あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『鬼滅の刃』の今後の展開予想(1)

2020-05-10 10:00:00 | 鬼滅の刃 考察

 今日は母の日ですね。
 そしてこの前は子供の日でした。
 本来ならばその日は『鬼滅の刃』のオーケストラコンサートに出掛けていたはずだったんだなあ・・・と思いはしたものの・・・。

 ものは考えよう。
 その分の時間を別の形で『鬼滅の刃』に費やせば良いわけですから。(^^)

 

 そんな5月5日は、このブログ『あまぐりころころ』の開設日!!
 今年2020年を以ってめでたく7年目に突入となりました!!
 七年・・・。
 ちょっと特別感がありますね~。
 今年は『FFⅦ リメイク』も発売されたし。(←関係ない)

 振り返れば本当に色々な事があったこの七年。
 尊い出会いもありました。哀しい別れもありました。
 そしてきっとこれからも、期待するような素晴らしい出来事や、予想だにしないような辛い出来事も沢山起こることでしょう。
 そんな中でも、自分の「好き」という気持ちを大切に。
 のんびりまったりこのブログを続けていけたらと思っています。
 さて、次に目指すは十周年!
 その頃には自分も世の中もどうなっているのでしょうか。
 そして改めて、このブログを訪問してくださる皆さんに尽きぬ感謝を。(^^)



 ・・・って。
 5月5日は吾峠先生の誕生日でもあったんですか!?!?(Σ(゚□゚ ))

 ・・・(あまりの偶然にしばし呆然)・・・。
 (はっ☆)
 ご、吾峠先生!!お、お誕生日おめでとうございます!!遅れてしまい誠に申し訳ありません!!
 これからもどうぞお体に気を付けて頑張ってください!!特に家具の角と重力に従う作業道具達には何卒ご注意を!!(←)
 

 

 というわけで、図らずもブログ7周年目記念記事と吾峠先生のお誕生祝いが一致することになってしまいました☆☆☆
 こりゃあ尚更半端な記事を書くわけにはいきませんね・・・!!(気合)
 
 

 



 今回のテーマは記事タイトルにもある通り 『鬼滅の刃』の今後の展開について。
 最新203話のあの展開から今後どうなっていくのか。私なりの予想を述べてみたいと思います。


 注意:これから述べる予想(考察)はあくまで私という一個人の考えに過ぎません。
 そしてジャンプ本誌最新話までの内容にダイレクトに触れていますので、単行本派の方はどうかご注意なさってください。

 

 

 

 

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第152話 集英社

 

 

 

 なにやらネット界ではしきりに最終回が近いのではと騒がれている、現在人気絶頂の少年漫画『鬼滅の刃』。

 

 

 最初に述べておきます。

 

 

 私は『鬼滅の刃』は

 

 

 

まだ続くと思っています。
(ドきっぱり)

 

 

 

 まあ、世間の皆様方がそう心配するのもよく分かります。
 それぐらい最新話である第203話は、非の打ちどころがないぐらいの素晴らしい収束でしたものね。
 私にとっても第203話は堂々の神回です。

 

 私が『鬼滅の刃』がまだ続くに違いないと考えているのは、このブログの考察記事をご覧になってくださった方ならお分かり頂けることでしょう。
 あれだけの伏線や布石が未処理のままで終わるのは、まずありえませんので(苦笑)。

 考察記事内では主に、単行本に収録済みの話における伏線についての今後の予想を考察してみました。
 なので今回は単行本未収録の話、特に此度の無惨との戦いで新たに張られた伏線に焦点を当てて今後の展開がどうなっていくのかを予想していきたいと思います。

 ですがその前に。
 第140話【決戦の火蓋を切る】から第203話【数多の呼び水】までと、63話分という一年以上の長きに渡って繰り広げられてきた此度の激闘。(あれ?奇遇にも「火」と「水」がサブタイトルにそれぞれ組み込まれている!)
 この戦いは大きく分ければ、敵の根城である無限城内での前半戦と、市街地の中心に出てからの後半戦という二部構成になります。
 その前半戦は「無限城編」と呼称されているものの、後半戦はどう呼称したらよいのか自分なりに考えていました。
 そしてようやく無惨との戦いを一通り見届けた今。
 私はこの戦いの後半戦を「暁の継承編」と呼ばせて頂くことにします。
 「暁の継承」と名付けたのは、炭治郎が無惨の血と力を一方的に受け継がされたのが明け方だったため。
 そして共に。
 記憶の遺伝を通して、炭治郎が始まりの呼吸の剣士:継国縁壱から「日の呼吸の型」を受け継いだのもこの戦いの中だったからです。

 

 

 さて、では此度の無限城編&暁の継承編で新たに張られた伏線について考えてみましょう。
 ざっとピックアップしてみても

  • 珠世さんの術
  • 炭治郎の「赫の状態」
  • 鬼の“進化”
  • “痣”の寿命制限
  • 「透き通る世界」と「赫刀」の“深度”
  • 炭治郎の「鬼への親和性」

 これだけの項目が挙げられます。


 まずは珠世さんの術について。
 此度の戦いでは「毒(薬)」という手段で多大な貢献をしてくれた珠世さん。
 彼女と愈史郎の協力無くしては鬼殺隊の勝利はあり得ませんでした。
 捨て身の策に打って出てくれたものの、非常に悔しくも無惨によって吸収されてしまった珠世さんでしたが・・・。
 彼女は毒以外にも、もう一つ。
 「仕掛け」を施してくれています。
 それは彼女の血鬼術。
 さり気にですが、でもしっかりと描かれています。
 第139話【落ちる】で炭治郎と柱達が一気に無惨に攻撃を仕掛けようとしたあの時。
 珠世さんは自らの腕を引っ掻いて流血させているのが。
 珠世さんのあの行為は紛れもなく血鬼術の発動。
 あの時発動させた血鬼術は何なのか、いつ効果が現れるのか、戦況を見守りつつもそれをずっと待っていたのですが・・・ついぞその術は顕現されなかったという
 ですが死しても尚現世に影響を与え続けるのがこの作品『鬼滅の刃』のキャラクター達。
 彼女が最期に残してくれた力は何だったのか。無惨を追い詰めるものだったのか。それとも炭治郎達を守ってくれるものだったのか。
 それについてはこれからも考え続けていくつもりです。
 彼女の血鬼術の系統は「香り」。
 そのことからみても、嗅覚が人並み外れて鋭い炭治郎ならば必ずや珠世さんの意図に気付いてくれることでしょうから。

 

 

 次は炭治郎の「赫の状態」
 ちなみにこの「赫の状態」というのは私が勝手に名付けたもので、決して公式ではありません。(勝手ばかりでごめんなさい)
 これは第152話【透き通る世界】での猗窩座戦にて「透き通る世界」に入った時の炭治郎の状態を指していますが、私はどうしてもこの時の炭治郎の状態と「透き通る世界」に入った状態とを別に分けて呼びたかったんです。
 何故なら炭治郎がこの状態になったのは、この一度きりだったから。
 この時の炭治郎はいつもと違っていました。
 呼吸の音も。髪も。眼も。そして、額の痣の模様も。
 当時は「透き通る世界」に入ることでこの状態になるのかと思っていたのですが、実はそうではありませんでした。
 戦線復帰後も炭治郎は「透き通る世界」を発動させて無惨の身体の構造を分析していたものの、外見の変化は無かったという。

 そもそも暁の継承編における炭治郎は、実力を100%発揮することが出来ていなかったと私は感じています。
 いえ!!勿論炭治郎は持てる力を振り絞って、限界の限界を超えて頑張ってくれていました!!!
 ・・・しかしながら・・・。
 それ以前からの酷いダメージの蓄積に加えて無惨の血毒まで受けていたことによって、身体は既にボロボロの状態でした。
 折角の「日の呼吸 拾参ノ型」が完全に無惨の身体まで届かなかったのもそれが大きかったと思います。

 猗窩座亡き今、炭治郎の「赫の状態」を目の当たりにしているのは義勇さんだけ。
 の変化といい。
 の強化といい。
 そして植物のようなあの雰囲気といい。
 私は炭治郎のこの状態は彼の最終形態にかなり近いものとみて、非常に重要視しています。
 おいそれとはいかないでしょうが、炭治郎が再びこの「赫の状態」に入る時は必ず訪れる筈。
 今からその時が楽しみで堪りません♪

 

 

