あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第148話感想

2015-12-31 23:55:00 | 食戟のソーマ

 大晦日ですね。
 あともう少しで新年を迎えます。

 そしてこれが2015年最後の更新となるわけですが、なにげに今回で『食戟のソーマ』の本編感想が100記事目となりました。第48話から開始)

 わーお

 よくまあ、熱しやすく冷めやすい私がこれほど続けられたものです。
 それも全て『食戟のソーマ』が変わらず面白い作品でいてくれること、そして訪問してくださる方々のお陰に他なりません。
 「継続は力なり」。これからもコツコツと頑張りますので、どうか宜しくお願いします。(m(_ _)m)


 ちなみに今回のジャンプ合併号には、もはや年末恒例とも言える連載作家陣による4コマ劇場が掲載されてましたね。
 ソーマは勿論のことながら、他作品の感想もちょこっとだけ。

  • 『僕のヒーローアカデミア』―――PS VITEか・・・。
                         私はPS4が欲しいよ・・・。(聞いてねえ)

  • 『食戟のソーマ』―――そういえば二年前の年末4コマでも、各キャラのサンタクロースに纏わる過去話が描かれていましたっけね。
                   今回は葉山ですか。(ちなみに黒木場&アリスのクリスマスを知りたい方は小説版第三弾をご覧くださいませ☆)
                   うん、汐見教授。その気遣いは賛同するし応援します。
                   けど、よりによって相手が人一倍「現実」を知っている葉山だというのがね(苦笑)。

  • 『ものの歩』―――信歩愛されてるなー(笑)。

  • 『火の丸相撲』―――火の丸!!!アンタなんて罪深いことを!!!
                 (そんな4コマとは対照的に、本編は大変良かったです。「努力の報酬が強さだけとは限らない」。何とも心に深く響く言葉ですね・・・。)
     



 さて、それでは記念すべき100回目となる本編感想へと、張りきっていってみましょう!



 週刊少年ジャンプ2016年3・4合併号掲載
 掲載順第10位
 第148話 【凱旋】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 叡山の手下達による強制退去から必死に寮を守り続ける極星メンバー達。
 ですが、遂にバリケードの一部が突破されてしまいます。
 もはやこれまでか!?
 
と思われたものの・・・。
 何故か手下達は攻め入ってきません。



 一方、案の定丸井はフラフラになりながらも(苦笑)、尚戦うべく壊れた眼鏡を修復していました。
 最初何をしてるかよく分からなかったんですが、凝視してようやく理解。折れたフレームをセロハンテープで直そうとしてたのね。

 そうして眼鏡をかけ直した丸井の正面には、偶々付けっ放しになっていたテレビが。

 極星寮に響き渡る丸井の絶叫。

 驚いた極星陣が集まってみると・・・

 テレビ画面には、創真の完勝が映っていました。

 

 

 

 

きゃ~~~~~~~~♪♪♪



 前回ラストの下からアングルも最高だったけど、今回の上からアングルもこれまた最高ーーー!!(o(><)o)



 動揺する叡山。
 料理は戦略[ストラテジー]が全て。
 それを信条としていた叡山にとって、「見せしめ」まで行って完璧に遂行された筈の自分の戦略が、幸平創真という存在によって全て狂わされてしまったのでした。
 これが“報い”ですよ。

 独りよがりな私怨で創真を、そして創真の大切なものを貶めようとしたことの。

 ちなみに今回の食戟によって十傑の一員を倒したわけですが、席次を賭けた勝負でない限りは十傑の交代や順位変動は起こらないとのこと。
 それでも創真は大して気に留めず。
 十傑メンバーと戦えただけでも創真にとっては充分収穫があったようです。
 権威よりも経験を重視する創真のこういう姿勢好き。(^^)

 そもそも創真としても今回の食戟に挑んだのは極星寮を守るのが目的でしたしね。
 叡山と審査員達に「見せておきたかったこと」と並行して、八百長の愚かしさに釘を刺しておく創真。

 実際その身で強烈に味わってしまっただけに、その正論に審査員達はぐうの音も出ませんでした。
 ・・・♪( ̄ー ̄)


 そして叡山にも申し出る創真。
 次こそはお互いに充分に準備した上で食戟をしようと。

 

 

この健やかさたるや(涙)。 

 

 

 少年漫画の主人公としてまさに理想。まさにお手本。
 信じられます・・・?この方前回は悪役も真っ青なダークフェイスかましてたんですぜ・・・?(褒めてます)
 個人的にはここが今回のベスト・オブ・ソーマです。

 創真の煽りのお陰で叡山は“本気”で戦ったものの、“全力”を出し切ってはいなかったと。
 そのことに創真は不満なわけですね。
 まったく、[3-0]と見事な完勝を収めたというのに、この結果に満足しないなんて・・・。
 久我との模擬店勝負の際もそうだったし、本当に創真は“妥協”というのを自分に許さない子ですよね。
 良くも悪くも。

 創真としては叡山との再戦を望んでいますが、私としてはこれほどしっかりした勝負を繰り広げたことですし、叡山との勝負はもう行われないだろうと思ってます。
 ですが、叡山の格の復活はきっと訪れることでしょう。
 何だかんだで叡山も「次のステージ」への懸け橋になる存在ですから。


 そんな創真の真っ直ぐかつ爽やかな申し出に、叡山は何も言えませんでした。
 うむ、最低限の格は保った。
 そして撤収を告げます。

 と、そこで突然カメラを捉まえる創真。
 何をするのかと思いきや、中継を通してセントラルに言いたいことがあるようで―――

 って、そこで照れんのかい(笑)。

 相変わらず豪胆ながらもズレたところで天然な子だなー創真ってば。



 そんな恥じらいからすぐに切り替え、創真はセントラルに宣言します。
 自分の仲間達に手を出したら許さないと。
 それは事実上の、セントラルへの宣戦布告。
 要するに「下」の“力”舐めんなということですね。


 ちなみに、ここの「俺のツレ」という言い方にちょっぴりときめいたり。
 創真としては「友人」の意味で言ったのでしょうが、私の印象ではこの「ツレ」っていう言葉は「つれあい(夫や妻)」の意味合いのイメージの方が強いんですよね。
 だからここの言い方はまるで「俺の女に手を出すな」と言ってるように感じられちゃって・・・。(アホですねわかってます)
 これワザとだったら附田先生相当な策士でっせ。



 そんな創真の宣告を目にする、薊政権支持派の十傑。
 そしてこの食戟の一部始終を見届けていた竜胆先輩は、数時間前の出来事を思い出していました。

 創真と叡山の食戟を知り、叡山を叱責してくるという名目で職務放棄した竜胆先輩。(弾んでいる声が何よりの証拠)
 仕事場を出る途中で、職務に勤しむ一色先輩に声を掛けていたのでした。

 今回、極星寮のピンチという事態にも関わらず、何も行動を起こさなかった一色先輩。
 でしたが、それには彼なりの理由がやはりありました。

 さすがは一色先輩。先見の明がおありです。
 そう、確かに今回の闘いは薊政権への反撃の幕開けにすぎませんから。
 本格化するこれからの闘いに向けて、一色先輩は「十傑である自分だからこそ出来ること」に今取り組んでくださっているのでしょう。
 創真を信じてくれて、ありがと。(^^)





 こうして、強制撤去の中止の命が届き、極星寮から退いていく手下達。
 その様子を窓から見ていた恵は、ある人物を見つけて晴れるような笑顔に。
 創真が帰ってきたのでした。

