あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第71話感想

2014-05-29 21:25:20 | 食戟のソーマ

 『ワールドトリガー』がアニメ化決定となりましたね~。
 葦原先生、おめでとうございます!!(^^)
 「新鮮力キャンペーン」で『ソーマ』と一緒にアピールしていたのがなんだか懐かしく思えちゃいます。

 でも確かに『ワールドトリガー』は非常にアニメ化しやすい作品ですものね。
 純粋なバトル物な分、初見者の興味も引きやすいですし、何より死者が多発しない優しい作品ですから。
 それに対し、『ソーマ』は芯は非常に王道なバトル物ではあるのですが、「料理」という一見興味を引きにくいジャンルですし、なにより「あのリアクション」という大問題がありますからねえ~~~。(^^;A)
 「あのリアクション」も『ソーマ』という作品の大きな特徴の一つである以上、都合よく変えるわけにもいきませんし。

 とりあえず、『ワールドトリガー』が原作の持ち味がちゃんと活かされたアニメになってくれるよう、期待ですね。
 では今週の『ソーマ』感想にいってみましょう!
 





 週刊少年ジャンプ2014年26号掲載
 掲載順第1位
 第71話 【『勇気』と『覚悟』】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 わーい!!今回の本誌掲載順が1位だー!!(\(><)/)
 
 そんな読者アンケートのトップを獲得した回は、第67話の【交錯する光と影】!!
 創真の対戦相手がアリスと判明した、大番狂わせの第62話でさえ3位だったというのに!

 でも、あの回は恵の対戦相手の判明以上に、あらゆる面で面白い描写が至る所に詰め込まれていましたからね。
 アリスのノックアウト姿やら、創真と恵のほのぼのやり取りやら、日本の神秘やら。(何度読み返しても笑えてくる)
 何より、この【交錯する光と影】というサブタイトルは
 アリスと黒木場だけでなく、恵とえりな、そして創真と黒木場の関係性も示唆していましたし。
 多くのキャラクターの注目すべき姿がこの一話の中に入っており、確かに読み応えのある回だったと思います。

 それだけでなく、センターカラーや静止画MADの結果発表も関係していたかも。
 単行本8巻がまだ発売されていないというのにも関わらず、単行本&小説版の売れ行きが累計320万部を突破というのも、静止画MADの効果とみていいのではないのでしょうか。





 では本編の感想へと入りましょう。
 扉絵は、第14話&単行本3巻表紙でお馴染みの、畑仕事姿な恵ちゃん。
 やっぱりこの服装が一番彼女のキャラクター像が伝わりますね。
 ホッと一息な彼女の表情に、こちらもつられて笑顔になります。(^^)
 ですが、そんな穏やかな扉絵とは裏腹に、サブタイトルは【『勇気』と『覚悟』】というシリアスさ。
 果たしてどんな内容なんだろう・・・とハラハラしながら読み始めました。

 まさかあのような展開を目にするとは夢にも思わずに。





 黒木場の強烈な「スープ・ド・ポワソンラーメン」が披露された前回。
 そして今回はいよいよ恵のラーメンが披露されることに。

 出された恵のラーメンは、トッピングは野菜のみで、見かけ的には取り立てて目を引く物ではありませんでした。(そして気になっていた麺は細めのストレート麺。しかし全く取り上げられず★)
 確かに淡麗スープは美しくも、黒木場のラーメンと比べるとどうしても見劣りしてしまう感は否めません。
 なんかここの展開、貞塚のくさやカレーの後に新戸の薬膳カレーが出された流れと似ていますね。
 あの時は新戸が貞塚の料理を圧倒しましたが、果たして今回は・・・?



 なにはともあれ、いざ実食。
 まずはスープから・・・。
 が、一口飲んだ途端、勢いよく食べ始めます!
 淡麗であっさりした見かけとは裏腹に、そのラーメンは強烈な旨味を持っていました!
 
その味に、「ある料理」を思い出す審査員。
 その料理とは、「こづゆ」。 
 ・・・!!
 な・る・ほ・ど!!
 私の地方にも同じような料理がありますよ!!
 うわ・・・これは同じ東北人として予想しておくべきだったなあ~!不覚!!

 そんな「こづゆ」を基本とした恵のラーメンは、「こづゆ鶏醤油ラーメン」!!
 
タレ(かえし)に使った醤油も、薄口醤油に白醤油を合わせた物とのこと。
 どちらも色が薄い醤油なため、透き通るようなスープになったというわけですね。

 さすがは麹使いのスペシャリスト榊さん、白醤油の解説ありがとう。

 そしてスープの強烈な旨味にはさらに秘密が。
 その旨味の決め手は、干し野菜からの出汁!!
 恵はトッピングの野菜のほとんどを、干して乾燥させた物を使用するという工夫を施していたのでした。
 そして今度は「味の物知り博士」な丸井君、解説ありがとう。

 四宮戦でのテリーヌにも乾燥野菜(ドライトマト)が用いられていたことを思い出して、笑む創真。
 確かに「熟成の旨味」は、恵の得意分野ですものね!!
 
 しかも工夫は他にも。
 なにやらペースト状の物も添えられており、酸味のあるそれを加えることによって、味がさらに引き締まるという効果が!
 そのペーストは、白湯スープを作る際に使用した鶏ガラの肉と白髪葱、紫蘇、そして梅干を混ぜ合わせて調味したものでした。
 味に変化を持たせ、飽きずに食べてもらえるようにという恵の配慮から生まれたものでしたが、審査員の評価は上々。
 酸味を加えることによって、野菜の甘みが更に引き立つという効果も付随していたのです。
 おお!?酸味による野菜の甘みの引き立ち・・・これも四宮編(第21話)で用いられた工夫ですよ!
 う~む。今回は北条の協力は全くありませんでしたが、四宮編での工夫が結構用いられていますね~。



 審査員の反応のあまりの良さに、黒木場も恵のラーメンを食わせろと脅迫(笑)。 

 食べてみた黒木場は、恵が自分が濃厚系ラーメンで来ると分かったうえで、淡麗ながらも“強い”ラーメンをぶつけてきたことに気付きます。
 「面白れぇじゃねーかよ・・・!!」
 目が血走っとる血走っとる(滝汗)。

 黒木場に旨味のガチンコ勝負を挑んできた恵。
 ここで前回のセンターカラーの恵が再登場。
 あ。なるほど。
 前回のセンターカラーは、今回のための伏線だったのね☆
 ですが、イメージバトルはこれだけでは終わりません。

 そして黒木場も、自分の力を示さんとばかりに恵に自分のラーメンを差し出します。
 食べ比べという、まさに実質伴ったガチンコ勝負に。

 黒木場のラーメンの凄い美味しさに、恵は腰が抜けそうになるものの「負けたくない・・・!」と必死に耐えます。
 おお・・・恵がここまで対抗意識を張るとは・・・。
 それほどまでに仲間や友達を侮辱されたことが許せなかったのですね。



 恵と黒木場、両者がそれぞれの品に込めた精神力は、具現化され激戦に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいのかな~・・・。


3ページも使って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりのインパクトに、ツッコミを入れるのも忘れちまいましたよ。
 こういう時、画力の高さってある意味で諸刃の剣だと思う。



 いざ判定となり、筆を取る仙左衛門。

 果たして軍配はどちらに挙がるのでしょうか。
 一見すれば「おはだけ」になっていないため、黒木場が勝利とも取れるのですが、仙左衛門は恵のラーメンをスープまで完食しているのですよね。
 「スープまで全て飲み干せてこそ真に美味しいラーメン」という考えが述べられるならば。
 そして、黒木場のラーメンのスープが残されていたならば。
 恵の勝利の可能性もあり得るでしょう。(実際濃厚系スープは、特にお年寄りには全て飲み干すのはキツそうですし)
 ・・・時間差で「おはだけ」になるなんていうオチも、仙左衛門ならあり得そうだし(爆)。 

 しっかり読めば読むほど、「もしや・・・?」と思わせる“抜け道”的描写がさり気なく入っているところに、この作品の一筋縄ではいかない巧妙さがありますよね。
 そんなところを私はとても楽しんで読ませて頂いてますが♪

 

 


 

 

 前回に引き続き。

やっちゃいましたね附田&佐伯先生。



 前回の感想で第59話ぐらいにブッ飛んだ描写だなあ、的なことを述べましたが、それすらも超えちゃった★
 今回の「あのシーン」は、大爆笑か唖然茫然かの二択に分かれると思うの。

 そういう私の反応はというと、コレ(↓)。


・・・・・。(‐‐ ;)  

 
 はい、後者です。

 ま、今回のパロディネタの爆弾性は附田&佐伯先生も充分承知の上でのことでしょう。
 佐伯先生なんて本誌の巻末コメントでちゃっかり弁明しちゃってますし(笑)。
 ヤバいと理解していながらも実行に移しちゃう(しかも全力で)附田先生と佐伯先生。
 そんなお二人が大好きです。



 

 これまで「心遣い(ホスピタリティ)」を最大の持ち味にしてきた恵が今回繰り出してきた料理は、意外にも「強さ」を前面に押し出した料理でした。
 確かに恵は第68話でどんなラーメンを作るか考えていた時、黒木場の濃厚ラーメンに負けないような強い味で挑もうかと考えていましたけど。
 その時は、それは恵らしくないのでは・・・と感じましたが、その「強い味」を彼女お得意の手法(地元の食材の使用や、郷土料理をベースにした工夫、乾物野菜の旨味の利用)で作り出したというやり方は非常に上手いと思いました。
 それに、審査員が多幸感を抱いたり、飽きの来ないようにと味を変える付け合せを準備していたりと、持ち前の「心遣い」は変わらず発揮されていましたし。

