あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

見た瞬間目玉と魂がぶっ飛んだ☆

2015-11-30 22:20:00 | 食戟のソーマ

 楽しみにしてました。
 アニメDVD&ブルーレイ通巻購入特典の佐伯先生の描き下ろしが、今回は[イケメンカルテット]と知った時から。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐伯先生の

おばかーーーーーーーー

!!!!!!!!!!

(感涙にむせびながら)

 

 

 

 

 

 

 どうしてくれるんですか!!
 今晩眠れなくなっちゃったじゃないですか!!
 明日が遅番でよかった・・・。

 第70話の扉絵の感想の際に独りごちた妄想が現実になるというとんでもない不意打ち。
 ポジションは全然違ったけど(笑)。
 でもこれはこれで最高!!!!!(Σd(TT))
 
予想を遥かに超えるこの格好良さ。
 うわ~~~これは女性ファンは目の色変えて飛びつくに違いない・・・。

 大興奮したと同時に、ちょっと驚きました。このタイミングでこのイラストに出会えたことに。
 いやね、最近「創真のイメージによく合ってる歌だな~(^^)」と気に入ってよく聞いていた曲があったのですが、そのイメージにピッタリすぎて☆☆☆
 う~む・・・。やっぱり佐伯先生もこの作品のイメージを曲に例えるなら「ロック」と思ってくれてるのでしょうか・・・。
 もしそうだったなら嬉しいな♪

 


『食戟のソーマ』第144話感想

2015-11-27 19:06:06 | 食戟のソーマ

 どうもです。
 研修発表会がようやく終わり、今年の仕事関連の山場はひとまず落ち着いたところです。
 さて、あと残ってる大仕事は年賀状かー。(←思いっきり私的事項)
 両親の分も任されているんで量が多いんですよね~。
 まずはレイアウトを考えなくっちゃ・・・。



 そういえば、来年の『食戟のソーマ』のイベントタイトルとその内容が発表されましたね。
 案の定、その日は仕事にガッツリ被ってますけど。
 どうやら内容は声優陣の方々が「五感」をフル活用して激突なさるそうで。
 やっぱりここは作品の料理を再現してくださるのでしょうか?
 「視覚」といえばえりな(なんとなく)、「嗅覚」といえば葉山(言わずもがな)、「触覚」といえば新戸(秋の選抜本戦での『すっぽんバーガー』から)ですが・・・。
 「五感を駆使した料理」ということで、専門的に見てもパフォーマンス的にも面白いものになりそうですね。


 前回の記事である三周年記念考察は、100%考察記事としては初めてかもしれません。
 以前は単行本感想で全体的な考察を述べていたのですが、今年は慢性的な時間不足で単行本感想に手を付けられず、単行本単体への感想も勿論ですが全体的な考察もかーなーりー溜まっていたのでした★
 そのため、この機会に吐き出すことが出来たのはこれまでの纏めも兼ねてかなり有難かったです。ああスッキリ♪
 記念考察の残り二部は、来月の始めぐらいまでにはUPしたいと思います。
 その際は、もし宜しかったらご覧になってくださいませ。(m(_ _)m)

 ではいってみましょう。
 今週の『食戟のソーマ』感想です。





 週刊少年ジャンプ2015年52号掲載
 掲載順第3位
 第144話 【錬金術師の実力】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かつて、遠月学園中等部の入学試験の面接時に、受験理由を「金になるから」と豪語した少年がいました。

 あれから数年。

 その少年はインテリヤクザ・・・もとい[錬金術士(アルキミスタ)]と呼ばれ、十傑の一員に―――





 叡山が本気で調理することになり、一気に興奮する審査員達。
 作る料理を決め、叡山は調理に入ります。

 ・・・。

 ・・・・・。

 ・・・・・・・・・・え~っと。



 どうしよう、創真のより美味しそうなものができそうでならない。



 余熱で丸ごとじっくり火を通すとか、鶏皮の油で炒めるとか、どう見たってこれ美味しいに決まってるじゃないですか。
 叡山の料理人としての実力は決して低くは見ていませんでしたが、この調理描写は上手いな~。

 特に地鶏を丸ごと調理なんてのは、創真はしたことが無い調理法ですものね~。
 定食屋という“現場”で調理経験を積んできた創真にとって、秋の選抜決勝戦で試した「熟成」や今回の叡山の調理法といった贅沢なやり方はまだまだ未知の分野です。

 ・・・あ、創真餃子の皮をもう包んでる。
 ハイ、前回の考察見事に玉砕★(/(^0^)\)



 そんな本気で料理に打ち込む叡山を、創真は凝視。
 その視線に耐えかね(笑)、叡山が問うと・・・

創真さん、全読者の代弁を投下。
(大笑&拍手)

 


 これは天晴れです創真さん。
 なんとシンプルかつ的確な代弁なことか。
 あまりに天晴れすぎて「ごもっとも」と思う余裕もなかったよ。

 そんな創真に叡山はまたもや体内カルシウムを著しく消費(大笑)
 そのうち本気で血管プッツンいっちゃうんじゃなかろうかこの人。(^^;A)



 そんな料理人としての叡山を知らなかった創真を嘲笑う審査員達。
 あ~胸糞悪くなる顔だこと。
 早く創真からそのツラぶっ潰して・・・コホン、そのツラぶっとばして・・・ゴホゴホ、早くその表情を吹っ飛ばして貰いたいです。

 そして竜胆先輩が話す、衝撃の叡山の実力。

 

 

 

え゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!???

 

 

 

 マ・ジ・か・・・!

 いやホントに、叡山の実力は低くは見ていませんでしたよ。
 見ていませんでしたが・・・これほどの評価にはさすがに度肝を抜かされた・・・!!



 十傑メンバーが選出される評価項目は多岐に渡るものの、それでも、何よりも柱となるのが食戟の戦績とのこと。
 ん?ならば食戟で既に100勝もしている美作は・・・?というのはこの際置いておくとして。
 真正面から戦うことなく相手を追い詰める狡猾な手段を取るため、自らが食戟に出ることがほとんどなかった叡山。
 にも関わらず、満場一致で十傑入りを果たすほど叡山がコンサル業で遠月学園にもたらした利益は莫大だったという。

 そんな彼はまさに[錬金術士(アルキミスタ)]という称号にふさわしい人物でした。



 そうして叡山はこれでもかと言わんばかりに、身・脂・出汁と全ての地鶏の美味しさを主張してくる調理を。
 う~~~むむむ、イメージがしやすいだけに尚更食欲が湧いてしまう・・・。( ̄¬ ̄)

 料理は戦略[ストラテジー]が全て。
 そう創真に断言する叡山。

 でも「プランナッシング」という言い方が軽く笑えたり。(叡山:ビキッ



 ですが、創真とて全くの勝算も無く食戟を挑んだわけではありませんでした。
 ですよね。(^^)
 創真は叡山のような理論的策士ではなく感覚的策士ですから。


 「この食戟で先輩に見せときたいものがあったんで」

 おおおーーー!!!
 ひっさしぶりに創真が鉢巻を巻いた―――!!!!!(大興奮)


 演出としては案外控えめでしたが、それ以上になんて活き活きした表情!!!(><)
 やっぱり良いな~~!創真のこの楽しげな笑顔!!
 ほぼ完全アウェイなこの状況でも、一切ブレずに料理を楽しむことが出来るのが創真の最大の強みですよね、本当に。



 そうして、先手は創真に!!
 そんな創真が焼いている餃子は普通の餃子ではないようですが、果たして・・・!?  