 手下達がたじろぎ、道を開けてしまう中を歩く創真。
 う~~~む風格を感じさせますね~!
 まさに今回のサブタイトル【凱旋】に相応しいシーンです。

 でも、そんな風格を漂わせていたものの、外に飛び出してきた仲間達には
 「ただいま」
 と、いつものあっけらかんとした笑顔で言う創真。

 案の定、仲間達から単独行動を怒られる創真(苦笑)。
 まあでも、吉野のツッコミが四宮編ラスト(第27話)の時のような平手打ちでなくて良かった。
 もし創真を殴ったりしていたら私が吉野に「あほーーーーー!!!」と叫んでましたよ。最大フォントで。

 でもやっぱり皆は創真に心から感謝していました。
 そして、恵は創真に言います。
 「おかえりなさい」と。

 

 

 

 

(⌒⌒)

 

 

 

 

 まさに私の願いに応えてくれました。 

 100回目という個人的記念なこの回が、こんなに清々しくも温かい話であってくれて非常に嬉しいです。(^^)
 きっと来年も楽しみながら『ソーマ』の感想記事を書けると思います。

 

 

 


 

 

 

 こうして心地良く収束した叡山との食戟。
 もう本当に大満足です。
 今回の勝負は創真の熱い面、決してブレない所、いつでも料理を楽しむ姿勢、そして挑発性、何より真っ直ぐさ。
 そういった創真の“強さ”が遺憾なく発揮できていたと思います。



 今現在進行中であるこの『遠月革命編』。
 今回の章が始まってからというもの、そこここに意識して散りばめられているのが「原点回帰」。
 この度の叡山との食戟もまさしく、この「原点回帰」に沿った展開でした。

 ―――敵対する者此れ全て 料理を以って捻じ伏せるべし―――

 第9話【氷の女王と春の嵐】で述べられていたこの標語。
 これこそが食戟の、遠月学園の、そして料理バトル漫画というこの作品の礎にして最大の理念です。
 まさにそれにのっとり、不正や偏見を創真は爽快に吹っ飛ばしてくれました。

 そうして堂々と八百長に加担していた審査員さえ、創真の料理の美味さを裏切ることは出来なかったわけですが・・・
 そんな創真の料理に嘘を吐いた人物が一人だけいるわけです。自分の舌に。自分の心に。
 その人物こそがこの『遠月革命編』のキーパーソン。
 今回の食戟に組み込まれていたファクターもまた、この人物に集約するものと考えています。



 あ。

 でも、今回の対決にはひとつだけ不満点が。

 伊武崎の煙玉の活躍シーンが披露されなかったのが残念無念。
 附田&佐伯先生、うっかりミスっすか?(←おい!)





 ちなみに今回の闘いの一方で、何気に気になる描写が入っていましたね。
 それは今回の創真の行動における恵と新戸の反応の違い。
 
創真の単独行動を知った際、恵は辛そうに創真を想い、新戸は驚きつつも創真を思慮していました。
 そして。
 今回で創真の勝利を知った際、恵は呆気に取られたのに対し、新戸は晴れやかな笑顔を見せていたという。

 ここの新戸の笑顔と創真の凱旋に気付いた恵の笑顔がよく似ていただけに、読者としては色々と想像させられます。
 しかもそんな新戸の笑顔がえりなの目に留まるというこの隙の無さ。
 これからの創真を巡る恋愛模様に結び付けて考える読者も多かったのではないでしょうか?

 といっても。
 新戸の創真に対する好意は信頼でしょうけど。
 勿論恵も創真を信頼してはいますが、同時に彼を心配もしているからこそ、この反応の違いが出たのだと思います。
 まあ、どっちみち新戸はこれからこの作品の恋愛関係に大いに関わってくるに違いないでしょうがね。
 何故なら。
 創真を始めとした主要人物達の恋愛関係を語るうえで必須のファクターを、新戸は持っていますから。





 とりあえずこれにて、極星寮という大切な場所は守られました。
 それと同時に薊政権賛同派の一員であり、十傑である叡山を倒した創真は薊政権に目を付けられることになってしまいました。

 気になるのは、どのような形でこれから薊政権と創真陣との対戦構造が築かれるのかということ。
 そこで一色先輩が用意してくれている「これからの闘いへの手筈」が活用されるのでしょうね。
 果たしてそれは一体何なのか。
 何かの法案なのか、それとも・・・?



 あ、それと。
 いよいよこれから薊政権賛同派の十傑陣と創真達との交流が本格的に始まるのでしょうが、果たして誰が誰と縁が繋がるのでしょうかね?
 とりあえず創真は薊政権全体。(でもなんか竜胆先輩と深く関わることになりそう)
 えりなは薊という事で置いておくとして、と。

 予想としては第四席の茜ヶ久保ももはスイーツ&ヌイグルミ繋がりで郁魅と。
 第五席の斉藤綜明は武士のイメージ繋がりからタクミと関わることになったら面白いかな。(真逆のイメージで黒木場と関わっても面白くなりそうだけど)
 第六席の紀ノ国寧々が一番読めません。残りの一年生上位陣であるアリスや美作と関わることになるか・・・、それとも今回は創真達一年生陣とはあまり関わらずに薊政権非支持派の女木島冬輔や久我や一色先輩らと関わるセンもありえそうです。

 ちなみに葉山は第139話感想でも少し述べましたが、薊政権(セントラル)に加入し、創真達と敵対するかもと予想。

 あと残るは第一席の司瑛士ですが・・・。
 これが案外、恵とぶつかることになったりして☆
 もともと初登場時から恵と同キャラという印象が強かった司先輩。
 それだけに尚更比較して見るとキャラクターを深く読み取ることが出来ると思うんですよ。
 月饗祭最終日に、美作をさしおいて創真と一緒に司先輩の店に行った恵。
 そこで司先輩の料理人としての姿を目にしたわけですが、司先輩は超心配性な性分からスタッフを信用していません。
 そこが同じ属性でありながらも、恵と相反する部分なんですよね。
 それに、司先輩の「料理に自分を載せない」という信条は、「料理に心を載せる」ことを大事に思っている恵の姿勢とある意味対峙するものでもあるかな、と。
 そもそも司先輩はその料理スタイルやポリシーの判明のタイミングが早すぎるんですよね、俯瞰的に見ると。
 それを考えると、ひょっとしたらこれからの因縁構築は創真よりも他のキャラと大きく繋がるのではないか・・・と思えてきます。

 

 

 

 今回、公然と宣戦布告した創真。

 そう、創真なら誰が相手であろうと正面から闘うことでしょう。

 たとえ第一席でも。
 第二席でも。

 たとえ

 

 

 

 

 

 

第十席でも。

 

 

 


『食戟のソーマ』第147話感想

2015-12-26 22:40:00 | 食戟のソーマ

 一日遅れでメリークリスマスです。
 ちなみに昨日は38年ぶりとなる、クリスマスの満月だったとのこと。
 仕事終わりにじっくりと眺めながら帰りました。
 クリスマスの夜を煌々と照らす満月、とても綺麗でした。



 いやはや、全然更新せずに誠に申し訳ありません。
 更新できない間もゲーム『食戟のソーマ ~友情と絆の一皿~』の発売やら(買おうか真剣に悩み中)、『ジャンプフェスタ』の開催やら(案の定仕事で行けず仕舞いだったけど、アルディーニ兄弟&四宮の誕生日が明かされたという情報に驚愕&納得)、色々ブログ記事にうってつけの出来事が続々とあったのですが・・・。
 う~ん、なんでかな~~~。
 諸事情でパソコンに向かう時間が取り辛くなったことも原因でしょうが、やはり年末のせいか慢性的に疲れが溜まってしまっていて・・・。
 でも、今の現状はとても、とても大切な事だから絶対に最後まで向き合いたくって・・・。
 もしここで少しでも現状から逃げたら、一生後悔すると分かっているから・・・。

 独りよがりなものではありますが、このブログを『食戟のソーマ』の感想ブログとして少しでも充実させるためにも、ここは焦らず少しずつ自分のペースで更新していきたいと思います。本当にすみません。
 とりあえず、年内にはジャンプ本誌の感想を書き上げるよう努めますので・・・!