 今度は敵サイドである鬼の進化について。
 これを示していたのは上弦の参:猗窩座と上弦の壱:黒死牟です。
 彼らは戦いの中で、なんと首を斬っても死なないという弱点の克服を見せつけてきました。
 二人に共通していたのは勝利への強い執着。
 これは無惨だけでなく他の鬼も「首の切断」という弱点を克服できる可能性があるという事です。
 幸いにも当人達が我に返ってくれたことで未然に終わったものの、今後はそういった敵が登場してきても何らおかしくありません。
 もしそんな鬼が現れでもしたら、鬼殺隊にとっては非常に不利な立場に立たされることになります。
 首を斬っても死なないということは、日輪刀が効かないということ。
 そうなってしまった場合、残された手段は日の光に当てることだけ。
 無惨の時のように長丁場の持久戦しか対抗手段がなくなるという、体力に限界のある人間にとって困難極まりない状況に限定されてしまうわけですから。

 

 

 次にの寿命制限についてですが、これは作中ではあまり騒がれないでしょうね・・・きっと。
 私達読者にとっては死活問題ですが。
 現在のところ、生き残った痣持ちの剣士は炭治郎と義勇さんと不死川の三名。
 彼ら全員、長生きなんて望んでいない人ばかりですから・・・。(><。)
 自身の生死に関して望んでいるのは人として死ぬこと、それのみという。
 だからこそ。
 その寿命制限の克服をどう今後の展開に絡めてくるのかが重要となってくるわけです。

 そもそも“痣”に関してはまだ不透明な部分が沢山あります。
 鬼の紋様に似ているのは果たして偶然なのか。
 熱のように周囲に伝播するのは何故なのか。・・・言い換えれば、まるで“感染”するかのように。
 “痣”を生まれながらに持っていた縁壱は何故長生き出来たのか。多分そこに痣の寿命制限の克服が隠されているのでは。
 そして。
 どうして炭治郎だけあんなにもの形が変化し続けているのか。
 痣持ちの人間の始祖たる縁壱でさえ、“痣”の形状に変化は起きていません。
 今の世代において、炭治郎は“痣”の最初の顕現者であり、唯一“痣”が常時現れている人物。
 彼自身の謎においても、の解明は絶対に必要不可欠です。

 

 

 「透き通る世界」「赫刀」の深度についても述べておきましょう。
 炭治郎の父:炭十郎を通して、“至高の領域”の力として描かれたのが究極の集中技「透き通る世界」。
 そして縁壱を通して、鬼の再生速度を遅らせるという有効手段として描かれたのが「赫刀」でした。
 暁の継承編において、これらが無惨と渡り合える手段に思われていたものの・・・、実際は珠世さんの毒の方が無惨を追い詰めた感が否めませんでしたね。
 ですが炭治郎の「赫の状態」と同様に、「透き通る世界」も「赫刀」も現時点ではまだ完全に使いこなされていなかったのではないのでしょうか?
 特に「赫刀」においては、無惨によると縁壱が用いていたものには遠く及ばなかったとのこと。
 何故なら、縁壱の「赫刀」は切断面を焼き続けるという永遠の燃焼の力だったから。
 もう縁壱の常軌を逸した力には眩暈がしそうです・・・が。
 実は。
 一度だけ。
 炭治郎も無惨を斬った際にその切り口を焼いていたことがあったんですよね。
 それが第191話【どちらが鬼か】でカナヲを無惨から助けた時。

 ・・・炭治郎は・・・

 「誰かを守ること」にこそ、“真の力が発揮される子だと思うんです。


 炭治郎が戦う理由は大きく分けて二つ。
 一つは「鬼(無惨)を倒すこと」。もう一つは「人(禰豆子)を守ること」。
 そしてこれまで炭治郎は、「鬼を倒す」時よりも「誰かを守る」時に本質的な力に目覚めているんですよね。
 先に挙げたカナヲの件はもとより、禰豆子を下弦ノ伍:累から守る時には「ヒノカミ神楽(日の呼吸)」に目覚め。
 身を挺してサポートしてくれた宇髄さんに応えるために、初めて“痣”を発現させ。
 刀鍛冶の里編の佳境で半天狗から村人を守る際、一時とはいえ「透き通る世界」に入り、しかもその際に眼が「赫」になっていたという。(加えて日輪刀も)
 そしてそれが完全状態になったのが、義勇さんを猗窩座の攻撃から守る時だったわけです。
 こういった具合に、炭治郎が己の力を遺憾なく発揮する時はこの法則が必ずと言っていいほど成立しています。
 だからこそ「無惨を倒すこと」が主目的だった暁の継承編では、炭治郎は「透き通る世界」を始めとした己の真の力が充分に発揮できていなかったのではないのでしょうか。

 「透き通る世界」は炭治郎だけでなく、悲鳴嶼さんや伊黒さんも目覚めてくれたものの・・・
 また炭治郎一人に戻ってしまう事に。(><。)
 まだ完全習得に至っていないことや同期組もまだ未修得なことを考えても、これらの技は今後も活躍の余地がありそうです。

 

 

 そして。
 暁の継承編を語るうえで絶対に外せないのが
 炭治郎の「鬼への親和性」。
 無惨に血を注がれ、鬼にされてしまった炭治郎。
 しかもその量は常人ならば間違いなく細胞が変化に耐え切れず死滅してしまうであろう、無惨の全血量だったという。
 にも関わらず。
 即死しなかったばかりか瞬く間に鬼化し、しかもすぐに鬼の最大の弱点である日の光を克服。
 その上鬼化したばかりだというのに、完全に無惨の上位互換ともいえる能力を炭治郎は発揮させました。
 炭治郎が抗ってくれなければ。禰豆子やカナヲが体を張って制止してくれなければ。
 あの場にいた鬼殺隊は間違いなく全滅してしまっていたことでしょう。

 驚異的なのはその“器”と順応の早さ。
 黒死牟いわく、強い剣士ほど鬼になるには時間が掛かるとのこと。(第145話参照)
 そして炭治郎は既に[柱]級の強さに届いていると義勇さんに評されるほどの実力者です。
 それほどの確かな強者である炭治郎がごく短時間で鬼化したというこの事実は、明らかに黒死牟の発言と矛盾しています。
 無惨の血を全て受け入れた“器”の大きさといい、この並外れた順応性にはどうしても炭治郎の特殊性を感じずにはいられません。

 禰豆子も。そして炭治郎も。
 日光を克服する鬼となりました。
 無惨は二人が血の繋がった兄妹だから同じ結果になるであろうと推測していましたが、私はそうは考えていません。
 確かに竈門兄妹は日光の克服という“結果”は同じになりました。
 ですが。
 その結果に至るまでの“過程”は全く違うと思います。
 そもそも禰豆子も鬼になって最初の頃は、太陽の光を過剰に嫌がる反応を見せていました。(第2話参照)
 これは禰豆子も最初から日光を克服できていたわけではない事を示しています。
 そんな禰豆子に対し、炭治郎は鬼化して即座に日光を克服してみせたという。
 二人のこの違いは、やはりこう考えられます。
 記念考察第二弾でも述べた通り、禰豆子が日光を克服したのは「己の自我を取り戻すことよりも重要とし、優先させていた事」の“通過点”だったため。
 そして炭治郎が日光を克服したのは記念考察第一弾で考察した通り彼自身が鬼を完全体にする霊薬[青い彼岸花]かもしれないから。
 だからこそ第201話で炭治郎が即座に日光を克服した事には納得しかありませんでした。私にとっては。
 炭治郎のこの鬼化への親和性の高さについての考察は一通り記念考察第三弾で述べたので、ここでは割合しておきます。

 

 作中ではおそらく30分に満たないであろう短時間のうちに鬼化し、そして人間へと戻った炭治郎。
 この事によって―――

 

 

 

竈門兄妹の“謎”への扉が開かれたのではないのでしょうか。

 

 

 まったくの別作品を例に挙げて申し訳ないのですが、今回の炭治郎の鬼化は『キングダムハーツ』の主人公:ソラがハートレスと化してしまった時のケースに似ていると私は感じています。
 その出来事が起こっていた時間はごく短かかったものの、その事によってこれまで隠されていた多くの“鍵”が繋がった事に。
 そして、今回の炭治郎の場合もきっと。

 

 

 

 そのことを踏まえた上で、次回はより具体的に今後の展開について予想してみたいと思います!
 (本当は一つの記事に纏めるつもりでしたが、予想以上に長くなってしまったので)(←)

 


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『鬼滅の刃』考察 ~溢れる「赤」と稀有な「青」~(3)

2020-04-25 01:00:00 | 鬼滅の刃 考察

 どうも長らくお待たせしてしまいすみませんでした。
 ようやくスランプ脱出です。
 私はどうしても一年のうち何回かこのような停滞に陥ってしまうのですが、ここ最近は予想だにしない哀しい出来事や嬉しい出来事が立て続けに起きたため、心がついていけず・・・。
 自覚していたより心が消耗していたみたいです★