 

 

 


 

 

 

 相変わらずながら、創真の勝利への期待感と不安感の絶妙なバランス加減は見事といったところ。

 
 一気に(料理人としての)強者感を出してきた叡山。
 先手は創真となりましたが・・・。
 これまでの勝負で、先攻で創真が勝ったことってあったっけ・・・?(心配)



 第9席という低い席次やこれまで全く料理人らしからぬ姿しか見せてこなかっただけに、読者からの評価がイマイチ低かったであろう叡山。
 でも、まさか他の十傑も喰われかねないほどの実力者だったとは・・・!!
 ということは、創真が最初に久我と対決したのは実は一番無難だったと言えたのかも。

 専門タイプだった久我に対し、叡山は万能タイプだったわけですか。
 
う~ん、まさかこれほどまでに叡山の株を上げてくるとは・・・。
 といっても、あくまで実力的な株ですけどね。
 人格的には相変わらずですが。


 叡山の実力がこれほどまでに引き上げられた以上、こうなってくると「席順=実力順」とは一概に言えなくなりました。
 もっとも、えりなや一色先輩は今の席次よりもずっと上の実力者であろうことは既に察しが付いてますけど。



 叡山の見事な強者感によってより一層創真の勝利が危ぶまれる状況になってしまいましたが、叡山の“本気”は少しずつ場の流れを「真っ向勝負」へと軌道修正してきているように感じます。

 叡山の感心するところは、「金」や「権力」に単純に胡坐を掻いていないところ。
 ちゃんと料理の腕も研鑽しているという。
 これがそこらにいるような小者だったなら、料理人として怠慢し、腕を鈍らせているところでしょうに。
 それだけに勿体無い。
 ちゃんと正面から挑める実力があるというのに、まわりくどい姑息な手を取ってくるという姿勢が。

 だからこそ、創真が叡山に見せたいのはそこなのでしょう。
 果たして創真はどういう手段で叡山に「それ」を見せるのか。
 そしてどうやって審査員達に食べさせ、公正な審査へと持ち込ませるのか。
 
そこに非常に期待がかかるところなのですが・・・。


 なんと、附田先生は創真を「先攻」にさせるという構成に。

 これで創真が「後攻」だったなら、スムーズに創真の勝利のビジョンが見えていたのに・・・。

 これには徹底した附田先生の意図を感じさせます。
 ギリギリまでこの食戟の勝者を悟らせまいという。

 なにせ、今回の食戟の重要性はこれまでの比ではありませんからね。 
 この勝負に負けたら極星寮が無くなるとか
 『食戟』が生き返らないとか
 薊政権への反撃の狼煙にならないとか
 とても大きなものが色々懸かっているわけですが・・・
 何より

“創真自身”が危なくなってしまうんですよ・・・!!!
(><|||)




 その理由は、まさに前回の三周年記念考察で述べた通りです。





 「先攻」。
 それは勝利に“説得力”を持たせるには難しい構成です。後攻が強者なら尚の事。
 果たして次回、創真はどんな料理でこれら逆境を跳ね返すのでしょうか?

 創真の。
 附田先生の。
 森崎先生の。
 佐伯先生の。
 担当の上野さんの。

 『食戟のソーマチーム』の。

 

腕の見せ所です。

 

 


『食戟のソーマ』三周年記念考察 ~主要人物三人のキャラクター造形について~

2015-11-23 23:50:00 | その他感想・考察

 

連載三周年突破おめでとうございます!!!

 ということで、宣言通りお祝い考察UPです!!



 附田先生と佐伯先生、そして森崎先生と現担当の上野さんという四人五脚で育んできたこの作品。
 2012年の連載開始から早3年。
 単行本も15巻を超え、今年は遂に漫画にとって一つの目標でもある「アニメ化」という大きな快挙も成し遂げました。

 今現在、ジャンプ本誌で大波乱の展開が続いている本作。
 そんな大波乱と並行して見事に組み込まれている要素があります。
 それは「原点回帰」。
 そこで、私もそれに倣い、この作品の原点的な部分を基にしてこれからの展開への予想も含めた考察を三部に分けて書かせて頂こうと思います。

 ちなみに最初に断らせて頂きますが、私は徹底した創真至上主義者です。(故に創真関連の項目は他の項目より数倍の文章量になるという罠)
 そして相変わらずながらえりなに対しては壮絶に辛口です。(えりなファンからしてみれば罵詈雑言レベル)
 そのことを御了承のうえで、どうかこれから述べる考察をご覧になってください。





 まず最初はこの作品の主人公である『幸平創真』
 そしてメインヒロインである『薙切えりな』『田所恵』
 この作品を形作る彼ら三人のキャラクター像を改めてもう一度見直してみることにします。

 彼らについては、創真は単行本第1巻感想にて、えりなと恵については単行本第2巻感想にて考察を述べましたが、三人とも初期の印象から随分と味わい深くなりました。(^^)



【えりなの“背景”】

 まず最初はえりなから。

 彼女についてまず言いたいのは、未だに全然成長してないよね★ということ。

 どんどん成長している創真や恵と比べて、えりなは見事なまでに足踏み状態。
 個人的にはちょっと呆れるぐらいの遅さです。
 でもこれは彼女の性格に大きく起因しているのかと。



 根は素直だというのに、不器用に頑固で意地っ張り。そして人一倍寂しがり屋なくせに我儘。だけど純粋で一途。
 そんな彼女の性格は「子供っぽい」という言葉で一括りにできます。

 食の銘家である薙切家の後継者であり、[神の舌]という天賦の才を持つえりな。
 その立場と能力故にとりわけ丁重に扱われ、常に庇護されるという環境で彼女はこれまで生きてきました。
 それはまさに「籠の中の鳥の如く」。
 外界からの刺激を徹底的に制限・管理されてきたため、良くも悪くも彼女は現在まで「子供」でい続けることになったわけです。

 「子供」。それはまだ己の“器”が未成熟な存在。
 そんな「子供」が絶大な「力」を持ってしまったら、ほぼ確実に陥ってしまうのが。
 「暴走」。
 初期の頃に特に顕著に見せていた横暴で身勝手な振る舞いは、そんな「暴走行為」の一環であったと言えます。



 その一方で、えりなは無理に「大人」として振る舞おうとしています。
 本質が「子供」のままだというのに。

 その原因は彼女を取り巻く環境によるもの。
 [神の舌]という、その家柄におあつらえ向きとしか言えないような才能を持って生まれてしまったえりな。
 そんな彼女に集まる期待は相当なものに。

 立場故に「最高」。能力故に「完璧」。
 最初は単なる憧憬や羨望だったであろう、彼女に対する周囲の見方。
 なのにそれは、いつの間にか
 “勝者”
 “完全無欠”
 それが当然という固定観念に。

 責任感が強く真面目な子であるえりなは、そんな偏見と化してしまったプレッシャーに常に耐え続けてきました。
 それは言わば、「完璧な強がり」。

 そして、そんな偏見はいつしか彼女自身のアイデンティティーそのものへとすり替わっていってしまったわけです。



 そんなえりなですが、ただ傲慢に「力」を振るっているわけではありません。
 そうでなければ尊敬される存在になどならなかったことでしょう。

 己の言い分を通すために、彼女が常に貫いているのは「正しさ」。
 至って正論だからこそ、尚更他者は抵抗できなくなるわけです。

 でも。

 私から言わせれば、彼女のそんな「正しさ」もやっぱり独りよがりなものにしか思えません。

 これは多分社会人になると分かることだと思いますが、えりなが振りかざす「正しさ」は、いわば「お役所的考え」なんですよ。
 正論を基に、効率・結果・大義名分といったものを優先する考え。

  
 理屈としては確かに正しい。何も間違ってはいない。その通り。
 だけど。
 人間としての心情としては受け入れ難い。納得できない。
 えりなの「正しさ」はそんな形。
 
 子供の身でありながらも社会で大人達に渡り合うために、彼女が身に付けたであろう「正しさ」。
 ですが、四角四面な「正しさ」ばかりでは通用しないのが人の世界だと私は思ってますがね。



 
そうやって、“権力”、“才能”、“正論”だけを武器に、料理人としての道をえりなはここまで駆け上がってきたわけです。

 ですが、「頂点に上る」ことと「前に進む」ことは違います。

 “頂き”に到達してしまったら他に行き場はありません。
 そこに立ち尽くすだけ。
 かつての四宮のように。

 冒頭で敢えて「えりなの成長は足踏み状態」と表現しましたが、あれは意図的に述べさせて頂きました。
 それもひとえに、彼女が[氷山]だから。
 料理人としては確かにどんどん高みに上り詰めていることでしょう。
 ですが、人としては全く今の位置から動こうとしていません。
 “上”に登り続けることは出来ても、自分から“前”に進むことは出来ない。
 まさにえりなは[氷山]という表現に相応しい子です。



 薙切家の名誉を守るため。
 遠月学園の格式を維持するため。
 皆の期待に応えるため。
 そのためにずっとずっと張り詰めて、頑張ってきたえりな。

 ですが・・・違いますね。

 えりなが守ってきたもの、それは所詮「自分自身」にすぎません。

 薙切家や遠月学園という「自分の居場所」を守るため。
 料理人としての力を振るうのも、「自分の存在価値」を認めさせるため。
 周囲の期待に応えようとしているのも、「自分のイメージ」を守るため。