 ・・・さて・・・!

 云々と前置きが長くなってしまいましたが・・・

 今回もいってみましょう!!(><)





 週刊少年ジャンプ2016年2号掲載
 表紙&巻頭カラー 
 第147話 【反撃開始!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 堂々の三周年突破おめでとうございます!!! 




 ああ、公私ともに思いっきり宣言できるこの喜び・・・(涙)。

 生存競争の激しいジャンプで三年間も連載できたというのは、もやは立派な大台達成と言えましょう。
 日々頭も体も大変でしょうが、何卒これからも附田&佐伯先生らしい作品を作っていってくださいますよう宜しくお願い申し上げます!!
 勿論森崎先生と担当の上野さんもどうか頑張ってくださいね~!



 そんな三周年突破とアニメ化第二期決定を記念して、本誌の方では表紙&巻頭カラー。
 大体「表紙」と「巻頭」というダブルカラーの場合は、一方が本編に沿った内容でもう一方は本編とはさほど関連の無いイラストになる場合が多いのですが、今回は表紙イラストの方を本編の内容に合わせてきましたか。
 そんな表紙イラストは創真と薊政権の面々(薊&薊派十傑六名)。
 う~~~ん、カラーで見るたびつくづく思うけど・・・。
 薊ってほんっっっとうに顔色悪いよね~~~。(病気なんじゃないの?と素で思うレベル)


 あ、それとの声を上げよ」っていう煽り文、最初読めんかった(爆)。
 (※“かちどき”と読むそうです☆)



 そして巻頭のイラストはこの時期に合わせて、クリスマスコスプレな主要人物三人組(創真&恵&えりな)。
 いやはや、自身が赤髪なものだからサンタ衣裳との一体感が半端ないね創真くん!!
 そしてトナカイ着ぐるみがよく似合ってますよえりなさんどエスマイル)
 主人公とヒロインズのクリスマスバージョンというと、大抵の場合はヒロインがサンタ役(メイン)で主人公はトナカイ役(サブ)に回されることが多いと思うのですが(ラブコメ作品の場合は特に)、そこは敢えてセオリーを外してきた佐伯先生。
 個人的にはこの配役は嬉しい限り。
 だって創真が主導権を握ってるんだもーん♪(←)

 でも、真面目に捉えても創真は「与える」子ですからね。
 創真の決め台詞と共に常に描かれるこの仕草を、サンタという役に見事に宛がってくれたイラストでした。





 さあ、それでは満を持して本編の感想へ!

 創真の手羽先餃子の美味しさに驚愕する審査員達。
 続いて竜胆先輩も食したところ、やはり。

 期待通りに悶絶

 叡山の時よりも反応してくれていただけに、創真の方が美味しいという確信をこの時点で既に得ていたり。
 この作品は喫食時のリアクションの差によって、味の優劣がある程度検討付きますよね。
 個人的にも、叡山の時の余裕ある舌なめずりより今回の無邪気な驚き顔の方が好きです。(^^)

 そして前回私が悶えた手羽先餃子の美味しそうな印象を、一通りリピートしてくださる審査員方(笑)。


 どう見ても地鶏の風味を殺したりくどくなるだけにしか思えなかった調理だったというのに、そんなイメージを覆させた「隠し味」とは一体何だったのか。

 それはケチャップ!

 あ~なるほどね!
 私も時々中華風餡かけに用いますよケチャップは。
 全体の味が引き締まるだけでなく、コクも深まるんですよね~。

 しかも中華料理の脂っぽさを解消させる手段だけではなく、「羽」に使われたチーズとの相性、そして椎茸・鶏肉に続く「旨味の相乗効果」も兼ねていたという!!
 お~!!な・る・ほ・ど!!
 特に感嘆したのが「旨味の相乗効果」!!
 確かにそうです。
 「旨味の相乗効果」は掛け合わせれば掛け合わせる程味わい深さが増しますからね!!
 二重掛けどころか三重掛けしてくるとは。
 これには意表を突かされました。

 一つの素材が三つも四つも、多くの働きを成している、か・・・。
 なんか創真みたいですね。(^^)



 つい先ほどまでの見下した態度はどこへやら。
 審査員は創真の料理を大絶賛♪♪♪
 それほど審査員達を驚嘆させたこの発想は、一体どうやって閃いたのか。
 その疑問に創真は答えます。
 この発想は極星寮の仲間達と一緒に閃いたものだと―――





 一方その頃、極星寮では立ち退きを懸けて尚も攻防が続いていました。
 そんな中、一人部屋に匿われたえりなはドア越しに新戸に話し掛けます。

 極星寮の人々は、なんだか不思議だと―――



 いくらダメ出しをくらっても、一切挫けることなく毎日のようにリベンジを挑みに来る極星陣に呆れるえりな。
 お。このえりなの服装は第143話の扉絵のものですね。
 いつぞやのジャンプヒロインズのポスターで描かれていた水着が番外編に逆採用された時もありましたし、何気にえりなの私服姿って優遇されてる気がする。(まあ、恵の私服はアレだからなんでしょうけど)
 でもって読んでるのはひょっとして『心をのせて』?
 しかも16巻って、もしかして来月発売の単行本をピーアールしてますか佐伯先生?(しかも当のえりなが表紙だしネ☆)

 自分の言った事に従って料理を改善してきたのかと思いきや
 彼らが作った料理はえりなが言った事と全く違うものでした。 
 う~ん、やっぱりえりなはギャグチックにプンスカしてこそ「えりな」って感じっすね~(笑)。

 自分の指示に従っていない料理なんて酷い出来に決まっている。
 そう怒りながら味見をすると・・・
 なんと、その料理は以前よりも明らかに良質な味になっていました。


 ここで久し振りに料理用語の解説。
 ※ガランティーヌ・・・「洗練された」という意味を持つフランス料理。
              鶏肉や魚肉の骨を除いて開いたものに詰め物をして、円筒形に形を整えてから低温で加熱して作られる。
              ちなみにこれの冷製が「ガランティーヌ」。温製が「バロンティーヌ」と呼ばれるそうだが、その区分は曖昧。

  ポルチーニ・・・イタリア語で「子豚」の意味を持つキノコ。
            イタリアを始めとしたヨーロッパでよく用いられている。
            歯切れのいい触感で、生はナッツのような濃厚な風味が、乾燥品は醤油のような独特の香りがあり、旨味が豊富。
            日本では乾燥品が多く売られている。(人工栽培が不可能なため、生の流通は時期が限られている)

  ゴルゴンゾーラチーズ・・・世界三大ブルーチーズの一つ。(ブルーチーズとは、青カビによって熟成されたチーズのこと)
                  特徴的な刺激臭があり、アオカビが多く辛味の強い物は「ピッカンテ」、クリーミーで甘味のある物は「ドルチェ」と二分されて呼ばれている。
                  「ピッカンテ」はそのまま食べられることもあるが、リゾットに加えたり、ソースにしてパスタに用いるなど、料理に使われることが多い。


