あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』単行本第1巻感想

2013-09-28 19:00:29 | 単行本感想

 それでは『食戟のソーマ』の単行本感想、張り切って語らせて頂きましょう!

 記念すべきこの第1巻は、2013年4月4日に発売されました。
 掲載されている内容は、第1話【果て無き荒野】~第5話【その料理人は笑わない】までの五話を収録。
 『少年ジャンプNEXT!』2012年SPRING号に掲載された「読み切り版」も特別枠として掲載されています。 
 おまけに巻末には、描き下ろしの番外編『倉瀬さんの日記』も。


 この1巻は、主人公である『幸平創真』が本作の舞台となる遠月茶寮料理学校に入学し、最初の授業を受けるまでの、いわば“序章”。
 創真の基本的キャラクターと彼の目標、そんな創真が編入することになる遠月茶寮料理学校とは如何なる所か、そしてメインヒロインである『薙切えりな』『田所恵』との出会いという、この作品の根幹でありベースとなるものが描かれています。

 この単行本感想では、前半は単行本の個々の感想(表紙やおまけ漫画等)について、後半はこの作品または単行本全体の感想や考察を述べていきたいと思います。



≪表紙≫
 第1巻ということで、表紙を飾るのは勿論主人公創真!!
 場所は彼の実家である「お食事処 ゆきひら」。
 そこでの日常の一場面的なイラストですね。
 作中に出てきた料理「なんちゃってローストポーク」を差し出す創真。その後ろにはクラスメイトで幼馴染の『倉瀬真由美』ちゃん。最奥には創真の父親『幸平城一郎』氏も、後姿だけですが描かれています。
 この幸平創真くん、本編中の白黒描写では黒がベースですが、カラーになると赤髪に金眼(黄眼とは意地でも言わねえ)という、なかなか華やかなカラーリングの子なのですね。 
 作画の綺麗さが高く評価されている本作。
 そんな作画の魅力をも引き出せる主人公に思えました。



≪附田先生コメント≫

 附田祐斗先生は、この漫画の原作を担当なさっているお方。
 お話を作るにあたって、料理人の自伝を読むようになられたという附田先生。
 ふと思ったのですが、創真のモデルになった人物とかっておられるのでしょうか?
 私個人の勝手な意見を言わせてもらえば、創真は道場〇三郎先生のイメージですね。
 これまでの“常識”にとらわれない、料理界の異端児。
 飽くなき好奇心とチャレンジ精神で料理に向き合う、感性の人。
 そんなイメージがピタリと創真と重なるのです。 



≪中表紙≫

 中表紙には包丁を構えて決めポーズの創真くん。
 どうやら中表紙には、表紙に取り上げられた人物が描かれる模様ですね。
 創真が手にしている包丁に映り込んでいるのは、この巻のナンバーと代表する話のサブタイトル。
 この第1巻では第1話の【果て無き荒野】が。
 まさに第1巻に、何より創真に相応しいタイトルですね。
 この創真くんの不敵に挑戦的な表情。
 大好きです。



≪特別付録≫

 単行本独自の特典として、作中で出てきた料理のレシピが実用的に応用されて紹介されています。
 この巻では130ページに、第3話で登場の「ゆきひら流ふりかけごはん」が掲載。
 作品中では手羽先は取り除いた形で提供されていますが、ここでは手羽先も一緒に食べる形にアレンジされていますね。
 うんうん、食べられる部分は無駄なく使う。これはとても大事なことですもの。 



≪読切版「食戟のソーマ」≫

 連載版『食戟のソーマ』のプロトタイプといえるこの作品。
 話はというと、料理指南の最高責任者(いわゆる先生)である薙切えりなに編入生の幸平創真が侮辱発言をしたことによって、えりなは勿論のこと周囲の怒りも買い、発言の許しと自身の退学を懸けてえりなの側近と食戟を行うといった内容。
 連載版では主人公創真を中心にして話が展開されていきますが、この読切版ではえりなの視点を中心に話が進んでいきます。
 ここでは読み切り版と連載版との違いを挙げていきましょう。