 彼女の中枢にあるのは不安。
 強気さや自信に満ちた態度は表面上だけ。

 実は誰よりも臆病な子ですよ、えりなは。



 秋の選抜編で、敗北し悔し泣きをするアリスの姿や(第67話)、多くの仲間達に囲まれている創真(第104話)に対して彼女が抱いたであろう感情はきっと羨望、そして孤独感。
 
「天才な自分」は常に勝ち続けなければならない。
 
「強い自分」であるために、“涙”を見せてはいけない。
 「特別な自分」でいるために、“友達”は必要ない。
 そう自分を戒めているのでしょう。
 ですが、それは単なる思い込みです。




 彼女を真に苦しめているのは、父親の薊でも、周囲の環境でもありません。
 それは、これまで過剰に守り過ぎていた「自分自身」。
 「自分」にがんじがらめに囚われ。
 追い詰められ。
 独りにさせられてしまっている。 
 もはや、自分でもどうしようもないほどまでに。





 あまりにも強固すぎて、重厚すぎて、身動きできないほどに重くなってしまっていた、えりなを守る“鎧”。
 今現在進行中の本編で、そんな“鎧”が大幅に弱体化し、その不安定な素顔を露呈させているえりな。
 だからこそ今が、これまでの彼女から大きく変わるチャンスと言えます。
 
 「遠月学園」「薙切家」という自分がこれまで守り通してきたものから逃げたことで、同時に自分の「価値」の大半を失ってしまったというのに、そんな自分を受け入れてくれる世界があった。
 それは、「天上世界」にいる自分がこれまで散々見下してきた「下界」。

 今まで得る機会の無かった経験。自分と対等に接してくれる同年代の人々との交流。
 無礼で粗野で、でも温かく新鮮な世界。
 そんな世界に初めて身を置くことで、これまで見えていなかったものがようやく見えてきたえりな。
 これまでの自分を顧みることができるか否か。
 まずはそれが彼女の“成長”への足掛かりになりそうです。



 家柄、権力、天賦の才。
 それらは全てえりな自身が望んだものではなく与えられたもの。

 そして彼女自身もまた、他者に求めるだけ、欲しがるだけという。
 それでは単なる「子供」です。

 でも、どんなに与えられても彼女の“飢え”は決して満たされることはありません。

 えりなが自ら動き、手を伸ばして、懸命にもがいて得たもの。
 きっとそれが彼女を満たすものになるはずです。


 これまで散々甘えていた「子供の自分」から、本当の意味での「大人」になるために。
 囚われていたものに。
 自分自身に。
 そして、「外」の世界に。
 それらと正面から向き合い、自分自身の足で歩み始めた時、彼女は真の意味で気高い「女王」になれることでしょう。





【恵の“成長”

 ここ最近の展開から一気に内面が曝け出された
えりなとは違って、恵は元々裏表があまりありませんでしたね。
 キャラクターの深化をえりなは“背景”の判明とするならば、恵は純粋に“成長”と言えます。

 初期のイメージをえりなは“頂点”とした場合、恵はまさに“底辺”
 外見も冴えず、「落ちこぼれ」「田舎者」というレッテルを貼られ、あと一度低評価を受けてしまったら即退学という崖っぷちに追い詰められている状況という、もう見事なまでのドン底状態にいた恵。
 そんな“底辺”に位置していたからこそ、あとは上昇するのみだったわけです。

 初登場時から非っ常~に強気で生意気なキャラクターだった主要人物二人とは正反対に、気弱でネガティブで自分に自信を持てていなかった恵。
 ですが、残り二人が“強すぎて”共感性に非常に乏しかっただけに、弱くも良識的な恵の姿勢は読者の共感性や作品全体のバランスに大きく寄与するものでした。
 ハッキリ言って、恵というキャラクターがいなかったらこの作品はアクが強いだけのものになってしまっていたと思います。 
 それぐらい、この作品にとって恵の存在は実はかなり重要なものだったと私は感じていますね。



 そんな
恵は主要人物三人の中で、最も順調に成長過程を歩んでいるキャラと言えましょう。
 初期の印象はそれこそ落ち込みまくり動揺しまくり怯えまくりといった、「弱さ」の象徴のような子だった恵。
 ですがこれまでの展開の中で
意外とタフな一面が次第に明らかになったりと、今では随分と初期の弱いイメージが払拭されました。(それでもやっぱり基本はガタブルアワワな子ですが/苦笑)


 彼女の“成長”におけるターニングポイントだった四宮編。
 この章の重要性は誰しもが認めるところでしょうが、恵はこの時点で既にその外見から想像もつかない「強さ」の片鱗を見せていました。
 それは、対立の原因となった品である『テリーヌ』を、敢えて勝負料理として選んだという判断。
 大胆ながらも極めて正攻法なその戦い方は、謀らずも創真の戦い方と大変似ているものだったという。

 そして、その性格と並行して料理人として見ても当時の恵の大きな欠点として挙げられていたのが「遅さ」。
 迅速さが重要視される厨房において、恵の遅さは確かに大きな欠点と言えたと思います。
 そこを「手間暇の掛けよう(熟成)」へと見事に転化。
 短所と思われた点も立派な長所となることを、恵は己の料理を以って立派に証明して見せました。

 この「遅さ」の長所化は、料理だけでなく彼女の姿勢にも反映されていくことに。
 それが示されていたのが小説版第一弾の恵のエピソードです。
 駆け足で上り詰めるのではなく、ゆっくりと歩んでいく恵。
 だからこそ、大切なものを見落とすことなくちゃんと向き合えているという。
 そういう彼女の姿勢は、非常に安定かつ柔軟な「強さ」です。

 この章をきっかけにどんどん恵は強者や逆境に負けない精神力を身に付けていきます。
 「底辺」「田舎者」「地味」といった初期の彼女のマイナスなイメージ。
 それらが「土台(礎)」「故郷」「癒し」「純朴」といったプラスのイメージへと昇華されていくことに。 


 [田園]はまさにそんなイメージ通りのもの。
 広大な大地に恵み豊かな水と緑を蓄えた場所。
 恵は非常に寛大な癒しと愛情を湛えた子です。



 同じヒロインでありながら、その背景や成長描写が至って正反対なえりなと恵。
 ですが、この二人はお互いに自身の才能に期待を受けている身であるなど、共通している部分が幾つかあります。

 なかでも重要なのが
 「失敗」を極度に恐れていた(る)こと。

 一度でも失敗したら終わり。
 
 そんな崖っぷちの立場にお互い居た(る)恵とえりな。
 恵は退学。
 えりなはアイデンティティーの崩壊という。


 そんな二人の前に現れたのが、「失敗」を肯定する人物であった創真。 

 恵は、えりなも抱えている問題をいち早く創真から救ってもらえていたわけです。



 創真からの支えをきっかけに確かな自信が付いた今、恵はえりなと違って周囲の応援をちゃんと自分の“力”に変えていける子へと成長しました。
 自分が沢山助けられてきたことをよく分かっている恵。
 それだけに。
 恵は大切な人達のためならどこまでも強くなっていくに違いありません。 





<創真の“中間性”>

 そして我らが主人公である創真!!
 彼に関してはまあ・・・。

 随分と天然な可愛い子になっちゃったな~~~vと。(アホ炸裂)

 初期は飄々としつつも生意気という、かなり食えない印象が強いキャラでしたが、真っ直ぐさを“素直さ”へと応用させたことで随分と愛着の持てる子になってくれたと思います。(^^)



 そんな風に性格的には大分マイルドになったものの、その「異端性」は今なお健在。
 そもそも料理漫画において、「美味しいもの(=美食)」は絶対の正義。
 その不動のセオリーに真っ向から反し、「不味いもの(ゲテモノ)」も作って楽しむという姿勢自体がもはや異端の極みとしか言えないものでした。
 ですがその姿勢が
 「偏見」への挑戦
 「失敗」の肯定
 という、創真だけが持つ重要なファクターに繋がっていたわけです。