 しかし「ガランティーヌ」の語源が「洗練」とは・・・、何とも今回の内容に適していますね。
 森崎先生ナイスチョイス☆
 こういう発見があるから調べるのが面白いんですよ♪ 



 何だかんだで創真達にも話しかけるえりな。
 職業病的な料理への煩さもあるでしょうが、真面目で律儀な子だからつい口を出してしまうんでしょうね~。
 えりなはもう少し視野を広く持って考え方を柔軟にさえすれば、面倒見の良いアドバイザーになれると思うんだけどな~。

 でも吉野らと同様に、創真もえりなの理屈云々をナチュラルにスルー(笑)。
 いえ、彼らはえりなの言う事を「聞いて」はいますよ?
 ただ、「言いなり」にはなっていないだけです。


 それにしても極星寮の面々って、いつもこんな風に料理のアイデアを出し合って切磋琢磨してたのか~。
 こんなに楽しそうな毎日を送っていたのならば、寮が潰されるのは辛いですよね、そりゃあ。

 そうして皆で意見を交わし合って導き出した答えが、今回の創真の料理の「隠し味」に繋がっていたという。


 洗練された「上」の存在一人の教えにただ従うのではなく、滅茶苦茶ながらも「対等」なぶつかり合いによって生まれる“答え”。
 えりながこれまで考えたことすらなかったやり方、姿勢。
 それが極星寮という世界にはあったのでした。





 はい。
 遂に作中で明示されました。

 えりなの「絶対的正しさ」が。

 えりなの味覚は確かに正しいです。
 でも。
 それは厳密に言えば「正確さ」なんですよね。
 料理に用いられている素材、調理法、素材同士の主張のバランス。
 そういったものを正確に測り取れる分析能力がとてつもなく秀でているという。
 しかしながら、えりなの味覚はあくまで既存の料理を正確無比に分析することだけ。
 その料理の欠点・問題をどうしたら改善・改良出来るかというのは、結局はえりな単身の思考や判断によるものにすぎないんですよ。
 その出自と才能があまりにも相応し過ぎたために、生まれながらに崇め奉られ、その味覚による判断が全ての面において正しいと盲目的に信じられてきたえりな。
 そして、彼女自身さえもそれを当たり前のものと思ってしまっていたわけです。


 対して創真は常に他者からの意見を取り込もうとしますよね。それは初期の頃からずっと。
 そのことから、きっと創真は昔から「ゆきひら」のお客の意見を聞いてきたのだろうな~と憶測できます。
 創真もえりなと同様に幼少時から実家の手伝いを通して多くの大人達に囲まれてきたわけですが、その大人達の態度は敬いやへりくだりなど全くない、親戚の子に対するような親しく温かいものでした。
 しかも本人が自分に足りないものを自覚し、常に探究する姿勢ときたのだから、そりゃあ他者の意見を聞くことを何ら厭わない子に育つわけです。
 そんな創真はさすがにえりなほどの正確な味覚は持ち合わせていませんが、その代わり・・・
 とんでもなく豊富な“引き出し”を持っているんですよ。
 あのふみ緒さんも感嘆する程の。(by第42話)
 今回はサラリと描写されていましたが、創真が思いつく料理の改善法ってかなり的確なんですよね。
 もっとも、それはこれまでの展開の中でも暗に描かれていた事ですが。
 他者の意見を聞く姿勢からあまり浮き彫りにはなっていませんが、えりなの「分析力」に対し創真は「応用力」に大変長けている子だと思います。 





 そんなえりなと交錯する形で、場は再び創真サイドへ。
 こういう交差的構成が本当にお上手ですよね附田先生は。
 この二人の因果関係とシーンチェンジが見事に繋がっています。

 創真の料理は自分と極星寮の面々との日々が乗った品。
 中枢美食機関(セントラル)が一方的に無駄と判断し、潰そうとしたものが。

 審査員達は、そんな創真の言葉に何も言えませんでした。
 「セントラルの思想こそが絶対に正しい」と自分達が盲目的に思い込んでいたことに気付かされたために。





 そして創真さん、食べずにいた残り一人の審査員を「真ん中の人」呼ばわり。

 

 

 

 でもって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひ  え  え  
♪ ♪ ♪ ♪ 

 

 

 

 

 

 

 

 まさに戦慄にして戦慄v

 ダークネスな創真様ここで遂に大全開でございます♪♪♪

 信じられます・・・?この方これで堂々と少年漫画の主人公やってるんですぜ・・・?(褒めてます)



 あ~~~この創真様が見たかったんですよ。心底。
 叡山が極星寮に押しかけて来た時から度々その眼差しを見せてくださってはいましたが、最高のタイミングでリミッターを外すあたり、やはりとんでもないお方です。
 やっぱり創真様はこのドSさがあってこそですからね。

 誠にありがとうございました。



 そんな創真様に促され、遂に審査員Aは口に。
 創真の料理による主張に何も言えなくなってしまった以上、もう実際に食べて反論点を見つけ出してやろうという意図があったのかもしれません。
 体裁を保とうとする意地やら、食欲に従う本能やら、なけなしの抵抗心やらがないまぜになった感情が、創真の皿に挑む姿に感じられました。
 まあ、そんな精一杯の意地で挑んだものの・・・
 あっけなく敗北(陥落)♪
 ハイ、お疲れ様でした♪



 審査員全員が創真の料理に魅了されてしまった叡山。
 そんな叡山に創真は言います。

 この言い方が巧妙ですよね~~~!!!
 附田先生って本当に創真に粋な物言いをさせてくださいますよねホント!!

 絶句レベルに豪胆で強気な姿勢ながら、創真って根本が超謙虚なんですよね。
 これまで呆れ果てるぐらいの非難を受けてきたのですもの。いざこうして自分が優勢に回ったならばもっと図に乗ったっておかしくないんですよ。
 それなのに「捨てたもんじゃないでしょ?」とだけしか言い留めないなんて。
 どんだけ人ができてんねんと言いたい。



 懸命に極星寮を守ろうと闘う極星陣。
 体裁や理屈など忘れたかのように、一心不乱に食べる審査員達。

 えりなと創真の発言の交差と同様に、これらのシーンの交差も畳み掛けとしてバッチリでした!!





 そして・・・!

 

 

 

 

 「お粗末」

 

 

 

 

 

幸平創真 完勝。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 「料理の正解がひとつしかないっていうつまんない考え方
 俺の料理で壊してやるよ」


 



 

名言キタコレ。

 

 

 




 これこそ“全ての始まり”である第4話で、そして『遠月革命編』が本格始動して間もない第137話で創真が宣言した
 「えりなに「美味い」と言わせる 自分の料理で」
 という言葉の意訳です。

 セントラルの思想である「徹底した高級志向、洗練主義による支配」。
 それはえりながこれまで掲げてきた信条そのものです。
 いうなれば、今回の審査員&叡山の役回りはえりなが請け負っていても何らおかしくなかったんですよ。
 えりなの凝り固まった考え方、囚われているもの。
 それらを彼女の信条とは真逆に位置する創真の料理で打ち砕くこと。
 それによって創真の料理を認めさせることが、ひいてはえりな自身を救うことにもなるという。
 だからこそ、今回えりなを裏の語り部にあてたのは必然でした。

 この言葉は『幸平創真』という人物そのものであるのと同時に、この料理漫画における最大の主張だと思います。





 そんな主張を引っ提げ、創真は「偏見」に真正面から挑戦。
 そして見事「絶望」を覆してくれました!!

