あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ 弐ノ皿』第三話&第四話感想

2016-07-31 10:30:00 | アニメ感想

 ソーマ本編の感想がかなり遅れてしまっていて誠に申し訳ありません。
 監査という一つの山は越えたものの、まだまだ超えるべき山が残っている状態で、軽くゲンナリ・・・。
 しかも本当の山にも登ってきたため、足が…!足があああ・・・!!(しかもこれも仕事だったという/涙)

 毎年この季節は、暑さでなく仕事でグロッキーさせられてる気がする・・・。



 さて、本編の感想は取り敢えずコツコツ取り組むとして、せめてアニメの方だけでもリアルタイムに合わせておかねば・・・!

 【『食戟のソーマ 弐ノ皿』第三話 ちょこっと感想】
 う~ん。今回はこれまでの中で一番悪い意味でダイジェスト感が強い作りになってしまっていたかと。
 汐見と葉山の語らいなど、原作で描かれていた「余韻」や「間」といった持ち味が展開の詰め込みによって大きく損なわれてしまっていたのが残念でしたね。
 あと不満だったのが、創真とタクミの名シーンとして筆頭に挙げられる第75話での会話が雑然としていたこと。
 現在描写と過去描写が入り乱れていて、今のシーンなのか過去のシーンなのか少し混乱しました。
 創真とタクミのライバル性において、そして次回にかけても大変大きな意味のあるシーンだっただけに悔やまれます。かなり。

 ですが、その一方で良い改良点もちゃんと見受けられました。
 特に「おお!」と嬉しく思ったのが、恵を労う観衆達の中に北条がいてくれたこと。
 原作では「応援してる」と言ってくれていたのにその後全く姿を見せていなかったため、気になっていたのでした。今どうしているんだろう?と。
 なのでこのシーンは、原作の大変良いフォローになっていたと思います。
 敗北後の新戸とえりなのやり取りも同様。
 こういったキャラクターの交流を始めとした、原作で感じたささやかな物足りなさを非常に丁寧に補完してくださっているのが、このアニメの最大の長所ですね。
 でも今回のNo.1は・・・
 創真さんの超~淡々な「ドンマイ」
 これに尽きます。



 さて、では続けて。

 【『食戟のソーマ 弐ノ皿』第四話 がっつり感想】

 はい。
 「ちょこっと」ではなく。
 「がっつり」語らせて頂きます。

 個人的に注目していたこの回。
 一言で言うならば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最高。

 

 

 

 

 

 

 なんぞこれ!?!?

 な・ん・ぞ・こ・れ!!??

 文句なんて言ったらバチがあたるレベル。

 
 詰め込み感が否めなかった前回。
 ですが今回はそれが全く感じられず、原作の骨組みをきちんと活かしたまま、それでいてテンポ感はしっかり向上させるという非常に巧い構成になっていました!
 原作は週刊連載ということもあって、どうしてもその回のラストを盛り上げて次回への読者の興味を引っ張るという構成にならざるを得ない部分があるんですよね。
 そのために、前回の展開との間にズレが生じる時があるという。
 それをアニメでは原作の構成をスムーズに整頓し直してくださって、とても理解しやすい内容に。


 セリフ等も随所に気の利いたアレンジが散りばめられていましたが、特に私の印象に残ったのが、美作が二つのセミフレッドを並べて味わうなら「こっちの方が力強い」と言い換えていたことですね。
 原作では「こっちの方が美味い」と言っていましたが、この表現だと、タクミが選択した「共立て法」は間違いだったと取られかねないのでは?と漠然と感じていたのでした。
 「美味しさ」の基準なんてものは人それぞれですから、そう一概には言い切れないというのに。
 それを今回こういう言い方に直してくださったことにより、すんなりと呑み込めると同時に説得力も増したように感じられました。


 そんな脚本もさることながら、カメラ使いもまた秀逸。
 原作の大きな特徴である「眼(顔)は見せない」という演出が、原作同様に見事に用いられていたと思います。
 特に美作がタクミの意識の大半を占めているものについて語った際、創真に標準が当たった時に創真の左腕を映したこと、そしてその手が握られていたことが・・・グッジョブ!!(><)
 言葉で語らずとも、創真の思いが伝わってきましたよ!!

 それと、やはり今回も原作では描かれなかった葉山や一色先輩といった、「直接関与せずともきっと闘いを観戦していたであろうキャラクター達」を随所で登場させてくれていたのも嬉しい点でしたね。
 原作も仕事が細かいですが、アニメはそれを更にブラッシュアップしてくださっているのが有難い限りです。
 特にタクミと美作の決着後の一色先輩の表情が隠されていたのは唸らされました。
 いや~細かい。
 いや~~~凄い。
 この表情の“隠し”が、決勝戦のラストへと繋がるわけです。


 ひたすら感心させられる一方で、しっかり笑いもパワーアップさせてくれるあたりもう感服☆
 堂々の[作詞:附田祐斗]・・・。
 
まさかのラップ調・・・。
 しかもハミングが審査員トリオ・・・。

 (TT)オナカイタイ・・・。

 このアニメって、声優さんの度胸も試されてると思う。

 
 しっかりした説得力で構築しつつ爆弾級のギャグもあるという充分に面白い展開ながら、ところがどっこい実はここからが本番。
 タクミの熱い作劇。
 そして美作の「悪」としての作劇。
 見事なジェットコースター展開となっていました。
 
 そしてそれらは全て、ED後のCパートでクライマックスを迎えることに。
 それまでほとんど話さずに静観を維持していた創真。
 いわば原作の得意技である「溜め」を、アニメではAパートBパートに丸々使って、このラストパートで一気に炸裂させてくださったわけです。

 特に感嘆させられたのが、背景に夕陽を用いてくださったこと。
 これは第一期の第一話から私が感心させられていた演出だったんです。
 それが中盤に、帰宅途中の創真が城一郎からの電話を受け取る場面。
 あの時から印象に残っていたんですよね。
 「このアニメスタッフさん方、夕陽の用い方がお上手だな~」と。
 そして今回もあの時と同様に、夕陽の差し込みが最高の演出となって、創真の姿を、創真の表情を、印象的に色付けてくださっていました。

 おまけにここのBGMのタイミングも巧みときたもんだ☆
 原作ではどちらかと言えば、創真の発言のポイントは美作への「可哀想」という言葉に照準が当たっていました。
 それをアニメでは、「違う」と断言する点に照準を変更。
 なるほど。これはこれで大いにアリですね。
 創真は自分の意志を確固として持っている子ですが、他者を否定する子ではありません。
 そんな創真があれほど正面から相手を否定したのは、実はあの時が初めてなんですよ。
 その意味でも、そこに照準点を変更したのはまたもう一つの意味で正解だったと思います。


 そしてラストのラスト。
 創真のあの表情。

 もう、なんていうか。

言葉が出ない・・・。

 

 下手な言葉では語り尽くせない。
 それぐらい、至高のシーンでした。




 それにしてもまあ、今回は脚本、構成、作画、演出、果ては音楽まで全てが物凄い完成度でしたね~。

 今回担当なされたアニメスタッフさん達を調べてみたところ、演出は知らないお方でしたが、絵コンテの方はというと・・・。
 高田耕一さん。

 やっぱりかーーーーー!!やっぱりなーーーーー!!

 この方、私が大絶賛した第1期の第7話【静かなる丼、雄弁なる丼】を担当なされたお方ですよ!!