 一見シンプルながらも、美しいスープと強い味。
 そんなラーメンを作った料理人もまた、一見気弱そうで大したことなさそうに見えながら、内面は美しく芯が強い。
 そんな理想のヒロイン像にぐんぐん成長しているといった感じの恵。
 VS黒木場戦が始まった最初から凛とした表情を見せていましたが、もう彼女の成長には目を見張るばかりですね。



 さて、「スープ」という媒体を通して実に見事に表現されていた恵と黒木場双方の「強さの形」。
 恵がこれほど敵意丸出しの相手と、真っ向勝負を挑めるまでに強くなったこと。
 そして仲間を侮辱した黒木場だけには負けたくないという対抗心が描かれていたのは大変良かったと思うのですが、その表現が個人的にはう~ん・・・でした。
 あ、パロディネタは関係無しで。
 いま一つ上手く言えませんが、拳をぶつけ合うようなバトル描写は黒木場はともかく恵には似合わないと思います。
 ですが、考え方を変えてみれば、「女王」というイメージが固定されてしまっているえりなと違って、恵も創真と同様に状況や相手によって柔軟にイメージを変えていくという表現に附田&佐伯先生はチャレンジしているのかもしれませんね。
 創真が常に「挑戦」しているように、両先生も「挑戦」しているのでしょう。(^^) 



 次回へと持ち越しとなった注目の勝者発表。
 描写的には絶妙にどちらが勝つか分からないようにさせていますが、やはり私は引き続き、勝者は黒木場という予想を通そうかと。
 前回の感想でも述べましたが、相手が黒木場だからこそ、その敗北は恵に必要なものになると思いますし、それに・・・。
 まだ、創真が黒木場の料理の何に気付いたのかが明かされていませんし。
 多分創真が気付いた点が、黒木場勝利の決定打になるのではないかと思います。

 勝敗はともかくとして、とにかく願うのはこれのみです。
 どうか黒木場が恵に「余計な事」を言いませんように・・・!!!(><;)

 


『食戟のソーマ』第70話感想

2014-05-23 23:50:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2014年25号掲載
 掲載順第6位
 第70話 【対極】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっちゃいましたね佐伯先生。










 なにがって、今回のセンターカラーですよ。

 まさかの第28話夢オチ恵リターン。
 
 しかもしかもそれだけではなく、創真・タクミ・葉山・黒木場らまで(滝汗)。

 だけどこのイラスト、第一印象はかなり凄いものの、結構注目ポイントがちりばめられていますね。
 まずはそれぞれが手にしている武器。
 葉山はナイフ。これは第59話【それぞれの武器】で葉山の料理スタイルを“鋭き槍”と例えていたことから、「鋭い」繋がりでナイフにしたのだと推測。
 そして黒木場はメリケンサック(ナックルダスター)、タクミはトンファー、創真はバットと、彼ら3人は共に打撃系の武器。
 ですが、黒木場、創真、タクミの順に、より力任せのストレートな武器になっているあたり、彼らの料理スタイルの形が暗に示されていますね。
 とりあえず、創真のバットが釘バットでなくてよかった(核爆)。
 そして恵はチェーン。これは第28話の時と合わせてなのでしょうが、恵の料理スタイルは「心に沁みる」形なので、「心に沁みる→心を捉える→心に絡みつく」と繋げているのかな~なんて、やや無理矢理こぎつけてみたり。

 それにしてもこのイラスト、本来のキャラクター像から考えれば、一番合わないであろう恵が一番ダークフェイスになってるのがまた何とも言えません。(^^;)
 黒木場はもはや違和感皆無。(^^;A)
 タクミや葉山は普通にカッコいいといった感じ。
 そして創真が一番違和感があったというのがまた面白い点でした。
 なんつーか・・・表情があまりにも「やらせ」感アリアリで、それが逆に違和感になっているんですよね。(ゲソ咥えてるのもひっさしぶりに見たなあ~/笑)
 でもそれで良かったと。
 だって・・・。
 これで本誌で見せるようなダークフェイスだったら、ぶっちぎりでハマってしまっていたでしょうから。(核爆ドッカーン☆)


 ちなみに私の中では、創真・タクミ・葉山・黒木場は非常に興味深いライバル関係になるだろうと予想しており、他のライバルキャラ(一色先輩等)とはまた違った形で特別視しています。
 しかも彼らは作中でもトップクラスのイケメンということで、勝手に[イケメンカルテット(4人組)]とグループ名をつけていたり(爆)。
 そんな彼らですが、このイラストのお陰で身長差が明らかに!!
 どうやら 黒木場≧葉山>創真>タクミ のようですね。メモっとこ。((φ(..))

 そして恵は、そんなイケメンカルテットと初めてコラボしたヒロインになったのですよね~・・・。
 このイラストを見ながら、ふと頭に浮かんだのが 
 これがもしバンドグループだったらという妄想。
 まず恵がボーカルで~。
 黒木場はギター。(エレキギターガンガン弾きそうなイメージ/苦笑)
 葉山がベースで~。
 タクミはキーボードなイメージですね。
 そして創真はドラム!後方に位置しているけど、実はもっとも能力を必要とし、バンドの礎的存在なところがピッタリ。(^^)
 そんな別ジャンルにまで妄想がトんでしまいました(苦笑)。
 もしアニメ化とかされたら、音楽関係のイラストを描いてくれる可能性もありますし、この妄想が現実になってくれるのを密かに期待することにします。

 恵とイケメンカルテットとのコラボ。
 やっちゃった感が物凄かったものの、反面かなり恵優遇なイラストでした。





 さて本編。

 黒木場と恵。
 お互いのスープも出来上がり、ラーメン完成はいよいよ目前に。
 そこへ、これもラーメンの醍醐味のひとつと言って、審査員らが間近で恵達の調理を見物し始めます。
 確かにそうですけどね。
 椅子に座ったままの高みの見物より、自分から近づいてより詳しく見ようとしてくれる審査員の方が、私としても好感持てますし。

 審査員(特に「食の魔王」)の接近が、恵にプレッシャーとなるのではと危惧されたものの、恵はそれにも動じずに冷静に調理を進めます。
 本当に立派になって・・・!!(><。)


 審査員も来賓も、恵の綺麗なスープを始めとしたラーメンに興味を持ち、恵の方に良い空気が流れましたが―――
 それを断ち切るかの如く鳴り響く、黒木場の「湯切り」。
 実際有名なラーメン店でも、全身を使って勢いよく湯切りしているお店がありますものね。
 素人なので全然分かりませんが、やはり湯切りの仕方一つで麺の仕上がりがかなり変わってくるのでしょうか?

 その迫力ある調理アクションと、超意外なトッピングに、会場の注目は一気に黒木場の方へ。
 そうして一足早く仕上げた黒木場が先攻となります。


 黒木場のラーメン、それは「スープ・ド・ポワソンラーメン」!!
  

 スープ・ド・ポワソン・・・!へ~初めて聞きました!
 南フランスのスープとのこと。
 ということはやっぱり。

 そしていざ実食へ。
 お爺ちゃまの食べる様が妙にリアルチックでちょい笑える。
 リアクション無しでも印象的に見えるのは、やはり作画の基本クオリティが高いお陰ですね。

 黒木場の「スープ・ド・ポワソンラーメン」、それは暴力的なまでに海鮮の旨さが凝縮された品でした。
 そして先程、観衆の注目を一気に集めた要因の一つであった超意外なトッピング、それはなんとラスク!!
 なんとも香ばしい仕上がりとなっていたラスクですが、それだけではなく旨味も。
 ここで、前々回黒木場が豪快に砕いていたエビ類の殻の用途が判明。
 それらは乾燥させて風味を倍増させた殻で、それをパウダー状にしたものをスープだけでなく、ラスクに塗ってあるエシレバターにまでふんだんに加えていたのでした。
 ※エシレバター・・・フランス中西部のエシレ村で、工房から30キロ以内の酪農家の牛乳しか使わないなどの伝統的製法を用いて作られる発酵バター。
             ちなみに発酵バターとは、クリームを乳酸発酵させてから作るバターで、ヨーグルトのような軽い酸味と香り高さが特徴。
             高級バターの代名詞。

 ・・・栗うさぎの予想・・・当たらずとも遠からずってカンジ?(←ハズレだっての)


 和気あいあいと食べていた創真の弁当の時とは違い、脇目も振らず黒木場のラーメンを貪る審査員達。
 これこそが、黒木場の「膂力の料理」。





 ここからの5ページにかけて、私は声を大にして言いたい。

 

 

 

 

 

「食戟のソーマ」は料理の漫画です。 

(ナレーターさんは、私にとってツッコミの師匠☆)

 

 

 

 

 

 特に黒木場の見開きシーンは、第59話を彷彿とさせるほど「料理漫画」からかけ離れた描写でした。(お爺ちゃまが・・・/涙)



 そして番長・・・もとい仙左衛門の反応は―――

 ポージング無しの「おはだけ」披露。
 
 観衆達はその反応に驚いていますが、私からしてみればだからどーしたと言いたい。

 そ・れ・に。
 創真の時だって、ポージング無しの「おはだけ」だったんですけど?
 しかもいつの間にか脱いでいたという自然さだったんですけど?
 おまけにラストまでずっと「おはだけ」状態を維持していたんですけど?
 その回はアリスのリアクションにかなり持っていかれちゃってたけど、それを考えると仙左衛門の創真への評価はかなり高かったと言えるかもしれません。


 仙左衛門が貴重なパターンの「おはだけ」を見せたことにより、会場の雰囲気は黒木場一色に。
 そんな不利な雰囲気が濃厚な中。

 場の空気に呑まれず、恵は自分の料理を完成させます。

 
さあ、次回はいよいよ恵のラーメンが明らかに!