 しかもそんな圧倒的決着に叡山は尻もちという。
 なにこのご褒美。(※栗うさぎは自他共に認めるドS)
 創真ありがとう附田&佐伯先生ありがとう。 



 適度なガス抜きはあったものの、これまで散々ストレスが溜まっていただけに。

 ラストの創真の圧勝振りがもう!(o(><o) (o><)oo(><o) (o><)o)

 もう!!(o(><o) (o><)oo(><o) (o><)o)

 もう!!!(o(><o) (o><)oo(><o) (o><)o)

 

 

 

やったぜ創真ーーーーー!!!!!
(・:*:・゜☆d(≧∀≦)b☆゜・:*:・)

 

 

 



 って感じでガッツポーズ&飛び跳ねまくりでした。

 やっぱりど真ん中ストレートをいく勧善懲悪な勝負は良いですね。
 勝った時の爽快感がもう抜群♪♪♪

 まさに創真は己の料理で叡山に、そして審査員達に見せてくれました。
 一方的な価値観で不要と判断することの過ちを。 
 極星寮の価値。それを創真が見事に証明してくれたこと。とても嬉しかったです。
 毎回のことながら創真が伝えんとするメッセージと料理の内容の調和性の見事さには唸らされます。
 っていうか、スタジエール編(後半)以降の創真の品っていずれも非常に深いメッセージ性(重大要素)が込められたものばかりですよ?
 もし時間があったら創真の料理のみに焦点を当てた考察記事を書きたいぐらいです。(無理だろうけど/泣)

 ホントにもう、これ以上は無いというぐらいの最高の勝利に万感の思いでした。(><。)
 は~満足満腹♪





 さて。

 食戟は終わったものの、今回のサブタイを【反撃開始!!】と敢えて名付けたあたり、やっぱり今回の創真の勝利は薊政権への反旗の意味もあったと見て間違いありません。
 今回の食戟によって
 十傑の席次=実力順とは一概に言えない。
 状況次第では創真は現十傑と対等に渡り合えるレベルにまで成長している。
 これらが証明されたと思います。

 今回の勝利によって、鎮静化していた反薊派の動きは再び活発化することでしょう。
 それだけ創真は大きな“希望”を遠月学園に灯してくれました。

 果たしてこの“希望”はどんな波紋を呼び起こすこととなるのでしょうか?

 

 


アニメ第二期おめでとうございま~す。

2015-12-14 23:55:00 | 食戟のソーマ

 と、社交辞令的に言ってみる。

 

 

 嘘ですよ(笑)。

 

 

 『ソーマ』がそれだけ人気があるという事なのですから、素直に嬉しいです。(^^)
 ただ、あまり過度な期待はしないでおこうと思っています。
 期待しなければ、その分ガッカリ感も少なくて済むかな、と。
 ・・・なんてネガティブな姿勢。



 そういえば単行本第18巻は、『アニメフェスタ2015』で上映されたというアルディーニ兄弟が主役のアニメのDVD同梱版も発売されるそうですね!
 これは予約決定でしょ☆
 このアルディーニ兄弟のエピソードは小説版第一弾に掲載されていた【タクミの下町合戦】がベースとなっているものですが、最初この話がアニメフェスタで新作アニメとして上映されると知った時は
 「よくこのエピソードを選んだ!!アニメスタッフさんグッジョブ!!」
 と頷いたものです。

 単にこのお話が、タクミが創真をいかに好きかという事を語っている話だからという理由でアニメ化を喜んだわけではありません。(いやそれも立派な理由だけど/爆)
 何故なら、このエピソードはこれからの展開における非常に重要な“鍵”が仕込まれている話だから。
 ハッキリ言って、このタクミ編は小説版第一弾における各エピソードにおいて、原作との関わりが最も深い話だったと思っています。恵編よりも。四宮編よりも。
 ですから、アルディーニ兄弟のファンではない方も同梱版の購入を強くお勧めしたいですね。
 それぐらい、このお話を事前に知っていれば、後々の原作の展開において「ああ、なるほど・・・!!」と舌を巻くことになると思いますよ。

 それにしてもこういった良質な小説化といい、アニメのサブ描写といい、つくづく『食戟のソーマ』はメディアミックス化に恵まれた作品だと思います。
 本当に附田&佐伯先生は“人との出会い”に恵まれてますね。(^^)

 それにしてもまあ・・・。
 このアルディーニ兄弟のエピソードがこのタイミングで再び浮上したのには結構驚いてます。
 いえ、今現在書き進め中の三周年記念考察第二部の内容も、実はこのエピソードと結構関わりのある内容になっているんですよね☆
 まあ、それだけでなく●●もキーポイントとして取り上げているんですが・・・。
 私的な理由でちょっと纏まった時間が取れなくなってしまい、当初の予定より大分遅れてしまっていますが、それでも最後まで今回の記念考察は書き切りたいと思っています。
 どうか気長にお待ちくだされば幸いです・・・。

 

 

 

 

 

 ちなみに、今週の『ソーマ』本編の方はというと・・・

 

 

 

 

 



(怖)

 

 




 ではこれから感想記事の執筆に入りたいと思いまーす♪♪♪ 

 

 


『食戟のソーマ』第146話感想

2015-12-10 23:45:00 | 食戟のソーマ

 次号のジャンプは、『食戟のソーマ』の三周年突破を記念して表紙&巻頭カラー。
 いや~・・・『ソーマ』もすっかり表紙&巻頭カラーに馴染みましたね~・・・。(^^)




 って。

 

 

 

 

 



 


(o(><o))

 

 

いっ

((o><)o)

 

 

つーのーーー!!!!!

(o(>o<)o)



 

 

 

 てっきりスルーされたと思っちゃったじゃないですか!!
 早とちりしちゃったじゃないですか!!
 ああもう!!ジャンプ編集部さん御免なさい!!!(←逆ギレ?)

 なにやら三周年記念だけでなく、超重大発表もあるとのことですが・・・はて?
 アニメ第二期?
 それとも実写化?

 どちらにせよ私の反応は(-_-)ふーん・・・ですけども。

 いえ、決してアニメ第一期に不満轟々だったというわけではないんですよ。
 素晴らしい所は大変素晴らしく、総合的に見れば良いアニメだったと思います。

 ですが、如何せん思いっきり期待していた回が・・・あははは・・・(乾いた笑い)。
 そして過剰すぎるお色気表現が・・・・・・・・・・あっははははは・・・・・・・・・・(超乾いた笑い)。

 というわけで、もし第二期の制作決定の報だったとしても、眉一つ動かさないことでしょう。
 ちなみに実写化だった場合も同様ですね。
 確かに『ソーマ』の世界観なら実写化しても全く問題ないでしょうが、私は漫画の実写化にはかなり抵抗を覚える人間なものでして・・・。
 これまでに漫画からの実写化で不満無く楽しめた作品は『るろうに剣心』と『バクマン。』ぐらいですね。
 原作の大きな魅力となっている、迫力あるテンポの良い調理描写は実写では表現が難しいと思います。
 かといって、安直にCGなんて使ってきたらそれこそ幻滅ですが。 

 でも、もしそうではなく公式ファンブックやイラスト集の発表だったなら・・・。

 

 

 

★。.::・'゜☆。 \(T)/ ☆。.::・'゜★

 

 

 

 と、狂喜乱舞します。(えらい差)



 次週のジャンプに期待しつつ、今回もいってみましょう~!





 週刊少年ジャンプ2016年1号掲載
 掲載順第4位
 第146話 【隠し味】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「手羽先餃子」の完成に向け、調理を再開する創真!!