 すんごい納得。
 いやホント、この方が原作第80話が入るこの回を受け持ってくださったことに、心から感謝です。
 第80話と同様に物凄く思い入れのあった第21話が収録された、第1期の第10話【至上のルセット】にはちゃぶ台を窓からブン投げましたが←←←、今回は心から大満足のクオリティでした。

 あと、「第2期は全体に渡って作画が綺麗だな~」と感心していたのですが、作画監督を見てこれまた納得。
 松浦麻衣さんが主に総作画監督を務めてくださっていたんですね。
 この方は第1期の第1話から総作画監督&作画監督を担当なされていた方なので、もう安心して観ていられるというか。
 私が「今回の作画綺麗だな~」と感じた回は大体この方が受け持っておられます。(勿論第7話【静かなる丼、雄弁なる丼】もこの方が手掛けてくださってます♪)



 これは・・・うん。

 原作を超えたかもしれない。

 私にとってこの言葉は、最高の褒め言葉です。
 そう言えるくらい、今回は非常に秀逸な出来でした。

 文句なしの神回です。

 改めて、本当にありがとうございました。(^^)

 
 できれば、原作第87~88話が収録されるであろう第六話も今回ぐらいのクオリティで制作して頂きたいですね~。

 

 


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『食戟のソーマ』第172話感想

2016-07-25 23:50:00 | 食戟のソーマ

 昨日のブログ訪問者数&閲覧数に唖然ボーゼン。

 普段の何倍にも爆上げしとる・・・(滝汗)。

 『ポケモンGO』による任天堂の株価以上の倍増っぷりです。

 これは明らかに、アニメ第四話の影響と見て間違いありませんね。
 本当に、あの回は原作でも至高でしたもの・・・。
 更新が滞りがちになってしまっていますが、アニメ感想だけは追いつかせたいと思っております。
 もしお待ちくださっている天使のような方がおられましたら、もうしばらくだけお待ちくださると幸いです。

 まずはアニメ第二話、そして原作の感想から。



 【『食戟のソーマ 弐ノ皿』第二話 ちょこっと感想】
 第一期に引き続き、今回の第二期もニコニコ生放送で配信されて嬉しい限り♪
 案の定恵と黒木場の「ジョョ」ネタシーンは物凄い反響を生んでましたが。(^^;;;A
 やっぱ動きと音が付くと威力も倍増ですね。凄すぎた・・・。(色んな意味で)
 おまけに丁度同タイミングで、「●ョジョ」本家の方もアニメが放送されている真っ最中ときてますし☆
 附田先生もツイッターで仰られていましたが・・・。
 ほんとミラクル過ぎ。(苦笑)

 前回の感想で述べ忘れていたのでしたが、第一期のアニメスタート時とアニメ終了時のテロップはお皿(&ナイフとフォーク)でしたが、今回は創真の包丁になっていますね。(スタート時は常用の出刃包丁。終了時は刺身包丁&菜切り包丁)
 これは非常にナイスとしか。
 原作では「あの件」以来取り上げられていませんが、創真の包丁は手ぬぐい、眉の傷に並ぶほど、創真のバックボーンに深く関わるアイテムでしょうから。
 包丁に関する伏線が明かされた回でもある第80話は、本当に、本当に私にとって『幸平創真』という人物を考え直させた超重大な話でした。
 ハッキリ言って、「秋の選抜編」の最大の山場はVS美作戦だったと断言できるぐらいです。
 なので、第80話にあたる部分はあまりカットしてもらいたくないんですよね。
 早津田みつるとのやり取りは全部カットしてもらっても構いませんから。(コラ)

 それと・・・。
 今回遂に公開されましたね。
 EDが。

 アニメスタッフさん方・・・。

 

 

誠にありがとうございましたーーー!!!!!
(全力感謝) 
 

 

 待ってた・・・!
 こういう真っ当なのを待ってたんですよ~~~!

 第一期も“歌は”良かったのに・・・

 映像が「アレ」だったんだもん・・・!!!!!(泣)
 (個人的に軽いトラウマになってます)

 OPが「秋の選抜編」メインの熱い内容なのに対して、EDは「スタジエール編」がメインの内容になっていますね。(個人的には当の第80話のエッセンスも入っていると感じていますが)
 ということは、やっぱりスタジエール編までやり通す模様。
 そうなると第116話までで第二期は終了でしょうかね。
 そうすれば非常に区切りが良いですから。
 でも単行本第8巻から第14巻までの分をワンクールでって・・・。
 う~ん、第二期はかなり密度が高くなりそう☆



 でもって、当のEDの内容はというと・・・。

 もう!
 もう!!
 もう!!!

 

 

 

 

う つ く し い。
(感涙)

 

 

 


 ぶっちゃけ、あまりの美しさに創真に惚れ直してしまいました。(←アホ)

 こんなに綺麗な映像がこれからいつでも見られるなんてマジですか?
 幸せすぎる・・・。

 内容も歌(歌詞)も演出も作画も最高。マジ最高。
 始めの部分は創真の「がむしゃら感」が良く表現出来ていると思いますし、中盤も綺麗ながら深い。
 後半はもう、創真が美しすぎて死にかけました。(←やっぱりアホ)
 スタジエール編での「これまでの自分のぶち破り」を表現してくれていたのでしょうが、原作では左右による“横表現”だったものを、アニメでは上下による“縦表現”で表してくれていましたね。
 その演出の見事さに普段はあまり気に留めない、エンディングスタッフもチェックしてしまいました。(佐藤光さんか・・・覚えておこうっと)
 おそらく附田&佐伯先生もこの演出には唸らされたと思いますよ?
 アニメオリジナルで初めて、創真の内面的深さ、繊細さがガチで表現されていたと思います。 

 歌詞で特に惹かれたのが
 「せめて僕の抜け殻に花束を添えて―――というフレーズ。
 創真は「不変のものなど無い。変化は必要だし、必ず訪れるもの。」という考えの持ち主だと思っています。
 でもその一方で、目標や意志を真っ直ぐに抱き続ける一途な子でもあります。
 そして自分を客観的に見ることのできる創真は、以前の自分から変わっていっている自分に気付いていることでしょう。
 だから、このフレーズは過去の自分への別れと尊厳をこれ以上なく言い表してくれていると思います。
 本当に感謝です。
 これほど素晴らしい曲を生み出してくださったnano.RIPEさんに。

 EDテーマのタイトルは『スノードロップ』。
 この花言葉を調べてみたところ・・・。
 「逆境の中の希望」「慰め」「あなたの死を望む」
 とのこと。
 へ~☆
 「逆境の中の希望」というのは、まさに創真に当て嵌まりますね。
 創真は何時如何なる逆境に遭遇しようが決して諦めない子ですもの。(^^)
 それと。
 一見不謹慎な「あなたの死を望む」という花言葉も、この場合においてはある意味相応しいと言えます。
 今回のEDでは、創真の「過去の自分の尊厳死」そして「新しい自分の誕生」を表現しているわけですから。
 ・・・うっ。
 あまりにも見事過ぎてまたもや涙出そう。(><。)

 間違いなく、私の中でNo.1のエンディングと相成りました。



 ・・・あれ?
 全然「ちょこっと」な感想じゃありませんでしたね☆(おーい)





 週刊少年ジャンプ2016年30号掲載
 表紙&巻頭カラー
 第172話 【いざ戦いの地へ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やってきましたでっかいどう!
 ・・・じゃなくて北海道!(いい加減にしろ)



 というわけで。

 雪にダイブする創真くんがかーーーわいいーーーーーvvv

 こういう無邪気にはしゃぐ姿を見るとホッとしちゃいます。
 創真って、普段は高校生とは思えないぐらい老成している子なので。



 アニメ第二期放送直前記念ということで、巻頭カラーから今回はスタート。

 わー創真ダッフルコート姿だーv

 新鮮♪新鮮♪


 そして多分初となる、同じ方向を向いている創真・えりな・恵ら主要人物三人。
 やっと彼らが同じ目標に向かって歩み始めたというのを表しているのでしょうね。
 まあ、やっぱりえりなは彼女らしくそっぽを向いてはいますが。

