少年ジャンプ2014年2号掲載。
掲載順第5位。
第51話 【魔女の食卓】
それぞれが存分に魅せていた調理も終了し、いよいよ審査へ!!
川島麗、扉絵をほぼ丸々使ってのご登場です(汗)。
この前(第40話)はクレーン車で頭上から登場。加えてスモークまで焚いていたし、ほんとこの子はあざといまでに目立ちたがり屋ですね。
ま、こういう時にしか出番無いからしゃあないか。
Bブロックの司会を務める川島麗。
ん?
でもそうなるとAブロックの方の司会進行は一体どうするのでしょう?
調理開始時間はA・Bブロック共に同時でしたから、審査も同時のはず。
Aブロックは司会無しで進めているのか、もしくは誰か代役を立てているのか…。
・・・えりなが司会してたらどうしましょ?(ありえないから)
ここで審査説明が。
審査員は5人。
持ち点は1人20点で、合計100点。
獲得点数の上位4名が本選出場に。
こういう“点数”による評価形式って、さりげに初めてですね。
授業評価はA~Eによる段階形式ですし、食戟は多数決制ですし。
“点数”という具体的な形で評価されることで、選抜メンバー達の実力やそれぞれの差が明確に分かることになりました。
ということは、同点ということも勿論ありえるわけですね。
まずは1人目の審査。
恰幅の良いおじさん審査員が「美味い」と笑顔で賞賛してくれます。
さすがに審査員を務めるだけあって、一口食べただけでスラスラと料理の分析・解説をしていますが・・・。
「アチャリームルギ」?
「チャート・マサラ」?
「チキンティッカ」?
???
・・・上等!(ニヤリ)
興味のある分野に関してはそれなりに探究心が湧く栗うさぎ。
調べてやろうじゃないですか!
アチャリームルギ・・・北インドを代表するカレーで、強い酸味が特徴。
使用される材料は鶏肉、カシューナッツ、ヨーグルト、トマトジュース、ホールのスパイス数種等。
チャート・マサラも欠かせない材料の一つに入る。
チャート・マサラ・・・「マサラ」は様々な香辛料を粉状にして混ぜ合わせたものを指す。いわゆるミックススパイス。
様々な種類があり、「ガラムマサラ」はそれらの基本的なものとされている。
「チャート・マサラ」はマンゴーパウダーにブラックソルト(岩塩)・クミン・クローブ・ミントの葉などをブレンドしたもの。
酸味が特徴で、数ある「マサラ」の中でも特に塩気が強いとされている。
一般的には生野菜等に少々振り掛けて食べるために用いられる。
チキンティッカ・・・インド料理の一種。
鶏肉をヨーグルトと香辛料に付け込んで焼いたものである。
タンドリーチキンと類似しているが、タンドリーチキンは一般的に骨付き肉であるのに対し、チキンティッカは骨はついていない。
・・・といったところでしょうかね。
あ~良い勉強になりました♪
次々と出る褒め言葉に、手応えを感じて笑むタラコくちびる君選手。
ですが・・・。
出された点数は、なんと33点。(※100点満点中)
審査時の反応から想像だにしていなかった低得点にタラコくちびる君選手が抗議しようとするものの、逆に押し黙らせられてしまいます。
どうやら相当に料理への評価がシビアな審査員達が揃っている模様。
「カレーの女王」の一人である千俵おりえを始め、先程大いに賞賛しながら評価は厳しかったおじさんは美食家『喜多修治』、他にも世間に大きな影響力を与える、食文化のエッセイスト『安東伸吾』と、この世の美食を食い尽くしたといわれるほどに舌の肥えた面々でした。
そんな手練れのプロが作る料理を毎日相手にしている審査員達から見れば、選手達の料理は所詮学生レベル。
50点いけば上等とまでいわれてしまいます。
次々と撃沈していく選手達。
審査員達を満足させる料理は出てこないのか…と思われたその時。
むわぁ・・・
強烈な悪臭発生。
その発生元は、貞塚ナオの料理「漆黒のラクサカレー」!!
見た目以上に匂いが強烈でしたか…(遠い目)。
その臭さは「ドブを10倍濃縮したような匂い」と比喩されるほど。
・・・う゛っ。(ダメッ想像しちゃ!)