 創真のそんな型破りさは、いまや立派にこの作品を牽引していく頼もしい魅力と相成りました。





 創真はその多面性故に多くのキャラクターと何かしらの共通点がある子ですが、えりなと恵双方のファクターも巧みに併せ持つ“中間”のキャラクターだったりします。
 単行本第7巻感想でも[イケメンカルテット]との対照性を主体にしたキャラクター考察をさせて頂きましたが、これまでずっとこの作品に付き合ってきたお陰で彼女達との対照性もだいぶ見つけることが出来ました。



 元々この作品の登場人物達の多くは、そのキャラクター性や得意ジャンルに基づいた名前が付けられているという特徴があります。
 創真は『行平鍋』から「幸平」。
 えりなは『菜切り包丁』から「薙切」といったような。
 強い上昇思考を持つ二人。
 ですが創真はその過程の中に無駄なものなど全然無いと考えている。貪欲に全てを得ようとし、長期的に物事に向き合い受け入れる“鍋(器)”。
 対してえりなは自分の理念に当て嵌まらないものは容赦なく無駄と判断する。厳選したもの以外は全て短絡的に切り捨てる包丁(刃)”。

 一方。
 調理器具が名前の由来になっている二人とは違って、恵は『田んぼ』から「田所」。
 一見共通性など皆無に思えますが、ところがどっこい。
 創真の二つ名ともいえる[果て無き荒野]と照らし合わせると、その対照性がはっきり見えるという仕組みに。
 『荒野』という乾いた世界に対し、『田園』は豊かな水と緑を湛えた潤い溢れる世界。
 そして、どちらもどこまでも前に進める広大な“大地”という。



 何の隔たりもない大地で、誰も歩んだことが無い道なき道を歩む、そんな先頭者であり開拓者である創真はまさに[荒野]そのもの。
 ですが、このブログをご覧になられている方ならご存知かと思われますが、それと同じくらい私が創真に対して用いている二つ名があります。
 それは[春の嵐]。
 第9話のサブタイトルに用いられていた言葉ですが、この二つ名が滅法気に入っている私。
 何故なら、創真はまさに[春の嵐]そのものでもあるから。
 相手の都合なんてお構いなく巻き込み、振り回し、翻弄させる強風。
 それは時に“威風”にも。
 でも。
 その風はとても温かいという。

 「優しさ」や「誠実さ」というよりも、「温かさ」。
 その表現が一番創真の思い遣りの形に当て嵌まると思います。

 私から見て、創真は少なくとも男性キャラの中ではぶっちぎりに優しい子ですね。
 その寛大な情の深さは、もはや父性愛とも言えるのでは。

 そして、そんな創真と並ぶ温かい子が恵というわけです。
 料理と共に、その人柄も“温かい”。
 それが創真と恵の大切な共通点です。



 そんな風に他者や社会に対する本質的姿勢がよく似ている創真と恵。
 一方、その点に関しては創真とえりなは相対性の方が顕著な感じ。
 特に
重要なのが相手への信頼。

 
恵はその純朴な性格から何も疑問に思わず他者を信頼する子ですが、同じく純粋な子であるにも関わらずえりなは他者を信頼しようとしません。
 最も心を開いている筈の新戸にでさえも。(小説版第二弾参照
 何故なら、他者を信頼して、万が一でもそれが己の過失になってしまったら「完璧な自分」でなくなってしまうから。
 恐れているんです。
 裏切られることを。

 それに対し、創真は根本的に他者を信用してくれます。
 例えそれが戦う敵だとしても。
 何故なら。
 相手を信じた自分」を信じているから。
 
確固とした自信を持つキャラが大変多いこの作品ですが、創真の自信の形こそが本当の「自信」と言えるのではないでしょうか。



 スタジエール編で描かれていた創真とえりなの厨房での姿勢。
 それはまさに社会における二人の在り方を如実に示していました。
 創真ってどストレートな発言をかます半面、「~なのか?」というような“相手に投げかける言葉”をよく用いてきますよね。
 気付いていることを率直に言ってしまえば早いのに、相手の方からそれに気付くような言い方を敢えて選んでいるというか。
 そこに彼の思慮深さがよく感じ取られます。
 恵を筆頭に、創真の周囲にいる人物がどんどん成長していくのは彼のこういう面も影響しているのかもしれませんね。(^^)
 いわば、創真は天然の教え上手と言えるのでは。

 対して、えりなは幼少時から料理指南や味見のアドバイスを仕事にしてきただけあって、「指導」の姿は初期からよく見せていました。
 ですが、その指導の仕方は非常に高圧的な説教。
 言っていることは間違っていないものの、言われる側(聞いている側)は苦痛を受けるような教え方です。
 体験上言わせてもらいますが、そんな指導の仕方は才能の芽を摘み取る行為に他なりません。
 教えられる側は萎縮してしまい、伸び伸びと個性を発揮することが出来なくなってしまうような、そんな「可能性」を潰すやり方。
 「相手が喜んでくれる料理」よりも「叱られない料理」を作ることが目的になってしまうような指導法です。

 例えるなら、えりなは言い方と態度が非常に悪い、でも仕事ができるため誰も文句を言えない上司。
 そして創真はあまり多くを語らずも、常に見守り後輩の考えや努力を汲んでくれる先輩といったところですね。

 正直言って、
 創真のような人物が職場に居てくれたら・・・。
 そう心から願ってしまうぐらい素晴らしい人物ですよ、創真は。



 えりなのようなリーダーシップを持ちつつ恵のようなサポート能力にも非常に長けている創真ですが、料理人としてではなく、性格的にも創真はそれが反映されています。
 先頭に立ち皆を引っ張る統率力がありながら、肝心な時は他者をさり気なく立たせてくれる、そんな風に自然体で周囲に気を配れる子である創真。
 不敵な態度から敵意を受けやすい反面、裏表がなく温かい人柄はそれ以上に好意を集めるんですよね。
 もはや創真は天然カリスマ少年と言えましょう。

 初期は見事なまでに正反対な三人だと思ったものですが、こうして見直せば見直すほど関連性が見えてくるのですから面白いものです。





 どんな窮地に立たされても決して動じず自分を見失わない創真。
 「真っ直ぐさ」と「柔軟さ」。
 「上を目指す意思」と「前に進む意志」。
 それぞれを併せ持つ創真の「強さ」は、もはや非の打ち所がないとさえ言えるかもしれません。











 ただし。










 これまでの作中で、創真は垣間見せています。











 大変危うい部分を。










 まずその「危うさ」を覗かせたのは、四宮編のラストにあたる第27話。
 恵と別れた直後、一人敗北の悔しさを爆発させた創真。





 ・・・もう。

 絶句しました。





 それは勿論創真の激情そのものに対してもですが・・・。



 あの行動、とんでもないことですよ。「料理人」にとって。

 「手」というのは料理人にとって命同然の部位。しかもあろうことか利き手。
 それを容赦なく打ち付けた創真。

 ただでさえ、創真は人一倍プロ意識がしっかりしている子だというのに。



 あの行動が示す意味。
 勿論ただシンプルに負けたことへの悔しさと見ることもできます。
 ただ、それと同時に
 仲間の力になれなかった自分への非難があったのでは。
 自分の力の至らなさ。未熟さ。
 そんな自分を痛烈に責めているようにも見えるんです。





 そしてもうひとつ。
 それは秋の選抜編で美作を静かに諭した第80話。 

 あの時、創真はとんでもないものを対価に差し出しました。
 それは、自分の人生全て。

 言ってる内容の深刻さとは裏腹に、穏やかな笑みさえ浮かべていた創真。
 あの時の創真にも、言葉を失いましたよ。

 創真至上主義な私ですが、創真のこういう所が一番良くないと思っています。
 至って平気な顔で自分を犠牲にするところが。





 秋の選抜の決勝戦にあたる第102話にて、創真の“強さ”について語っていた城一郎。

 それは創真は心に“蓋”が無いということ。

 それはあっけらかんに自分の足りない部分を認める、とんでもない強みであり前向きさ。










 つまり、それは―――




 


 

 

 

 

 




 


自分の心を一切守ろうとしないということなのでは?  






