子供の養育費(月133ユーロ)を支給された。
しかし彼女は、それだけでは足りないと思ったらしく、職業センターに生活保護を申請した。

しかし、職業センターによれば、そのルーマニアの女性は、就職口を探していなかった。
ルーマニアでも一度も働いたことがなく(つまり、失業保険を払い込んだことがなく)、
また、これからドイツで働くつもりもなかった。

そこで、職業センターはこの女性の申請を受け付けなかった。

すると、彼女はそれが差別であるとして、社会裁判所(社会保険・失業保険などの係争事件を
扱う地方裁判所)に訴えたのだった。EU裁は、「社会保障を受けることだけが目的のEU外国人に
対して、社会保障費の交付を拒否することができる」という判を下した。