 ですがその間も「いいね」や「応援」ボタンを押してくださった方々や訪問してくださった方々がおられたお陰で、思ったよりも早く復帰することが出来ました。
 本当にいつもありがとうございます。
 私は幸せ者です。(><。)

 

 

 と、いうわけで。(きたよ)


 『鬼滅の刃』第200回目突破記念考察最終章をようやく書き上げました。


 本来なら、大反響を起こしまくっている本編第201や第202話の感想を書き上げるべきところでしょう。
 ですが。
 その前にどうしても、この考察記事を述べておきたかったんです。
 いえ、述べなければなりませんでした。





 では今回も、まず最初にこの注意書を。
 これから述べる考察はあくまで私という一個人の考えに過ぎません。
 そしてジャンプ本誌最新話までの内容にガッツリ触れていますので、単行本派の方はどうかご注意なさってください。

 

 

 

 これまで『~溢れる赤と稀有な青~』というテーマのもとに、第一部では【青い彼岸花】について、そして第二部では【仲間達の赤の力と青の力】について考えてきたこの記念考察シリーズ。
 最終章の今回は『溢れる赤と稀有な青』の“その先”について考察してみたいと思います。

 

 

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第153

 

 “その先”とは一体何か。
 それについて述べる前に、考察テーマの「青」についてもう少し述べさせて頂きましょう。

 そもそも私がこの『鬼滅の刃』という作品を考察する上で“熱”に繋がる「赤」だけでなく「青」にも着目するようになった切っ掛けは、ネットの海を漂流していた時に目にしたとある意見でした。
 それはどんな意見だったのかというと
 「主人公が水系の技を使うって珍しい、と思って読み始めたのに結局定番の炎系の技になってしまってつまらない」
 といった旨のもの。

 そんな意見に対して私は

 

そ れ は ど う だ ろ う。

 

 と、物凄く物凄く物凄く疑問を抱いたんです。

 

 

むしろ。

 

 

 私は、炭治郎が義勇さんと出会い、「水の呼吸」を習得したのは炭治郎の“運命”における最大級の鍵だったと確信しています。

 

 これは勘です。
 まだこの考えを立証できるほどのロジックは揃っていません。
 ですが、私はこの根拠なき勘を信じています。



 そもそも「水の呼吸」は「炎の呼吸」と同じく、鬼殺隊結成時からずっと途絶えることなく[柱]にいた深い歴史を持つ技です。
 それ故に全呼吸のなかでもトップクラスの型数の多さを誇り、柔軟性や対応性に秀でているのが「水の呼吸」の特徴。
 なかでも特に私が気になっているのは伍ノ型:『干天の慈雨』と拾ノ型:『生生流転』ですね。
 『干天の慈雨』を初めて目にした際は驚きました。
 まるで炭治郎のためにあるような技としか思えない、と。
 これまで多数の技が登場してきましたが、こんなにも相手(鬼)を思い遣った優しい技はこの『干天の慈雨』のみ。
 この技を生み出した人物はきっと炭治郎のように心優しく、鬼という存在の悲しさを理解していた人物だったのでしょうね・・・。
 そして『生生流転』はそのエフェクトにも大いに興奮させられましたが(召喚系大好き人間)、それ以上に興味を惹かれたのがその名称。
 どう見ても「転生」を示唆していますよね、これは。
 そんな「転生」という言葉は“あの花”の花言葉にも・・・。


 そんな「水の呼吸」ですが、最近の炭治郎は「日の呼吸」の方を主力とし「水の呼吸」の方はあまり出番がありません。
 ですが戦場での機転に長け柔軟な思考力を持つ炭治郎の戦闘センスを考えれば、「水の呼吸」は「日の呼吸」に負けず劣らず炭治郎に適した技と言えます。
 実際、炭治郎は身体は「赤」に非常に強く因果している半面、その心は「青」が拡がっている子ですから。

 だとすると。

 

 炭治郎がこれから生み出すであろう彼だけの“力”は、 「赤」と「青」の融合となるのではないのでしょうか。

 

 「赤」の日の光

 「青」の水

 そこから育まれるものは―――

 

植物。

 

 

 炭治郎がこれから生み出す力は植物・・・特に“花”に繋がるものになると思っています。


 これが私が推測している「赤」と「青」の“その先”です。
 では“その先”である植物(花)について探っていきましょう。




 私が赤のファクターと青のファクターを“植物(花)”に結びつけた理由は幾つかあります。
 大きな理由はやはり、「炭治郎=青い彼岸花」と私が推測しているため。
 ですがそれ以外にも、“植物に関する布石”が既に本編の随所で描かれているからに他なりません。

 その象徴にあたるのが竈門兄妹の父親:炭十郎。
 第151話【鈴鳴りの雪月夜】の冒頭で彼は「植物のような人だった」と炭治郎から例えられていました。
 そのファクターが子供達にも受け継がれているのを証明しているのが、遊郭編以降の禰豆子のフルパワーバージョンです。
 その身体には全身に渡って葉の文様のような痣が。
 そして炭治郎は両親のうち、どちらかと言えば父親寄りの子。(勿論母親から受け継いでいるものもありますが)
 そんな炭治郎ならばきっと、禰豆子以上に植物のファクターを受け継いでいるはず。
 現に、上の写真にも掲載したように、第153話【引かれる】にて「赫の状態」に入った炭治郎を猗窩座は樹木に形容していましたしね。


 私が炭治郎の最終的な力の形を植物に繋げたいと考える原因となった人物はもう一人います。
 それは炭治郎の同期であり友人だった、不死川玄弥。
 私が前回の記念考察で、玄弥が遺してくれた布石についての考えを敢えて今回に持ち越したのはこのためです。
 玄弥が上弦ノ壱:黒死牟の刀を食べ最後に発動させたのは「植物の力」だったのですから。
 これまでの戦いを振り返ってみると、上弦の鬼達は氷(雪)や植物(花)にちなんだ術を持つ者が多くいました。
 その点から考えても人間側だけでなく鬼側からも「植物」は縁の深いファクターと言えるのです。
 そして玄弥が顕現してくれた力は氷雪系でも月に由来するものでもなく「植物」であったこと。
 これは炭治郎とは直接的には結びつかないかもしれませんが、もし炭治郎が植物に繋がる力を生み出してくれたならば、ある意味で玄弥は炭治郎と一緒に戦ってくれることになる。
 私はそう思っています。


 それに。

 この“偶然”には間違いなく吾峠先生も驚かれたことと思いますが・・・。

 アニメで炭治郎の声を担ってくださっている声優さんは花江夏樹さん。
 何の因果か、お名前に「花」「樹」も入っておられるという☆(もしかしたら炭治郎が生まれなのもそれに由来していたりして)



 炭治郎が初めて編み出した合成技は「日の呼吸」と「水の呼吸」の融合でした。(第90話)
 その事から見ても、彼の最終奥義もまた「日の呼吸」と「水の呼吸」の合成技になる可能性は高いと思われます。
 炭治郎が生み出す炭治郎だけの技。
 それは一体どんな技になるのでしょうか。

 彼の人となりから考えてみた場合・・・
 案外「相手の心」によって効果が変わる技かも。
 悪しき心を持つ鬼に対しては、地獄の業火へと誘う紅蓮の赤に。『日の呼吸 拾参ノ型』のような。
 自らの罪を悔いている善良な心が残っている鬼に対しては、穏やかな蒼海のような青に。『水の呼吸 干天の慈雨』のような。

  しかも最近のジャンプ本誌の展開において、炭治郎が最後に無惨を貫いた技が『陽突』という「華(花)」の文字が入っている技だったこと(第198話)などから考えると

 

 その技名は―――

 

 

 

『紅蓮華』になる可能性はあると思います。真剣に。

 

 

 

 

 個人的には

 

 

 

 

『紅華』になってほしいですけども。
(⌒‐⌒)

 

 

 

 

 「植物(花)」に関わる布石はこれだけではありません。

 単行本18巻に付随していた、各キャラクターのポストカード。
 それには各キャラクターだけでなく、その背後に花や植物も描かれていました。
 これは最近知った事なのですが、その背景の花は各キャラクター毎に違っていた模様。(ちなみに私は童磨で、背景の花は蓮でした)

 では気になる主人公:炭治郎の背景にあった植物は何だったのかというと
 【笹】
 だったとのこと。

 

頭抱えました。

相応しすぎて。

 

 笹の花言葉は「ささやかな幸せ」そして「抱擁」
 「ささやかな幸せ」は欲の無い炭治郎にそれこそピッタリな言葉ですし、「抱擁」もこれまた然り。
 炭治郎は惜しみなく相手に抱擁を与えてくれる子ですから。
 禰豆子を筆頭に、伊之助らといった仲間達や、死を目前にした他者にまでも。
 歴代の少年ジャンプの主人公で最も優しい主人公は誰か、という問いには数多の答えがあることでしょう。
 ですが、最も抱擁を与えてくれる主人公は誰か、という問いならば間違いなく炭治郎は歴代1位の主人公なのではないでしょうか。
 そしてこの「ささやかな幸せ」という花言葉は、継国縁壱とも重なるなあ・・・と思ったり。

 

 とまあ、炭治郎にとてもピッタリな花言葉だったわけですが、私がそれ以上に絶句したのは別のところにあります。

 実は
 笹の花は60年~120年に一度しか咲かないという、非常に稀有なものなのです。

 それこそ見付けることが出来たら凄く幸運とさえ言える程に。

 ここで気付いた方もおられるでしょう。
 そうです。これって。
 青い彼岸花の稀有さと共通しているんですよね。


 滅多に見られない花を持つ植物である笹。
 目にすることが極めて困難な花である青い彼岸花。
 炭治郎に「笹」が宛がわれたのは果たして偶然なのでしょうか?