 それにしてもやっぱり彼らって、見事な信号機カラーだこと。(核爆)



 ちなみに表紙では、同時期にアニメ開始となる『斉木楠雄のΨ難』とコラボ。
 まあ、麻生先生は佐伯先生の絵と並ぶことにプレッシャーがあったようですが(苦笑)。
 でも、それほど画力の違いは感じませんでしたよ?(^^)





 こうして進級試験のため、北海道にやってきた創真達。
 一面の雪景色に吉野らは大興奮。
 降雪量の少ない土地出身の人が十中八九陥る現象に苦笑を禁じ得ない。(※内陸地方出身の人が海に興奮する現象もこれと同様)
 だが、かまくらへのロマンは賛同しよう。



 前回はえりなを先頭にして進級試験を乗り越えようと結束した極星陣。
 で、具体的にえりなはどんな対策を準備したのかというと、「北海道の食材」に対する基礎知識の徹底教授でした。
 意外なほどに基本的な対策ですね☆
 でも確かに極星陣一人一人の個性や応用力を伸ばすためには、かなり有効な対策と言えましょう。
 その基礎知識に加え、えりながこれまで培ってきた食経験も伝授するとのこと。
 なるほど。[神の舌]にかけてサポートするというのはこの事を言ってたのですね。

 まあ、その教え方はかなりスパルタだったようですが(苦笑)。
 ちょっと反省するえりなでしたが、新戸は全面擁護。
 ・・・う~ん。
 やっぱりまだ新戸はえりなを肯定してばかりですね・・・。





 話は一週間前へと遡り、進級試験はどんな内容かというのが説明されます。

  • 課題をクリアするたびにどんどん土地を北上。
  • 任意、またはランダムでルートが分岐するポイントもあり。
  • クリアすべき課題の数は計6つ。
  • 最終試験が行われる、旅のゴールは北端の離島。
     

 なるほど。
 こりゃあ、思った以上に土地柄が強く出る課題になりそうですね。
 そして分岐ポイントが存在するという事は、ここで創真達はセントラルの思惑通りに分断されてしまうに違いないでしょう。
 薊が言っていた「個別に潰す」というのはこの事だったのでしょうね。
 そしてゴールが冬の北端の離島という時点で、嫌な予感しかしない。

 北海道全体を巡るというそのスケールの大きさに創真は感心してますが・・・。
 いやいや。これから先、そのスケールは更に大規模になると思いますよ?



 えりなが基礎知識を増やすことで応用力や対応力を伸ばす授業を行った事に対し、薊は完成された料理をそのまま模倣する授業を実施していました。
 薊側の生徒達・・・もはや「自分で考える」ことを放棄した目ですね・・・。



 そしてえりなはわざわざご丁寧なことに、教師姿へとコスチュームチェンジして創真達への講義を始めます。
 なんだかここのえりなのノリ、スタジエールでこれからの対応に努める新戸(第108話)とソックリでした。
 やはり似たもの同士だからでしょうか?
 それともメガネ効果によるもの?(絶対違う)


 どさくさに紛れ、郁魅と普通に接しているえりな。
 月饗祭編の様子から(第121話)、郁魅の方は過去にえりなから切り捨てられたという仕打ちをもう引きずっていないことは察してましたけども・・・。

 ・・・う~~~ん・・・。(-“-)

 ・・・うう~~~~~ん・・・。(-“-)(-“-)

 ・・・ううう~~~~~ん・・・。(-“-)(-“-)(-“-)

 ま、いっか☆(いいのかよ!!)





 えりなファンの読者はえりなのコスプレ教師姿に喜んだことでしょうが、附田&佐伯先生は創真ファンへのサービスも忘れてはいなかった!!
 
 お風呂上がりの創真ですよ!!

 濡れ髪創真再来ですよ!!!


 わきゃ~~~~~!!!!!(><)


 「!」のコマなんてもう、失神するかと思った。(←)
 ほんと勘弁してください佐伯先生。
 心臓がもちません。



 今日の分の講習会が一段落しても、休むことなく明日への準備に専念してくれているえりな。
 ・・・ありがとね。(^^)
 「完璧」と謳われているえりなだけど、きっとこういう陰ながらの努力をずっと続けてきたのでしょうね・・・。


 そして、初めて私とえりなの意見が合った☆
 そうなんですよね・・・。
 創真って自分の身が懸かっている状況でも、どこか他人事なところがあるんですよ・・・。
 そんなところが私としても心配なんです。
 だからここのえりなの念押しは有難かったと言えますね。
 創真の茶化しも超ごもっともではありましたが。


 まあ、その件は取り敢えず置いとくとして。
 次のページのやり取りは良かったです。とっても。
 もう何度言ったか分かりませんが、やっぱり佐伯先生は凄い。
 もともと佐伯先生は「角度」を用いた魅せ方を多用されていましたが、最近はそれに加えて「照明(光源)」を用いた演出も持ちいてくるようになられましたね。(今見直しても第134話ラストには圧倒させられます)
 附田&佐伯先生は創真とえりなとの交流を描く際に、常に「対照」を意識した描写をなされておりますが、今回はその対照性を照明による明暗で表現してくれました。
 創真は暗い廊下側にいるものの、照明(光)に向き合っているため、影が生じていない明るい描写に。
 対するえりなは明るい部屋内にいるものの、照明(光)を背負っているため、影が生じている描写に。
 えりなに影を生じさせているのは、創真に正直な気持ちを打ち明けているための照れ隠しか。
 それとも、薊側に戻ってしまう可能性の暗示か。
 深読みの意味でもかなり興味深いシーンでしたが、どちらにせよ。
 初めて創真とえりなが“通じ合った”シーンと言えましょう。(^^)





 そんな準備を経て、いざ戦いの地へ到着した創真達。
 一方その頃、そんな戦いの地へ向かう別の動きも。

 やはり竜胆先輩ら十傑陣も進級試験に関わるようですね。
 どうやら茜ヶ久保ももは斉藤綜明と仲が良い様子。
 まあ確かに考えてみれば、同い年だし(全然そうは見えないけど)、席次も隣同士だし、司と竜胆先輩が親しいことからこの二人が親しくても特に不思議ではありませんね。

 そしてなんと。予想だにしなかった元・十傑も参戦する模様!
 各々が結構なインパクトを放ってます。
 一色先輩は包丁剥き出し。
 久我はブレザー着てる坊主軍団の引率。
 そして女木島冬輔は初めての発言。 

 ・・・う~む。

 流石だ☆ 

 

 

 


 

 

 なんか今回はなにげに大サービスな内容だったような。
 アニメ第二期開始の記念回でもあったからでしょうかね?
 流石は附田&佐伯先生。各ファンのツボを心得てらっしゃる。



 ですがやはり、今回一番の注目どころはえりなの変化でしょう。
 これほど他者の為に、熱心に動いてくれるようになるとは。
 そしてなにより、これほど素直に創真を認めるようになってくれるとは・・・。

 これまで他者を信用する姿勢を見せてこなかったえりな。
 そんな彼女が「この人達なら出来るはず」と極星陣を信じてくれました。
 可能性」を信じてくれました。
 でもそんな他者や可能性に対する「信用」は全て、これまでの創真の姿から学んだものだったわけです。
 動機は問題ありまくりだったとはいえ、えりなは創真をずっと見てきたのですから。