 

 

 

 そして、今回一言も喋らなかった創真。
 出番も一コマだけだったけど。回想も一コマだけだったけど。

貴方のその温かい眼差しが見れただけで私は幸せです。 






 


 

 






 今回のセンターカラー・・・色々な意味で反響凄そうだなあ・・・。
 というのはさておき。



 料理で全てを屈服させ生きてきた男、黒木場リョウ。
 
これまで彼はタクミと同じ国籍タイプの料理人か、それとも葉山のような食材タイプか、果たしてどちらかと判別しかねていたのですが、今回でようやく断言できます。
 黒木場リョウ、彼はフランス料理と海産物を得意分野とする、両刀使いですね。
 うわ・・・これは・・・強い。

 予選の際はナポレオン級のコニャック、そして今回はエシレバターと、さり気に高級品が使われている黒木場の料理。
 葉山も入手困難なホーリーバジルを使っていたり、タクミもパルメザンチーズを使っていたりと、それぞれ自分の得意分野の食材を、しかも結構希少だったり個性的な物を使用しているライバル達。
 そんな中で、食材は至って身近な物でありながら、アイデアと工夫だけでしっかりした個性を持った美味しい料理を創り出す創真はやっぱり凄いと思ったり。



 「膂力の料理」によって、今回審査員達を屈服させた黒木場。
 そして次回は満を持して、恵の「心の料理」が審査員達に振る舞われます。
 恵はどんな麺を選択したのか、トッピングに使われたと思われる里芋や豆麩、キクラゲ等にどんな工夫を凝らしたのか、そして今回北条の協力は得ていなかったのか。
 色々な気になる点は、全て次回明らかとなることでしょう。



 巷では黒木場と恵どちらが勝つかで意見が飛び交っている模様。
 確かに展開的に見るとどちらが勝ってもおかしくない流れですよね。
 ここまで勝敗を読み辛くさせる話運びはさすがだと思います。

 ですが、やはり私の予想は当初から変わりません。

 それだけ、私個人が黒木場に一目置いているという事もあるのですが・・・。
 今回、恵が敗北してしまう決定打が出てしまったと思うのです。

 それは、ラストシーン。 

 恵の姿が創真のようだと言われたこと。

 ええ!?何で!!??と思われるかもしれませんね。
 はい、当然のことでしょう。

 ですが、私はこう感じてしまったのです。

 集中して自分の料理と向き合い、力を出し切った恵。
 その姿を創真のようだと言われたわけですが・・・。
 この秋の選抜で、創真はアリスとの対決の前に、葉山と予選で勝負していますよね。
 そこで敗北を喫してしまったわけです。
 
 自分の料理への信念と実力を出し尽くした料理だったというのに、僅かとはいえ相手に及ばなかったという事実。
 この敗北によって、「今のままの自分のやり方だけでは、これから先通じない」と痛感した創真。
 その悔しさや自分に足りない部分を、身をもって知ることになると思うのです。
 今度は、恵が。

 酷な考えだとは思っています。
 ですが、良くも悪くも競争意識の低い恵には、対極な料理と考えを持つ黒木場と対戦したからこそ、「悔しさ」というものを知って欲しいと思うのです。

 これから先、創真と共に歩んでいくためにも。


『食戟のソーマ』第69話感想

2014-05-17 00:20:00 | 食戟のソーマ

 今回から、遂に『ソーマ』にも[情報処ゆきひら]なる情報ページが設けられることに。
 そして第2回レシピ選手権開催ですか。
 今回のお題は、本編に合わせて【ラーメン】。
 ですが前回とは少し違って、市販の袋ラーメンに一工夫加えたレシピを募集、とのこと。
 ふむ。
 これなら小・中学生でも充分に戦線に参加できそうですね♪
 前回はそりゃもう大人対象のコンテストかと思えるようなハイレベル振りだったもんなあ・・・(遠い目)。 

 

 

 週刊少年ジャンプ2014年24号掲載。
 掲載順第4位。
 第69話 【厨房の独裁者】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんつーハードな扉絵・・・。(-_- |||)

 え~と、すみません、これイメージイラストですよね?
 決して過去描写ではありませんよね??
 初ですね。
 これほど“重い”イラストは。
 
確かに黒木場は「狂犬」と呼ばれた子ではあるけども・・・うむむむ・・・。
 もしこれが彼の心理をイメージしたイラストならば、彼の殺伐とした心情を表すと同時に、彼もまた「囚われている」という意味でもあるのですが。
 




 今回は回想からスタート。

 北欧の港町にあるパブで出会ったアリスと黒木場。
 所持金があるかということを確認されてから、無事席に座ることが出来たアリス。
 まだ少々早かったものの、常連客も集まってきたという事で黒木場は店を開けることに。

 そうして開店するわけですが・・・。
 なにこの黒木場の発言力(汗)。
 屈強な荒くれ者達が、彼の一言にすぐさま従うという光景が。

 そして厨房のスタッフ達にも指示するものの・・・。
 この言い方。(><|||)
 言ってる本筋は間違っていないものの、余計な言葉多すぎ。言い方酷過ぎ。態度悪すぎ。
 遂に我慢できず、キレる従業員。
 そりゃそうだ。

 ですが、黒木場の実力は当時から相当だった模様。
 そのため店のオーナーからかなりの権限を与えられており、従業員の解雇さえも可能だったと。
 よって従業員も、歯噛みしながらも黒木場に従わざるを得なかったのでした。
 なるほど、従業員達からしてみれば、黒木場は「口と性格と態度が悪いが仕事が出来るため反抗出来ない上司」のような存在だったのですね。
 うっわこれは従業員達の方に共感せざるを得ません。

 そんなわけで従業員との関係は最悪だったものの、そんな文句をも押し黙らせる程だった黒木場の料理の旨さ。
 港の荒くれ者達も黒木場の命令には非常に従順だったのも、言いなりになってでも彼の料理が食べたかったからでした。





 ここまでがアリスの口から語られた、という形で終わる回想。
 え?もうお終い?
 黒木場の料理を食べた時のアリスの感想は??
 そして第53話冒頭シーンに至る経緯は???(まあ、もうなんとなく想像出来るけど)
 とりあえず今回は、黒木場の「厨房での振る舞い」を明かすだけに留めたようです。

 そんな黒木場の過去を聞かされ僅かに萎縮するものの、幼い頃から現場に居たのは恵も同じと、より一層恵を応援する吉野達。
 ナレーターさんのツッコミに今回も感謝。
 恵・・・耳まで赤くなっちゃってる・・・(苦笑)。



 そんな極星寮の面々を目にし、黒木場は・・・

「反吐が出る」

 
 ・・・・・ふ~~~ん・・・・・。


 

 厨房は“戦場”。
 料理は“力”、ね・・・。



 それについては、まあともかく。

 「ゴミみたいなお遊び」発言は・・・。(-_- |||)

 

 そんな暴言を受けたというのに。

 恵の反応のなんと純真なこと・・・!

 他のキャラだったら、少なくとも創真さんだったら100%ダークサイドにシフトチェンジです。(^^;;;A)



 「・・・違うよ・・・」

 ゴミなんかじゃない。
 そう言って黒木場に背を向ける恵。
 ここのシーン、恵の黒木場への「反発」そのものですね。

 そうして自分の料理へと打ち込む恵。
 具に使われるであろう、野菜やキクラゲ、豆麩を処理。(ちなみに豆麩も東北(福島県)の郷土料理でーす♪)
 どうやら前回下ごしらえしていた里芋も、トッピングとして用いるみたいですね。
 こりゃあ、かなりヘルシー系なラーメンになりそうです。
 
 そしてタレは二種類の醤油を合わせたものを使用。(ハイ、今回も栗うさぎの予想見事にハズレ★)
 恵が醤油味ということは、黒木場は味噌味になるかな?海老ミソも入っていることだし。(これも外れたら、私しばらく味噌ラーメン食べない)

 正確に、丁寧に調理していく恵を見守る創真達。
 恵の仕事の丁寧さは、以前から創真も感心するほどでしたものね。(^^)

 遂にスープの肝である出汁も完成した模様。
 果たしてその出来栄えは―――?

 「美しいな」


 仙左衛門にさえもそう言わしめる恵のスープ。

 輝きながらも澄んでいる。

 それは恵の心をも示しているのでしょうね。(^^)



 そんな恵の様子を見守る面々。
 創真がセンターなのが嬉しいなあ~。(^^)
 一番恵を見守ってくれているって感じで。



 自分の背中を押してくれた人達。

 それは広い世界へと送り出してくれた故郷の人々。
 ずっと応援してくれた極星寮の仲間達。
 そして、創真。

 そんな彼らを―――

「悪く…言わないで!」


 
正面から相対し、黒木場にはっきりそう告げる恵。
 凛としたその姿。
 恵、本当に強くなったねえ・・・。

 ま。
 それでもキメきれないあたり、やっぱ恵ちゃんなんだけども(苦笑)。
 





 



 第53話で「力の料理」という名のドSっぷりを(笑)、第67話で相手や立場関係無しに噛みつくという考えを、これまで少しずつ見せてきた黒木場ですが、今回でだいぶ彼の背景やキャラクター性が見えてきましたね。
 まあ、それでもまだまだ明かされていない部分はあるのですが。

 回想にて彼の過去の一部が語られましたが、昔はバンダナを巻いた時とそうでない時とのギャップが今ほど激しくなかったのですね。
 アリスと共に過ごすうちに、日常生活における面では刺々しさも和らいだということなのでしょうか?