 

 

 

 

 

 







 自分をガチガチに守りまくった挙句、身動きが出来なくなってしまったえりなとまさに対極。
 創真は自分自身を野晒しにしている。
 だからこそ自由でもあるわけですが。



 自分に襲い掛かる障害や試練、困難。
 それらを一切防御せずに迎え討とうとする創真。
 でも挫折や敗北を味わったとしても、決して折れることなく前に進み続ける。


 ・・・自分一人の問題で済めば。


 ここで振り返って頂きたいのが、前述した第27話の創真です。



 非常に仲間思いな子である創真。

 もしも。

 自分の失敗や敗北が仲間を巻き込むことになってしまったら・・・



 創真は。

 誰よりも。

 自分で自分を傷付けることでしょう。

 自分を一切守らないだけに、尚のこと酷く。





 「あがり症」という自分から、本来の実力が出せなかった恵。
 「天才」という自分から、完全無欠を強いられているえりな。
 彼女らが抱えていた“問題”の根源、それは「自分自身」でした。

 ということは。

 創真にとって最大の“問題”も創真自身となるのでは・・・。





 えりなを「硬くて脆い」とするならば、
 創真は「強すぎて儚い」。
 そんな子です。
 少しのヒビで全てが崩壊してしまうようなえりなに対して、創真は突如として消えてしまう、そんな形の「危うさ」。

 創真のこの「危うさ」は、例えるなら荒野に密かに埋まっている“地雷”。
 これからの展開で、創真は更に成長を重ね、強さも一層増していくことでしょう。
 ですが、いまだに踏まれていない“地雷”が誰に、どんな状況によって踏まれることになってしまうのか・・・。
 そんな心配をずっと抱いています。



 えりなは「危うさ」。
 恵は「安定さ」。
 そして、「危うさ」と「安定さ」両方併せ持っているのが創真。
 
 大抵の作品において、ヒロインは守られるべき存在です。
 ですが、この作品においてはその限りではありません。

 本当は、主人公である創真こそが一番守らなければならない存在なのではないでしょうか。

 では、そんな創真を守れる人物とは一体誰か。



 それについては次回、と言いたいところですが次々回の記念考察にて・・・。
 ここまで読んでくださり誠にありがとうございました!

 

 


『食戟のソーマ』第143話感想

2015-11-19 23:00:00 | 食戟のソーマ

 今回もちょっとだけジャンプ本誌の簡単感想。

 <暗殺教室>
  遂に始まってしまった、「最後のミッション」にして「最後の授業」。
  果たして渚達3-Eの生徒と殺せんせーはどんな卒業を迎えるのでしょう・・・?

 <トリコ>
  掲載順位が跳ね上がっててビビった。(←)

 <火ノ丸相撲>
  これまでずっと、一話ごとに大迫力で魅せてきたこの作品。
  なかでも非常に感嘆すべき点は、毎回ながらもその迫力を飽きさせないところ。
  超王道でありながらマンネリ化を感じさせない作品作りというのは非常に難しいと考えている私としては尚更感心させられます。
  なのに。
  まさかこれまで描かれてきた迫力描写を更に超えてくるとは思わなんだ。

 <背すじをピン!と>
  凄い。
  なにが凄いって、内容もさることながら
  扉絵の煽り文。
  煽り文でこれほど大きなサイズの文字は、少なくとも私の記憶の中では初めてですね。
  文字の大きさでその意味の大きさも表現するとは・・・。
  これは見事な表現法です。


  
  

 週刊少年ジャンプ2015年51号掲載
 掲載順第3位
 第143話 【火蓋は切られた】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回はセンターカラー。

 前々回のセンターカラーが十傑第一席の司先輩、前回は第二席の竜胆先輩と続いていたので、今回は第三席の女木島冬輔になる可能性も考えてはいましたが、やはりキャラクターが全く明かされていないキャラをピンで扉絵に抜擢するのは無理があった模様です。

 では誰が抜擢されたかというと、えりな。

 前回の扉絵でも描かれていたのに、えりな。
 最近これと言った活躍も無いのに、えりな。

 あ゛~~~~~。(と嘆息したいのを理性でなんとか抑えつつ)

 一応、感想をば。



 綺麗なイラストですね。
 やっぱりえりなは清楚系の洋服が良く似合うと思います。
 連載開始当初は彼女のこんな儚げな表情がカラーで見られる時が訪れるなんて微塵も思っていませんでしたよ。
 でもこれこそが彼女の本質的表情です。

 
 そして今回も気になった煽り文。
 ―――囚われの女王は学園から逃げ出した―――
 ダジャレを兼ねた前回とは違って、これはかなりシリアスに、そして意味深く受け取れましたね。
 薊という支配から逃れるために薙切家から、ひいては遠月学園から逃げたえりな。
 ですが、どんなに逃げても囚われ続けたままという。

 そして。

 同時に彼女はもう一つ、非常に重要なものからも逃げています。

 それは自分自身。

 沢山ある、彼女が向かい合うべきもの。

 今はまだ、それらに向き合う力は無いことでしょう。
 それぐらい、これまで自分を守ってきた「鎧」を失ってしまった本来の彼女は弱いという事です。
 「囚われているもの」から解放されるためにも、彼女はこれからどうやって本当の強さを学んでいくのでしょうかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・ふう。

 駄目です。
 やっぱり我慢できません。

 もはやこのブログお馴染みの警告をさせて頂きます。

 警告:えりなファンの方々は、できればこれ以降はご覧にならないことをお勧めします。
     またもや栗うさぎが暴言を炸裂させますので。
     毎度ながら本当にすみません。





 (カウントダウン開始)
 
 3






 






 

 

 

 

 

 

なんで今回のカラーがえりなだけなんだよーーー!!!!!







 次回は表紙でも巻頭カラーでもないのが判明しちゃったから尚更納得できません!!

 何故なら!!

 

 

 次回で!!!

 『食戟のソーマは』!!!

 連載三周年突破!!!




 

だっ
(o(><o))

 

 

つー

((o><)o)

 

 

のーーー!!!!!

(o(>o<)o)


 

 

 二周年でも四周年でもなく周年なんですよ!!
 三!!奇数!!これ大事!!

 なのに至って通常通りなんて!!
 楽しみにしてたのに!!
 創真のカラーを楽しみにしてたのにーーー!!!うわーん!!!
 三周年に乗じて、イラスト集とか公式ファンブックとか出るかもと密かに期待してたのにーーー!!!(←附田&佐伯先生を殺すつもりか

 いいもんいいもん!!
 個人的にお祝いするからいいもん!!
 思いっきり思いの丈を記念考察として発散してやるー!!










 ・・・以上、お見苦しい不満を爆発させて誠に申し訳ありませんでした。
 だが後悔はしてない。(←)

 では本編の感想へいくとしますか。



 叡山の卑劣な策略によって、強制退去の危機が迫る極星寮。
 そんな叡山に、全読者の感想を代弁してくれる竜胆先輩。
 ありがとうございます。もっと言ってやってください。
 ・・・でも止めようとはしないんですね。
 先輩であり第二席という立場なのですから、強制的に止めさせることも可能でしょうに・・・。
 きっと彼女なりの慮りがあるのでしょう。
 創真を気に入ってくれている竜胆先輩ですが、叡山の事も可愛い後輩と思ってくれているのでしょうから。



 もう食戟開始の時間だというのに、椅子に座り込んでニヤニヤ笑う叡山。
 あからさまにちゃんと食戟をするつもりなんて欠片もない態度ですね。(-"-#)
 創真が心折れる様子をじっくり見物しようとする腹積もり満々です。(-"-#)(-"-#)

 でも。

 創真は至って平然と調理に入ります。
 自分の勝利で極星寮の取り潰しが撤廃されれば、当然強制退去もキャンセルされるという事。
 それなら、自分は料理を頑張るのみ、と。
 そのとーり!!(^^)
 やっぱり創真は「自分が今すべきこと」は何かをちゃんと分かっていますね。

 そんな創真の料理人としての清々しい姿勢に、頷く竜胆先輩。
 そのとーり!!(><)
 あれこれ姑息な真似をせず、まずは料理で勝負しろってハナシですよね!!
 というわけで、二人ともすっかり意見が合っちゃってます(笑)。
 うんうん、もっと言ってやんなさい。

