祝!!アニメ化&単行本10巻突破!!!
ということで、お祝いを兼ねて『食戟のソーマ』単行本第7巻の感想にいってみたいと思います!
・・・・・と、
そ・の・ま・え・に・・・・・。
公式にてテレビアニメ化決定記念プロモーションムービー公開!!!
そうです。
「静止画MADコンテスト」にて優勝された“あの方”が再び『食戟のソーマ』の静止画MADを作成してくださいました!!(>▽<)
アニメ化決定の報を知ってから、きっと実現するだろうとは思っていましたが、まさかこれほど早く作り上げてくださるとは・・・!
今回も恐ろしいまでの素晴らしさです。
もうこの方の進化は止まるところを知らない・・・!
TVアニメ化決定記念 『食戟のソーマ』プロモーションムービー
(ちなみにニコニコ動画でも閲覧できまーす!)
さて、それでは私も個人的なお祝いとして単行本感想をば。
いやはや、新刊発売に合わせて書き進めていたものなのですが、まさかアニメ化のお祝いにも重なるなんて思いもしませんでした。
なんともタイムリー☆
ちなみに今回の単行本感想は、ちょいと考察に力を込めてしまったためこれまでで一番の文章量となってます★
本当に文章を簡潔に纏められない人間で申し訳ありません。
それにしても今回の後半に述べている考察が、これほど今現在の本誌の展開にドンピシャに嵌るとはこれまた思いもしませんでした。
全くもってタイムリー☆☆☆
それではいってみましょー!
このたびの第7巻は2014年4月4日に発売。
久し振りに番外編等は掲載されておらず、全て本編で構成されています。
≪掲載話≫
~第49話~ 【郡狼】
~第50話~ 【日常を超えるもの】
~第51話~ 【魔女の食卓】
~第52話~ 【花に仕える者】
~第53話~ 【寒い国からやってきた男】
~第54話~ 【華開く個の競演】
~第55話~ 【知で穿つ穴】
~第56話~ 【トスカーナの月】
~第57話~ 【彼女の思い出】
≪表紙≫
前の巻である第6巻で裏表紙に取り上げられていたため予感してはいましたが、やはりその通り。
今巻は葉山アキラが表紙を務めることになりました。
得意のカレーを作っている葉山。
前巻ラストから始まった「秋の選抜 予選」に向けての試作に取り組んでいる様子にも見えるイラストです。
そして表紙イラスト恒例の相方は、やはり汐見潤教授。
今回は水やり当番を忘れなかったようですね(笑)。
ちなみに表紙の裏側は毎回その表紙イラストのメインキャラクターの顔半分が単色でアップになっているのですが、今回はいつもと違って目を引かれました。
ここの葉山、髪を結んでいる部分が載っていないせいで短髪に見えるんですよ☆
それがちょっと新鮮でしたね。
葉山・・・短髪も似合うじゃん(笑)。
≪裏表紙≫
表紙が葉山なら、裏表紙は同期の北条か貞塚かと思っていたのですがこれは予想外。
この巻でようやく名前が判明したえりなの秘書こと『新戸 緋紗子』でした。
本邦初公開な、私服姿の新戸。
笑顔でえりなにお茶を運んできました。
で。
裏でえりなとアホやってます。(※栗うさぎは「そっち」の興味皆無)
≪附田先生コメント≫
ご自身が大好きと仰る、「赤いタンバリン」という曲を紹介なさっている附田先生。
特に歌詞が染みるとのこと。
さっそく私もY●uT●beにて視聴。
正統派ロックバンドといった感じの曲でした・・・が、歌詞が深すぎて理解できず(爆)。
≪中表紙≫
壁を背に佇む葉山。
その壁には今回の巻数「7」と、サブタイトル「群狼」の文字が書かれています。
そして葉山の手には、表紙と同様にここでもカレーリーフが。
葉山がイラストで手にしてる物って大抵このカレーリーフかシナモンなんですよね☆
創真の手ぬぐい、タクミのメッザルーナと同様に、葉山のキャラクター・アイテムはスパイスの模様です。
これまでの中表紙イラストの中で、一番シンプルと言えるかもしれない今回。
確かに静かで大人びた葉山に合ったシチュエーションではあるのですが。
これまでの登場キャラの中で、一番感情の“振り幅”が少ない葉山。
それだけに、これからどんな変化が起きていくのか楽しみなキャラクターです。
≪特別付録≫
この巻は始めから終わりまで「秋の選抜予選」の模様が描かれていることもあり、今回は全てお題である「カレー料理」のレシピのみとなっています。
最初の一品目は、128ページに紹介されている、郁魅のカレー料理[トンポーローカレー丼]。
この品で「肉将軍(ミート・ジェネラル)」へとランクアップした郁魅。
そんな彼女に、小西先輩も敬礼(笑)。
続いては、「味の物知り博士」こと丸井の[白のポタージュカレーうどん]。
これは148ページに。
ここの挿絵は、本編で思慕の表情で丸井を応援していたメガネちゃん。
名前は『榎本 円(まどか)』さん。
丸井の“丸”に対し、“円(えん)”・・・。
うん。
200%丸井のガールフレンド確定ですね(大笑)。
実はさり気に、かなり初期に登場していた彼女。(単行本第1巻117ページ3コマ目参照)
丸井との関係のこともあり、密かに気になっているキャラです。
そして最後の〆は、恵の[アンコウのどぶ汁カレー]!