 それにしても黒木場の独裁者振りには、正直言葉を失いそうになりました。
 まあ、店というのは自分の城でもありますからね。
 そこで勝手なことをするのは許さないという考えも分からなくはないのです。
 実際現実でも、私語厳禁のお店とかあるみたいですし。
 
 だけど、客に対してはともかく、従業員に対するあの接し方は・・・。

 全てを自分の杓子定規で見ている黒木場。
 人にはそれぞれ自分のやり方や考えがあるのだから、もう少し大目に見ても・・・。
 というのは甘い考えだと分かってはいますけども。厨房は甘々なやり取りでは回転しない空間ですけども。
 それでもこの振る舞いはさすがに譲歩出来ません。
 黒木場のこの言動。まるで刃物のよう。
 私も「厨房に立つ者」の端くれなものですから、従業員の方々の気持ちが痛いほど分かってしまいます・・・。(><。)

 この独裁振りはかつての四宮を思い出させますが、彼には充分納得できる背景がありました。
 では黒木場は・・・?
 単純に考えれば、子どもだからといって舐められないように、という理由が挙げられますが・・・。
 でも彼のあのブレなさを見るに、そうとは言えないような気がします。
 他に別の理由があったのでしょうか・・・?
 

 そして、黒木場の“料理人”としての考え。
 「厨房は戦場」。
 この言い分は尤もだと思います。
 厨房内は常に時間との勝負。
 即座の状況判断、決断力、計算、暗記、応用力。
 体力だけでなく知力もかなり必要とされる、非常に張り詰めた空間です。

 でも、「料理は力」なんて考えたことは一度もありませんね。
 

 黒木場のこの考え方。
 創真が聞いていたらどう応えていたのでしょう?
 多分、半分は肯定。
 そして、もう半分には物申していたんじゃないかな・・・。


 なにより、今回一番残念に思えたのが、黒木場の「仲間(友達)」に対する考え。
 料理人同士の関係は食うか食われるか、それのみ、と。
 彼のキャラクター性を知るほど、「馴れ合い」はしない子かもとは感じていましたが、まさかこれほどとは・・・。
 ですが、それほどの一匹狼だからこそ、アリスとの関係性に興味が持てますね。

 
 「料理」に対しても、「仲間」に対しても。
 もはや全てが恵と対極な考えの持ち主といえる黒木場。



 
そんな黒木場に、恵はこれまでになかった姿を見せます。

 それは、反発。

 食べてくれる相手への「心遣い[ホスピタリティ]」を、自分の料理の信念としているからこそ。
 仲間がいてくれたからこそ今の自分があることを、誰よりも分かっているからこそ。
 黒木場のその発言には譲れないものがあったのでしょうね。

 それでも、数か月前までの恵だったら、黒木場のその発言を受けていたら何も言い返せず、その敵意に押し潰されてしまっていたでしょう。
 ですが、創真と出会い、自信や勇気を与えられた今は。
 
こうして真っ直ぐに相手と向き合うことが出来るようになるまで、強くなりました。



 黒木場がひたすら“黒い”一方で、ひたすら“白さ”が際立っていた恵。
 暴言ともいえるべき黒木場の言葉を受けても、彼女の表情はひたすら純真無垢なものでした。驚くぐらいに。

 ここに恵の魅力があると思うのです。

 創真との会話の中でもつくづく感じていました。
 それは
 恵は相手の言葉を真っ直ぐ受け止めてくれる子だということ。

 
 善意ある言葉にはもとより。
 悪意が込められた言葉を受けようとも、そのまま悪意や敵意を返すことなく、ただ素直に受け止める。
 今回も黒木場の「悪意」に「反発」こそすれども、そこに「悪意」や「敵意」は無かったと思います。
 自我が強くプライドの高いキャラが多い中、恵のこういう点は彼女だけのものと言えるのでは。
 最初の頃は、この点は「悪意ある言葉に束縛されてしまっている」という形になってしまっていました。
 ですが、その「悪意」に耐えられる“強さ”を身に付け始めた今。
 恵のこの点は、彼女の「器の大きさ」という形へと昇華し始めたのだと思います。
 
 なにせ彼女は「田園」。
 創真と同じく“大地”な子ですから。(^^)



 それまでは勝敗以前に自分の料理を楽しみたいと思っていましたが、今回で黒木場の考えを知り、自分の料理を持ってその考えに反論する決意を固めた恵。
 彼女の成長を再確認すると同時に、今後の成長の方向性も感じ取ることが出来ました。

 一方の黒木場は今回随分と暴言を吐きましたが・・・。
 その言葉の“奥”が感じ取れました。
 今回「仲間」という存在を批判する黒木場は、「周りは全員敵」と言う四宮や、仲睦まじいカップルの様子を「くだらない」と言うえりなに重なりました。

 ひょっとしなくとも、黒木場は・・・・・。

 今回の話は彼をより知ることが出来て、私的には中々意義深かったです。
 なにせ黒木場は葉山よりもずっと早く登場していたというのに、その名前も素性も全然明かされてきませんでしたからね~。

 

 最初は共通点も面識も無いし、対戦する可能性は無いだろうと思っていたのですが、こうしてみると「港町出身」という共通点、そして仲間や料理に対する価値観の相違と、中々興味深い対戦カードに思えてきた【恵 VS 黒木場】。
 まあ・・・、強いて言うならば恵が港町出身だったという設定は少々急だった感じがしなくもありませんでしたが、そこは第57話でがっちりと補強してくれましたからね。
 ほんと、附田先生凄すぎ・・・!

 さて、次回はいよいよ実食に入る模様。
 創真に引き続き、「自分らしさ」をフルに発揮した恵の料理に期待です!!

 

 

 でも・・・。
 今回の勝負はやはり・・・。

 ごめんね・・・恵。


『食戟のソーマ』単行本第5巻感想

2014-05-07 22:55:00 | 単行本感想

 どうもです!
 ブログの機嫌が良くてホッとした栗うさぎです!
 では本日も、1周年記念第2弾、『食戟のソーマ』単行本第5巻感想いってみましょう!!

 ・・・と言いたいのですが。

 すみません。
 今巻の感想は創真&えりな派の方にはあまりお勧めできない内容となっております。
 個人の勝手な考えと、寛容に享受してくださる方のみ、どうか宜しければご覧になってください。

 それでは。






 この第5巻が発売されたのは、2013年12月4日。
 内容は本編の第31話【メタモルフォーゼ】から、第39話【選ばれし者】までが収録されています。
 そして巻末には、「ジャンプNEXT!」秋号にて掲載された番外編『秋の味覚をおあがりよ!」が。



表紙
 今巻の表紙を担うのは、タクミ&イサミのアルディーニ兄弟!!
 ふ~む、第3巻の恵は創真と、第4巻の郁魅は小西先輩と一緒に描かれていましたし、どうやら表紙イラストは抜擢された人物と所縁の深い人物も共に描かれる模様ですね。そして必ず食べ物も。

 実家の厨房で腕を振るっているタクミとイサミ。
 メッザルーナを手渡す息の合いっぷりも、さすがは兄弟ならではといったところ。
 創真の“料理人性”を示すアイテムが手ぬぐいなら、このメッザルーナこそがタクミの、ひいてはアルディーニ兄弟の“料理人性”を示すアイテムですね。
 それにしてもやっぱりこの双子似てないな(爆)。



裏表紙
 今回は、前巻から登場の『薙切アリス』が私服姿で裏表紙を飾っています。
 う~~~む。
 こうして見るとアリス可愛いですね~。
 前回の四宮はあからさまなポーズだったのでつい笑えてしまったけど(ごめんよ四宮)、こういう自然な仕草の方が逆にモデルのような見栄えがありますね。

 でもオチはしっかりついていましたよと。
 お茶目に理不尽だけど不思議と憎めない、そんなアリスはホント良いキャラです。



附田先生コメント
 附田先生の大好物はエリンギのバター醤油焼きとのこと。
 ・・・うわ・・・私も想像しただけで生唾が・・・(ゴクリ)。
 そんな附田先生は、渋い料理が好みだそうです☆



中表紙   
 裏表紙だけでなく、ここにもモデルがいた!!
 マジでそう思わせるくらい、バッチリ決めてるタクミが中表紙に居ます。
 これはタクミファンの方々はさぞ歓喜なされたでしょうね~(笑)。
 料理学校が舞台な故に、制服もしくは調理服の姿が多い登場人物達。
 それだけに、こういう私服姿はまた格別なものがありますね♪



特別付録
 さて今回はというと、まず26ページにアリスの[3つの形状の卵プレート]から、ミルクセーキのレシピが紹介されています。

 46ページには、創真の[スフレオムレツ]が。
 ここには創真の“魔法”に最初に夢中になってくれた女の子の、ミニプロフィールも。
 名前は『宮野 朱里』ちゃん。
 こうして紹介されているという事は、さり気に人気があった子なのでしょうかね?(確かにとっても美味しそうに食べてくれてましたけども(^^))
 この[スフレオムレツ]は、私の中で結構思い入れのある一品です。

 
 ほぼ続けて、48ページにはジャンプ本誌の2013年34号にて掲載された[イタリアントマト素麺]が。

 そして本編でも人気のあった[すみれ印の唐揚げロール]が170ページに。
 私もこの品が一番食欲が掻き立てられました!!
 ぜひ一度食べてみたいとは思うものの、なかなか作る機会が持てないのが悲しい所です。
 ここの挿絵の倉瀬ちゃんが可愛くって良い感じv
 附田先生もだいぶキャラクターの作画がこなれてきた感じですね。