 そしてどんなにえらそーにしながらも、竜胆先輩には勝てない叡山はやっぱり見てて楽しい♪



 そんな創真(&竜胆先輩)のお陰でいま一つ緊張感が持てない空気のまま、とにもかくにも調理開始。

 ・・・あれ?創真が手拭を頭に巻かない。

 えー?
 なんで?
 最近ずっと巻いてなかったし、初の十傑との食戟なわけだし、今回満を持してビシッと巻いてくれると(キメてくれると)期待してたのに。



 お題は「地鶏」なわけですが、提案者は創真からだったものの扱った事はほとんどなかった模様。
 やっぱりか(苦笑)。
 創真って勝負の際は大抵相手の得意分野に合わせてくれますからね~。
 今回珍しく自分から提案してはいましたが、きっと得意分野ではないんだろうな~、とは察しが付いていましたよ。

 で、何を作るかというと、なんと「餃子」!!
 ☆(・o・)
 これは予想外すぎる☆☆☆
 だって餃子に使われるのは大抵が豚挽肉なのに。(まあ、確かに使おうと思えば使えそうではありますが・・・)
 っていうか、月饗祭編で散々久我と中華対決を繰り広げたのに、またもや中華だなんて・・・。



 そうして調理を進める創真。
 そんな創真を叡山は五月蠅く煽る煽る。
 あーウザい。(-"-#)(-"-#)(-"-#)


 そんな叡山とは反対に、ここの「・・・だってさ幸平」と言う竜胆先輩は今回一番良い感じでした。(^^)
 なんかもう、創真に対して一定の信用を抱いてくれてる表情ですよね。(嬉しい♪)



 そこに、叡山へ現場の手下達から報告が。
 極星寮へ攻め入ったものの・・・

 

 

すんごい防衛に遭っていました。
(Σd(><))

 

 

 叡山の部下が攻め入ろうとする直前に、このまま反抗しなければ遠月学園の生徒でいられる、歯向かって厄介事になるよりはマシかもしれないと、ふみ緒さんは極星勢に話していました。
 ですがそれに反発する面々。

 極星勢皆が、極星寮を守り、叡山の手下達と対決する道を選びます。

 ふみ緒さんは敢えてそう言う事で、皆の意思確認をしたのでした。  
 この作品の大人達ってこういう傾向が割とよく見られますよね。
 煽るようなことをわざと言い、子供の意思を確認するといったような。


 そうして、ふみ緒さんが極星勢に渡したものは―――

 極星寮黄金時代の名残である防衛設備。

 城一郎や堂島先輩・・・随分「やんちゃ」をやらかしてた模様です。(^^;A)

 ・・・ところで「ゲバ棒」って何???




 創真は今たった一人で戦ってくれている。
 だから、せめて創真の食戟が終わるまでは極星寮を守り抜く、絶対に。

 吉野:「極星ーーー! ファイトーーー!!」

 極星勢:「「「「「「「おぉおおーーーっ!!!」」」」」」」

 

 

よく言ったぁ!!!
根性のある奴は大っ好きだーーー!!!
(d(><)b)

 

 

 待ってたんですよこういう熱い団結力!!
 最高だ!!
 最高の仲間達だ!!





 全くもって折れない極星寮、そして創真に凄まじく顔芸を・・・もとい顔が歪む叡山。
 本当に、新章が始まってからというもの佐伯先生の画力が無駄に発揮されまくりですね~(苦笑)。

 そんな叡山の心境を見透かしているかのように声を掛ける創真。
 やっぱり創真は気付いていました。叡山のことを。


 回りくどいやり方でなく、自分に言いたいことがあるのなら

 「ちゃんと皿で語ってくれます?」

 

 

 

 

クラッ

 

 

 

 創真が美麗すぎて眩暈。

 ホント困るマジ困るああ困る。

 連載三周年への不満がこの一コマで浄化されそうになるじゃありませんか。
 はぐらかされませんよチクショーめ。



 そんな創真の言葉に、ようやく認める叡山。
 創真を折るには結局料理しかないということを。

 そして。

 叡山は「策士」としてではなく、「料理人」としての顔に―――!

 

 


 

 

 いや~~~ これはもう、申し分なく私が望む展開です!!
 こういう熱い正面対決が大好きな栗うさぎとしては、極星勢の気概といい創真の変わらない真っ直ぐな姿勢といい、読んでてとても楽しいです。
 何より嬉しかったのは、叡山がようやく料理人として本気で挑む気になってくれたこと。

 てっきり今回の勝負では、叡山は最後まで料理人としての本気は出さないだろうと思っていたのですがね。
 策略的なものではなく、あくまで自然体で叡山を正面対決に持ち込んでいっているという構成が巧いところです。
 邪道極まりない叡山の手法と正反対の手法になっているのが、より王道!!といった感じ♪



 創真と叡山の因縁は消化不良のままずっと長く引きずらせたままでしたが、それをこうして最近の叡山の「不正行為」の理由に繋げてくるとは。
 叡山としては創真を屈服させたい思いはずっと抱えてはいたものの、薊政権による改革をきっかけに暴走したといった流れだったのでしょう。
 前回の感想で「叡山とえりなは同じ」と述べましたが、やっぱり思います。
 叡山って創真に対してかなりムキになってますよね。
 これまではすました仮面で隠していたものの、創真が自分の思い通りになんてならないと思い知らされれば思い知らされるほど、ますます彼に対する感情が強くなるというような。
 それだけ創真の姿勢は叡山の“琴線”と相反するものなのでしょう。
 自分のやり方で創真を貶めることがイコール自分の肯定になっていたわけです。

 そのため過剰なほど「料理人」としてではなく「策士(権力者)」としての力で創真を叩き潰そうとしていた叡山ですが、ここでよ~~~やく認めたわけです。
 間接的策略なんかでは創真の心を折る事等不可能という事が。
 ラストの創真の発言。これが効いてましたね。(ああ惚れる)
 嫌味なようで凄い正当な創真の言葉って、やっぱり好きです。とても。



 そしてやっぱり極星勢は創真の信頼に応えてくれました!!
 「理屈」で屈服することなく、「熱情」で抗おうとする、愚かながらも心から尊敬させられる気概。
 そんな創真と通じる意思を述べる役割が恵になっていたのも、良かったです。
 やはり彼女が一番創真から学んだ子ですもの。(^^)



 そんな恵とは対照的に、場の空気に取り残されたえりな。
 学生の反乱運動なんて、
「お嬢様」とはそれこそ無縁の世界だったでしょうしね(笑)。

 これまでずっと自分に襲い掛かる“試練”はその圧倒的権力と才能で全て叩き潰してきた彼女にとって、この創真と極星勢の行動は理解しがたいでしょう。
 「効率」や「結果」のみを見て、それに至るまでの「情」は無駄なものとして切り捨ててきたえりな。
 ましてや、どう足掻こうが結果が同じと分かっている勝負なら尚更。

 でもこれこそが、彼女に無い彼らの「強さ」です。

 例え結果が同じであろうと、大切なものを守るために戦おうとする創真、そして極星勢。
 えりなはそんな彼らの姿を、しかと目に焼き付けておくべきだと思います。



 こうして一致団結し、50人もの大部隊と対決することになった極星陣ですが、約3時間をどうやって凌ぐのでしょうか。
 とりあえずは伊武崎が手にしていた球体に期待。
 こんな感じで極星勢一人一人がそれぞれのスキルを活かした活躍を見せてくれたら、創真の食戟と同じくらい目が離せない戦いになりそうです!!

 そしてようやく日の目に出る[錬金術師]の真の実力とは果たしてどのようなものなのでしょうか―――?











 ・・・それにしても餃子かあ~~~。
 懐かしいですね~。
 餃子と言えば思い出すのは第61話の料理教室・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

!!!!!

 

 

 

 閃きという名の神が舞い降りた☆

 毎回80%以上の確率で外れる私の予想ですが、今回も述べさせてもらいます。
 なんか今回の予想は、思いっきり外れても全く構わないと思えるくらい、ピタリと私の考えに嵌ったので。



 今回の勝負では、薊政権に買収されている審査員達が一番の障害なわけですが・・・。

 ひょっとしたら創真は・・・



 審査員達に料理させちゃうつもりなのでは?



 肉ダネや皮といったベースは自分で用意し、審査員達に包む作業を手伝ってもらおうと考えていたりして。

 ・・・え?
 さすがにそれは無いだろって?