 改めて思いますが、
 本当に、えりなの成長は「創真という存在を認められるかどうか」に懸かっていたのだとつくづく。
 三年以上も掛けて、ようやくここまで辿り着きましたよ。やっと。
 はあ~~~~~・・・。本当に長かった・・・。



 そんなえりなの姿はとても喜ばしいものがあったわけですが、不満な部分もあるんです。正直なところ。
 それは随分あっさりと、創真と、そして郁魅との確執がスルーされてしまったこと。
 創真に対しては、今思い出しても腹が立つほど闇雲な侮辱や否定、見下し発言を繰り返してきたこと。
 そして郁魅に対しては、たった一度の敗北で冷酷に彼女を切り捨てたこと。
 そんな彼らに対してえりなが取ってしまった“罪”がまるで無かったことのようにスルーされてしまっているのには、どうにも釈然としないものがありました。

 まあ・・・、いいんですけどね。いやよくないけど。(どっち)

 罪悪感でまた己の殻に閉じ籠もってしまうより、これからに向けて挑んでいこうとする今の姿勢の方がよっぽど良いです。

 ひょっとしたら、えりなが進級試験に向けてこれほど頑張ってくれているのは創真達への贖罪の意味もあるのかもしれませんしね。

 私としても、今すぐ問いただすつもりはありません。
 ただ、いずれ折を見て、きちんと創真と郁魅に詫びるなり訂正するなりして過去の自分の所業に向き合ってくれることを望みます。
 それが「けじめ」というやつですから。

 まあ、今回創真の視点を通してそれに触れていたことから、附田先生もこの件を都合よく忘れているわけではない模様。
 ですので、信用して見守っていきたいと思います。










 ・・・さて。
 それでは前回の感想のラストで私が述べた、えりなの創真への態度の変化を素直に喜べない理由について説明させて頂くことにします。

 
 己の料理に対する“原点”を取り戻す切っ掛けをくれたことにより、一気に創真への態度が軟化したえりな。
 ですが、その描写に些かの懸念を抱いたんですよね。

 何故なら、彼女の中で創真と城一郎が重なっていたから。

 確かにこの時の創真と城一郎の発言・思考が同じだったからこそ、えりなは料理に対する大切な想いを取り戻すことが出来たわけです。
 それ自体は全く問題ないのですが、心配なのが、えりながこれ以降も創真に城一郎の影を見続けてしまわないかということ。
 この事は単行本第6巻感想でも伏せて述べた通りです。

 しかも附田先生は巧妙な事に、極星寮存続の件でえりなの創真への見方に変化が起き始めたのと同時に、創真と城一郎の親子関係をえりなに知らせているんですよね。
 
つまり、えりなの中で「創真自身」への肯定的印象が確立される前に、「城一郎の息子」という印象の方が前面に立ってしまったという。

 一つの言動が相手に与える影響は、必ずしも一つだけとは限りません。
 今回創真がえりなに与えた影響は、大きな前進と同時に、またある種の固定観念も生んでしまったのでは・・・と感じています。



 ・・・それと。
 もしこの仮説が当たるとするならば。
 今になって振り返ると残念に思えるシーンがあるんですよね。
 それはえりながまだ創真が城一郎の息子だという事を知らなかった頃、創真の後姿に城一郎の姿が一瞬重なったシーン。(第138話
 今回で改めて思ったことですが、
 創真って髪が凪ぐとかなり城一郎の面影が増しますよね。
 丁度あの時も創真はお風呂上りでしたし、創真の髪型を普段のツンツン頭でなく直前の回であった第137話や今回のような凪いだ髪型で描写していたら、「城一郎の面影」という面で巧いリンクが出来たんじゃないかな~と少しばかり思いました。





 さて、いざ始まらんとする進級試験編。
 私としてはこの章は遠月革命編の内項目と思ってます。

 まさに[玉の世代]が中心となる章ですが、何だかんだで、薊政権が発足してから調理描写がきちんと描かれた[玉の世代]は創真と黒木場ぐらいでしたからね~。
 この章で他の面々が料理人として大いに活躍してくれることを期待しています♪

 その一方で期待が高まるのは、勿論元・十傑達の活躍。
 一色先輩は遂に本当の実力のお披露目となるのか。
 そして久我は中華研の四川料理特化という、薊の教育法と似た行動を取っていながら、何故セントラルから除外されたのかという理由が明らかになるのか。
 そして女木島冬輔は一体誰と連絡を取っていたのか。どんなジャンルの料理人なのか。
 色々と興味は尽きません。
 もし彼が予想通りラーメンのスペシャリストならば、北海道はまさに得意フィールドといえるでしょうね。

 ですが、現十傑も一筋縄ではいかない試練となって創真達に立ちはだかってくることでしょう。
 ただ、単なる妨害者としてだけでなく、今回を機会に創真達との交流を持ったり、何故薊政権に賛同したのかという理由も明かしてもらいたいところですね。
 それと、どうやら今回関わるのは三年生達のみで、二年生達(叡山、紀ノ国寧々)は留守番の模様。
 ・・・う~ん、なんだか創真達が居ない間の遠月学園が心配です・・・。
 創真達だけでなく、元・十傑メンバーも学園を離れたということは、今現在の遠月学園にはセントラルの抑止力になる存在はほとんどいないということになるわけですから・・・。
 もし創真達が無事に進級試験を乗り越えて帰ってきたとしても、待っているのは「仕上げ」を待つのみの変わり果てた遠月学園のような気がしてしまいます。
 それに、なんだかんだで創真達が一旗揚げるたびに現れては嫌味を飛ばしてきたことからみて、最終試験時には薊も姿を現しそうですね。



 ・・・それにしても。
 さすがに巷でも声が上がってきていますが、依然として姿を見せませんね、「彼」は。

 城一郎や仙左衛門が述べていたように、遠月学園を、そしてえりなを救うのは[玉の世代]です。
 ですが、[玉の世代]が揃うには、まだ重要なピースが欠けたまま

 ・・・ひょっとしたら・・・。
 この進級試験編で一番厄介な障害になるのは、薊でも、十傑でもなく、「彼」になる可能性もあるかもしれませんね。

 前回の感想でえりなが薊の元に戻る理由は「親に捨てられる恐怖」かもしれないと述べましたが、それは汐見という“親”の傍に居続けようとする「彼」とも重なる要素ですし。




 このことから見ても、この進級試験編が薊政権との最終決戦とはならない事でしょう。
 遠月学園内で始まりを告げたこの「変革」。
 ならば。
 決着もまた、遠月学園内でつけるべきでしょうから。
 



 


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『食戟のソーマ』第171話感想

2016-07-11 23:50:00 | 食戟のソーマ

 遂に始まりましたね!『食戟のソーマ 弐ノ皿』!!
 観ましたよ勿論!
 しっかり録画もしましたよ勿論!!