これは外せないでしょう!!
ある意味でこの料理は、この第7巻のメインを象徴する品ですから。
挿絵は恵応援隊の皆様・・・もとい、地元漁師の皆様(笑)。
っていうか、今回はその料理を作った人物のサポーター(笑)で挿絵が統一されていましたね☆
以上の3品。
実際はこれら以外に10品ものカレー料理が登場していたという満載振りでしたが、その中でも一般家庭でも作りやすい品が抜擢された模様です。
アリスの料理なんてそれこそ、どうやって作ったらええねんな品ですし。
でも。
貞塚の料理のレシピが紹介されていたら、私は森崎先生を日本一の豪胆料理人として表彰したに違いない(核爆)。
今回もこまめに描かれていた、単行本オリジナル挿絵。
その大部分が、直前に掲載されていた本編の補足&おまけ的内容になっていました。
まずは直前の第49話のサブタイトルであり、この第7巻の代表タイトルでもあった『群狼』にちなんで、オオカミさんな創真と葉山が26ページに。
・・・どうコメントしろと。
そのページから恵の扉絵を一枚挟んだ後ろに、その扉絵にも描かれていた秋の象徴、紅葉が。
そして48ページでは、第50話のみならず今巻最大の名場面といえる恵の集中シーンを、背後から。
しかし、見る角度を変えるだけでこんなにも名シーンが地味シーンになってしまうとは摩訶不思議(爆)。
(恵の袖の長さが違うことには敢えて突っ込まないでおいてあげましょう/苦笑)
68ページに描かれているのは、色々と強烈なインパクトを放った貞塚ナオこと「鍋の前の魔女(ボイリング・ウィッチ)。
確かに“淀んだドロドロマジック”な彼女の雰囲気は、「マジカル☆キャベツ」と対極と言えますね。
彼らは“弾けるキラキラドリーム☆”といった感じでしたし。(←なんじゃそりゃ)
そんな貞塚とぶつかり合ったのが新戸。
附田先生からして見れば、彼女は作中でもトップクラスの正統派美少女らしく、88ページにご丁寧に紹介されています。
う~ん、私としては榊の方が・・・。
ま、ここらは個人個人の好みでしょう☆
と、ここで108ページにお知らせが。
ジャンプ本誌で掲載された番外編『夏休みのエリナ』が、都合によりこの第7巻に収録できなかったとのこと。
謝ることないよ創真くん。(^^)
私は全く構わないから(爆)。
引き続き149ページでもお知らせ。
一周年を記念して、本誌で開催された「第1回キャラ&料理人気投票」の結果が巻末に掲載されているとのこと。
「おたのしみに。」と創真くん。
はーい。(^^)
アルディーニ兄弟がメインの回だった第56話。
170ページに描かれているのはそんな彼らの一場面。
いつも一緒のタクミとイサミ。
相棒であり競争相手。でもそれ以上に大切な家族。
そんな二人の絆が、この挿絵だけで伝わってきます。
そしてラストを飾るのは、事前のお知らせの通り「第1回キャラ&料理人気投票」!