そのあまりの臭さに、会場内は阿鼻叫喚。皆鼻をつまんで叫んだだけに。(ヲイ)
でもそんな悪臭の中、尚も実況を続ける川島麗にちょいと感心。
意外とプロ根性がある子なのかも。
いやあ~、それにしても葉山が別ブロックで良かったね。
でなきゃ人一倍鼻の良い彼のこと。
絶対失神してたことでしょう(苦笑)。
・・・・・まあ、そんな強烈な悪臭も「はははっ臭せーなあオイ」とか言って、笑って受け入れそうな男子が若干一名思い浮かぶのですが。
なんせ彼は悪食の申し子。
「漆黒のラクサカレー」。
ラクサとは、東南アジアのつるつるとした触感が特徴の麺のこと。
そしてその黒さはイカスミから。
そして最大の問題・・・もとい特徴であるその臭さは、「くさや」を使用したため!
くさやかあ・・・。
シュールストレミングやドリアンなど、世界には臭い食べ物が結構ありますが、くさやはまさにそんな食べ物の日本代表といえる代物です。
(※シュールストレミング・・・主にスウェーデンで食べられている、塩漬けにしたニシンを缶の中で発酵させた缶詰食品。「世界一臭い食べ物」と評され、その臭さは腐った魚、又は生ゴミを炎天下の下で長期間放置したような匂いと例えられ、機械によって計測した場合、その臭気はくさやの6倍以上。)
(※ドリアン・・・東南アジアを原産地とする果物。外皮は硬い棘で覆われ、内部は白く柔らかいが玉ねぎの腐敗臭のような強烈な匂いを放つ。その反面、味はクリームチーズのような濃厚な甘味を持ち、「果物の王様」とも云われている。)
臭い臭いとは聞いていたものの、「軽く焼くだけで近所中から苦情が来る」ほどのものとは・・・(滝汗)。
審査員はもとより、選手達も聴衆達もその臭さに悶絶する中、「備えあれば憂いなし」ということで事無きを得たアリス。
・・・ってどんな備えやねん!!
最新の防毒マスクて!
わ~どんどんアリスがいいキャラになっていってるわ~。
常識破りな臭さに喜多修治は、とても食べられたものではないと却下しようとしますが・・・。
審査員を請け負った以上その責任を果たすのみと、おりえは箸を持ちます。
おおおなんという度胸!!なんという勇気!!
私だったらえずきまくってとても食べられない。
最初は単純に甘え系女王様と思っていたのですが…。人の上に立っている人物だけあり、きちんとした責任感や真面目さを備えている人だったのですね。
ああ、この見た目だけで判断しない思慮深さと度量。どっかのお嬢様にも見習ってもらいたい。
この行動だけで、私の中のおりえの株がぐっと上がりました。
ていうか、おりえさん、回を重ねるごとに美人になっていってるような気がするのは気のせい?
むわあああ
ああでもやっぱりその臭さに心の中ではドン引きのおりえさん。
「えぐみのある酸っぱさと生臭さが混じり合って・・・掃除してないトイレみたいな臭い・・・」
・・・う゛ぐっ。
やめて具体的に表現しないでーーー!!!
マジでえずいちゃうからいやホント。
いざ、意を決して麺をすするおりえ。
会場の全員が、固唾を呑んで見守ります。
ああ、きっとこの時全員「死んじゃったらどうしよう」と思ってたんだろうなあ・・・(苦笑)。
ところが。
その反応は意外や意外。
「お・・・おいしい・・・?」
え゛~~~~~!?
おいしい、けど臭い。臭い、けどおいしいと食べるのが止まらないおりえ。
なんとくさやが、魚で出汁をとるラクサ料理独特のおいしさをより強化しているとのこと。
あ、ちなみにここでも「カピ」とかいう専門用語が出てるけど、「海老の発酵調味料」って説明だけでもう充分ですよね?(←途中放棄)
そんなおりえの反応を見て、喜多や安東らも口にしたところ、やはり美味しいと興奮。
「この臭いが逆に良ぉなってくる・・・」と、ついさっきまで否定しまくってた臭さまで受け入れ始めました。
え~っと、これはつまり、例えるならニンニクのようなものなのでしょうね。
臭いけど、これがまた慣れると美味しいっていうね。
ここで貞塚ナオのこれまでの実績が説明されます。
煮込み料理を得意とし、干物や乾物といったクセの強い料理にも造詣が深い
そんな彼女は“鍋の前の魔女(ボイリング・ウィッチ)”という異名で恐れられていた―――
でた、二つ名。
少年漫画の定番に漏れず、この作品も二つ名を持つキャラが結構いますよね~。
とりあえずざっと挙げてみると
えりな:氷の女王・神の舌
郁魅:ミートマスター
日向子:霧の女帝
四宮:レギュムの魔術師
叡山:錬金術師(アルキミスタ)
城一郎:修羅
恵:東北の跳び兎
・・・ん?(笑)
創真もいつか二つ名が付けられる時が来るのかな~。
でも彼の二つ名は第一話が始まった時から決まってますけどね。(^^)
「小綺麗に気取っただけの料理には真の美学は宿らないわ おぞましさの先にこそ美食の神髄はあるのよ・・・!!」
貞塚のこの言葉。確かに一理ありです。
先程述べたような匂いや外見がグロテスクな食材や料理が、意外と根強いファンを持っていたり、高級な珍味として重宝されていたりするのですよね。
こういう風に自分の信念をきちんと持っている人物には、一定の敬意が抱けます。(他者の考えを一方的に否定しない上でですが)
もはや止まらず麺を啜り続ける審査員達。
・・・あ、この流れは・・・。
来るな。
出た。
私が週刊感想を書き始めてから、最初となる「アレ系」リアクション。
一年以上もこの作品に付き合っているので、さすがにもう抵抗感はありませんけどね。
まあ、正確には慣れたっつーか、悟りを開いたっつーか(苦笑)。
臭いけども美味しい。嫌だけど拒めない。
それを「堕落」という形にし、鎖による拘束と漆黒の鍋に落とされるという描写で表現したのですね。
・・・と、真面目に分析してみる(笑)。
そんなおりえ達が下した判定は・・・。
暫定1位の84点!!