 そして今回の挿絵はというと、ドレスを着たミニアリスが66ページに。
 えりなが「氷の女王」なら、アリスは「雪の姫」といった感じですね。

 86ページには、遠月卒業生水原冬美のリクルートの後日談が。
 創真だけでなく、アルディーニ兄弟にも声を掛けていた水原。
 人選は正しかったものの・・・。
 皆さん自分の店持ちだったため、残念、リクルート成功ならず★

 合宿編が終わり、商店街復興編に入った106ページでは、倉瀬ちゃんが誰だか分からない人のための説明が。
 大丈夫だよ倉瀬ちゃん!!私は知っているからね!!(これってさり気に単行本のCMも兼ねてるよな~)

 第35話の郁魅のちょっとした裏話が描かれているのは126ページ。
 創真の店(実家)に着ていく服を選ぶのに迷っている郁魅ちゃん。
 ほ~んとうに郁魅は、「恋する女の子」としての姿が一番描かれている子ですよね。
 全く可愛いったらありゃしません。
 で、気合を入れた結果があの服装だったと(苦笑)。

 そんな乙女な様子から一転。
 130ページには首刈る気満々な、くノ一郁魅が(滝汗)。
 そんなくの一郁魅に対し、一般兵な倉瀬は完全に捨て身覚悟です。(^^;A)

 150ページには、直前の148ページに対する全読者の感想を創真が代弁(苦笑)。



番外編 『秋の味覚をおあがりよ!』
 リアルタイムに合わせて、極星寮での秋の一コマを描いた番外編。

 秋の味覚の代表であるサンマが手に入り、早速頂こうとする創真、恵、吉野の三人。
 七輪の使い手:創真によって(笑)美味しく焼き上がったサンマに、恵は舌鼓を。
 ここでサンマの付け合せに紅葉おろしを用意した創真。
 ここまでは良かったものの・・・。
 ―――料理とは果て無き荒野そのものである―――(by幸平創真)
 うん、折角準備したのにね。(^^;)
 私もトマトピューレやカレー粉は普通に合うと思うんだけど。(←えー)

 とまあ、七輪、チャレンジ料理等、久し振りに原点に立ち戻った番外編でした。



佐伯先生コメント
 前巻に引き続き、今回も上野動物園で出会った動物さんを紹介してくださっている佐伯先生。
 美味しそうにお水を飲んでいるプレーリードッグちゃん。
 そして佐伯先生がお飲みになるのは、コーヒー、レッドブル、アルコール・・・。
 佐伯先生、お体は何卒大切に。
(そんな佐伯先生は、ガッツリ肉食系の食事が好みとのこと☆)                                                                                       





                                                                           





 第3巻ラストに引き続き、単行本派の方は前巻にあたる第4巻ラストにも非常に焦らされたことでしょう(苦笑)。
 そんな、創真がかつてないピンチに陥った理由と、その結末がこの第5巻の前半で明らかになります。
 様々な大きなものを学び得た合宿編もようやく終わりを迎えるものの、そのエピローグにて、これから先に待ち受ける展開と共に、創真とえりな両者に関わる驚愕の事実が発覚。
 そして後半からは、遠月学園の外で繰り広げられる商店街復興編へ。
 一見遠月とは無関係に思えたこの章。
 ですが、実は大きく関わっていたことがこの巻のラストにかけて判明されることに。





 さて、今巻のキャラクター考察は誰にしようかとちょっと迷ったのですが、やはりここは登場タイミング的にも『倉瀬 真由美』と『水戸 郁魅』について述べるべきでしょう。

 えりなと恵。この二人をメインヒロインとするなら、サブヒロインにあたるのが倉瀬と郁魅。
 ですが、この二人もメインヒロインらに勝るとも劣らない魅力を持った女の子達です。
 メインヒロインらは創真に(まだ)恋愛感情を抱いてはいないものの、この二人は既に創真に想いを寄せているというのもまた大きなポイントですしね。


 まずは倉瀬真由美から。
 単行本第1巻感想内でも述べましたが、倉瀬は創真とは幼稚園からの付き合いという、筋金入りの幼馴染。
 ですが、創真が遠月学園に編入してしまったため、彼とは離れ離れになってしまった上に自身の出番も無くなってしまうという、ある意味で薄幸のヒロインです(苦笑)。
 第1話のみの登場でお役御免になってしまうのかと本気で危惧していましたが、今回の商店街復興編で再登場してくれたのは嬉しい驚きでした。(^^)

 ショートボブな髪型の倉瀬は、かなり気弱で内向的な性格。
 その大人しさは恵以上と言えます。
 勉強も運動も料理の腕も特に秀でておらず、特技も持っていない倉瀬。
 そんな自分に全く取り柄を見出せていなかった彼女でしたが、創真の指摘によって、初めて自分の長所を見いだせることに。
 そんな創真にずっと前から惹かれていた倉瀬は、間違いなく男を見る目は本物です。 

 一途で素直で頑張り屋。おまけに創真のゲテモノ新作料理さえもちょっと受け入れられる倉瀬。
 そんな彼女は、私的に見てかなり創真とお似合いと思える子です。(^^)
 さほど親しくはなかったものの、幼少時の創真を知る数少ない人物でもあるので、彼女の再登場は結構期待しています。



 そして水戸郁魅。
 彼女についてまず一番に述べたいのは、最も顕著に「創真ミラクル」に掛かった子ということですね。 
 ※創真ミラクル・・・創真の人柄と料理によって、虚勢や見栄が脱がされ剥がされ本来の可愛い魅力が引き出されること。
 敵として出会った当初はヤンキー風で怖い印象さえありましたが、今やすっかり可愛いツンデレっ子に。
 個人的に私はツンデレが嫌いな人間なのですが、郁魅のようなタイプは大歓迎。
 ツンデレというと大抵が理不尽、もしくは暴力系なイメージがあるのですが、彼女は理不尽な暴力は振るいませんし、スジの通った真面目で素直な子ですから。(^^)

 えりなと恵が対照的なら、郁魅もまた倉瀬と対照的な子。
 ブロンドに褐色の肌と、ヤングアダルトな魅力に溢れたルックスの郁魅。
 性格も強気で男勝りですが、実はとっても純情で女の子らしいしとやかさを内包している子です。

 創真の初めての食戟相手であった彼女ですが、いまや立派な創真の仲間として活躍。
 肉のプロフェッショナル[ミートマスター]として、今巻でも創真に色々と協力してくれています。
 ちなみに作中では「肉魅(又はにくみ)」と呼ばれている彼女ですが、私は本名で呼ばせてもらっています。
 なぜなら本人が嫌がっているので(苦笑)。



 一応サブヒロインと位置付けてはいるものの、応援したくなるほどの魅力を持った倉瀬と郁魅。
 個人的に、創真と結ばれるのは恵になって欲しいと願ってはいますが、もし彼女らと結ばれたとしても何も不満はありません。

 要は、創真が幸せならそれで良いんです。ぶっちゃけた!!!)

 創真と結ばれて欲しいと願う子を敢えて順位付けするならば、
 倉瀬郁魅>>>>>>>>>>えりな
 といった感じですね。(←おいこら)

 彼女らの恋模様は果たしてどうなるのか、これからも見守っていきたいと思います。(^^)





 ではこの巻全体の感想と考察に入りましょう。


 この第5巻に掲載され、サブタイトルにも挙げられている第32話【踊る料理人】。
 
 この回で、私は創真に惚れました。

 単行本第1巻&第2巻の感想でも軽く述べていますが、連載開始当初は全くといっていいほどこの作品に興味が湧かなかった私。
 そんな私が初めて惹かれたのが、第12話ラストの不敵な創真を目にした時でした。
 「お。」
 ですが目を引かれはしたものの、創真への、そしてこの作品自体への“熱”はまだ全然無かったのです。
 それでも軽く目を通すようになり、やがて伝説の第21話と邂逅。
 「!」
 そこで初めて、心が動かされることに。
 そこからは一読者として普通に読むようになりましたが、それでもまだ尚“熱”を持つことは無かったのです。(あああ当時の自分にクロスチョップをかましたい)
 そして訪れた第32話。
 今まで見せたことの無かった、汗水流す創真の懸命な姿。
 ドキッ
 見事課題を達成し、息をついたあの表情。
 キュンv

 ハイ。
 見事に心を奪われてしまいました 
 

 そういうワケで、この第5巻は、私にとってかなり特別な巻だったりします。
 勿論それだけではなく、この第5巻は“深み”と“勢い”が詰め込まれた、大変充実した内容でした。





 この『食戟のソーマ』という作品に対する見方が劇的に変化するきっかけとなった四宮編。
 第3巻から始まったそれは第4巻にて終結するものの、それでも見事に練り込まれた脚本は些かもその質を落としていないという事を、この第5巻は如実に証明しています。 

 それが、私がとりわけ思い入れのある第32話も収録されている朝食ビュッフェ編。
 前巻後半から始まったその章の中で、創真は自らの見落としによってこれまでで最大の危機に陥ってしまうことに。
 それは彼の未熟な点を露呈させたものの、それと同時に彼の強みもまた大きく披露させるものとなりました。
 これによって、創真の格は全く下がることなく、むしろ上がるほどの効果に。
 しかも未熟な点も、強みも、「長年の現場経験」という彼の背景をしっかりと踏まえていたものだったため、素直に理解できたというのもまた見事。
 その説得力ある理由付けと地に足の着いた展開、そしてキャラクターの格の尊重。
 四宮編と同等ともいえるそのクオリティの高さに、非常に感嘆させられました。
 その脚本の魅力を最大限まで引き出した作画と演出も、相変わらずの素晴らしさ。
 「ライブクッキング」という形で発揮された創真の活躍シーンは、作中の人物だけでなく私達読者をもグイグイと強烈に惹き込む“力”に満ちていました。