本誌ではTOP10しか発表されませんでしたが、この単行本ではTOP30まで発表されています。
とりあえず、上位10名への感想はコチラにて。
今回発表された11位以下のキャラクター達と料理。
その中でも目を剥いたのが、『豪田林 清志』の順位。
な、なんと倉瀬や堂島先輩よりも上という結果に!!
いったいこれはなんの冗談ですか?と真剣に聞きたい。
だってこの人、第9話にしか登場していないのですよ?
出番はたった一話のみですよ!?
それなのにサブヒロインの倉瀬よりも票を得るとは・・・。
いやはや、世の中分かりませんねえ~。
あと、ふみ緒さんが「10代」と指定されていたのには笑えました。
それと附田先生の総評が私の感想と少し重なっていたことが、ちょっと嬉しかったり。
さて、次回は果たしてどうなるでしょう?
きっと葉山や新戸は今回よりもランキングを上げてくるでしょうね。
ですが、それ以上のダークホースと私が予想しているのが、新戸と同様にこの第7巻で名前が明かされた『黒木場リョウ』。
今回はTOP30にも入れませんでしたが、次回は間違いなく順位を大幅に上げてくるに違いありません。
勿論新キャラの活躍にも期待したいところ。
特に次巻で正式披露となる「あの人物」はかなりの人気を獲得してくると思いますよ?
勿論私は変わらず創真に全力投票でーす♪
そして最後は、自分と同順位の料理を食べたキャラクター達の各リアクションが。
-
葉山×炙りゲソのピーナッツバター和え
勿論辿るは倉瀬と同じ末路(笑)。
・・・・・・・・・・でも。
もっと全身がんじ絡めでもよかったのに。(←鬼畜)
-
四宮×城一郎特製こってりラーメン
四宮の初リアクションがコレとはな~(苦笑)。
-
恵×エッグベネディクト
「かしずく美味さ」ということで、メイド姿の恵が。
そのあまりのハマり具合に驚愕。
ヤバイくらい似合い過ぎです恵ちゃん。
やはり佐伯先生もその似合いっぷりに士気が高まってか(笑)、これらのリアクションイラストの中で一番丁寧に描かれていました。
-
えりな×シューファルシ
乾と堂島先輩から勧められるも、マジカルキャベツコスチュームへの着替えを頑として拒否したえりな。
少しはファンサービスしないと人気落ちるぞ。(えりなファンの方々もきっと見たかったでしょうに)
≪佐伯先生コメント≫
ディズニーランドで出会った鳥さんの名前が知りたい佐伯先生。
多分「ハクセキレイ」かと。
スズメと同じくらいよく見かける、かわいい鳥さんですよねv
さて、いよいよ「秋の選抜編」がこの第7巻から本格スタート!!
本戦出場を懸けて、鎬を削る戦いが終始に渡って繰り広げられます!
ですが。
この第7巻を語る上でまず最初に言っておきたいことがひとつ。
創真の出番が恐ろしく少なーーーい!!!(TロT)
創真至上主義である私にとって、本誌で連載されていたこの期間はマジで禁断症状に苦しめられました。(←)
ですがそんな主人公に代わって、この巻ではこれまで登場してきたキャラクター達が各々の得意分野を活かして、特色豊かなカレー料理と共に様々な姿で魅せてきます。
なかでも注目すべきは、これまでその実力が明示されてこなかった極星寮のメンバー達と、えりなとアリスそれぞれの側近。
特に個人的に興味深かったのが、アリスの側近の『黒木場リョウ』ですね。
その理由はこの後にて。
勿論彼らだけでなく、既にその料理スタイルが明かされているキャラ達も大いに活躍。
そんな中、一際大きく魅せてくれたのが恵。
合宿編が彼女にとっての“解放”だったなら、この秋の選抜編は彼女の“飛翔”。
そのドラマ性は間違いなく今巻トップと断言できます。
この大舞台で遂に自分ひとりの力だけで、実力を遺憾無く発揮することが出来た恵でしたが、心に想うことで彼女を支えてくれていたのが、“彼”の存在。
これまでの努力と共に、“彼”の姿を見て感じ得てきた想いもちゃんと積み重ねられていたことに、もう万感の思いでした。
ヒロインとしてだけではなく、ひとりの「料理人」としても大変素晴らしい姿が描かれていたと思います。
参加者一人一人が大いに自分の持ち味を発揮した選抜予選。
それだけに一体誰が予選突破するのか全然予想出来ず、考察するのが大変楽しかったです♪
それでは今巻のキャラクター考察に入りましょうか。
むしろこれこそが今回の単行本感想のメインとなっております。
も~~~どれだけ語りたくて堪らなかったことか!