 詳細な感想は既に原作感想の方で長々と語っているので、アニメに関してはあまり多く語るつもりはありませんが・・・、やはり少しだけ。



 【『食戟のソーマ 弐ノ皿』第一話 ちょこっと感想】

 まずOPについてですが・・・
 やっぱ残念な内容だなあ~~~。

 アニメ版『僕のヒーローアカデミア』があまりにも良かったせいで(毎週録画して見てました。原作を既読済みでも毎回楽しめる良アニメでした!)、その対比効果のせいもあるのかもしれませんけど・・・
 OPからネタバレしまくりってどうなのよ???
 それと。
 いくらなんでもOPで「おはだけ」を晒すのはやめてくれ。
 相変わらず、初見の人が見たら絶対料理漫画とは分かってくれない内容だなあ~と思いました。
 ですが、本編終了後にOPが始まるという構成は大変熱かったです。(><)

 やはり残念極まりない事に、子供お料理教室の回はかなりの短縮回想だけで片付けられてしまっていました。(折をみてきちんと制作してくださるのを待ってます!)
 ですが、冒頭の部分で創真の呼び掛けに恵が振り向いたあの表情には「お☆」と思ったり。
 原作を知っている読者だけがニヤリとさせられる描写でしたね♪

 随分とハイスピードな展開でしたが、私個人としては中々良かったと思います。
 むしろ原作を後から読み返した時に感じた辻褄の合わない部分が改正されていて、かなり見やすい構成になっていました。
 ここが第一期から変わらない、アニメの長所ですね。(^^)
 
 ただ残念だったのは、創真の対戦相手がアリスと判明した際の驚きや興奮が原作程ではなかったということ。
 原作でのあの演出は本当に至高の極みでしたから・・・。
 ラストの恵の対戦相手が判明した際もまた然り。
 「不明」が「判明」へと転じる際の演出は重要ですよ、アニメスタッフさん?
 個人的に「アニメならではの演出」に期待して視聴している身なので、もう少し演出面と動画面を頑張ってもらいたい所存です。

 ま。

 創真が格好良かったので特に文句無し!!!(←)

 さて、次回はEDが公開されることでしょう。
 第一期は「アレ」でしたが・・・果たして?(ハラハラ)




 
 『ソーマ』本編の感想へ入る前に、先週のジャンプ(31号)の感想をいくつか。

 【火ノ丸相撲】
  「負けないでほしい」
  まさか日景に対してそう思わせられてしまうとは・・・。
  つくづくこの作品ってしっかりとキャラを立てておきながら、それでありつつも共感性や理解を掘り下げてくれる描写が秀逸ですよね。
  こういう真っ直ぐで誠実な“熱”のある作品が、もっともっと増えて欲しい。
  真剣にそう思います。

 【ゆらぎ荘の幽奈さん】
  蓮華サマに、どっかの菜切り包丁なお嬢様を重ねたのは私だけではないはず。

 【鬼滅の刃】
  お願いです吾峠先生。

  雀さんをレギュラー化してください。

  1ページ目で一週間分の癒しを貰いました。
  11ページ目で一か月分の癒しを貰いました(感涙)。
  鎹鴉と違って話さないのが逆に可愛いというこの狡さ。
  悔しくもクリティカルヒットです。

  この作品は独特の几帳面さによるユーモアがありますが、連載が続くにつれ、それに磨きがかかっていると思います。
  そんなユーモアと優しさと怪奇さに加え可愛らしさまでとなったら、もう面白いとしか。
  最近私の中でぐんぐん好感度が増してる作品です。(^^)

 【ワールドトリガー】
  城戸司令って厳格で冷酷だけど、特に修の前では公正な姿勢を見せてくれますよね。
  なので、ハッキリ言って嫌いじゃなかったり。
  とにもかくにも、ようこそヒュース♪

 【ニセコイ】
  マリー、よくぞ言ってくれた☆
  やっぱり私はマリーが一番好きです。
  本当に強い子。そして良い子。
  恋は実らなかったけど、どうか幸せになってくれますように・・・!(><。)

 【こち亀】
  両さん、是非ともその熱弁をどっかの黒手袋総帥にぶつけてやってください。



 さて、それでは『ソーマ』本編の感想へ。

 と、その前に一つだけお断りを。

 ここ最近多忙な為時間が取れない事もあり、かなり感想が遅れ気味になってしまっている今日この頃。
 なのでしばらくは、あらすじを追いながらのツッコミパートである前半部分をかなり省略して書かせて頂くことにします。
 全体的な感想・考察にあたる後半部分はこれまで通りの内容量で書くように努めますので、どうかお許しください。
 それでは改めて、いってみましょう。





 週刊少年ジャンプ2016年29号掲載
 掲載順第4位
 第171話 【フォローミー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回は創真の料理によって「完全おはだけ」させられたえりなでしたが、今回は別バージョンでリアクション。
 麦わら帽子なえりな、再びです。
 これは城一郎の料理に感じた魅力と同じものを、創真の料理にも感じたということ。
 あの時は下からアングルでしたが、今回は上からアングルにすることで描写的違いをつけていますね。



 前回ラストのまま、黙っていれば良かったのに・・・。

 ちょ~~~ドヤ顔で味の感想を訊く創真さん。(^^;A)

 えりなが素直になれないのは、創真さんのそんな態度も一因にあると思う。


 ですが、えりなは肝心の味の感想は何も言わず、指図だけして嵐のように去ってしまうのでした。




 そして明朝、えりなの指示通りに玄関前に集まる極星寮の一年生達と新戸。
 伊武崎の発言からみて、どうやら作中では12月始めに入った模様ですね。
 そんな時期にそんな恰好なら寒いのも当然だってばよ青木さん。

 とそこへ、ようやくえりな登場。
 拡声器とカンペを持って。(この時点で窺い知れる素人感)

 で、何を言い始めたかといえば・・・。


 どの口がそれを言う。




 昨日の昨日まで、一番しょぼくれた顔をしていた奴が。



 と、滅茶苦茶思いはしたものの、とりあえず堪えて続きを読みましたがね。



 要するに、それは非常にえりならしい
 不器用極まりない極星陣への発破でした。

 そんなえりなの発破に応え、極星陣は士気を取り戻してくれます。
 ホント良い奴らですよね~~~・・・。
 私だったらツッコミでえりなを串刺しにしていたよ。(うわ

 ま、えりなも内心は不安だったらしく、極星陣が自分の呼び掛けに応えてくれたことに安堵していましたが。
 こういうところが、えりなの「普通の女の子」なところですね。


 こうして極星陣は
 なにより、えりなは
 闘う意思を取り戻すことに。





 そんな彼らが挑む進級試験。

 その舞台は―――



 北海道。



 ・・・はでっかいどう。
 (日本中にごめんなさい)

 

 

 


 

 

 

 「女王」なえりなが遂に復活と相成りました。
 “停滞”の期間が非常に長かっただけに、その分怒涛の勢いで動き始めましたね。

 “原点”が不安定だったからこそ自分の意思が定まらずにいたえりなでしたが、創真の料理が標になったというのが良いですね~。(^^)
 元々“頂点”へ充分届き得る実力者なだけに、“原点”を取り戻した今のえりなはかなり頼もしいです。
 でも私が一番印象深かったのが、これまでのえりなだったら決して言わなかったであろう言葉を次々と口にし始めたこと。
 「頼んだ」
 「私と共に」
 これまでずっと独りで冷えた世界を生きてきたえりなが、これほど熱い共闘の意思を示してくれるとは。
 考えの堅さと世界の狭さ、そして“原点”の不安定さ故に成長が著しく滞っていたものの、今回で一気に成長を遂げてくれました。

 そんなえりなでしたが、やっぱり創真に「美味い」とは言わず仕舞い☆
 まあ、これはえりなの創真に対する“最後の意地”のようなものですからねえ~(苦笑)。
 作者的にもこの決着だけはもう少し先に取っておきたいのでしょう。
 えりなが今回言わなかった理由を「これからに向けての決意でそれどころでなくなった」ということにしたのも良かったと思います。
 ま~た幼稚な意地を張ったりしたならば、今度こそ心底失望していたでしょうから。私が。
 今度えりなが創真に「美味しい」と告げる可能性が訪れるのは、創真が「スペシャリテ」を完成させた時でしょうかね?