 

 

 

 もし本当に。
 私の考察通り炭治郎が[青い彼岸花]だったならば―――

 無惨との因果もこれまた相当深いものに。

 鬼の始祖と銘打っておきながら、鬼の力の象徴である血鬼術はたった一つしか使わなかった無惨。
 それは『黒血枳棘』。
 術名にもある通り、この術は「枳殻(からたち)」に因んだものでしょう。実際枳殻は鋭い棘を持った植物ですしね。
 ですが、私はその名前と術の様相を初めて目にした時、こう思ったんです。
 「まるで黒薔薇みたい・・・」と。
 それで試しに調べてみたんです。黒薔薇の花言葉を。

 赤い薔薇の花言葉が「愛」「情熱」なのは有名なところですが、では黒薔薇の花言葉はというと・・・

「憎しみ」  「恨み」  「あなたはあくまでわたしのもの」  「永遠」

 

頭抱えました。

当て嵌まり過ぎていて。


 「憎しみ」や「恨み」はもとより、無惨が夢見ているのは「永遠」。
 そしてなにより。
 ジャンプ本誌掲載の第201話をご覧になられた方ならお分かり頂けるでしょうが、「あなたはあくまでわたしのもの」という花言葉は炭治郎への歪んだ委託とも受け取れるという。

 更に驚くべきことに、黒い薔薇は天然で生息しているものは大変希少とのこと。
 特有の土壌と気候という特別な条件のもとでしか咲かない花で、目にするのはめったにないそうです。
 ・・・そう。
 黒薔薇もまた、青い彼岸花と同様に稀有な花だったという。

 仮に。
 炭治郎を「青い彼岸花」に
 無惨を「黒薔薇」に
 それぞれ置き換えるならば。
 二人とも「ありふれた赤」のままならば普通の生涯を終えていたものの、運命の悪戯によって「稀有な色」へと変わってしまった存在と言えるんです。


 炭治郎と無惨。
 二人の因縁は私達が思っているより深いかもしれません。

 

 

 

 ですが、“植物”を通して炭治郎と強く繋がる人物は無惨だけではありません。
 それが先述した通りの、炭治郎の父親:炭十郎。
 そしてそれは母親の葵枝も。

 実は私は、竈門兄妹の両親も「赤」と「青」に深く関わる存在と考えています。

 炭十郎は「青の力」に。葵枝は「赤の力」に。
 それぞれ深く関与していると。

 この考察記事の冒頭で「炭治郎が義勇さんと出会い、「水の呼吸」を習得したのは炭治郎の“運命”における最大級の鍵だった」と断言させてもらいましたが、この勘を支えている数少ない証拠が炭十郎の“力”です。
 それは第151話【鈴鳴りの雪月夜】にて。
 病身でありながら瞬く間に巨大な熊を倒した炭十郎。
 常人とは思えぬ体捌きも驚くべき点でしたが、それ以上に注目すべきは
 彼の構えは「水の呼吸」の『壱ノ型:水面斬り』のそれと同じだったということ。
 一介の炭焼き職人という肩書ではとても説明がつかない強さから考慮しても、多分炭十郎は鬼殺隊と何らかの関わりがあったのではないでしょうか。
 もしそうだとしたら。
 炭治郎が鬼殺隊士となり、「水の呼吸」を習得したのは間違いなく“運命”と言えましょう。


 そして母親の葵枝。
 鬼殺隊(人間)と鬼が表裏一体の関係であるのと同じように、炭十郎が鬼殺隊に関わる存在だとしたら葵枝は鬼に関わる存在だったのではないのでしょうか。
 何故ならば禰豆子が初めて血鬼術『爆血』に目覚めた時、彼女の力の覚醒を促したのは他ならぬ葵枝だったのですから。(第40話)
 もともと一般的な鬼とは少々異なっていた禰豆子。
 そしてそれは炭治郎も・・・。
 彼ら兄妹が異質な鬼となったのは、母親の影響によるものなのかもしれません。


 禰豆子と入れ違いの形で鬼になってしまった炭治郎。
 覚えておいででしょうか。
 第189話の感想記事にて私が「多分炭治郎は禰豆子よりも・・・」と呟いたのを。

 ・・・当時から。
 いいえ、ずっと前から予感してはいました。
 ただ絶対に現実になってほしくなかっただけで。

 炭治郎はもし鬼になったら 禰豆子よりも特別な鬼になるだろうと。

 


 何故なら。

 炭治郎は兄妹達の中で最も赤が濃い子”だから。


 髪と眼が赤みがかっている[赫灼の子]と炭治郎が定義されたその時から、ずっと私は彼の「赤」に着目していました。
 そして。
 鬼の始祖である無惨の目が「赤」と知ったその時から、この嫌な予感は始まっていました。
 この『鬼滅の刃』という作品において「赤」が示すものは、日の呼吸や炎や血だけではなく“鬼”を示すものでもあるのではないかと。

 

 遊郭編の第85話【大泣き】で描かれていた禰豆子と葵枝の思い出。
 子守唄の歌詞にちなんで母に問いかけた禰豆子。
 「お兄ちゃんのお目々が赤いのは お腹の中に居た時にお母さんが赤い木の実を食べたから?」
 その問いかけには答えず、代わりにとても温かく微笑んでくれていた葵枝。
 もし。
 あの素朴な疑問が核心をついていたものだったならば。
 六人いた竈門兄妹達の中で炭治郎だけが最も「赤」が濃いのは、その「赤い実」が原因なのではないのでしょうか。
 だとしたら、その「赤い実」とは一体?

 現実の植物に結びつくかは分かりませんが、それでも調べてみました。赤い実がなる植物を。

 見つかりました。

 とんでもなく意味深い植物を。

 それは
 【七竈(ナナカマド)】。

 はい。
 もうこの名前の時点で注目せざるを得ません。
 「竈」という漢字が用いられているのもさることながら、竈門家の血を引く者は嫁の葵枝を除けば七人なのですから。(炭十郎・炭治郎・禰豆子・竹雄・花子・茂・六太)

 加えてその名前の由来もまた、とても意味深かったんです。
 その由来とは「木が燃えにくく、七度竈にくべても灰にならない」という意味からきているとのこと。
 思えば鬼は死ぬ際に灰のように消えていきました。
 実際炭治郎も那田蜘蛛山編(第42話)で鬼が消える時の匂いを「灰のような匂い」と表現しています。
 これはもしかしたら、竈門家の者はもし鬼になった場合、大抵の事では死なない鬼になと解釈することも出来ます。
 実際に。
 炭治郎はそれを身を以って証明していますし、ね・・・。

 ですが、私がそれ以上に関心を引かれたのはもう一つの由来の説です。
 それは前述の説とは逆に「七度焼くと良質の炭になる」というもの。
 この瞬間、炭治郎がどうして「炭治郎」という名前になったのかが私の中で完全に腑に落ちました。
 これまで何度も心を燃やし、熱い戦いを繰り返してきた炭治郎。
 もし吾峠先生がこの説に則ってくださっているのならば、炭治郎はあと少しで“本当の力”が開花するということになるのではないでしょうか?