 創真の挑発にまんまと乗せられ、叡山も創真の料理を食べることにしたようです。
 そんな創真と叡山のやり取りを見守る竜胆先輩の表情が良いですね~。(^^)
 創真を信用してるというか、買ってくれているというか。
 表情豊かな竜胆先輩だけど、この表情が私的に一番好きかも。

 と、ここで一旦会場を出て、創真は何かを取りに行きます。(思い出される秋の選抜美作戦)
 ここの「?」な叡山にちょっと愛着(笑)。

 それは鶏ガラスープ。
 食戟開始前の仕込みの時に創真が手掛けていたものでした。


 お~。ここで「スキレット」や、餃子を美味しく焼くコツなど、私達読者にも使える知識が披露。
 特に「スキレット」を知らなかった私としては、こんな道具もあったのかと良い勉強になりました。
 調べたところ、「スキレット」に適した料理は肉料理や餃子という事で、まさに今回の料理におあつらえ向きな道具というわけですね☆
 そしてここでもやはり附田先生は用いてくれました。
 「やさしい」という言葉を。(^^)

 蒸し焼きするためのお湯を投入した直後、創真はパルメザンチーズ(粉チーズ)を投入。
 前回ラストで描かれていた、「最後のひと手間」に必要なアイテムその1ですね。
 何の目的で粉チーズを入れたのかというと・・・

 あ~!!羽根つき餃子!なるほど!!
 これが普通の餃子だったなら羽根つきも想像できたかもしれませんが、手羽先餃子ということに気を取られて全然気付けませんでした。
 手羽先(翼)に羽を付けるって・・・。
 何気に洒落てますね創真☆



 ・・・鳥(鶏)・・・。
 ・・・羽・・・。
 そしてここ最近の「原点回帰」展開・・・。


 ・・・と い う こ と は・・・。


 (ハイ、いつも外れる私の予想いきまーす!)

 

 

 

第三話で披露された「天使の羽リアクション(パワーアップバージョン)」が再発したりして☆

 

 

 

 えりなの代わりとして今回そのリアクションを竜胆先輩が担ってくれれば、全世界の男性読者も満足してくれること間違いなし(苦笑)。

 初めて目にした時はドン引きさせられたものでしたが(大苦笑)、今改めて見れば、あのリアクションもかなり重要な意味を見出すことが出来ますから。(そして・・・、同じく第一巻に収録されている「あのリアクション」にも。)



 そんな創真の調理を、尚も嘲笑する審査員。
 かと思えば、何も言わない創真を怒鳴ったり。
 でもって創真から「しっ」と言われただけで本当に黙っちゃったり。
 なにキミ?創真に構ってもらいたいの?(←←←)
 とりあえずこの最も偏屈な審査員を「審査員A」と呼ぶことにしましょうか。


 料理の音の変化に集中する創真。
 この創真を見て思い出されたのが、スタジエール編にて些細な音の変化も聞き逃すまいと調理していた四宮。第111話
 創真は師匠の姿からしっかり学んでいた模様です。(^^)

 そうして焼き上がった手羽先餃子に、創真はここで先程持ち運んできた鶏ガラスープと「最後のひと手間」に必要なアイテムその2であった片栗粉を混ぜ合わせて作った、「あんかけ」を回しかけ―――

 遂に創真の料理が完成・・・!!

 相も変わらず格好良い「おあがりよ」も添えて!!(個人的にはこっちがメインディッシュv)




 スキレットの上でジュワジュワと音を立ててる手羽先餃子。
 あう。美味しそう。( ̄¬ ̄)
 餃子好き、鶏肉好き、チーズ好きな私としては、これは堪らない・・・!!
 めっちゃご飯が進みそうな一品です。

 かくして、創真と創真の手羽先餃子への否定発言をいい加減にしろってぐらいに言いながら、箸を取る叡山。
 そんな叡山はもはや無視するとして(←)、いかにも香ばしそうなザクッという皮目といい、ジューシーさ溢れるジュワ・・・という音。そしてとろ・・・というあんかけのとろみ。でもってチーズの羽はパリッパリでしょうし・・・。
 うわこれ食感だけでも絶対美味しい!!(>¬<)

 そして食べる叡山。
 うん、ページを捲るのがとっても楽しみでした♪(どエスマイル)

 

 

 

  でもってページを捲れば・・・

 

 

 

佐伯先生ありがとうございます。
(あー愉快痛快♪♪♪)

 

 

 

 さ~あ♪

 きたきたきたよきましたよ創真様の言葉攻め♪
 「ひょっとして」なんて一応クッション敷いてますが、表情が完全に確信犯(苦笑)。 
 創真に気付かれてビクッとなった拍子に呑みこんじゃう叡山にやっぱり愛着(笑)。


 そんな叡山の反応に驚く審査員達。
 なので、創真は彼らにも料理を。
 百聞は一見にしかず。
 見るより実際に味わった方が遥かに実感できますものね♪

 内心では食指が動いていたものの、意地を張り、食べずに判定を下そうとする審査員A。
 でしたが、そんな彼の手を止める者が。
 
 誰!?と思ったら、審査員の内のもう一人でした☆

 判定は一口食べてからでもいいのでは・・・と進言する審査員B。
 確かにね~♪
 ここで判定を出してしまったらもう食べられませんもんね~♪(ニヤニヤニヤニヤニヤリング)

 審査員Aのように意地を張り切れなかった審査員Bは、食べてみることに。
 それに乗じて、審査員Cも。

 その結果。

 

 

二人ともおはだけ!!
(イェーイ♪♪♪)

 

 

 そんな審査員達の反応にまたも驚かされる審査員A。
 さあ、これで残りは貴方だけですよ?(悪魔の笑み)



 創真の料理の味に何故!?と驚愕する審査員B&C。
 地鶏の持ち味を殺すような調理ばかりしていた筈なのに、その料理は地鶏の風味が非常に際立っていたのでした。
 ほ~ら見ろほ~~~ら見ろ♪♪♪

 その秘密は「あんかけ」にあると、審査員の疑問に答える創真。
 そのあんかけには地鶏のスープや調味料の他に、“ある隠し味”が加えられているとのこと。
 ほう・・・!まだ工夫があったとは!
 果たしてその“隠し味”とは一体?
 創真の事だから至って一般的な物に違いないでしょうが、その反面手羽先餃子に使われるには非常に意外な物かと思われます。
 これは次回のタネ明かしが楽しみですね♪


 尚も口を噤んだままの叡山に創真は言います。
 どちらの皿の方が美味いかハッキリさせたくありませんか?と。

 

 

 

ニ・ヤ・リ♪

 

 

 


 

 

 

 これは上手く絡め取りましたね・・・!!

 さ~これで叡山は自分のプライド保持のためにも後に引けなくなりましたよ♪
 本気で作ったからこそ、叡山は今回の自分の料理には妥協できないプライドと自信が乗ってしまったわけですから。
 見事に創真はこの食戟を真っ向勝負へと誘導させました!!