50点のラインを余裕でぶっちぎる高得点を出してきました!
いつかこのカレーをえりなにも食べてもらいたい・・・と言う貞塚。
悪いけど・・・
それはない。
未来永劫。
絶対に。
もし口にするならば、それはえりなが死んだ時。(←そこまで言う)
そして、場内の換気をしつつ(笑)、審査は次の選手へ。
次に控えていたのは・・・えりなの秘書!
うわあ、なんとも読者に親切な順番だこと・・・!(笑)
貞塚がこの選抜で最も敵視していた秘書の子が、自分のすぐ後とは。
これで貞塚と秘書との一騎打ちともいえる展開となったわけですが、この秘書から漂う風格…こりゃ貞塚の敗北は濃厚そうですね(苦笑)。
今回審査員達があれほどド派手なリアクションを取っていたことから、次回は貞塚が秘書の料理によってリアクションを取らされそうです。
ちなみにラストの煽り文には「エリナの秘書(未だ名前不詳) その実力や、いかに―――!!!」とありますが・・・。
次回こそは明かしてくださいね附田センセ―!
いよいよ審査に入った今回。
まずはBブロックの模様からですか。
まあ、お楽しみ(主人公)は最後にとっておいた方が良いよね(笑)。
注目選手であるアリス・タクミ・イサミ・北条・貞塚・えりなの秘書・吉野・恵らの前に、他の選手達の審査の様子が入ることで、予選とはいえいかにこの「秋の選抜」に高いレベルが求められるかということが示唆されました。
そうやって審査員の難攻さを描いた上で最初に審査された注目選手が、貞塚ナオ。
凄まじく臭いという、「見た目」以上に「匂い」という面で強烈なインパクトを与えてきた彼女の料理。
ですが、その一見マイナスとしか言えない部分を独特の個性、美味しさへと結びつけた技術説明には素直に感心させられました。
彼女独自の美学、得意分野を活かしたその姿勢は評価に充分値するものだったと思います。
一般生徒に引かれていた50点というボーダーライン。
それを易々と超えたことで、彼女が一般生徒を遥かに超えた実力者だというのも示され、良い話の流れでした。
その一方で気になったのが、専門的な料理用語が随分と出てきたこと。
それだけ「カレー料理」というものは相当に奥深い料理ということでもあるのでしょう。
私としてはこういう専門用語が入ることは勉強にもなるので歓迎ですが、人によっては少々理解し辛いものがあるかもしれませんね。
でもそんな理屈云々をすっ飛ばす「勢い」で読めるのが、この『食戟のソーマ』という料理漫画の良い所です。
とりあえず、これからも専門用語が出てきたら分かる範囲内で解説していきたいと思います。
この度貞塚が出した84点という点数。
これが、これから登場する注目選手達の新たな基準点となりました。
これ以上の得点がどんどん出てくるであろうことはほぼ明白ではありますが、注目すべきはこの点数を基準に誰がどれだけの差で評価されるかということです。
まずは、いよいよ満を持しての登場となったえりなの秘書。
これまでその調理スタイルは全く明かされていなかった分、期待も高まります。
えりなが認める程の料理人である秘書。
その料理とは、果たして。
遂に創真が一コマも登場しなくなっちゃった・・・。
我慢した分、次の登場時には物凄く魅せてくれるだろうとは分かってるんだけど・・・。
・・・やっぱりちょっと寂しいな。(><。)