 ちなみに七竈の花言葉はというと、以下の通り。

「慎重」   「賢明」   「私はあなたを見守る」

 これは炭治郎にも当て嵌まりますが、それ以上に両親の想いとして解釈できそうです。
 しかも七竈は西洋では「魔除け」として用いられているという面も。

 

 

 炭十郎と葵枝。
 もしこの二人によって炭治郎の運命が決定付けられていたとしても。
 それはどちらも炭治郎の命の灯を消さないためだったに違いありません。

 第201話の冒頭にて、無惨は生まれる前から死と隣り合わせにいた境遇だったというのが明かされていました。

 ・・・もしかしたら。

 炭治郎も同じような境遇だったのでは。

 ここからは完全に憶測ですが・・・
 葵枝が炭治郎を身籠った時、病気かもしくは何らかの理由で炭治郎が死産になりそうになった時があったのではないでしょうか。
 そんな炭治郎を守るために、葵枝は「赤い実」を口にしたのではないかと。

 

 炭十郎も葵枝も既に故人。
 もはや彼らに直接真実を聞くのは不可能です。
 ですが、両親の炭治郎への愛情は、想いは、確実に彼の身体と心に根付いています。
 そしてそれらの絆はきっとこの先も炭治郎を助けてくれることでしょう。
 そう。無惨の呪縛からも。きっと。

 

 

 

 ここまで「植物」に関わる考察を述べてきましたが、最後に記念考察シリーズの最初に戻る意味も兼ねて、改めて[青い彼岸花]ひいては彼岸花について考えてみます。

 青い彼岸花はさすがに分かりませんが、赤い彼岸花の花言葉はというと・・・

「悲しい思い出」 「独立」 「転生」 「再会」 「情熱」 など。

 花の中でも結構多数の花言葉を持つ彼岸花。
 その意味合いも希望的なものから哀しみを含むものまで多岐に渡ります。

 まずは「悲しい思い出」。
 これはもう語るまでもないでしょう。
 そもそもこの『鬼滅の刃』という作品は竈門兄妹の悲しみから始まったのですから。

 次に「独立」。
 この花言葉は今になって見つめ直すと非常に考えさせられる言葉であることが分かります。
 あの第201話によって炭治郎は無惨の血の呪縛に囚われることになってしまいましたが、これは炭治郎がその呪縛から“独立”していくことを示しているのではないのでしょうか?

 そして「転生」。
 これは今回の冒頭付近でも述べた通り、『生生流転』と重なる言葉でもあります。
 作中でも何度か絆を示すものとして用いられてきた「転生(生まれ変わり)」という言葉。
 「死別」という絶望が容赦なく襲いかかるこの作品において、「転生」はある意味での希望とも取れます。

 そしてこれが
 もう一つの花言葉「再会」に繋がるのではないのでしょうか?
 「転生」を示唆する剣技『生生流転』。
 それを扱う剣士は炭治郎。そして義勇さん。
 ひょっとしたら炭治郎は先祖である竈門炭吉の生まれ変わりなのでは。
 そして義勇さんは継国縁壱の生まれ変わりなのでは。
 もしそうならば炭治郎と義勇さんは時を超えて「再会」を果たしたのでは・・・などと妄想してしまったりする今日この頃です☆

 最後に「情熱」。
 これはまさに真っ赤な色合いを持つ彼岸花のイメージ通りの言葉。
 この作品の最大のキーワードを「熱」と考えている私からしても願ったり叶ったりです♪
 残酷な面がどうしても目立ってしまうこの作品ですが、それ以上に描かれているのは絆を通した「情熱」ですからね。




 彼岸花は日本にある植物の中でも一番別名が多い植物とのこと。
 方言も含めると1000以上(!)もの別名が。

 
その色合いや形状から見ても、彼岸花は「火(炎)」のイメージしかありません

 ・・・が。

 なんと。

 「火」のイメージしかない彼岸花には

 水」の文字を持つ別名が。

 それは
 
 【水子衆花(みずくしのはな)】


 その由来がまた衝撃でした。
 
 「水子」とは、生まれる前、又は生まれて間もなく亡くなった赤子のことだそうです。

 先ほど述べた「炭治郎も無惨と同じで、本来なら死産になっていた子かもしれない」という予想はちょっと本気で当たってしまうかも・・・。

 

 

 

 さて。
 これまでシリーズを通して「赤」と「青」についての考察を述べてきましたが、この作品における「赤」に直結するものは「火(日)」、もしくは「血」。
 そして「血」と対極するものは「涙」。
 「血」が“命”の象徴であるならば、「涙」は“心”の象徴です。

 そして炭治郎は間違いなく
 歴代の鬼殺隊士の中で最も鬼の涙に触れてきた人物。

 どんな時も、どんな鬼にも、慈悲の心を決して忘れなかった炭治郎。
 家族や仲間を通した「赤の絆」「青の絆」、そして「赤の力」「青の力」が果たしてこれからどういった形で彼の“運命”を紡いでいくのか。
 これからも決して目を離さず、この作品と共に炭治郎を応援し見守っていくつもりです!!!

 

 大変な長文だったにも関わらずここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!!(^^)

 


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『鬼滅の刃』考察 ~溢れる「赤」と稀有な「青」~(2)

2020-04-01 23:50:00 | 鬼滅の刃 考察

 志村けんさんの追悼番組、見ました。
 甥と姪と一緒に見ました。
 甥っ子くんも、姪っ子ちゃんも大笑い。

 ・・・志村さん、こんなに幼い子達も思いっきり笑顔になっていますよ。

 いまだに現実を受け止めきれないけど・・・

 やっぱり貴方は笑いの神様です。

 

 

 

 

 ・・・さあ。
 せっかく志村さんから笑顔を貰えたんだし、私も元気を出さなくては。

 

 

 

 

 

 

 志村さんの悲しみだけでなく、「こちらの方」の悲しみにも打ちのめされていましたが・・・



 だからこそ、今。
 ずっと抱いていたこの考察をUPします。

 

 この考えが“希望”へと繋がることを信じて。

 

 
 注意:今回も前回と同様にあくまで私という一個人の考えを述べています。そしてネタバレ全開です。
 そのことをどうかご了承の上でお読みください。

 



 前回は【熱】というキーワードを基に[青い彼岸花]について考察してみましたが、今回は主人公:竈門炭治郎の“熱”によって繋がる仲間達の

 “赤の力”“青の力”について考察してみたいと思います。

 

 

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163

 

 

 魅力的かつ個性溢れるキャラばかりな作品である、この『鬼滅の刃』。
 そんな良い意味でクセの強い面子の中、主人公の炭治郎はクセの少ない大人しめのキャラクターです。
 ですが、あまり表出させないだけで、彼の自我の強さは作中でもトップクラス。
 そしてこれが一番凄いことなのですが、彼の自我は「優しさ」という形で炭治郎の確固とした個性になっているという。

 そんな炭治郎の分け隔てない真っ直ぐな優しさは、まるで日輪(太陽)のような温もりとなって周囲の人達の偏った考えや閉ざされた心を変えていきました。
 なかでも特に大きく影響を受けているのが同期組の我妻善逸・嘴平伊之助・栗花落カナヲ・不死川玄弥。
 そして炭治郎と最も縁が強いのが、唯一の血縁者である妹の竈門禰豆子。
 そんな禰豆子に負けず劣らずの深い縁を炭治郎との間に持つ人物がもう一人。
 
 本誌が怒涛の最終局面を迎える中、今回はそんな彼らの今後の活躍の可能性について考えてみます。

 

 

 まずは同期組の4人から。
 正統派な努力型である炭治郎以外は全員天才型の同期組。
 彼らはそれぞれの才でこれまでの激戦を戦い抜いてきました。
 ですがそんな彼らも最後の宿敵である鬼舞辻無惨には、[柱]達に比べて善戦できていない現状にあります。
 それも当然でしょう。[柱]達はその名の通り鬼殺隊を支える“柱”として、才能や技術だけでなく経験や気概といったあらゆるものを鍛え抜いてきた精鋭中の精鋭達なのですから。

 ですが。
 同期組の活躍の余地はまだ充分に残されています。
 それは彼らの五感。
 炭治郎が嗅覚に秀でているように、同期組はそのいずれもが聴覚や触覚といった一部の五感に秀でています。
 そして炭治郎はこれまでの鍛練や戦いの中で「隙の糸」や「動作予知能力」、「透き通る世界」等といった特殊能力を習得してきましたが、それらはいずれも元来の能力である嗅覚を更に磨き上げたもの。
 ならば他の同期組もそれぞれの五感をより研ぎ澄ませば、無惨と渡り合える能力を得ることが充分可能ではないのでしょうか。

 そしてもう一つの可能性は
 柱稽古の成果。
 今現在、[柱]だけでなく一般隊士達や産屋敷家、[隠]の人達までという、まさに総動員で死闘が繰り広げられているVS無惨戦。
 その中で同期組も勿論全力を尽くして戦ってくれているわけですが・・・