 結局今回の件では、個人的に気になっている、「何故えりなは薊の計画の“鍵”なのか」という疑問点については全く触れませんでした。
 えりなの[神の舌]が関わっているのは間違いない筈なのですが、これまでの様子から見るに、えりなが特に協力せずとも薊の遠月支配はつつがなく完了しそうなのですがね?(創真達[玉の世代]の存在を抜きにすればの話ですが)
 今回の話の中で、[神の舌]にかけて創真達をサポートすると宣言してくれたえりな。
 次回から始まるであろう進級試験編にて、えりなの[神の舌]のサポートによる創真達の活躍が描かれることになるならば、それが逆に薊の計画達成にえりながどう必要になるのかというのを推察させるヒントになるかもしれませんね。



 そんな進級試験は何処で行われるのかというと、予想通り北海道とのこと。
 学園外で行われるとは、またえらくスケールの大きいこと☆

 附田先生も以前取材に行かれましたし、実体験を活かしたストーリーが準備されていそうで楽しみです♪
 北海道は私も職員旅行で一度だけ訪れたことがあります。
 そこでじゃが芋やアスパラ、ホッケ等地元の食材をごちそうになりましたが・・・。
 もうね、マジで至高。
 あの味は今でも覚えています。
 とにかく甘い。
 生臭さがない。
 今まで食べていた物は何だったの?と本気で思えるレベル。
 それぐらい美味しい食べ物ばかりでした。(ビバ北海道)
 そんな、まさに食材の聖地と言うに相応しい土地だからこそ、進級試験の場に選ばれたのかもしれませんね。

 ただし、観光としては素晴らしい場所ですが、戦いの場としては相当にハードでしょうね。
 時期も時期ですし。
 加えて試験を取り締まるのがセントラルとあっては、反対派である創真達がかなりの逆風に晒されるのは想像に難くありません。
 だからこそ、より一層彼らの奮起が輝くことになるわけですが。

 附田先生のことですからアニメ第二期とも絶妙にリンクしてきそうですね。第一期の際もそうでしたし。
 北欧育ちだけあって、アリスや黒木場はいい対応力を発揮してきそう。
 それに恵も北国育ちですし、アリスらと同様に期待。
 美作はもう心配なし♪
 あと気になるのは、北条美代子と貞塚ナオ!
 彼女らも月饗祭編で創真と絆が繋がったわけですし、この進級試験編で再び活躍してもらいたいところです。
 そして。
 秋の選抜優勝者である「彼」はというと・・・。
 多分登場したとしても、進級試験編のラスト頃だと思います。

 ・・・今回えりなが“光の道”を選んだ以上、「彼」は“影の道”を選んでいると思うので。





 

 

 

 

 

 

 

 


 遂に「自分」を取り戻し、薊政権への対抗を決意してくれたえりな。

 ですが、えりなが薊の元に戻る可能性がゼロになったわけではありません。

 その引き金となり得るであろう要素は幾らでもあります。
 過去のえりなの所業を掘り起こせば。

 ですが、やはり最大の要因は・・・。



 薊という「父親」への愛着でしょうかね、やはり。



 例え教育によって植えつけられた価値観や信念は変わろうとも、血縁関係というものは絶対に変えられません。
 えりなが薊に逆らえないのも、その教育法以上に、「親に捨てられてしまうという恐怖」が彼女の心を支配しているからこそ。
 子供にとって、親から捨てられるというのはとてつもない絶望です。
 しかも薊はえりなへの表面上の態度は穏やかで優しいときてますから、尚の事厄介なわけで。
 怖い。
 賛同したくもない。
 だけど、拒めない。
 そんな「愛情」という鎖にも、えりなは囚われているわけです。

 だからこそ。
 えりなが薊から本当の意味で解放されるには、創真ら[玉の世代]達との「絆」が必須なのでしょう。
 彼女の中で、父親の歪んだ愛情よりも、対等な仲間達との絆の方が勝るかどうか。
 その決着が、この遠月革命編のクライマックスになるかもしれません。

 そんなえりなの“決断”に大きな影響を与えるのもまた、創真になることでしょうね。



 この作品にしては珍しく英語が用いられていた、今回のサブタイトル【フォローミー】。

 [follow]は、追う、従うという意味もありますが・・・。

 補助する、支える、という意味もありますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それと。

 ラストの、創真を見つめるえりなに、創真&えりな派の方々は万感の思いだったことでしょう。

 嬉しかったです。私も。
 ようやくえりなの創真に対する闇雲な否定や見下しが解消されたのですから。



 ・・・でも。



 正直なところ、素直に喜べなかったりします。

 理由の詳細は次回述べることにしますが・・・。

 描写的にも、ここのシーンは個人的に引っかかりを覚えたんですよね。

 えりな視点で描かれていた創真の横顔ですが・・・。

 どうしてコマ中央に描かなかったのだろう、と。

 まるで、左半分に「誰か」が入るスペースを空けているかのように。
 

 


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『食戟のソーマ』第170話感想

2016-07-01 23:55:00 | 食戟のソーマ

 光陰矢のごとし。
 ということで7月です。
 一年の半分が早くも経ってしまいました。



 なんかもう、毎回言ってるような気がしますが・・・。

 すみません、御無沙汰していました!!(><;)

 どうもここ最近仕事が立て込んでいて、体力的にも精神的にも余裕が取れず・・・!
 少なくとも今年の夏いっぱいまで、こんな状態が続きそうなんですよね。
 『ソーマ』のアニメも開始直前というこの時期にこうなってしまうとは、悔しい限り。

 そういえば、今回のアニメ第二期はワンクールとの情報が。
 なんと短い★
 ということは、今回は秋の選抜終了まででしょうかね。
 気になるのは、本戦開始直前のエピソードである第61話も取り扱ってくれるのかという事。
 一見本筋とは関係ない小休止的な話、そして創真&恵派な読者にとって大万歳な話(←)ですが・・・。
 このエピソードは実はかなり重要ですよ。
 これほど熱弁するのは、私が単に創真&恵派だからというだけではありません。
 このエピソードには、この作品の「テーマ」に関することが述べられているほか、何より創真の○○と恵の●●という、二人のキャラクター性における重要なファクターが描かれているのです。
 そしてそれらファクターは、ひょっとしたら今現在進行中の遠月革命編にも関わってくることかもしれないんですよね。
 とにかく、第61話はこの作品の「これから」において重要な基礎固めとなっているストーリーですので、アニメでも絶対取り上げて頂きたいです。
 まあ、幸い小休止的な話だけに、例え原作順ではなくとも途中でいつでも挟める内容ではあるんですけどね。
 もし今回取り上げられなかったならば、第三期で取り上げてくださる筈と思うことにします。
 完全スルーだけは絶対に認めない。それだけですので。(←暗にプレッシャー)



 そして、そんな第61話と結構似ていた話が、ジャンプ28号の『こち亀』でも掲載されていましたね。
 さすがは「知の宝庫」であらせられる秋元先生。
 大変勉強になりました。

 こと感心させられたのが、寿司は元来大衆料理だったという事実。
 これには目からウロコ☆
 元から高級食だったとばかり思っていました。
 (丁度アニメ第二期もこの回から始まりますが)『ソーマ』の第62話を読んだ時も思ったものですが、やはりどれだけ「高級」と謳われている料理でも、元を辿ればそのほとんどが庶民層から生まれたものなのですよね。
 それを改めて再確認させられました。

 そしてもう一つ、大変頷かせられたのが
 “米”の大きなキャパシティ。
 それと、米へのこだわり。
 これはさりげなく。ですが一貫して。
 連載初期からずっと描かれてきたことですが、
 『ソーマ』でもご飯は「土鍋炊き」で作られているんですよね。
 調理性能の優秀さと持ち運びしやすいという利点から「土鍋」という手法が選ばれたのでしょうが、『ソーマ』はさり気ない面で料理への気遣いがよく行き届いている作品だと思います。
 秋の選抜編はもとより、創真が全体的に米を用いた品をよく作るのも、“米”が日本を代表する主食であり、日本人のこだわりであり、そして世界の食材とも融合できる可能性を秘めた食材だからだと思います。



 さて、それでは随分と間が空いてしまっていましたが、『ソーマ』本編の感想へと、いざいってみましょう!





