明鏡   

鏡のごとく

10 億分の1秒だけの未来

2016-01-15 17:19:11 | 小説


「新幹線に乗って東京から博多まで1200キロを移動すると、10 億分の1秒だけ未来に行くことができます」

10 億分の1秒だけの未来。

方向さえ間違わなければいけるのだろうか。

ところで。

逆の方向に、つまり、博多から東京へ移動すると、10 億分の1秒だけ過去に行くということなのだろうか。

だとするならば。

地球の自転、公転、宇宙の広がりを与して、高速で移動していたら、未来にも、過去にも行けるということであろうか。

実際、飛行機にのっていると、国と国との時間の境界線を超えてしまうので、現実的には、未来にも、過去にも行っているという不可思議な体験を持つのであるから、その境界線を越えるというやつが、くせものであるのは間違いない。

宇宙の場合、探査機は、広がっているという原初の過去を写しているのか、(よくよく考えて見れば地球から見れば)未来を写しているともいえ、しかも、認識している時点では、現在をも写しているといえるので、その立ち位置に因って、意味は変わるとも言えなくもない。

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