 実は正直なところ、彼らの戦い方に、ほんの僅かな疑問を抱いていました。
 この無惨戦は間違いなく最終決戦。
 だからこそ、私は炭治郎や同期組もこれまでの経験や習得したことを全て活かして戦ってくれることだろうと期待していました。
 ですが。
 炭治郎はともかく、他の同期組は他者との交流で学んだことをまだあまり戦いに反映していません。
 特に「柱稽古」という絶好の学びの機会があったというのに、その修行で得たことが反映されていないのにはどうしても疑問を拭えませんでした。

 己の素質の研磨か。他者との素養の融合か。
 彼らは果たしてどんな形でより一層の成長を見せてくれるのでしょうか。

 では各個人ごとにその可能性を考えてみます。


 善逸・・・聴力が秀でている、「雷の呼吸」の剣士である善逸。
      彼には是非、元音柱:宇髄天元さんから成長のヒントを得ていて欲しいところ。
      宇髄さんが使う「音の呼吸」は「雷の呼吸」の派生型ですし、聴力という素質を持つ善逸ならばきっと宇髄さん以上に“音”を活かす戦い方が出来るでしょうから。
      それと、『火雷神』という善逸オリジナルの技を生み出してくれたのは、個人的に非常に大きく注目しています。
      何故なら技名に“火”という、「赤」に繋がるファクターが用いられているから。
      この記念考察全体を通して述べている通り、私がこの作品で最も重要なキーワードと見なしているのが「熱」。ひいては「赤」。
      それもあって、同期組で善逸が「赤に纏わる技」の使い手のトップバッターに立ってくれたのは嬉しく思いました。

 

 伊之助・・・触覚に秀でた、「獣の呼吸」の使い手である伊之助。
        戦い方や呼吸の系統から「風の呼吸」と似通った部分が多いですが、個人的に彼にはとことん我が道を行く戦い方をしてもらいたいですね(笑)。
        一見、「赤」に関するファクターは見当たらないように思える伊之助。
        ですが。
        実は彼もまた、「赤」に関する布石が既に置かれています。
        それは第37話【折れた刀身】。
        父親役の蜘蛛鬼によって窮地に陥った伊之助。
        ここで彼は走馬灯を見たわけですが、その時脳裏に浮かんだのは母親との別れの場面、次いで炭治郎と善逸、藤の花の家のひさお婆ちゃん、そして・・・
        夕暮れの空と、指にとまる赤とんぼ。
        当時不明だった母親とのシーンは童磨戦にて明らかになったものの・・・
        あの夕暮れのシーンだけは全容が明かされていません。いまだに。
        多分ですが、あの走馬灯の全容が明かされる時、伊之助もまた新たな戦い方を生み出してくれるのではないのでしょうか。
        夕暮れ空と赤とんぼに共通する言葉である“茜”を用いた、「赤に纏わる技」を。

 

 カナヲ・・・視覚に秀で、「花の呼吸」の型を用いるカナヲ。
       彼女が「花の呼吸」の使い手と知った時、私はどんな型が披露されるのか楽しみにしていました。
       ・・・が。
       実際目にした時「あれ?」と思いました。正直なところ。
       「花の呼吸」というぐらいだから、百合や桔梗や女郎花といったような色とりどりの型が見られると思っていたんです。
       なのに。
       現在までの時点で明かされている型に用いられている花名は
       「梅」 「紅花」 「芍薬」 「桃」
       いずれも赤系の花ばかり。
       とりわけカナヲオリジナルの技である終ノ型:『彼岸朱眼』はその骨頂ですね。
       この技は「赤」「眼」そして「彼岸花」と、これでもかと言わんばかりに炭治郎と繋がるファクターが用いられているのですから。
       勿論これからの展開で赤色以外の花の型が披露されるかもしれません。
       ですがもうここまできたら、最後まで赤系の花で通してもらいたいところ。
       しかも彼女の刀の色は桃色と、恋柱:甘露寺蜜璃さんの刀の色(桜色)に近い色なんですよね。
       なので個人的にも是非、炭治郎と繋がる「恋の花」を刀に乗せてもらいたいところです♪

 

玄弥・・・鬼を喰らって能力を取り込むという、味覚に通じる特殊体質を持つ隊士だった玄弥。
      ・・・とても、とても寂しく残念なことながら、玄弥は炭治郎達と同じ戦場に立って戦うことはもはや叶いません。
      ですが。
      玄弥は炭治郎に繋がるかもしれない、とても大きい布石を遺していってくれたと考えています。
      それは直接的には炭治郎達の助けにはならないかもしれません。
      でも少なくとも「あの布石」は必ずや炭治郎に繋がってくれるはず・・・!
      その「布石」とは果たして一体何か。
      それについては次回の記念考察最終章にて述べさせて頂きます。

 

 こうして見ると、同期組には「赤に繋がるファクター」がそれぞれにあるということが分かります。
 これらファクターを用い、彼らがどんな技を、どんな戦い方を編み出して炭治郎と一緒に戦ってくれるのか、とても期待しています。

 

 

 

 では次に。
 血縁という、炭治郎との「赤の繋がり」が最も強い人物である禰豆子がこれからどういう形で戦いに関わるのか考えてみましょう。
 珠世さんの薬によって人間に戻るという宿願が果たされた禰豆子。
 ですが一方で、その状態で無惨と戦えるかどうかという点においては極めて不透明になってしまいました。
 普通に人間に戻ってしまったと考えるならば、これまでのように戦うのは到底無理な話。
 ですが、炭治郎が元親方様に「無惨は自分と禰豆子が必ず倒す」と宣言している通り、禰豆子も必ず何かしらの形で共に戦ってくれるのは間違いないでしょう。
 そもそもこの物語は炭治郎と禰豆子の二人の兄妹から始まったのですから。
 必ずやこの二人が永き戦いに終止符を打ってくれる筈・・・!!

 ひょっとしたら無惨という鬼の元凶が生存している限りは血鬼術が使える、という可能性もあるかもしれませんしね。

 でもやはり、禰豆子に関して一番気になっているのは
 「己の自我を取り戻すことよりも重要とし、優先させていた事」は一体何だったのか
 という点です。

 

 ま。
 決まりきってはいるのですがね。
 それは

 

炭治郎のためであるということは。
(大・断・言)

 

 

 炭治郎がこれまでずっと禰豆子のために頑張ってきたのと同じように、禰豆子もまた、炭治郎の為に自分だからこそ出来ることにずっと努めてきたのでしょう。

 

 となると、炭治郎の為に禰豆子はどう己の身体を変えてきたのか。
 それをより具体的に探ってみます

 鬼になって以降、身体の変異と共に様々な特殊能力を発現してきた禰豆子。
 まず最初に見せた能力は「大人化&幼児化」でした。
 フルパワー発揮の時は大人の姿、そしてエネルギー節約時は幼児の姿と、随時で体格を使い分けることに。

 次に「眠ることによる体力の回復」
 人間を喰らうことが本能的習性である鬼にとって、禰豆子のこの能力は非常に異端かつ画期的なものでした。
 この能力を生み出したお陰で炭治郎と禰豆子は鬼殺隊に正式に認められたといっても過言ではありません。

 そして代表的な能力として挙げられる、血鬼術『爆血』。
 
攻撃・治癒・補助と非常に汎用性の高い術であり、炭治郎の「ヒノカミ神楽」と同じタイミングで覚醒したという意味でも縁の深い能力です。

 ですが何といっても物語の展開を大きく動かしたのが、この能力『太陽の克服』。
 
長年どんな鬼も克服できなかったこの点を乗り越えたことは、まさに鬼側にとっての革命でした。
 そんな唯一無二の鬼となったことで、禰豆子はその体質を無惨に狙われることに。


 で・す・が。


 実は私は、禰豆子のこの能力は―――

 

 

 

「己の自我を取り戻すことよりも重要で優先すべきこと」の“通過点”に過ぎなかったと考えています。

 

 

 

 そう考えたのは何故か。
 それをこれから説明しましょう。

 

 

 禰豆子が長期的な睡眠に入り、己の身体を変え始めた時期。
 それは炭治郎が育手である鱗滝さんと出会い、鬼殺隊士に向けての修行が始まったのと同時でした。
 鬼と命を奪い合うという、過酷な世界に足を踏み入れることを炭治郎が決めた時期と。

 

 そんな、危険と常に背中合わせの世界に身を置くことになった炭治郎。

 炭治郎の為に出来ることは何か。

 それを考えた時、私はこれしか思いつきませんでした。

 

 

 

 

 

 

それは「治癒の力」を持つこと。

 

 

 

 

 

 

