明鏡   

鏡のごとく

The Hiroshima Paneles Tour

2015-08-14 08:40:03 | 詩小説
AMERICAN UNIVERSITY MUSEUM
COLLEGE of ART & SCIENCE

「The Hiroshima Paneles Tour」

を友人と子どもと訪れる。

丸木さんの絵を米国で見た。

黒烏が人の死骸に群がる絵を見た。

いつか聞いた鳥葬を思い出す。

鳥は人の目から啄むことがあるというが、左眼からつつかれたら、悪人。

右目からつつかれたら善人。と聞いたことがある。

しかし、此の絵の人の目は、見開かれたままか、閉じられたままであった。

鳥は、煙のように人に群がり、焼け跡に残る、残酷な燃え果てた後の姿を具現化しているようであった。

人は鳥になるのか。

焼かれてしまった魂は、真っ黒な鳥になるのか。

そのような、昼間なのに暗闇の中に陥れられた人々の内面と外面をさらけ出されたような、無言で見ることしかできなかった、人の苦しみがいつまでも石に壁にキャンバスに心の奥底に黒くこびりついてはなれないのだ。

苦しい。片足だけに残った小さな靴。苦しい。焦げた水筒。

苦しい。苦しい。暑い日のことである。


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