今回は『タクミ・アルディーニ』、『葉山アキラ』、『黒木場リョウ』。
彼ら、[創真のライバル三本柱]について語らせて頂きましょう!!
まず最初は『タクミ・アルディーニ』。
彼は日本人の父とイタリア人の母を持つハーフ。イサミというまったく似てない双子の弟がいます(笑)。
品の良い整った顔立ちのタクミですが、その外見とは裏腹に実際はかなり熱血で直情的。
そしてプライドが高くて極度の負けず嫌い。
なにより天性の空回り気質という、なんとも見てて飽きない性格をしています(笑)。
実家がイタリアの大衆食堂なため、跡取り息子として幼い頃から店の厨房で働いてきたという経験を持つタクミ。
そのこともあって、料理人としての考えや誇りは本物。
限られた状況下における機転や現場の対応力に秀で、イタリアンと日本食を融合させた軽快で迅速な料理を得意としています。
創真とは地獄の合宿の初日に出会い、いきなりの「ご挨拶」をかましやがるものの、創真のツッコミという名のドSさによって、羞恥心をいたく突っつかれることに(大笑)。
創真を強くライバル視し、ことあるごとに突っかかっていくものの、その度に空回る様はもはや様式美(大笑)。
高い実力を持っていたが故に、周囲に同等に競える相手がおらず心の一部が冷えていたタクミ。
そんな彼の前に現れたのが、似た出身、似た料理スタイル、そして何より「現場」で「プロ」として戦ってきたという同じ誇りを持っていた創真。
遠月学園という同年代の料理人がひしめく中で、タクミが創真にだけ熱くぶつかっていくのも、シンパシーを感じているからでしょう。
それと同時にきっと、料理に対する創真の熱い姿勢や根の誠実さに好意を持ってくれているのでは。(^^)
普段は面白いコントなやり取りを、時に抜群に息の合った友人関係を、そしていざという時には熱く格好良いライバル関係を繰り広げる。
そんな創真とタクミの関係は、まさに私の理想そのものです♪
次は『葉山アキラ』について。
彼はスパイスの権威である汐見潤教授のゼミに所属し、彼女の助手を務めています。
生まれははっきりと明かされておらず(2014年11月現在/第93話までの時点で)、どうやら熱帯地域のスラム街出身の模様。(個人的に、中東ではないかと推測)
スパイスのゼミに所属しているだけあって、その知識量はかなりのもの。
ですが、彼の凄さの真髄は非常に優秀な嗅覚。
そのポテンシャルはえりなの[神の舌]に届きうるほど。
料理スタイルもその天性の嗅覚を活かし、「香り」を最も重視した、食べた者だけでなく周囲の人間までをも虜にさせる「鋭い料理」を特徴としています。
青みがかった銀髪に褐色の肌という、エキゾチックな外見の葉山。
外見と性格の差が激しいタクミとは違い、彼は内外共に落ち着いた雰囲気を持つ大人っぽい人物です。
ですが、敬いなど全く無いような素振りを見せながら、実際は強い忠義心を汐見に抱いており、態度と本心が一致していないというギャップが。
面倒見が良く、一見人当たりの良い人物に思えるものの、実はかなり言葉が辛辣。
城一郎の紹介で汐見のもとを訪れたのが創真と葉山の出会いでしたが、葉山は「あの」創真さえ突き刺さる言葉を言い放ちます。
勿論しっかり返されますが。
そうして互いに静かながらも強い対抗意識を抱くことになった葉山と創真。
ですが、タクミと同様に、多分葉山にとっても創真は初めての「ライバル」だと思います。
“目的”に一途な故に、立ち塞がる存在は誰であろうと関係ないと、倒すことに決めている葉山。
それは言い換えれば、特に意識している人物は誰もいなかったということ。
そんな彼が初めて気に留める存在に創真はなったわけですから。
そして『黒木場リョウ』。
薙切アリスの側近である彼は、やや長めの黒髪で、右手首に炎の柄の赤いバンダナを巻いているという出で立ち。
普段はマイペースでぼんやりとした人物ですが、バンダナを頭に巻くと雰囲気が豹変。
非常に攻撃的で荒々しい言動を取るように。
北欧の漁港のパブ(居酒屋)にて、子どもの身でありながらシェフとして店を仕切っていたという黒木場。
彼も葉山と同様に両親やその生い立ちは不明ですが、幼くして「食の現場」で戦ってきたという点は、創真やタクミとも共通していると言えます。
ですが、その環境は非常に過酷だったらしく、そんな世界をたった一人で生き抜いてきた彼は厨房を「戦場」、料理は「力」と考えており、料理人同士の親しい関係にも嫌悪を。
そんな一匹狼的な人物ではあるものの、アリスには忠実。
ですが、やはり料理の事に関してだけは自分の意見を通している模様です。