 なのに・・・。

 ・・・う~ん?
 何やら今回の勝負もネットでは不満の声が上がっている模様・・・。
 どうやら甲山先輩との食戟では、叡山&審査員は甲山先輩の料理も言い分も総無視で八百長判定を強行させたのに対し、そんな彼らへの対処として創真が取った策が単なる挑発だけだったことにガッカリ感を抱いている模様ですが・・・。

 私は全くそうは思いません。

 甲山先輩の場合と今回の創真の場合には、大きな違いがあるんですよ。

 それは「因縁」。

 商店街復興編(唐揚げ編)を切っ掛けに繋がった、創真と叡山の因縁。
 その因縁によって創真は叡山から確たる敵意と共に、数々の障害を受けることになってしまいました。
 ですが、創真はそれをことごとく乗り越えているんですよね。
 秋の選抜では美作という刺客に勝利したばかりか、改心させて。
 そして今回の食戟でも、叡山のあらゆる嫌がらせにも全く心乱されることは無かったという。
 そんな風に創真が全く自分の思い通りにならないことから、叡山はどんどん創真に対してムキになってしまうことに。
 それが逆に、ますます創真のペースに巻き込まれて呑まれてしまうことになったというわけです。

 つまり。
 創真は自分に向けられる叡山の敵意を逆手に取ったわけです。
 ここが創真の「感覚的策士」たるところ☆


 そこが創真の最も凄いところの一つ。
 自分への“逆風”を、“追い風”へと変えてしまうんですよ。
 いつの間にか。
 でも気付いた頃には確かな形となっていて。

 でも、この勝負に挑む創真を支えたのは、自分の料理への自信と仲間達への信頼、そして叡山への理解があったから。
 これまでほとんど無策とも言えるような無茶振りで挑みつつも、常に対戦相手の本質的部分に真っ直ぐ向き合ってきた創真の姿勢を思えば、今回の創真も非常に彼らしかったです。(^^)


 で、叡山への対処法はそんな因縁を上手く活用させたわけですが、一方の審査員達の方への対処はというと、これまた上手い事に叡山の表情を利用しているんですよね。
 これまで散々、あの手この手で創真を陥れようとしてきた叡山。
 創真への反発と料理の美味さによる強烈な板挟みによって、今回遂に前回の「あの表情」さえも凌駕するほどの顔を晒しました。
 それが逆に審査員の、創真の料理に対する興味を湧かせることになったという。
 創真をあれほど見下していた叡山がこんな反応をしてしまう料理なんて、一体どんな味なんだろう。
 そういった好奇心。
 しかもこれまでずっと顔芸をさせ続けたり、ついさっきまで散々創真への侮辱発言ばかりを言っていたのに彼の料理を食べた途端黙ってしまうなど、これまでの叡山の姿を通して丁寧に創真の料理のインパクトを今回の展開に集約させているんですよ。
 そう考えると

 凄いなぁ・・・!!

 と、本気で感心させられます。


 まさに附田先生の構成力と、表情の描写を最も得意とする佐伯先生の力が素晴らしく合致した展開だったと言わざるを得ません。


 うん、まさに今回の食戟は薊政権への反撃の狼煙として相応しい内容ですね。
 審査員が言っていたことに、そのファクターがしっかり織り込まれています。
 薊政権の方針は、上質な素材の徹底厳選と洗練。
 叡山の料理は「大衆料理」という点を除けば、まさにそれが反映されていた品でした。
 対して創真は雑多の素材を用いるという、無茶苦茶なように見える混沌とした料理。(でもその味は・・・♪)
 薊政権、ひいては[中枢美食機関(セントラル)]のモットーとする料理スタイルと丁度対極に位置しているのが「創真の料理」なわけです。
 創真は薊政権への対立勢力の象徴的存在になれる料理人なんですよね。
 もっとも、創真の事だからそーんな大仰なリーダー役を務めるつもりなんて全く無いでしょうけど。(^^)

 薊政権への対立勢力の象徴になり得る創真。
 そして。
 薊政権の“鍵”となる存在が・・・、えりな。
 
 
今回の叡山との食戟は創真とえりなとの確執に通じるものも結構あるな~、と感じられて、個人的にはかなり味わい深いです。




 さあ!!大変大きな意味を持ったこの食戟も、いよいよ最後の判定を残すのみとなりました!!
 でも一方で繰り広げられている極星寮の状況も気になるところですし、まずはそっちの方の描写が先でしょうかね?
 
 そして創真が言っていた「叡山に見せときたいもの」も明示されるでしょうか?

 

 


 とにもかくにも、最高の「お粗末!!」を全力待機です!!!

 

 

 


『食戟のソーマ』第145話感想

2015-12-04 12:00:00 | 食戟のソーマ

 今週のジャンプに掲載されていた通巻購入特典の描き下ろしイラストを見ては呆けている毎日です。

 いやホントこれ素敵すぎますよ・・・。(///)

 前回の描き下ろしだったガールズサイドイラストが『地獄の合宿中の露天風呂』という原作に沿ったテーマだったことから、佐伯先生は今回はアニメのOPテーマを意識した内容にしてくださったのではないでしょうか。

 ってゆーか、ツイッターの「お気に入り」&「リツイート」数がちょっとすごいことになってるんですけども(汗)。
 ちなみに前回の特典だった遠月ガールズの露天風呂イラストはというと、それぞれ400前後。(過去の記事を読み戻してみた)
 でもって今回の[イケメンカルテット]のロックバンドイラストはというと・・・。
 いずれも800オーバー☆☆☆

 ・・・すげー・・・(汗)。

 でも考えてみれば、前回のイラストは男性読者は惹かれたでしょうが女性読者はドン引き戸惑った内容だったのに対し、今回のイラストは女性読者は勿論ながら男性読者も惹かれるであろう内容ですものね!!(^^)

 創真の表情も、まさに「特典イラスト」ならではのもの!!
 原作ではこんな風に“叫ぶ”姿はまず見られないでしょうからね~・・・。
 そしてタクミも良い感じ♪
 やっぱりタクミは創真のライバルであり友人・・・というより、もう親友といった感じですよね。(^^)
 ケンカでもコント(笑)でも構いません。これからの彼ら4人揃ってのやり取りが楽しみ過ぎます♪♪♪

 とにもかくにも、佐伯先生にエベレスト級の感謝を。
 


 さてさて、では充分に目の保養を得たところで今週もいってみましょう!





 週刊少年ジャンプ2015年53号掲載
 掲載順第4位
 第145話 【真の美食】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特典ポスターも格好良いけど扉絵も格好良いなあオイ!!!(><)

 一切の迷いなく前を向く創真の姿が凛々しいったらもう・・・(恍惚)。
 鉢巻き装着な創真は随分とご無沙汰だったこともあって、この扉絵だけでも30分は見てて飽きませんね!





 さて、では気になる本編へ。

 いよいよ餃子を焼くという仕上げの工程に入った創真。
 創真の作っていた餃子は、通常の皮ではなく手羽肉で具を包み込んだ「手羽先餃子」でした!!
 中身の具は、一般的な餃子に用いられる食材に加え、創真は「豚トロ」と「椎茸」も使用。
 お~ここでも秋の選抜編(本戦第一回戦&決勝戦)で用いた「旨味の相乗効果」を用いてきましたか!
 
過去の料理経験もきちんと活かされている点が、この作品の感心できるポイントだな~とつくづく。

 そんな創真の手羽先餃子の完成を待ちわびる竜胆先輩。
 ですが、審査員達は「B級グルメ」だの「愚行」だのと、食べるまでもないと酷くバッシング。
 少しは「食べてから考える」という竜胆先輩の姿勢を見習ったら?(怒)


 それに乗じて叡山も創真の料理に見切りを付け、あろうことか調理の火を勝手に消すという行動に。
 なにすんねん叡山。
 自分の調理を横から中断されるって、料理人として非常にプライドに障る最低行為なんだぞ。
 これまでずっと続いていた小者感丸出しな罵倒よりも、この行動が一番腹立ちました。



 というわけで、創真のこの眼。
 あ・・・やっちゃった☆(知ーらないっと)



 そうして創真の調理を中断させた叡山は、代わって自分の料理を審査員に出してきます。
 叡山の料理は「海南鶏飯(ハイナンジーファン)」。
 
そんな叡山の料理には打って変わって大興奮する審査員達。
 をいちょっと待てや。
 「海南鶏飯」って現地では屋台で手軽に食べられる、それこそB級グルメの代表とも言える品なんですけど?