 週刊少年ジャンプ2016年28号掲載
 掲載順第7位
 第170話 【凍っていた想い】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 創真が創った天丼、それは『鶏卵の天ぷら丼』でした。
 ほらやっぱり☆

 ただし。

 冷凍の生卵。

 これは予想外。

 してやられた感がもの凄い。
 その発想にひたすらビックリです。

 発想には驚かされたものの、調理法自体は至ってシンプル☆
 これなら家庭でも手軽に作れそうですね。


 説明はともかく、まずは食べて見ろと勧める創真。
 そんな創真に相変わらずの悪態をつくえりな。
 だ・か・らっ。
 そーゆー文句は食べた後で言え(怒)。
 まー、事前にこういう腹立つ態度を取るという事はどうせ・・・。



 いざえりなが食べようとしていたその時、榊は気になっていた事を口にします。
 創真が以前、1パック106円の激安特売卵を大量買いしていたことを。
 甘いな。
 1パック80円以下からしか激安とは言えないゼ。(でも一人あたりの購入数が限定されていないなら、確かにお買い得と言えるカモ)

 その事に驚愕する一同。
 特に新戸は焦ります。
 何故なら、えりなは幼い頃から高級かつ厳選された食材だけを口にしてきたから。
 この事実は小説版第2弾での新戸のエピソードでも語られていた事ですね。
 ・・・その点については、以前から疑問視していました。
 特にこの後に続いた、新戸の「安物の食材を口にしたら体に変調をきたしてしまうかもしれない」という発言に。

 ・・・あのね?
 なんでそこまで神経質になるわけ?

 そりゃあ、添加物や農薬ギンギンな物だったなら憚られますが・・・。
 安くとも、それだって立派な「食べ物」ですよ?
 たとえ安かろうが、生産者様達が丹精込めて作ってくださった良質な食材なんて、この世にごまんとあります。
 「安物の食材は上流階級の人間の体に合わない」。
 そんな考えはあまりにも愚直かつ生産者の方々に失礼だと思うんですけど?

 新戸はそんなつもりで言ったわけではないのは分かっています。
 分かっていますが・・・。
 この発言には、「“真の美食”以外の食物は“餌”」と断言する薊の思想にも似た「偏見」が感じ取られました。

 それに・・・。
 えりなは人一倍舌が繊細なだけの、“皆と同じ”人間なのですがね。



 危惧するギャラリー達でしたが、時すでに遅し。
 えりなは口に。

 その結果―――

 

 

 

 

 

キターーーーー!!!!!
「完全おはだけ」!!!!!
(Σo(><))

 

 

 

 

 もう反応しまくり。
 感じまくり。

 秋の選抜でのアリス(第66話)に匹敵するはだけ具合だな・・・。(苦笑)




 実は「卵を凍らせる」という手法には、「固体化」「長期保存」という他に、もう一つの利点があったのでした。
 それが
 「風味の濃縮」。

 イメージしやすい料理なだけに、創真の解説に食欲が高まってしゃーない。
 実は私って、半熟卵や生卵が苦手な人間なんですよね。
 なのに食べたくなる不思議。

 しかも安物の卵を使用したのにも立派な理由が・・・!!
 そうなんですよね~。
 高級食材って、そのいずれもが味やコクが強いものばかりなんですよね。
 いわば、食材を“そのまま”食べても充分に美味しい。
 それが高級食材。
 ですが、「料理」となると話はまったく別。
 調理法や他の食材との相性をきちんと考慮し、一皿全体のバランスを大切にしなければなりません。
 それが「料理」であり、料理人の仕事なわけです。
 
 そしてやはり創真が「卵」をメインにした料理を選んだ理由も、私達読者が期待していた通りでした!!
 一見シンプルなアイデア料理に思えたものの、実際は論理的にも精神論的にも見事に成立。

 なにこれ。

 非の打ちどころが無い。



 創真のそんな非の打ちどころのない説明に、一言も文句が出せないえりな。
 代わりに口に出たのは・・・。
 疑問。

 何で!どうして!という言葉が堰を切ったかのように口から出るえりな。
 これまで創真を「否定」することによって封じていた、創真への「疑問」が一気に溢れたわけです。
 これは第167話感想で述べた私の考えが間違いではなかったと捉えていいよね?
 ・・・ね?


 そんなえりなの問いに対する創真の答えは―――

 

 

 

 

 

ここできましたか。

まさかまさかの超原点回帰。

 

 

 

 

 



 第一話を通り越して、なんと読切版の言葉を持ってくるとは・・・!!

 本当に何なんですか今回の完成度。
 半端ない。



 もうこれだけで充分感嘆してしまってるというのに、更に畳み掛けてくる創真。(+附田&佐伯先生)

 ここ、地味に巧いコマ割りになってるんですよ。
 「それになによりも―――」と話す創真と。
 「決まってるさ」と言う城一郎が。
 ページ1枚を挟んだ形でほぼシンメトリー[左右対称]に描かれているんですよね。
 そして次のページで、言葉と姿を完全に重ねさせるというこの巧妙さ。
 もう見事すぎてどう称賛したらいいのやら。



 そして創真と、かつての城一郎が告げた言葉は―――

 

 

「行き着く先が分かってたら楽しくないだろ」

 




 この時のえりなの表情ったら・・・。
 今までで一番まっさらな顔ですね。
 これまでも創真の言葉に刮目させられる場面は何度もありましたが、今回の表情は間違いなくその中でもトップの描写です。
 これは・・・、うん・・・。
 今までのえりなの表情で一番気に入ったかもしれません。



 常識。当たり前。普通。
 普段私達が「当たり前」「当然」と思っている物事は、一種の固定観念なんですよね。
 ですが、そういった先入観に全く囚われず、普通の人が実行に移そうとさえ思わないものに敢えて挑む料理人。
 それが創真であり、城一郎だったと。

 えりなの信条である「完璧」。
 それは大変盤石なものであり、安定しているものです。
 そして。
 「可能性」は全く無いものです。

 ですが、創真の信条はそれとは真逆の「可能性」。
 それは不確かなものであり、保証なんてものはありません。
 結果がどうなるか分からないものを標[しるべ]とするのは、とても怖いものです。不安です。
 でも。
 だからこそ面白いという。





 思い出すえりな。
 自分はどんな料理を作りたかったのかを。

 吹っ切れたかのように、えりなは無言で料理にがっつき始めます。
 これは珍しい。極めて。
 すました顔で料理を食し、冷静に論理的薀蓄を語るという姿が常だったえりな。
 そんな彼女がこれほどまでに「食べる」こと自体に没頭するとは・・・!!
 この姿は創真と闘った時の郁魅やアリスと共通するものがありますね。
 「思うままにかっこめ!」という。


 完食し、箸を置くえりな。
 その瞼には、溶かされた想いが浮かんでいました。



 静かに鉢巻きを解く創真。
 イケメンだなチクショーめ!!!





 おまけに煽り文までもが良い仕事を。(単行本では消えてしまうのが勿体無い)
 それに乗じて、私も〆として言わせてもらいましょう。


 お粗末!!(^^)
 
 

 


 

 

 

 

 

 

リベンジ達成!!!