 そうして何とかピンチを切り抜け、第3巻から続いた合宿編も無事終わりを迎えることに。
 それにしても、この合宿編がこれほど大きな影響を及ぼす章になるとは思いもしませんでしたね。

 ライバルとの邂逅。
 初めての食戟の申し込み。
 苦い敗北。
 未熟さの発覚。
 仲間達との絆。

 それら多くの出来事は、創真の「成長」という形に収束されることに。
 見出す、遠月学園の価値。
 それは、これまで「ゆきひら」を中心にしていた創真の世界の広がりを示唆するもの。
 主人公の創真にとっても、この作品自体にとっても、大変意味深い章だったと思います。



 後半では、創真の故郷を中心に展開される商店街復興編が。
 地元のアイドルヒーローとして、仲間達の協力を得ながらの創真の活躍が描かれます。
 大きな勢力を相手に料理をもってねじ伏せるという、原点回帰的展開だった商店街復興編。
 ですが、私にとってこの章は、ラストの展開以上に実は大きな意味を含んでいたと感じています。

 それは、この商店街復興編は、「これからの展開の縮図」に思えたから。
 地元かつ定食屋が実家という事もあり、広い人脈を活かした上で、持ち前の発想と行動力、そして仲間達のサポートを受けながら、停滞していた商店街の流れを変え、見事活気を取り戻させた創真。
 これはそのまま、遠月学園で創真が巻き起こすそのものだと思うのです。
 
 料理人という“創造者”でありながら、立場や相手を全く意に介すことなくどストレートな爆弾発言をかますなど、型破りな考えを持つ創真は一種の“破壊者”でもありました。
 創造 + 破壊
 そこから生まれるのは何か。

 それは革命。

 創真は遠月学園を相手取る改革者となる。
 そう、私は予感しています。





 そんな創真は、魅力の成長ももはやノンストップ。
 ピンチに陥っても、決して諦めなかったこと。
 食材の生産者への誠実な詫び。
 そしてここでも、己が窮地に立たされていようが他者に気を配るという優しさは変わらず健在。
 第3~4巻で明かされた彼のキャラクター性が、更にしっかりと裏付けされています。

 それでありながら、またもや新た面が開拓されることに。
 特に印象に残ったのが「コミュニケーション能力の高さ」。
 老若男女問わず、瞬く間に打ち解けられる創真のこの能力は、彼の最大の長所の一つとしてこれ以降も頻繁に発揮されることになります。 
 そして、マイペースでありながら実は周囲をよく見ているというのも判明。
 加えて普段は飄々としていながらも、かなりのリーダーシップを持っていること。
 以前犯した失敗を忘れずに、他者の意見を聞き入れ改善しようとする柔軟な真面目さ。
 行動派に見えて、実は知略性もあるところ等々。
 ますます磨かれていく創真の絶妙さ
 これらもまた突飛に付加されたものなどではなく、きちんと彼の背景を踏襲しているため、何の違和感もなく受け入れられるというのだから本当に感心しきり。 
 そして、これらは創真が「人の上に立つ者」としての資質の高さをも示唆しています。

 創真の「成長」が明示され始めた第5巻でしたが、それと同時に「経験」という言葉も、重要なものとして用いられ始めます。
 その「経験」の価値を最も表したものが、
 「失敗したという「経験」を得た」
 という創真の言葉でした。
 失敗を否とせず、それさえも糧とするこの前向きな発言。
 それは『幸平創真』というキャラクターのアイデンテティーそのものであり、料理を通した彼の強さにも繋がる言葉だったと思います。 

 そんなひたすら尊敬させられる一方で、恋愛感情スッカラカンという面も暴露(大笑)。
 ここまで綺麗さっぱり抜け落ちていると、いっそ清々しいです。
 ですが、単なる罪作りな男で終わらないのが創真という人物の凄い所。
 恋愛関係以外の部分では、他者をよく見てくれている子なだけに、全くニクむ事が出来ません。
 これも彼の“絶妙さ”と言えるのでしょうかね(苦笑)?










 では・・・。

 この第5巻を語る上で、避けて通れない「あの件」について述べさせて頂きたいと思います。

 合宿編のエピローグである第34話【遠月を巡る因縁】。
 この回では、次巻に向けての下地が敷かれる一方で、もう一つ強烈な伏線が我々読者に明かされることになります。

 それは、創真とえりなを繋ぐ因縁。

 性格、物事に対する見方、考え方と、全てが相反する創真とえりな。
 ですが、根本的な部分が非常に似通ってもいる二人。

 そんな二人でしたが、まさか「自分の中で大きな意味を持つ存在」まで共通していたとは・・・!!  
 想像を超える二人の“繋がり”の強さに、非常に驚かされました。

 ・・・しかし・・・。

 この事実は、これからの展開における不安要素の一つに思えてしまったのです。
 あくまで、私は、ですが。

 えりなは一途な子だと思います。
 純粋で、潔癖で、生真面目で。
 そして、融通の利かない、真っ直ぐな子だと。

 そういう子ほど、自分のアイデンテティーが揺るがされると危ういと思うのです。

 上記で述べた通り、遠月学園に革命をもたらすであろう創真。
 そして、その遠月学園の象徴ともいえるべき存在がえりな。

 私が単行本第1巻感想内の読切版の感想で、「えりなが今以上に創真の存在を否定する時がいつか、でも必ず訪れるものと思われます」と述べた理由がまさにここなのです。

 自分が“自分”であるために。
 これまでずっと、ひたむきに守ってきた自分の“聖域”。

 遠月学園。
 自分の「完璧」な料理。
 そして、憧れ。

 不可侵だったそれらに突如現れた異分子、幸平創真。
 遠月学園に在学している、それだけでも汚点として嫌悪しているのに、さらにその学園自体を変えようとするならば。
 自分の料理にも異を唱えてくるならば。
 そして。
 憧れという最後の“聖域”にさえも、しかも強固に関わる存在だとしたら。

 言い方は非常に悪いですが、創真はえりながこれまで大切に守ってきたものを全て侵害する存在となってしまうのでは。

 あくまでも現時点でのごく個人的な予想にすぎませんが、その事実を知った際のえりなの反応が、「拒否」以外何も思い浮かびません。

 
 確かに創真は正面から“相対する”子ではあります。

 ですが。

 “否定”する子ではないのですがね・・・。
 

 これら対立因子がどのような形となって二人に訪れるかは分かりません。
 少しずつか。
 それとも、一気に訪れてしまうのか。

 何にせよ、「氷山」なえりなはその“硬さ”故に、変化を受け入れられず、その矛先が全て創真に向くのではと。
 創真の料理人としての未来を閉ざしはしないかと、心配です。



 ・・・実は、この事実にもう一つの考察が浮かんだのですが・・・。
 それは次巻の感想にて述べさせて頂こうと思います。










 朝食ビュッフェ編での提供形式の改造。商店街復興編での停滞した流れの再活性。
 眼に見えない、真に価値あるものの創造。
 この第5巻は、まさに『創真』という名前に相応しい、彼の真の力が発揮されていた巻でした。

 改めて、創真の魅力を再認識です。
 ごちそう様でしたv





今巻のベストシーン
 38ページ・・・6コマ目
 惹かれた。



今巻のベストシーン
 42ページ・・・4コマ目
 惚れた。


『食戟のソーマ』単行本第4巻感想

2014-05-06 14:00:00 | 単行本感想

 さて!
 それでは1周年記念第1弾、『食戟のソーマ』単行本第4巻感想です!
 よ~~~やくUPできることに感無量(苦笑)。

 さてさて、それでは久しぶりにいってみましょう!!





 前巻から約一か月後にあたる、2013年9月4日に発売された第4巻。
 やはり驚くべきこの刊行の早さは、前巻の強烈な「引き」に悶絶する単行本派の方々に配慮してのことだったのでしょうか?(苦笑)
 そんなこの第4巻は、第22話【卒業生達】~第30話【想定の陥穽】までの九話分が掲載です。



 表紙
 レギュラー陣3名もそれぞれ表紙を飾り終え、次からは誰が抜擢されるのか楽しみにしていた今巻の表紙。
 選ばれたのは丼研部員、水戸郁魅!(&小西先輩)。
 登場順から考えれば一色先輩ら極星寮のメンバーかな?とも思っていたのですが、この選出もこれはこれで妥当ですね。極星寮のメンバーは、まだまだ明かされていないものがありますし。

 見事なブロンドとグリーン・アイ。そして褐色の肌。
 そんな郁魅は、タクミと同様ハーフに違いありませんね。
 アメリカナイズな服装から見て、親の片方は多分アメリカ人なのでは。

 丼研部室でのこの一枚。
 似たようなシチュエーションのカラーイラストが第16話の扉絵にもありますが、個人的にはこっちの方がスタイリッシュで好きですね。(郁魅もより美人さんに描かれてるし♪)
 右手にカツ丼、左手にステーキ丼を持ちながら闊歩している郁魅。
 その後ろでは牛丼を試食している小西先輩が。

 郁魅は自分の得意分野である「肉」を活かした丼物の開発を主に担い、そして彼女の開発した新メニューの味見係を小西先輩が務めている模様。
 最初はどうなることかと思ったけど、結構上手く切り盛りしているようでなにより。
 気が強いけど本当は純情な郁魅と、ヘタレだけど人の良い小西先輩は中々良いコンビです。(^^) 



 裏表紙
 前巻が「アレ」だったので、少々怯えつつ(笑)カバーを捲ってみたところ、そこに描かれていたのは、今巻で恵&創真と対決した『四宮小次郎』。
 確かにこの巻の裏表紙に最も相応しい人物ですね。
 表紙に取り上げたら、他の準レギュラー陣を出し抜いてしまいますし(苦笑)。

 やたらとカッコよくキメてる四宮。
 そんな彼を裏で爆笑している、彼の後輩『乾日向子』サン。
 そりゃあ、親しい知人がいかにも格好つけたポーズしてたら私も笑えてきますけども(爆)。

 ナレーション:彼女は後で殴られます

 
ご愁傷様です。



 附田先生コメント
 出掛けなくてもいい日の雨はとても良いけど、出掛けられない日の晴れは損した気分になると仰る附田先生。
 分かります。
 そして、前々から楽しみにしていた外出予定日に台風でも来られた日にゃあ、お天気の神様を本気で呪いたくなります。



 中表紙
 さて、どんな郁魅が描かれているかな~?と、ページを捲ってみたらば。

 ズガーーーン!!