彼の料理スタイルは、暴力的なまでに相手を叩きのめす「膂力の料理」。
それは見栄を捨てさせ、なりふり構わず料理に溺れさせる、強烈な旨さという“力”。
料理の腕前自体も非常に高く、海外の港町出身ということから、魚介類とフランス料理を得意とする二刀流の使い手です。
実は葉山よりも早く創真と対面していた黒木場。(第29話)
ですが現時点に至ってもなお、創真と会話は交わされておりません。
タクミや葉山と同様に、黒木場にとっても創真は特別なライバルとなるに違いないと踏んでいる私ですが、果たしてどういう形のライバルとなるのでしょうか?
これから数多くのライバル達と出会うことになるであろう創真。
ですが、私個人から見て上記の三人は、その中でも特別なライバルになると推測しています。
何故私がこれほど彼らに注目しているのかというと、そもそものきっかけは、少年ジャンプ2014年1号に付随された「新鮮力キャンペーン」のポスターイラストでした。
その桁外れの格好良さに発狂。(←)
それ以降、創真・タクミ・葉山・黒木場、彼ら4人を[イケメンカルテット(4人組)]と名付けて注目するように(爆)。
とまあ、きっかけはホントにしょーもないことだったのですが、彼ら四人をセットで見ていくうちに気付いたのです。
彼らの物凄く深い関連性に。
それではこれから、その事についての私個人の考察を述べさせて頂きます。
タクミ、葉山、黒木場。
・・・・・・・・・・実は彼ら三人は、
創真、えりな、恵という主要人物三人の重要なファクターをそれぞれ持っているのですよ。
まずは創真との関連性について。
この作品の隠れた特徴のひとつとして挙げられるのが、主要人物達に何らかの「共通性」を持たせていること。
互いに「相似点」を持たせることで気が合う交流を、「相違点」を持たせることで刺激を受け合うという相互関係が。
そして読者からしてみても、「共通性」を持たせることで各キャラクターとの比較になり、それがまたキャラクターへの理解にも繋がっていくという。
それがこの作品を読むうえでの大きな面白さにもなっているのですが、彼ら三人はそんな「相似点」と「相違点」をかなり創真と共通しています。
まずはタクミ。
キャラデザイン的に、ツンツン頭という明るいワイルド系な創真に対し、エレガント系なルックスのタクミ。
調理服も創真は「黒」がベースでタクミは「白」と、丁度対照的な彼ら。
ですがやはり創真とタクミの一番明快な違いは、その性格。
創真は飄々としていてマイペースという、あまり動じない性格な一方、タクミは喜怒哀楽が一目瞭然で、単純なまでに相手の言葉に真正面から反応を返すというストレートな性格。
まさに「静」と「動」。
ですが、性格は正反対ながらも立場や価値観はとても似ている二人。
彼らが共有しているのは料理人としての「誇り」。
そして、仲間や料理に対する熱く真っ直ぐな姿勢も。
「自分と同じ」だったからこそ、初めてのライバルとして創真を認知したタクミでしたが、それは創真にとっても。
「自分と同じ」存在が“外の世界”にもいた。
その事実は、創真のこれまでの“世界”が広がるきっかけとなることに。
葉山との違いはというと、片や短い赤髪で、片や長い青みがかった銀髪。
創真は内面はとても情熱的で表情が豊か。そして少年らしい快活さも併せ持っているのに対し、葉山はクールであまり感情を見せず、言動も大人っぽいという。
いわば「熱」と「冷」といった感じの二人。
そんな二人ですが、基本的に落ち着いていて面倒見が良いという点が似ていたり。
ですがこの二人の大きな共通点は「着目点の鋭さ」でしょう。
涼しい顔してズバショな発言をする両者。
ですが、葉山は自身の料理と同様に、言い方も「尖っている」という。
一方の創真も核心を突いた発言をしますが、相手を傷つける言葉は用いません。
ここが二人の絶妙な違いですね。
そんな葉山から、創真は自分の料理の至らない点を指摘されることに。
その発言が基になって、創真は更に“外の世界”へと目を向けていきます。
そして最も外見的対照性が顕著なのが黒木場。
創真は左手首に巻いてある白い手ぬぐいを、黒木場は右手首に巻いてある赤いバンダナをそれぞれ調理時に装着するという、まさにライバル風情といったこの二人。
彼らの勝負を想像しただけでべらぼうに燃えます。(←アホ)
明朗で人懐こい創真に対して、寡黙で自分からは他者と関わろうとしない黒木場。
そんな二人はまるで「明」と「暗」のよう。(もしくは「陽」と「陰」)
対照性がとても明確な創真と黒木場ですが、ならば彼らの共通性はというと・・・?