 ついさっきまで同じB級グルメである創真の「手羽先餃子」を散々侮蔑していたくせに、この矛盾っぷり。
 アンタら鳥頭か?(鳥料理対決だけに、と言いたくなる悲しき栗うさぎ)

 そして叡山は、自分との格差を思い知らせるために創真にも料理を。
 居場所を奪われそうになり、仲間達を窮地に立たせ、散々罵倒され、料理人として最低行為を受けても尚「いただきます」と言う創真の礼儀正しさにはもはや泣けてくる。

 そして食す、創真と審査員達。

 

 

結果、両者おはだけ。

 

 

 はあ・・・。
 やはり何度見ても創真が「おはだけ」させられるのは悔しいなあ~!!(>"<)
 それだけ叡山が凄いという事なんですけども。
 それでもやっぱり、こういった下衆野郎悪役に「おはだけ」させられるのは悔しいです・・・!!

 ちなみに竜胆先輩は反応はしたけども派手なリアクションは無し。(その代わりどアップ)
 これで創真の料理でリアクションしてくれたら、諸手を上げて喜ぶよ?



 審査員を始め、竜胆先輩の舌をも唸らせた叡山の料理。
 ですが、それでも創真の心は全く折れませんでした。

 創真は自分の料理がまだ全然未完成だと主張。
 最後のひと手間で創真の手羽先餃子はようやく完成するのだと。
 ほう、焼き上がったら完成というわけではなかったのですか☆

 そんな創真の主張に対し、聞く耳持たずとさっさと食戟を終わらせようとする叡山と審査員達。
 でも創真は至ってマイペースに言い放ちます。

 

 

 

最強武器の一つである、“挑発”を。

 

 

 

 真っ直ぐな真剣勝負をこの食戟に望んでいた私。
 しかしながら“挑発”までもこれほどストレートなものを創真が投下してくるとは思わなんだ☆

 そんな創真からの超ど真ん中ストレートな挑発に、叡山、四コマ消費。
 そしてページを捲ると案の定・・・




おめでとう叡山!!堂々の顔芸大賞受賞です!!!
(大苦笑)







 いや~~~まさか美作を超える顔芸キャラが現れるとはな~~~。
 しかもそれが叡山になろうとは・・・。
 ここまでのレベルになると、もはや佐伯先生が楽しんで描いちゃってるのが分かっちゃいますよ(笑)。

 創真の素晴らしい煽り耐性の高さとは真逆に、この煽り耐性の低さ。
 格の差はもう歴然ですね。  

 そして怒髪天を突いている叡山を都合良く解釈する創真のマイペース振りったら(苦笑)。



 こうして食戟の続行に成功させた創真は、中断されていた調理を再開します。
 勝負の火は、再び着火することに―――!!

 

 

 


 

 

 

 

 今回を読み終わった時、思いました。



 これはリベンジですね。



 何のリベンジかというと、秋の選抜編決勝戦にあたる第101話【鍛えた名刀】の。

 
あの回が本誌で掲載された当時、ネットでかなり見受けられたんですよね。
 最初から料理の全貌を明かそうとしなかった創真の姿勢に対する不満が。
 製作者側からしてみれば、まずは大きなハンデだったサンマの差を埋める「糠サンマ」という工夫を出した後に、創真自身の工夫である「豆乳スープによるおじや化」を披露させようという狙いだったのでしょうが、その構成が不味かった。
 やはり「大会」という公の場において、勿体ぶった態度で後出ししてくるのって読者にとってはかなり印象が良くないんですよね・・・。
 焦らす経緯そのものが全く不必要に思えるというか。
 多分附田先生としては創真のキャラクター性における大きな持ち味である「誘うような挑発性」も見せたかったのでしょうが、如何せんこれも大きく空回りしてしまうことに。
 これで審査員が人間的に見下げたような悪者キャラだったなら創真の挑発性は上手く働いたのでしょうが、仙左衛門達は至って厳格ながらも公正な人格者でしたから。
 結局創真の挑発も必要性が全く無いものになってしまったという。
 そういった「場の状況」と「製作者側が見せたかったもの」の折り合いが合わなかったため、結果的にかなりの不満意見が出てしまったものと思われます。(私は創真至上主義者なこともあってそれほど強い不満は抱きませんでしたが)

 だからこそ、その失敗のリベンジとして前回から今回にかけて、こういった構成にしたのでしょう。

 途中まで料理を公開してからの中断。
 最後のひと手間でようやく完成する料理。
 そして創真の挑発性。
 第101話で処理しきれなかったこれらのファクターを、今回は敵である叡山や審査員達を徹底的に悪役にさせることで違和感なく処理できていました。
 それと同時に無理なく創真を後攻へと回していたのも見事。
 今回の構成は、第101話のリベンジとしては立派な成功と言えましょう。

 失敗をそのままにしておく気はない。  
 やっぱり附田先生は創真の生みの親ですよ。(^m^)





 はてさて、構成では見事リベンジを果たしましたが、料理の方はどうなるのでしょう?
 今のところ「これぞ創真の料理だ!!」といったオリジナリティのある工夫は見られないだけに、次回一気にお披露目となるのは間違いありません。
 一応今回、審査員は豚肉を使うことで地鶏の上質な後味を殺していると酷く非難していますが・・・。
 何言ってんの?と私は言いたい。
 違う食材の組み合わせがより互いの美味しさを高めるなんて、よくあることじゃありませんか。
 審査員のこの指摘に真っ先に思い浮かんだのが秋の選抜編で美作が作ったビーフシチュー。
 あの時の美作の品は豚肉の特製ベーコンによって牛肉のインパクトが更に高められていましたからね。
 美作が叡山の部下だったことを思うと、これは中々面白い指摘です。

 創真の手羽先餃子の完成に用いられるのは、粉チーズと何やらもうひとつ。
 それらで一体どんな工夫を魅せてくれるのか楽しみです♪



 叡山は一足先に今回料理を披露しましたが、完全に外国の料理でしたね。
 うん、やっぱり叡山は世界へのグローバル進出を見据えているのでしょう。
 ってゆーか。
 こんなにもストレートな料理作れるんじゃないですか!!
 地鶏の持ち味を活かすこれほど真っ直ぐな良い料理を作れるというのに、なんで姑息な手段をとってくるのかなーもー!!(><)

 創真も多分、叡山の料理を味わったことで彼の本質を見抜いたんじゃないでしょうか。
 叡山は本当はえりなやタクミのような真っ直ぐな性格なのではと。
 だからこそあれほどの率直な挑発をしたのだと思います。
 創真は天然で煽りまくる子ですが、その反面意図的に挑発する時は結構な策士としての面を覗かせるので。
 案の定、効果は抜群だったし。(^^;;;A)

 なんかもう、完全に叡山、創真の掌で転がされてますよね~~~♪
 掌で転がされるのは状況的に創真の方の筈なのに、やっぱ創真は凄いよ。




 今回は叡山や審査員を通して、“創真が倒すべきもの”が一番しっかり見えた回でした。
 それは「偏見」「見下し」「先入観」といった偏った固定観念。
 なまじ叡山の料理も創真の料理と同じ大衆料理だったからこそ、尚更その矛盾性が明確となっていました。

 さて、いよいよ次回発揮されるであろう、創真の超重要ファクターである「偏見への挑戦」。
 果たして叡山や審査員達をどんな風に翻弄してくれるのか大変楽しみです!!(><)