 バトル漫画において「治癒の力」というものは、必須であると同時に非常に定番なものでもあります。

 ですが、いかんせんこの作品は『鬼滅の刃』。

 人はそう簡単に傷が癒えず、欠損した体は決して戻ることはないという、徹底した“現実”を描く作品です。
 「治癒の力」というのはいっそ禁じ手とさえ言えるほどまでに。

 

 だからこそ。

 

 ロジック(論理)、背景、時間、キャラクターの心理・・・全てを用いて「治癒の力」を生み出さなくてはならなかったのでしょう。吾峠先生も。禰豆子も。

 

 費やした時間、背景、キャラクターの心理における説得力はもう充分。むしろ充分すぎるほど。
 残るはロジック。

 このロジックについて考えるにあたり、私はなかなか手掛かりを掴むことが出来ませんでした。
 ですが、つい最近の本誌にて思わぬ手掛かりが。
 それは珠世さんとしのぶさんによる共同開発によって作られた薬の効果です。
 複数の効果をもつその薬(毒)を珠世さん達が短期間で作り上げたことに驚きを隠せなかった無惨。(第197話
 私はこの事実を、竈門兄妹の協力のお陰と考えたわけですが・・・ここで気付きました。
 ひょっとしたら、ここに禰豆子が己の血を変え続けてきた理由が隠されているかもしれないと。
 彼女達が開発した薬の効果は計4つ。
 「人間化」 「老化」 「分裂阻害」 「細胞破壊」
 「人間化」と「分裂阻害」は作られた動機が分かります。「細胞破壊」も納得。
 ですが。
 全くの予想外だったのが「老化」。
 だからこそ、考えさせられたんです。
 何故「老化」という効果の薬を珠世さんとしのぶさんは開発したのだろうと。吾峠先生は選んだのだろうと。
 「老化」、それはある意味における細胞の成長。
 もし本当に、無惨に投与された薬が禰豆子の血から作られたものだったならば―――

 禰豆子が最初に発現した能力「大人化&幼児化」に基づいたものなのではないのでしょうか。

 この能力が他者の細胞にも作用する。
 それを前提に、改めてこの能力の可能性を考え直してみたところ・・・


 この能力はある形で「治癒の力」にもなることに気付きました。

 

 

 “アポトーシス”。

 この用語だけならば耳にした方は多いと思います。
 現にこの用語は日本を代表する探偵漫画でも、鍵を握る重要薬品の効果として用いられた言葉ですから。

 

 アポトーシス。その意味は「細胞の死」。

 そもそも生物の細胞は常に分裂(誕生)と破壊(死亡)が繰り返されています。
 そんな細胞の死に方の中でもアポトーシスは、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された死に方とのこと。

 もし。
 禰豆子の「幼児化」の力によって損傷・毒化した細胞のみを死滅できたなら。

 もし。
 禰豆子の「大人化」の力によって健全な細胞のみを増殖できたなら。

 

 

 

それは「治癒の力」になります。

 

 

 


 もし私の考察通り禰豆子が治癒の力を得たならば、間違いなく『爆血』のように己の血を用いることでしょう。

 ただし。

 自身が「鬼」の身でありながら「人間」に己の血を注いでしまったら、相手を治すどころか細胞同士が拒絶反応を起こして死なせてしまいます。
 だからこそ、禰豆子は
 己自身の身体を極力「人間」に近づけなければならなかったのでは。

 禰豆子が太陽の光を克服したのも、「人間に近づく」という目的を成し遂げるため。
 禰豆子が太陽を克服したのは“通過点”にすぎなかったと私が述べたのは、以上が理由です。

 

 多分、いえ、きっと。

 禰豆子は無惨から一方的に押し付けられた「力」を、己の意志で「自らの力」に変えたのでしょう。

 

全ては大切な人を助けるために。

 

 

 

 

 

 

 さて、ここまで同期組、そして禰豆子の炭治郎と繋がる「赤の力」の可能性について述べてきました。

 


 これほど「赤の力」が溢れているからこそ。

 

 対極に位置する「青の力」もまた、とても重要なものなのではないのでしょうか。

 

 

 作中で登場している「青の力」。
 
そしてそんな「青の力」を有している人物。
 それは御存じの通り、炭治郎を鬼殺の道へと導いた水柱:冨岡義勇さん。
 義勇さん、そして炭治郎も用いる「青の力」。それはすなわち「水の呼吸」。

 義勇さんと炭治郎の交流もまた、同期組や禰豆子に負けず劣らず丁寧に描かれていますが・・・。
 彼との“繋がり”については玄弥と同じく、次回の最終考察にて。


 ただ、これだけは言っておきましょう。

 竈門兄妹にとって、義勇さんは運命の存在です。
 無惨や珠世さん&愈史郎と同じように。

 

 

 

 

 炭治郎の周囲に散りばめられた「赤の力」。
 そんな中に存在している「青の力」。
 今回はそんな“色”を通して竈門兄妹の仲間達の今後の活躍を考察してみました。

 いよいよ次回は最終回!
 『溢れる赤と稀有な青』の“その先”について考察してみたいと思います!!

 


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『鬼滅の刃』考察 ~溢れる「赤」と稀有な「青」~(1)

2020-03-19 00:20:00 | 鬼滅の刃 考察

 社会現象まで巻き起こすほどの人気作となった今も、変わらず全力で展開が突き進んでいく少年漫画『鬼滅の刃』。
 そんなこの作品も、今月末発売の週刊少年ジャンプ18号で連載200回目という大きな節目を迎えます。
 その記念すべき第200回目のお祝いとして、私が以前から抱いていた考察を記事にしてUPする予定でしたが、なんと現在の本誌の展開が私の考察に突き刺さりそうな事態に。
 この緊急事態に急遽予定を変更して、此の度記念考察第一弾をUPする運びになりました。
 ・・・ふう。間に合って良かった☆

 最初に述べておきますが、これから述べる考察はあくまで私という一個人の考えに過ぎません。そのことをどうかご了承の上でお読みください。
 そしてもう一つの注意点はネタバレ全開です。
 そもそもこのブログの感想記事自体がネタバレの塊のようなものなのですが、もし「鬼滅の刃 考察」の検索でこのブログにお越しくださった方は、ジャンプ本誌最新話までの内容にダイレクトに触れているので、どうかご注意くださいませ。
 

 

 


 まず最初に述べておきましょう。

 皆さんは「この『鬼滅の刃』のキーワードは何か?」と問われたら何を思い浮かぶでしょうか。
 「絆」でしょうか?それとも「血」?もしかしたら「日輪(太陽)」?
 確かにそれらも立派なキーワードの一つです。
 そもそもこの作品はキーワードたるに相応しい重要なファクターが幾つもある作品ですからね。

 ですが。

 私はこの『鬼滅の刃』という作品の最大のキーワードは「熱」と考えています。
 そう考え始めた切っ掛けは、無惨との直接対決が始まって間もなくの頃でした。
 第185話【匂いのない世界】で不死川の炎上攻撃に怯んでいた無惨。
 斬撃には微塵も動じなかった無惨が不死川のこの攻撃には怯む様を見せたことに、ふと思ったんです。
 「・・・ひょっとしたら鬼って、熱に弱いのかも・・・」と。
 ウイルスが熱に弱いように。
 それを切っ掛けに改めて「熱」という点に照準を当ててこれまでの物語を読み直したところ・・・。
 驚きました。
 重要点のほとんどに「熱」、もしくは「熱に繋がるもの」が用いられていることに。
 炭治郎がヒノカミ神楽を使い始めた頃から身体の“熱”が常に高い状態にあること。
 「痣」の発現条件の一つが“高熱”であること。
 同様に「赫刀」の顕現条件にもまた、″高熱”が必要であること。
 最近の展開では、大活躍を見せた伊黒さんの相棒:鏑丸も「ピット器官」という、“熱”で物体の位置を感知するという能力を持っています。


 それだけではなく、私個人としてはこの『鬼滅の刃』という作品自体においても「熱」というものはとても大きい意味があると思っています。
 正直に言わせてもらいますが、連載が始まった当初、私はこの作品に一切「熱」を感じられませんでした。
 これまで見てきた吾峠先生の作品は、非常に独特の世界観を持ちながらも、そのイメージは「奇怪」「淡々」
 少年漫画的な「熱さ」は全然感じられない作風だったんです。
 でも。

 回を重ねていく毎に、少しずつ温かみを感じるようになっていき、温かみは温もりへ、そして熱さへと、次第に「熱」を上げていきました。

 そして今では、誰もが認めるほどの熱さを持った王道作品へと成長を遂げることに。

 だからこそ私は、この『鬼滅の刃』の最大のキーワードを「熱」と提示させて頂きます。

 そんな「熱」という言葉に直結するイメージが「赤」。
 そんな「赤」と対を成すのが「青」。

 よってこの記念考察のサブタイトルを『~溢れる「赤」と稀有な「青」~』と名付けた次第です。

 