お互いマイペース。そして何を考えているか掴みにくいところも同じと言えましょう。
ですが、彼らの根底的共通性については、私はこう考えています。
それは「攻撃性」ではないかと。
普段はフレンドリーですが、怒らせるとドSさという名の攻め気質を露わにする創真。
そして黒木場も相当なSっ気の持ち主です。
下剋上上等。
必要とあらば、自分や相手の立場なんて一切関係無しに噛みつく。
そんな好戦的な“牙”を持っているところ。
それが彼らの共通点なのでは。
タクミは「“外”の料理人」という点で、葉山は「“外”の料理」という点で創真の“世界”を広げる非常に大きなきっかけとなりましたが、果たして黒木場は一体何を創真に気付かせることとなるのでしょうか?
創真のキャラクター性の一部を共有しつつ、彼の“成長”に不可欠な役割を務めているタクミ・葉山・黒木場の三人。
ですが、彼らにとっての創真もまた、自らに欠けていたものを与えてくれる存在になっていくと思うのです。
それが二つ目である、えりなとの共通点。
一番分かりやすいのは、間違いなくタクミですね。
生真面目で真っ直ぐで短気で怒りっぽいという、よく似た性格なタクミとえりな。
しかも、事あるごとに創真に突っかかっていき、その度に空回るという点までまるで同じ。
その様はまさに「少年版えりな」と言っていいほど(笑)。
ですが、タクミはえりなと決定的に違うところがあります。
それは、創真と同じ誇りを持ち、彼を料理人としても一人の人間としても認めてくれているところ。
創真を無暗に否定したり侮辱したりせず、彼のピンチには心配もしてくれるタクミ。
そんなタクミは、個人的にとても好ましい人物です。
はっきり言って、創真の次に好きと断言できるくらい。
やはりその最大の理由は、私がえりなに求めているものをタクミは全て持っているからでしょうね。
そして、本編中でも既に述べられている通り、創真はタクミが求めていた“冷めていた心に火をつけてくれる存在”になってくれたわけです。
共通点が明快なタクミに対し、葉山とえりなの共通点は多数あり、しかもかなり深刻だったり。
まず最初に目につくのはお互いに天性の身体能力を持っているところですよね。
葉山は「嗅覚」。えりなは「味覚」という点で。
あとはその「物言い」。
彼らの料理に対する発言内容は事実そのものであり、間違ってはいません。
ですが、その言い様は相手を傷つけるような非常に鋭利な言葉です。
そして、他者への批判は厳しい半面、自分の事は顧みていないのも同じという。
ですが、それら以上に重要と私が思える点が、自分の心を抑え込んでいるところ。
「頂点を取る」という、強い意志をもっている葉山。
それは、「料理を楽しむ」といったような、自分の“心の自由”を許さないまでに。
「頂点を取りたい」という“願望”ではなく、「取らなければならない」という“義務感”で料理人としての道を歩んでいるように見える葉山。
それだけでなく、「香り」に傾倒し過ぎているのも気になるところ。
おそらくその理由は自分の能力だけではなく、他にもあるのでは。(個人的に、彼の師である汐見が関係しているのではと推測しています)
そんなひたむき過ぎる故の偏った姿勢。狭い価値観。
それが、私から見るえりなの姿勢にとても似ていると思うのです。
少なくとも私から見るに、葉山の社交性は表面上でだけ。
実際は汐見以外の他者に対しては、ほとんど心を開いていないように見えます。
だからこそ、出会ったばかりだというのに見栄も虚勢も張らず、ありのままの心の内を明かした創真が印象的だったのではないのでしょうか?