 なにこの可愛い子!!!

 その可愛い子の正体は、制服を普通に着てうずくまっている郁魅ちゃん!
 表紙の毅然とした微笑も良いけど、やっぱりこういう“女の子”な表情も凄く可愛いですね~。
 「恋する乙女は綺麗に(可愛く)なる」とはよくいったもんです☆



 特別付録
 今巻で紹介されているレシピは、これまでの中で一番充実したラインナップかもしれません。
 それぐらい津々浦々な料理が満載。
 それと同時に、附田先生による各キャラクターのコメントも中々楽しいものとなってます♪

 まずは66ページに四宮のレシピ[シュー・ファルシ]が。
 四宮のコメントに、後ろで余計なことを言ってる乾サン。
 ナレーション:彼女は後で殴られます
 でしょうね。

 186・187ページには、恵のレシピ[虹のテリーヌ]。
 四宮&乾のどつきコンビとはうって変わって(笑)、こちらは恵&創真が仲良く並んでご紹介♪
 創真が言ってる通り、2ページに渡る大ボリュームのレシピ内容。間違いなくこれまで紹介された中でトップの手の込んだ料理です。
 本編では鶏レバーを「つなぎ」として用いていましたが、それは手に入りにくいということで卵で代用されていますね。(レバーは人によって好き嫌いも激しいでしょうし)

 続いて188ページからは、今巻後半から始まる朝食ビュッフェ課題での、それぞれのレシピが掲載。
 タクミのレシピは[インサラータ・フリッタータ ~アルディーニ風~]。
 タクミの後ろで舌鼓を打ってる創真にほっこりv

 
 次に紹介されているのは[田所ちゃんの朝食おでん]。
 ここでは、この料理で恵のファンになってしまった(笑)『ナチュラルチーズの久作』さんのミニプロフィールが。
 う~ん、なんともダンディな趣味をお持ちで☆

 そしてラストはえりなの[女王のエッグベネディクト]が。
 このレシピを見て初めて気付いたのですが、この料理って具・土台・ソースと全て卵が使用されているのですね。
 うっわコレステロール高そう~と思ったのはここだけの話(爆)。



 今巻はシリアスな話が全体を占めていた分、挿絵に息抜き感がありました。
 26ページには、第22話で縛られていた乾サンの舞台裏が。
 首から下げていた「ただの観客」プレートは段ボール製だったのですか、なるほど。 
 それにしてもホント、このコンビは見てて面白いなあ~。

 46ページには、前話で創真が宣言していた“食事処たどころ”のロゴマークが掲載。
 グッジョブ☆

 86ページには、投票で用いられたコインのアップ。

 卒業生達がイメージしていた「妖怪田所ちゃんシリーズ(笑)」は、ミニぬいぐるみとなって106ページに。
 商品化は未定とのことですが・・・。
 にしては、説明書きがリアルすぎ(笑)。
 こんな感じの創真くんのミニぬいぐるみも出てくれないかな~v

 そして126ページには、椅子に腰かけ読書をしている若かりし頃の四宮が。
 当時はこんな穏やかな表情も出来たのですね。
 そしてこれからは、またこういう表情が見られることでしょう、きっと。

 勇者ユウキ再び!
 146ページには、80食チャレンジ中の悠姫脳内イメージが披露されてます。
 前回はド●クエ風でしたが、今回は更に進化してファイ●ルファン●ジー風に(笑)。
 お~相手をオーバーキルで一刀両断☆
 悠姫ちゃん・・・強くなったねえ・・・。(しみじみ)

 お次は、この前話にあたる第29話の扉絵で、「スー●ーストリート●ァイターⅡ」のコスプレをさせられちゃった恵ちゃんの余談が166ページに。
 最初はどのキャラの恰好なのか分かりませんでしたが、“三つ編み繋がり”ということでキャミィの模様。
 ということは、創真は“鉢巻き繋がり”ということでリュウ。
 吉野は“お団子ヘア繋がり”ということで春麗かな。
 素肌見せまくりな服装に、方言丸出しでうろたえてる恵ちゃん。もうお母様に顔向けできません。(by第7話)
 後ろの2人はめっちゃノリノリだけど。

 ラストの191ページにも、同ゲームのコスプレをしているその他の皆さんが。
 タクミは“ライバル繋がり(?)”でケンの恰好を。
 イサミは“太っちょ繋がり(爆)”ということでエドモンド本田。
 全く分からなかったのが郁魅のコスプレ。
 調べてみたら、「ストリー●ファイターⅢ」に登場するエレナというキャラクターだそうで。(「スト●ートファイター」は「Ⅱ」までしか知らない栗うさぎ)
 これは“褐色肌繋がり”ですね。なるほど、まさに郁魅にピッタリです。

 それにしても後半は随分とゲームネタが多かったなぁ・・・。
 面白かったけどね



 佐伯先生コメント
 上野動物園に奥様と行ってこられた佐伯先生。
 ご自宅でもフェレットを飼っておられるし、佐伯先生は動物好きなようですね。(^^)
 そこでリスさんを撮影。
 これがもう、見事としかいえない真正面。
 不動明王の如く全く動かなかったという、このリスさん。
 よっぽどサービス精神に溢れていたのか、目の前の佐伯ご夫妻に目が釘付けだったのか(笑)。





                                                                           





 前巻ラストで衝撃的な口火を切った四宮編。
 この第4巻の前半にて、その続きが織り成されます。
 そして後半からは合宿の次なる課題である、朝食ビュッフェ編に入っていくことに。



 では、今回のキャラクター考察は創真の初めてのライバルである『タクミ・アルディーニ』について・・・、と思ったのですが、それはまたの機会にて(笑)。
 今回は前巻から新しく登場した、遠月学園卒業生達の面々について述べていこうかと思います。



 合宿のゲスト講師として招かれ、創真ら学生達を自分の店の従業員とみなして様々な課題を出してくる卒業生達。
 そんな卒業生達の代表格が、『堂島銀』先輩。
 「遠月リゾート」の総料理長兼取締役会役員であり、在学時は主席かつ卒業試験も歴代最高得点で突破したというエリート中のエリート。
 他の卒業生達も彼には一目置いており、その経歴に違わぬ迫力と威圧感、そしてマッスルボディをお持ちな人物です(笑)。
 その迫力故に怖い印象を受けますが、話してみると結構気さくで誠実な好漢だったり。
 ですが、やはり人の上に立つ立場だけあって、厳格で公正、そして相当な洞察力と思慮深さを持つ人格者です。
 その卓越した手腕は、四宮編における影の導き手として非常に大きな役割を果たしてくれました。

 城一郎やシャペル先生もそうですが、この作品に登場する大人は人間として相当な“格”を持った方が多いと感じている私。
 そして、創真はこういった大人達に目をかけられている子ですよね。
 あくまで公正に、時に厳しく、でも温かく。
 直接的な助力はしないものの、遠くから成長を見守ってくれている彼ら。
 そういった大人達がいてくれること。とても大切なことだと思います。
 いくら凄い実力を持っていても、しっかりした考えをもっているとしても、創真達はまだ「子ども」。
 無限の可能性と共に数多の危うさも持つ存在です。
 その「子ども」が安心して自分の道を歩むには「大人」の支えが不可欠。
 創真達各々のキャラクターが真っ直ぐに自分の道を歩めているのも、こういった大人達の影なる働きがあるからこそと思います。



 そして、四宮編の裏の主役であった『四宮小次郎』。
 鋭い嗅覚を持つ、パリのフランス料理店「SHINO’S」のオーナー・シェフであり、日本人初の「プルスポール勲章」を受章という、卒業生陣の中でも抜きん出た経歴の持ち主です。
 ですが、性格は非常にプライドが高く傲慢、言動も嫌味で融通のきかない頑固者という問題人。

 そして。 

 附田先生のキャラクター作りの「妙技」が最も発揮された人物でした。

 前巻では見事なまでの悪役という印象しか無かった彼ですが、今巻での乾ら卒業生とのやり取りや過去描写によって、マイナスな印象が完全に消し去られてしまうことに。
 横暴としか言えないその判断・言動を取ったのは何故か。その地に足の着いた理由。
 読者を充分納得させるだけの説得力と共感性があったその描写は、とにかく見事としか言いようがなく、ひたすら感嘆するばかりでした。
 もうこれからは附田先生のこの「妙技」を「附田マジック」と呼ばせて頂きます。



 そしてそんな四宮といい掛け合いをしていた『乾日向子』。
 四宮の一つ下の後輩で、日本料理店「霧のや」を営んでいます。
 基本的にはマイペースでおっとりした性格ですが、在学時には「霧の女帝」と呼ばれて恐れられ、料理に関しては冷徹な一面も。
 その二つ名と日本料理店を営んでいるという点から、得意分野は蒸し物あたりだったのでしょうかね?
 子供っぽい面があり、特に四宮の前ではちょくちょく余計な事を口にして、どつき漫才を繰り広げています(大笑)。
 恵を気に入っており、堂島先輩と一緒に恵の退学について考え直すよう四宮に進言するなど、偶然とはいえ彼女も裏の功労者だったり。
 ギャグキャラ的印象が強いですが、創真とタクミとの勝負や四宮と恵&創真との食戟の結果を預かったりと、さりげに度量の大きい人物です。