 


 それでは今回のメイン考察へと移りましょう。

 今回から三部に分けて述べる『鬼滅の刃』考察、その最初は

 [青い彼岸花]について考察してみたいと思います。

 

 


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第67

 

 

 [青い彼岸花]。これについては『鬼滅の刃』最大の考察ポイントとして既に多くのブログや動画などで考察が述べられておりますね。
 これほど多くの方々が鋭い視点や深い知識をもって考察なされておられるならば、私が敢えて考察を述べる必要はないだろうと思っていました・・・が。
 なんだか私と同じ考察を述べている方はちょっと見当たらず☆
 
ならば一個人の考えとして述べておこうと思った次第です。


 さて、[青い彼岸花]は、鬼の始祖である鬼舞辻無惨が唯一の弱点である日の光を克服するために必要な薬の名前にして原材料なわけですが、その花の存在は極めて謎に包まれています。
 実在しているものなのか。
 それとも、何かの比喩表現なのか。
 そもそも無惨や配下の鬼達が何百年かけて探し回っても、見付けるどころか有力な情報も得られなかったという青い彼岸花。
 しかも無惨は人間社会に溶け込み裕福層の人間に関わることで、広い人脈や多くの文献からも情報を得る手段を持っていたはずなのに、それでも一切手掛かりを得ることは出来なかったという。
 これら二点から
 少なくとも鬼には絶対に見付けられない場所に存在する
 
そして人間でも滅多に見ることが出来ない存在

 であることが推測されます。

 このことから、青い彼岸花は極めて稀有な存在と言えるのでしょうが・・・

 私はこの考えを逆転させてみました。

 もし青い彼岸花はさほど珍しくはない存在だったならば?と。

 青い彼岸花は実は普通の赤い彼岸花に自然に紛れて自生しているもので、ある特別の条件が複数重なった場合にのみ、ある特別な視覚を持つ人間にのみ青く見える彼岸花だったとしたら?と。

 

 

 そう。
 実際に青い彼岸花を見た人物は、既に作中に登場しています。

 

 それがこの作品の主人公である竈門炭治郎。

 

 それを証明しているのは第39話【走馬灯の中】のラストで描かれている炭治郎の走馬灯です。
 あの走馬灯には青い彼岸花と思われし彼岸花が映し出されていました。
 ということは。
 少なくとも炭治郎は青い彼岸花を過去に“見た”ことがあるということです。

 



 ここで一旦、話を少し戻しましょう。

 刀鍛冶の里編を経て、史上初の日光を克服した鬼となったのが炭治郎の妹である竈門禰豆子。
 そのため禰豆子は、その体質を取り込まんとする無惨に狙われることとなりました。
 そして今現在、ジャンプ本誌では炭治郎達の危機を察知した禰豆子が彼らを助けんと戦場へ向かっています。

 この展開に巷では「戦場に出向いた禰豆子が無惨に取り込まれてしまい、日の出を迎える前に無惨が日光を克服してしまうのではないか」という懸念が多く飛び交っていました。
 ですが、私はその議論自体が不思議でしょうがなかったんです。
 どうして[青い彼岸花]というもう一つの日光克服手段については着目されていないのだろうと。

 日光を克服する体質を持った鬼。それと並び立つ存在[青い彼岸花]。
 そして。
 禰豆子と並び立つ存在もいます。

 そう、それもまた―――

 

 彼女の実兄である竈門炭治郎。

 炭治郎と禰豆子、彼ら兄妹は表裏一体的な運命共同体なのですから。

 

 ここまでで語った通り、過去の出来事においても、そしてキーパーソンである禰豆子との関係性においても、炭治郎は[青い彼岸花]と大きな関わりを持っていることが窺えます。
 ですが、青い彼岸花自体はあくまで薬の“原料”。
 もし生態や生息場所が明らかになったとしても、すぐに無惨の日光克服手段として使えるわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・と、言いたいのですが。

 

 

 

 

 もしも。

 

 もしも。

 

 

 

 

 既に[青い彼岸花]が完成されてしまっているとしたらどうなるでしょう? 

 

 

 

 過去に青い彼岸花を目にしていた炭治郎。
 果たして彼は、何時、どのような状況でその花を目にしたのでしょうか。
 日常生活の中で偶然目にしたのか。
 「誰か」に用いられているのを目にしたのか。
 それとも。
 炭治郎自身に用いられているのを目にしたのか。

 

 毒草として有名な彼岸花ですが、最近の本誌展開でも顕著に示されている通り薬と毒は表裏一体。
 使いようによっては、彼岸花は実際に薬草としても用いられています。

 

 かつて炭治郎は幼い頃、弟を火鉢から庇って額に火傷を負いました。(第81話参照)
 もしかしたら、その際に治療薬として偶然青い彼岸花が彼に用いられていた・・・という可能性があるかもしれません。

 

 もしそうだったならば―――

 

 もし、もし炭治郎の身体に青い彼岸花の成分が存在しているとしたら―――

 

 

 私は  物凄く  嫌な  予想を  生み出してしまいました。

 

 

 私がこの「嫌な予想」に至ってしまった原因となったのは、作中のとある人物です。

 それは蟲柱:胡蝶しのぶさん。

 
 
しのぶさんは姉の仇である上弦の鬼:童磨を倒すため、童磨に喰われる前提で自分の身体を藤の花の毒の塊に変えました。
 一年以上の長い年月をかけて、少しずつ、己自身を鬼にとっての猛毒に。

 

 

 ひょっとしたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ形で今の炭治郎自身も、
鬼にとっての霊薬[青い彼岸花]になってしまっているのではないのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 無惨に幸せを奪われず、一介の炭焼き小屋の跡取りとして平凡な人生を歩んでいたならば、青い彼岸花の影響など全く無いごく普通の人間として炭治郎の人生は終わっていたことでしょう。

 ですが。

 無惨に人生を狂わされ、鬼殺隊士となり、全集中の呼吸を習得し、「ヒノカミ神楽」を使い始めた頃から炭治郎の身体は少しずつ変化が起きていきました。
 その一つが体温の上昇です。 
 次第に額の痣にも変化が起き、戦闘後の回復速度も人間としては異常なほど早くなっていった炭治郎。
 鬼殺隊士になってからの長い時間の中で、そんな炭治郎の身体の変化が少しずつ彼の体内の青い彼岸花の成分を活性化させていたとしたら?
 そしてこの最終決戦で注入されてしまった無惨の血によって、炭治郎の体内で[青い彼岸花]という薬が完成されてしまったとしたら??
 無惨はおろか、珠世さんも、しのぶさんも、そして当の炭治郎自身さえもあずかり知らぬところで。

 第185話冒頭にあった炭十郎の「炭治郎が危ない」という呼びかけも、「炭治郎が無惨の血毒によって死んでしまう」という意味だけではなく「炭治郎が無惨に捕食対象として狙われてしまう」という意味もあったのかもしれません。

 

 

 

 当たってほしくなんてありませんよ。我ながらこんな不吉な考察。

 

 

 

 

 ですが、仮に、万が一、この考察が当たっていたとしたら。

 

 

 

 今週掲載の『鬼滅の刃』第198話は、まさにとんでもない瀬戸際の状況にあります。

 

 

 あの状況を見た瞬間、私は血の気が引きました。
 炭治郎と無惨のあの状況は。

 今がまさに、無惨が太陽を克服するか否かの境界線。

 

 

 

 だから。
 伊黒さんは本っ当に大きな偉業を成してくれたんです!!
 勿論炭治郎を守ってくれたという意味での感謝が大・大・大前提にあります。
 ですがそれと同時に、鬼殺隊の使命としても。
 
 思いもしませんでした。まさか伊黒さんにこれほど感謝する時が訪れるなんて。

 

 

 

 それでも、いまだ非常に危険な状況であることに変わりはないのですがね。

 メタ的な見方をしてしまえば・・・無惨は太陽を克服してしまうことでしょう。
 いまだ多くの謎や布石が残されていることを考えれば。

 

 

 ですが、今なによりも心配なのは炭治郎の身。

 

 果たして次回、どんな展開が待ち受けているのか。
 正直不安で堪りませんが・・・見届けるつもりです。

 

 

 

 

 剣士としての“道”を進むにつれて身体の「赤」が強くなっていった炭治郎。
 そんな彼に秘められているかもしれない「青」。
 今回は[青い彼岸花]を通じて、そんな炭治郎の謎について考察してみました。

 それでは次回は、また別の側面から『溢れる赤と稀有な青』について考察してみたいと思います!!

 


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