 

 

 

 

 もうこの日をどれだけ待ち望んでいた事か。
 創真がえりなをケチョンケチョンにしてくれるのを。(※一部語弊あり)



 流石は附田&佐伯先生。
 前回にかけて、これまで張られてきた伏線がどんどん解消されていってましたが、今回はまさにそのピーク。
 よもや読切版での言葉さえも用いてくるとは夢にも思わず。

 そして森崎先生もやはり凄い。
 卵が用いられるであろうというのは大方の読者が察しが付いていた事でしょうが、その予測の虚を見事に突いた「冷凍」という手法。
 その手法が[氷の女王]であるえりなの“氷解”とも関連しているという見事さ。
 加えて、これまた読切版でも用いられていた調理理論がしっかり再利用されているというのですから・・・もう。
 もうもうもう。
 感心しきり。

 今回の話は、附田先生、佐伯先生、森崎先生らの見事な協力によって作り出されたストーリーだったと、普段以上に強く思わされました。

 そうして期待通り、そんな創真の料理にえりなは完全に陥落させられたわけで♪
 今でこそ様々な表現法が開拓されている実食リアクションですが、コスプレなどではなく「おはだけ」だったこともまた、二人の因縁のケリを付ける意味で最適だったと思います。
 やっぱり悪態をつく上から目線な奴は、いっぺんはだけさせなくっちゃね♪(←)

 つい最近の司との勝負でもえりなは「おはだけ」していましたが、「完全おはだけ」ではありませんでしたからね~。
 これほど感慨深いのも、第1話から登場しているというメインヒロインでありながら、これまで一度も「完全おはだけ」はしてこなかったというのが大きかったと思います。
 それが遂に。
 他の誰でもない。
 創真によって。
 ここ大事。とっても大事。

 ですが。
 そんな「完全おはだけ」よりも遥かに感慨深かったのが、えりなが創真の料理を夢中で食べてくれたこと。
 そして涙を浮かべて感慨に浸ってくれたことですね。
 心”のままに料理を食べる。
 これまで一度も見せてこなかったそんな姿を、一気に晒してくれました。
 本当にもう、これだけで「美味しい」と言ってくれたも同然です。(^^)



 創真の料理によって、やっと自分の“原点”が思い出せたえりな。
 これまで彼女はずっと、“完璧でなければならない”という義務的考えで料理を作ってきました。
 でも。
 本来彼女が“作りたい”自発的に望んだ料理は、「完璧」とはある意味対極にある、「自由で可能性に溢れた料理」だったという。

 つまり城一郎の料理に抱いた感動には「温もり」、「完璧な味付け」、「自由さ」、「楽しさ」、「斬新さ」などといった様々な要素があったものの、周囲の重圧や薊の洗脳といった“強制”と都合よく合致していた「完璧さ」だけが記憶に残ってしまったという事なのでしょう。

 それならば、創真と初めて出会った時に食した料理でその“原点”を思い出してもよかったのかもしれませんが、当時のえりなはまだ「己の世界」があまりにも狭いままでしたからね。
 今回ようやく創真の料理に心から向き合えたのは、極星寮の面々との出会いによって「己の世界」が広がった事も貢献していたと思います。



 いや~それにしても・・・。
 やっぱりこの遠月革命編が始まってから創真が作っている品は、いずれもえりなに食べさせるべきと思える料理ばかりですね。
 まず最初に、薊政権への反逆の狼煙となったVS叡山戦では、鳥(鶏)の翼(手羽先)に“羽”を付けるというそのイメージ。
 VS司戦では、市販のお菓子(甘栗)や七輪の使用という調理法。
 そして今回では、卵をわざわざ凍らせるという行動力。
 一見無茶苦茶なように思えたこれらの料理は、そのいずれもがこれ以上ないほど理にかなったものでした。
 それら料理の全てに共通していたのは
 一つの固定観念に囚われない、自由な発想。
 特に「素材は安物で調理法もシンプル」だった今回の料理は、「素材は高級で調理法は雑多」だった叡山戦と丁度対照的と言えましたね。










 毎回この漫画のストーリーと料理面の関連性には唸らせられるのですが、今回のエピソードはここ最近の中でも飛び抜けた完成度を誇っていたと思います。

 おそらくですが・・・。
 今回の創真とえりなのエピソードは、附田先生が連載開始当初から温め続けてきたエピソードだったのではないのでしょうか?
 それぐらい、今回の話は私が以前から望んでいたことに見事に応えてくれていた内容だったんですよね。
 創真の“温もり”によって、えりなの“堅い冷たさ(氷)”が溶かされるという。
 今回描かれていた「心の解放」「氷解」というファクターは、これまでのストーリー中でも何度か描かれてきました。
 その代表例が、初の食戟だったVS郁魅戦や、秋の選抜本戦初戦であったVSアリス戦ですね。
 この二人はえりなのファクターを多く持つキャラクターですし。
 おそらく上記の闘いは元々、えりなとの決着が意識されていた今回のエピソードから派生したストーリーだったのかもしれません。
 加えて、読切の台詞と主旨が同じ発言を創真がしていたことから、VS叡山戦も同様だったのかも。

 この遠月革命編が始まった頃から至る所で感じていた「原点回帰」。
 それは全て今回のためだったのでは。
 これほどまでの「奥の手」をここで披露してくださった附田先生でしたが・・・。

 感服させられたのは、ここに更に言葉が上積みされたこと。

 創真(&城一郎)が言ったこの言葉は、きっと。





 「この作品はこの先も予測不可能に前進していく」という、読者へのメッセージでもあるのでしょう。





 これは完全に私の推測ですが、今回のエピソードはその完成度の高さから見て、附田&佐伯先生が連載開始当時に最終エピソードとして用意していた話だったと思うんです。

 ですが。

 それほどの重要エピソードを、ストーリーがまだまだ半ばであるこの時点で描いてきたということは―――



 ここから先は、少なくとも両先生方が当初に用意していた「到着地点(ゴール)」から変わっていくということではないのでしょうか。



 どこへ行き着くのか。それは両先生方にも分からない。
 それはそれだけ創真達キャラクター一人一人が、そしてこの作品が、当初の予想を遥かに超えて成長したという証。



 ―――出会いこそが、前に進むのに必要なこと―――
 それを秋の選抜編の総括として城一郎に述べさせた附田&佐伯先生。
 ですが両先生方も、これまで多くの貴重な出会いを得てきたと思うんです。
 小説化の際は伊藤先生によって、各キャラクターをそれぞれ深く掘り下げて頂き(特に伊武崎のエピソードには感動させられたと、附田先生もツイッター上で述べておられましたね)、アニメ化ではアニメスタッフの方々から、原作で帳尻が合わなかった部分を丁寧にフォローして頂いたりしました。(OP&EDも大変気に入られておられたご様子)
 そういった多くの出会いによって、創真達だけでなく、両先生方達の“世界”も当初の予測を飛び越えて大きく広がったわけです。

 そして。
 附田&佐伯先生はそんな“予測不能”とこれからも付き合っていく決意なのでしょう。

 何故なら、その方が楽しいから。




 これから先の展開は果たしてどうなるのか。
 両先生方にも分からない、創真の料理人としてのこれから。
 
当初の目標通り、真っ直ぐに『ゆきひら』を継ぐのか。
 それとも、より大きな「世界」に旅立つのか。

 そしてヒロイン達とのこれからも。
 えりなではなく、恵と結ばれることになるのか。
 それとも郁魅や倉瀬になるか。もしくは、いまだに登場していない誰かになるのか。
 はたまた一周回って、えりなに戻るのか。

 
それらも全部ひっくるめて、これからも楽しんでいくつもりです。
 本当に、今回は大満足でした。
 ご馳走様。(^^)

 


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