 『水原冬美』は四宮と同期で、イタリア料理店「リストランテ エフ」を経営。
 表情豊かな乾に対し、水原は基本的に無表情でクールな性格。
 発言も多くはありませんが、四宮には結構皮肉を飛ばしていたり(笑)。
 自己主張をしていないように見えて、椅子に両膝を立てて座るなど、言葉ではなく仕草でその存在を主張していた独特の個性を持つ人物です。



 四宮と水原が同期なら、乾と同期ももう一人。
 それが『ドナート梧桐田』。
 彼もまたオーベルジュ「テゾーロ」のオーナー・シェフです。
 ちなみに、「オーベルジュ」って何ぞや???だった栗うさぎ(爆)。
 調べたところ、郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストランとのこと。
 少々キザな性格で、乾と同様に初見から恵を気に入っていましたが、食戟で水原・関守と共に審査員を務めた際には私情を挟まず判定を下すという、公正な面も。



 そんな彼らとは違う世代の卒業生が『関守平』。
 「銀座ひのわ」という寿司店の板長です。
 世代が違うためか乾や水原、梧桐田よりは四宮や創真達とあまり関わってきませんが、彼らより年配者なだけあってその思慮は深く、堂島の思惑を理解し賛同してくれるという良い補佐的キャラでした。



 それぞれしっかりとした個性を持っていた、これら卒業生達。
 このまま合宿編のみのゲストキャラで終わってしまうのは勿体無い人達ばかりです。
 遠月リゾートの役員であり、次巻で更なる伏線も張られることになる堂島先輩は間違いなく再登場してくれるでしょうが、個人的には四宮と乾の再登場も願ってますね。
 四宮は改心して嫌悪感の無いキャラになってくれたというのも大きいですが、今の時点で城一郎に次いで“外の世界”を知っている人物ですから。
 今回は「壁」となって創真と恵の前に立ち塞がった彼ですが、もしまた出会えるならば、今度は彼らの成長を促す立場になってくれそうです。
 乾は四宮とセットにすると面白さ倍増になるので、おまけとして(笑)。





 前半を飾り、この第4巻のメインでもあった四宮編。
 この章の「裏の主役」が四宮ならば、「正当な主役」は恵でした。

 本当は確かな実力者であったにも関わらず、精神面が原因で周囲から「落ちこぼれ」と見られていた恵。
 第2巻収録の第14話【恵の庭】で明かされたその事実を踏まえつつ、創真の支えを受けながらも「自分らしい料理」と向き合った彼女。
 重圧、緊張、劣等感。
 そういった“自分を縛り付けていたもの”から解き放たれ、自分に最も欠けていた「自信」を取り戻していく様は、四宮の過去描写と同じくらい感慨深いものがありました。

 そして実力を認められた恵は、堂島先輩から自分の料理の才に称号を授けられることに。
 それは「心遣い[ホスピタリティ]」。

 創真・えりな・恵といった、主要人物三名。
 彼らは、それぞれの才能に伴った「自分の料理」ヘのポリシーを持っています。

 創真は柔軟で自由な発想から、「無限の可能性」そして「失敗からの学習」。
 えりなはその[神の舌]と立場から、「完璧」と「高級」。

 どちらも“道”を極める上で大事な信条だと思います。

 ですが、彼らにとって、お互いのこの信条は見事に相反するものとなっているのですよね・・・。

 創真の料理の信条は「無限の可能性」。
 それはすなわちどんなに工夫を凝らした料理でも、必ずどこかに伸びしろがあるということ。100%は無いということです。
 そして、失敗もまた、己を成長させる大切な糧と思っている創真。

 対してえりなの料理の信条は「完璧」。それは100%ということ。
 逆に言えばそれ以上の可能性は無いということです。
 それは同時に「失敗」も認めないということを意味しています。
 そして「高級」もまた、親しみやすい庶民的な料理を基本とする創真の姿勢と対極するものに。

 
 それぞれの、料理への譲れぬ信念。
 この点もまた、創真とえりなの対照性を示す重要なポイントとなっています。

 そんな二人に対し、恵は食べる相手への思い遣りからの「心遣い[ホスピタリティ]」。
 創真とえりなの信条が“上”を目指すためのものなら、恵のこの信条は全ての“土台”となるもの。
 自分の料理を食べてくれる相手への気遣い、心配り。
 物作りの基本概念であり、私が料理、ひいては「食」において最も大切と考えているものです。
 恵の才能にこの名称が名付けられた時、私の中で恵の潜在能力の高さに確信が持てました。

 そしてこの「心遣い」は、さり気に創真も持ち合わせています。
 相反する信念を持つ創真とえりな。
 信念を共通する創真と恵。
 “料理”というこの作品の核を通して、ここにも三人の関係性が示されています。



 「自信」、「心遣い」と、非常に大きなものをこの四宮編で得た恵ですが、それと同じくらい、いえ、それ以上に印象的に描かれていたのが「創真との絆」。
 まず間違いなく、この四宮編が恵の創真に対する思いのターニングポイントと言えるでしょう。

 力を貸してくれて。
 心強く、温かく励ましてくれて。
 何より、自分でさえも信じられなかった「恵自身」を信じてくれた創真。

 そんな彼への大きな感謝は、これから後の展開における重要な伏線として張られることに。
 そしてこれ以降、恵の中で創真の存在が“特別”になりつつあるのを匂わせる描写が、度々見られるようになります。

 そんな二人の絆の象徴として、この四宮編で生まれたのが、「合掌パチン」のおまじない。
 「手」が陰なるキーポイントである今作において、この仕草は非常に大きな意味を持つものと考えています。
 合掌する手を挟み叩くこの行動。
 重なる手。
 創真&恵派な私としては、この「おまじない」を再び二人が交わす時がくるのを、心から待ち望んでいます。





 そして、この四宮編では主に補佐役に回りながらも、しっかりとその存在感を発揮していた創真はまさに「真の主役」といえましょう。
 四宮に最も強く反映されていた「附田マジック」ですが、それは創真も負けず劣らず。
 生意気なまでに自信満々かつ大胆不敵。
 それでありながら飄々としていてマイペースなため、掴みどころがあまり無い。
 そんなこれまでの異端的主人公像から一転。
 前巻にて彼の内面が色々と明かされましたが、それはまだ序の口だったことを思い知らされます。

 特筆すべきはその優しさ。
 徹底して相手を思い遣るその姿勢は、優しすぎると言っても過言ではありません。
 それだけではなく、面倒見が良く、非常に頼り甲斐があり。
 その上誠実な漢気も持ち合わせているという。
 少年漫画の主人公像として超正統派な内面が、「もう一つの実力」と共に明かされることに。

 内面的キャラクターが露呈され、一気に魅力が高まった創真。
 ですが。

 それと同時に見えてしまったのが

 彼の「危うさ」。

 本当はいつだって本気なこと。
 非常に負けず嫌いでプライドが高いこと。
 真っ直ぐな強い意志をもっていること。

 これまで、その表面的性格から自分本位な子と見られていたかもしれませんが。

 とんでもない。




この子

もの凄く

   自分に厳しい子です。



 四宮と共通する部分もある、彼のこの「危うさ」。
 ですが、かつての四宮が持っていなかったものによって、創真は救われます。
 それが「仲間達との絆」。
 創真が作り出す「絆」。それによってまた、彼自身も助けられる。
 この相互関係もまた、この巻で明るみに出た「少年漫画の王道の魅力」ですね。

 
 “痛み”を伴った危うさと共に明かされた、創真の内面。
 裏表が無い人柄にも関わらず、表面的性格と内面的性格の大きな違い。
 本当に、初めてです。
 これほど絶妙なキャラクターに出会ったのは。

 この四宮編を皮切りに、創真のイケメン度は底無しで深まり、格好良さは天井知らずで上昇していくことにvvv





 四宮編を通して、『食戟のソーマ』というこの作品の真髄が発揮されていた、第4巻。

 この四宮編にて最も感嘆させられたもの。
 その一つが上記で述べた、深いキャラクター描写。
 そしてもう一つが、徹底的に練りこまれた脚本(ストーリー)です。
 筆頭に挙げるべき点は、この章の中心人物であった四宮・恵・創真、その誰もがを落とさなかったということ。
 大抵の少年漫画は主人公に敵対する存在が現れた場合、「勧善懲悪」としてその敵対者は敗北、もしくは格が大幅に下がる傾向があります。
 ですが、その傾向を見事に打破し、敵対者を敗北させないどころかイメージアップにまで繋げています。
 それは、それぞれの背景、置かれた状況、心理描写を、誠実で公正な視点と考慮によって構築する巧みな技。
 キャラクター一人一人を大切にする作品に、駄作はありません。
 この四宮編で、脚本への信頼が揺るぎないものとなりました。

 

 この作品の核である「料理」。
 そこには「定番を外さない上での新しい工夫」という姿勢が常にあります。
 それは、この作品も、主人公も同じでした。
 「異端性の内にある真の王道性」。
 
 第3巻、そしてこの第4巻を通して、この『食戟のソーマ』という作品を理解出来たような気がします。



 これまでに無かった「深さ」や「巧みさ」が存分に味わえ、大変読み応えのある巻だったと思います。
 ごちそう様でした!!!





今巻のベストシーン
 81ページ
 温もり。



今巻のベストシーン
 120&121ページ・・・1コマ目
 そして、痛み。