多分汐見が“自分の世界の中心”であったであろう葉山。
そんな彼のこれまでの“世界”に初めて介入してきた存在、それが創真。
葉山にとって創真は“心の自由”というものを教えてくれる存在になってくれるのではないのでしょうか?
そして一番えりなとの共通点を見付け辛いのが黒木場。
実際黒木場とえりなは、性格も物腰も料理への姿勢もまるで違います。
では一体何が同じなのかというと、それは。
料理の「本質」。
黒木場の料理スタイルは、「膂力」という“力”。
その高い技術とセンスで相手を捻じ伏せます。
実は、えりなも同じ“力”タイプの料理人なのですよ。
高級さや優雅さで一見分かり辛いのですが、えりなも天性の[神の舌]と幼少時からの英才教育によって培われた技術によって相手を否応無く屈服させるという、圧倒的な“力”の料理を作る人物です。
そして。
その“力”は創真も持っていたりします。
ですが創真は、この“力”と相反するものも同時に持っているのですがね。
その件については、またの機会にて。
黒木場とえりなの共通点はもうひとつ。
それは、「温かい繋がり」への反発。
友情や恋といった、人と人との温かい交流。
それらに心の奥底では羨望を持ちつつも、反発し、嫌悪している。
なぜなら、それは「ほとんど知らない世界」だから。
交わり方が全く分からない。
だからこそ、「自分の世界とは違う」と、卑下したり無視したりするしかできない。
“上”から見下すえりな。
“横”に目を逸らす黒木場。
立ち位置は少々違いつつも、彼らの根底にある思いは似ているのではないのでしょうか?
自分と同じ“力”を持ちながら、自分が最も嫌悪しているものを大切にし、しかもそれらにいつも囲まれている。
そんな創真に対し、黒木場はおそらく[三本柱]の中で一番複雑な感情を抱くかもしれませんね。
ですが創真は、そんな黒木場に“温かさ”を伝えてくれる存在になってくれると思っています。
えりなはメインヒロインであると同時に、最大のライバルとも思っている私。
彼ら三人は、そんなえりなの「ライバル性」を三分割した存在と言えるのでは。
そしてそれと同時に、創真がえりなに与える影響もまた、彼らがそれぞれ請け負っているのだと思います。
・・・というように、創真とえりなに非常に深い関連性のある三人。
では、恵との関連性はというと・・・?
ありません。現時点では。ほとんど。
ですが!
ここで注目して頂きたいのが、彼ら三人はそれぞれ「パートナー」と言える近しい相手がいるということ。
タクミはイサミという、調理場での頼もしい相棒を。
葉山は汐見という、自分の料理の原点を。
そして黒木場はアリスという、お互いに高め合える相手を。
三者三様の形で、それぞれ持っています。
ということは。
ひょっとしたら創真の「パートナー」は、彼らのパートナーのファクターを全部備えた存在になったりするのでは?
創真が安心して背中を預けられ、彼の料理の礎を常に忘れさせず、そして一緒に歩める存在。
そんな存在になれるのは、恵しかいないと私は思っています。
タクミは料理人としての志という「心」、黒木場は高い技術力という「技」、葉山は天性の五感という「体」、と、それぞれの武器で創真と戦う三人。
まさにライバルとしての「心・技・体」そのもの。
「上」にいるえりなとは違う。
創真と「対等」に並び、共に切磋琢磨出来る関係になるであろう彼ら三人。
創真を中心にしてこれから更に繰り広げられるに違いない、彼らの戦いや交流。
それらに大いに期待していきましょう!!(>▽<)
彩り豊かな創真の仲間やライバル達の活躍に、より一層これからの展開に思いを馳せられた第7巻でした。
そして今巻での出番が少なかった分、次巻での創真の活躍にもとんでもなく期待が高まったという(笑)。
御馳走様!
≪今巻のベストシーン≫
40ページ
恵を照らす、“彼”からの「光」。
≪今巻の“裏”ベストシーン≫
145ページ 1~3コマ目
この表情・・・やばいにもホドがある。