東京オリンピックの行方
8年前に国際オリンピック委員会(IOC)総会で、ロゲ会長(当時)が
「トーキョー」と2020年の五輪開催地を告げた瞬間、理屈抜きで日本
人は歓喜に沸いた。そして、安倍首相(当時)をはじめとする代表団
は、その時、彼らの胸中には限りなく前進する世界とその中心にいる
自分たちの成功を確信したと思う。
しかし2020年に開催されなかった。五輪史上初となる「延期」という
選択がなされた。4年に一度と云う特異な周期での開催が、世界的に拡
大した新型コロナウイルス感染症の影響で余儀なくされた。
そして開催まで4ヶ月となった現在も尚、開催地東京には「緊急事態宣言」
が発令中で、世界的パンデミックも続いている。
そのような現状で4ヶ月後に通常の形での開催は困難であることは云うまで
もなく、最悪「中止」と云う決断も視野に入ってくると思う。
オリンピックと云う人類のスポーツの大イベントとしての持つ意義は計り知
れない価値と影響力がある。
最終的にどのような結論が出されるのは分からないが、アスリートたちの今回
に賭ける想いを考え、国民や大会に関わる全ての関係者の安全と安心を担保す
ることは最優先ではあるが、いずれにしても、非常に難しい決断をしなければ
ならないことは確かである。