 だって食戟に「審査員に料理を手伝わせてはいけない」なんてルールは無いもーん☆(←開き直り)

 当然審査員達はやろうとしないでしょうけども、そこを竜胆先輩が巧く促してくれるのではないのでしょうか?
 創真自身も老若男女問わず懐柔打ち解けさせる天下無敵のコミュ力の持ち主ですしね。

 自分も作るのに関わった料理。
 それなら、きっと審査員達はおのずと食べたくなると思うんです。

 私が昔、実家で家族と一緒に餃子作りをした時もそうでした。
 どんなに不格好であれど、拙くも、皆と一緒に自分も手掛けた料理って本当に美味しく思えるんですよね。

 創真は審査員達にそんな調理体験をさせることによって、審査員達自らが自発的に改心してくれることを願っているのではないのでしょうか。
 望むのは不公平な援助なんかではなく、公正な勝負。
 仲間達との“絆”を。
 叡山の“料理人としての誇り”を。
 それだけでなく、審査員達の“正義心”をも。
 創真は信じてくれているのでしょう。




 創真は[春の嵐]。

 叡山だけでなく、審査員達をも巻き込んで呑み込んでしまうに違いありません!!!

 

 


『食戟のソーマ』第142話感想

2015-11-13 00:50:00 | 食戟のソーマ

 今週のジャンプの簡単感想。

 <火ノ丸相撲>
  小関部長凄すぎ・・・!!
  火ノ丸と出会って一番強く変われたのは間違いなくこの人ですね。

 <コラボ企画>
  めっちゃ笑わせて頂きました。
  ありがとうございました。

 <斉木楠夫のΨ難>
  海藤君かわいいv
  この子には幸せになってもらいたいなー。(^^)

 <背すじをピン!と>
  素晴らしすぎる。
  迫力と勢い、熱さだけでなく、色気も醸し出せている。
  しかもそれを動きと表情でしっかり表現出来ているから凄い。
  ホントこの作品は読み手を惹き込む「力」が安定してますねー。
  今のところアニメ化してほしい作品No.1です。

 <左門くんはサモナー>
  幸せになってもらいたい人その2、ネビロスさん。



 ちなみにアンケートハガキにてコラボ漫画の質問がありましたが、私はもう迷わず
 『ソーマ』&『背すじをピン!と』をリクエストです。
 いやこれね。マジで面白くなると思うんですよ。
 野暮なこと言わせてもらえば、男性読者はソーマヒロインズのドレス姿を見たいでしょうし、女性読者はイケメンカルテットらの盛装姿を見たいでしょうしね。
 ルックス的に見れば創真と黒木場がラテン、タクミと葉山がスタンダードといったところでしょうか。
 でもキャラクター的には、創真はスタンダードだと思いますけど。

 マジメな観点で言わせてもらえば、両作品共に「自分もしくは他者との絆を表現すること」をテーマの一つにしているんですよね。
 『ソーマ』は料理、『背すじをピン!と』はダンスを通して。
 今回の『背すじをピン!と』本編がまさにそうだったように、激しい情熱や闘志、男女間の色気を表現する点から見れば、ライトな意味でもディープな意味でも面白い話作りが出来るのでは。
 佐伯先生にとっても全身をフルに動かす「ダンス」は新鮮な経験になると思います。
 附田&横田先生にとっても非常に良い刺激になるに間違いないでしょうしね。(^^)

 仮に奇跡が起きてこのコラボが叶うならば、創真は誰と踊るのかな~。
 単行本11巻のドラマCDの内容を踏まえれば、創真は基本的なワルツなら踊れることになってますからね♪
 あの時のリベンジという事で郁魅と踊ってもいいし、恵と踊ってもとても素敵になりそう。(個人的には嬉しさと羨ましさで悶え狂いそうですが/爆)
 わたりちゃんに教えて貰いながら踊る姿とか、想像するだけでほっこりです。(^^)

 堂島アニキと土井垣部長のサンバ対決なんてあったら、永久保存決定。(核爆ドッカーン)
 


 さて、妄想はこれくらいにして今週もいってみましょう!





 週刊少年ジャンプ2015年50号掲載
 掲載順第2位
 第142話 【卑劣極まれり】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の扉絵は、極星寮にお世話になっているえりなの一場面。

 ―――えりな、洗濯の時!!―――

 \うまい/(『磯部磯兵衛』的に)

 「洗濯」と「選択」を掛けたってワケね。

 でも確かにその通り。
 えりなの「選択の時」は確実に近づいています。

 この扉絵が示している通り、洗濯さえも自分でやった試しがなかったえりな。
 これまで「お嬢様」という立場から特別扱いされ続けていたが故に自分の身の回りの事は何も出来なかった彼女でしたが、今こうして同年代の存在から教えてもらい、一つ一つ覚えて新しい経験を重ねていっています。
 その姿は、何も知らなかった子供が初めての経験を積み重ねて成長していくのと同じ。
 こういった何気ない「日常」のワンシーンもまた、いずれ訪れる彼女の「選択」を決定付ける一因になるに違いありません。






 食戟管理局に突如飛び込む報告。
 景山さん、一気に影が薄くなったね・・・(汗)。
 その報とは勿論―――



 極星寮には、創真の置き手紙が。
 創真・・・こりゃまたゆる~く書いたな~~~(苦笑)。

 当然のことながら、この創真の行動に絶句する面々。
 誰にも告げず一人で行った創真を推し測る伊武崎。
 仲間達を巻き込まないために、と。



 ・・・そうかな?


 私はそうは思いません。

 なんていうか、ね。
 創真はそんな水臭い事はしないと思うんです。



 そんな中、突如飛び込んできたのは新戸。
 極星寮が解体されると今しがた聞き、いてもたってもいられず駆け付けたとのこと。
 ・・・退去日はまだ10日も先の事なんだけどね。
 なんか新戸もだんだんギャグキャラ化してきたな。

 そして新戸も創真と叡山の食戟の件を聞いて驚愕。
 心配したり走ったり驚いたりと大忙しですね(笑)。


 その時、テレビを通して創真と叡山の食戟の中継が放送され始めます。





 食戟のお題は、創真からの提案で「地鶏(さつま地鶏)」に。
 以前の唐揚げ決戦(単行本第5巻収録)のケリをつけるためにも、ということで。
 うん、それは良いアイデアですね。
 なんだかんだで叡山とは初の勝負なわけですし、ここで因縁の切っ掛けになった件を繋げるのは面白いです。

 ・・・・・・・・・・でも。

 「鶏肉」でなくて「地鶏」なんて、創真にしては随分と細かいお題指定してきたな~。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひょっとして・・・。



 曲がりなりにもやはり十傑なだけあって、食材の知識も豊富な叡山。
 でも創真さんはそんな叡山の説明をマイペースにスルーし、マイペースに煽るという。
 もう創真さんのこの対応振りには拍手です。

 そこに突然押しかけてきたのは
竜胆先輩。
 ・・・今回随分と女性キャラが駆けこんでくるな。(←)

 でもって久我だけでなく叡山も竜胆先輩が苦手なご様子。
 うん、もう間違いなく竜胆先輩は十傑陣における最強キャラですね(笑)。
 叡山と違って、創真は竜胆先輩に礼儀正しくご挨拶。(^^)
 というわけで超マイペース人間がまた増えることに(笑)。

 叡山が食戟を受けることにしたせいで自分の仕事が増えることになってしまい、周りの迷惑を考えない行動はやめろーと竜胆先輩プンスカ(笑)。
 ということで、司先輩に仕事を全部押し付けて叡山に文句を言いにここにやってきたと。

 創真:・・・ん?
 竜胆:ん?

 誰かツッコんであげて。





 そして場は食戟会場へ。
 随分とまあ、床が磨きこまれているな~☆と感心したのは私だけ?

 審査員は前回と同じく、やはり叡山の息が掛かっていた三人でした。
 そんな着々と創真の敗北へのお膳立てが整っていく中でも、叡山は何かを考えていました。
 そんな叡山に声を掛ける竜胆先輩。
 どうやら前回の“見せしめ”は遠月学園の反乱分子を抑える以上に、創真の鼻っ柱を挫くのが叡山の狙いだった模様。
 なるほど。確かにカメラ目線で創真に無言のメッセージを送ってましたものね。
 でも創真は怖気ずくどころかむしろ真正面から挑んできたという。

 そこで、叡山は更に何の策に出たかというと―――

 極星寮退去の本日決行。

 手下達を向かわせた叡山。
 八百長勝負によって強制的に敗北させた創真を、更にもぬけの殻になった極星寮と仲間達の絶望した姿で迎えさせることで、徹底的な屈辱を味わわせようと謀ったのでした。

 もう底辺悪役突っ走ってますね叡山。
 あまりに卑劣すぎてもはや呆れてきましたよ。



 そんなことよりも。

 やばい。

 やばい。

 創真のダークアイがいよいよやばいレベルに達してきちゃった・・・!!!(滝汗)



 極星寮の存亡と創真の退学が懸かった、この食戟の時間は3時間(けっこう長いね)
 運命の勝負がいざ始まります・・・!!

 

 




 

 更に最低振りに追い打ちをかけてきましたか叡山。
 もう叡山がどんな惨めな敗北を味わうことになっても「ざまあみろ」としか思えないほどの落しようです。

 叡山がそんな卑劣極まりないだけに、創真の見下げた眼差しが堪らない。(ダークサイドの創真って怖いけど大好き)
 ここら辺が附田先生のキャラクター造形と佐伯先生の作画力の賜物なのですが、顔色は一切変わっていないのに眼差し一つで強烈に箔を放っているのが凄く魅力的ですよね。
 天然の煽り気質なくせに煽り耐性も滅法高いなんてつくづく反則だと思う。





 同じ極星メンバーである仲間達に何も告げず単独行動を起こした創真ですが、これには彼なりの考えがあってのことだったのだと思っています。
 だって、創真はいつだって他者を信頼してくれていますから。

 創真は察しが付いていたのではないでしょうか。
 叡山が自分を貶めることを最大の目的に動くであろうことを。
 そして、直接的でなく裏工作的な策略を仕掛けてくるであろうことを。
 美作との食戟でも描かれていましたが、創真は味方だけでなく敵でさえもよく見て、思慮する子ですから。

 だからこそ、創真は一人で敵陣に向かったのだと思います。
 極星メンバー達を置いて行ったんじゃありません。
 頼んだんです。
 極星寮を守ることを。

 前回も述べましたが、極星メンバーにとって「我が家」も同然な極星寮。
 それはつまり。
 創真にとっても極星寮は自分が帰るもうひとつの「我が家」だということです。

 だからこその、あの書き置きだったのでは。

 自分が戻ってきたら皆で迎えてほしい。
 そんな想いが込められているのではないのでしょうか?



 叡山の卑劣な策略によって一気に窮地に陥った極星寮と仲間達。
 ですがここは極星メンバーの名に懸けて極星寮を守り切ってほしいです。
 守り通したその大切な場所で、創真の勝利を信じて待っていてほしい。
 そして。

 帰ってきた創真に、「おかえり」と言ってあげてほしい。

 皆で食べましょう、創真が作ったカレーを。



 とりあえず伊武崎のスモーク攻撃&吉野のジビエアタックを手下達にかましてやれ。(←)



 ここ最近不自然なまでに登場してこなかった一色先輩とふみ緒さん。
 さすがにここらで、彼らにも活躍してもらいたいところですね。

 そしてわざわざこのタイミングで駆けつけて来たという事は、新戸も何かしらの活躍を見せてくれるのでしょうか?
 ま、とりあえずえりなをしっかり守ってやんなさい。


 あ、それと。
 一方でちょっと目に留まったのが、創真の行動を知った恵と新戸の反応。
 辛そうに何かを思っていた恵に対し、驚きながらも何かを考えていた新戸。
 二人は果たして今回の創真の行動をどう解釈したのでしょうか。
 それが軽く気になってます。


 そして竜胆先輩は果たしてどう動くのでしょう。
 ある意味でこの人も一色先輩と同様に中立的な人ですからね~。
 とりあえず創真の料理を食べるよう審査員に進言してくれるのを期待。
 創真の実力と叡山の姿勢から考えれば、もうそれだけで充分です。





 本番の前に仲間達からの協力を得ながら試行錯誤するという構成が続いていた最近の展開。
 それだけに今回の勝負は非常にテンポが良いですね♪

 お題は「地鶏」ということですが、果たして創真は何を作るつもりなのでしょう?

 やっぱ焼き鳥かな?
 甲山先輩の敵討ちも兼ねて。

 でもそれだけでなく、わざわざ「地鶏」と指定した点にもヒントが隠れていると思うんですよねー。
 ひょっとしたら今回の料理に、創真は極星メンバーの得意ジャンルをそれぞれ用いるつもりなのかも。
 「地鶏」と指定したのは、ジビエ料理を得意とし、実際に鶏を飼って「ブランド鶏」の生育を目指している吉野を反映して。
 そこに伊武崎の「燻製」、榊の「塩麹」等を取り入れてくるのでは。
 青木&佐藤の得意ジャンルである「揚げ物」も、「揚げ串」として活用できますしね!
 毎日毎日、ずっと極星メンバーと一緒に料理を出しあってきた創真ならきっと作れる筈。
 極星メンバー代表として、極星寮の素晴らしさを立証する料理を必ずや作ってくれると信じています!!





 そんな創真と相反して、どこまでも卑怯な手段を取り続ける叡山。
 やはり今回も“料理人”としてではなく“権力者”としての力を振るってきました。(-"-#)
 っていうか、これもう訴えて普通に勝てるよね?
 卑劣な策を取れば取るほど墓穴を掘っていってるようにしか見えません。

 叡山もえりなと同じなんですよね。
 彼がこれほど創真を屈服させようとするのは、自分の顔に泥を塗ったこと以上に、創真の料理人としての信念や姿勢が自分のそれと相反しているからなのでしょう。
 今回の改革で極星寮の取り潰しが決定した際、 叡山自らがわざわざ極星寮に乗り込んできたのが良い証拠です。
 でも、貶めようとすればするほどそれを巧みに打ち破っていく。それが幸平創真。

 秋の選抜決勝で一色先輩が言っていた通りなんですよね。
 既に叡山は、創真に巻き込まれて呑まれていますよ。





 敵の悪意をひっくり返してこそ、そのカタルシスは大きいもの。
 同時に始まった二つの闘いは、果たしてどんな展開を得て決着が付くことになるのでしょうか?

 頼む!頼むよー!!
 秋の選抜本戦第一回戦並みの激熱な闘いの火蓋を切ってくれー!!!(o(><)o)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 叡山のキャラクターを考察している最中ふと思いついたので、ちょっくら記しておこうと思います。
 ここからは妄想全開な話になるので、興味の無い方はどうぞスルーなさってくださいね。



 きっと、今回の勝負でも本気で戦わないであろう叡山。(だからこそより一層創真の勝利が確信できるわけですが)
 勝負の決着が付いても、美作の時のような素直なバックボーンの判明や改心は無いと思います。
 ですが・・・。
 今回の闘いをきっかけに、少しずつ自分を顧み始める可能性はあるのでは。
 そうしてずっと後になるでしょうが、もし創真が窮地に陥った際、「ざまあねえな」とか憎まれ口を叩きながら助けてくれたりする展開とかあったりして☆
 そしてその時こそ、[錬金術士(アルキミスタ)]の異名を持つ叡山の本当の実力が発揮されるのではないのでしょうか。

 フードコンサルティングの商売による金儲けのイメージから[錬“金”術士]という異名が付けられたのでしょうが、私はそれだけではないと思っています。
 そもそも錬金術士のイメージって「元々の物質をまるで別物のように変えてしまう術者」だと思うんですよね。
 叡山はひょっとしたら、「どうやってもちゃんとした料理にならなさそうな食材からでも見事な料理を作り上げる術」に長けている料理人だったのでは?
 
本当にそうだとしたら凄いですよね・・・!
 充分に「さすがは十傑!!」と感心できる腕前だと思います。

 でも、かつての四宮や美作のように何らかの原因で歪んでしまい、「料理人」としての自分を捨て、「金」にしか執着しない人物になってしまったのでは・・・。
 正面から相手とぶつかることなく、裏から策を弄する姑息なやり方もきっとそのせいでしょうね。
 そしてその「原因」こそが、創真のような「自分の店を大切にしている職人気質の料理人」と関係しているのかと。



 卑怯な手段を取ってくる限り・・・ってゆーか創真に嫌がらせをしてくる限り決して好きにはなれない叡山ですが、それでもこの作品のキャラクター達は一人一人が大切な存在ですからね。
 これほどの悪役が果たしてどう変わっていくのか、じっくり見守っていくつもりです。