 まず創真についてですが、まず言いたいのは老けてる!(核爆)
 眉毛がやや太めなせいか、それとも輪郭がやや角ばっているせいか、高校生というより大学生くらいに見えてしまいます。
 性格の方も、父親という上の存在がいないため、連載版創真に輪をかけてマイペースで、輪をかけて無敵(笑)。
 そんな読切版創真と比べると、連載版創真は「少年」っぽさが外見的にも性格的にも付加されていますね。
 喜怒哀楽の感情表現が豊かになり、料理と関係ない日常風景では年相応の少年らしく振舞う様子が2巻目以降から見られます。
 髪型も、少年漫画の主人公の王道ヘアースタイルである、ツンツン頭に(笑)。
 調理の際の服装に関しても、読切版創真の方は和食料理人といった感じの服装でしたが、連載版創真は店名入りのTシャツと、カジュアルな感じに変化しています。実際連載版の方が、和食も洋食も分け隔てなく作るという創真のスタンスに合っていますね。
 左眉にある傷は新旧とも共通ですが、読切版では連載版と違って額に巻く手ぬぐいを腕に巻いていない、「お粗末!」という締め言葉を言っていないなどの違いも。
 あ、でもゲソと七輪、そして強烈な新作料理は相変わらずですね(笑)。

 ちなみに読切版を執筆なされた当時、佐伯先生はまだ男性の体格を描き慣れていなかったのでしょうか。創真の下っ腹が少々出ている(爆死)ように見える描写が時々見受けられました。
 そんな新旧創真の描写の違いは、78ページの「作る品は何でもいいの?」と聞く創真くんと、173ページの「いいよ戦ろうか」と言っている創真くんとを見比べると分かりやすいかと。
 やはり連載版の方が、体格、顔つき共により格好良くなってますね♪
 それと、150ページの互いを「?」と見ている新旧創真くん達は、なんだか兄弟みたいでほっこりしましたv

 次にえりなについてですが、創真に対してえりなの方は外見上の変化はさほど見受けられません。
 それでもよく見れば、髪型が両サイド部分が垂れている等の変更が加えられています。
 あとは制服も多少ですが、リボンとハイソックスが変わっていますね。
 性格も新旧全く変わらずで、高飛車でエリート意識の強い、高慢なツンデレ娘のままです。
 強いて言えば読切版の方が連載版よりもよく「動いている」感じですね。
 大きく変更されたのはむしろ設定の方。
 設定は変わっていない創真に対して、読切版のえりなは料理指南の最高責任者という事実上学園のトップという立場だったのが、連載版では『遠月十傑』の第十席(末席)に在する生徒に変更という、いわば格下げに。
 ですが、これは中々興味深い変更かと。
 だって頂上に居たら、あとは見下ろすことしか出来ませんもの。
 “料理の頂”の頂上から中腹に彼女の立ち位置を移動させたことで、これから上ることも下ることも出来るという、彼女の動きに大きく幅が利かせられるようになったと思います。

 そんなえりなですが、189ページの「賑やかで鮮やかな味わい・・・!」と感想を述べている様子は大変可愛らしいですね。
 朗らかな笑顔と清楚な服という、作中で全く見られないその姿は新鮮さも相まって結構印象に残りました。
 これで性格も良かったらねえ・・・。 
 つくづく残念な子です。

 その他については、『遠月十傑』の設定も変更されてましたね。
 読切版では「イタリアン部門」等、各料理部門の首席生徒達によって構成された委員会でしたが、連載版では学内評価上位10名の生徒達によるものに。
 これもまた、一つの枠に縛られない形になっていて、より自由度が増したと思います。
 そんな『遠月十傑』の一人として、読切版では「ジュリオ・ロッシ・早乙女」というキャラが登場していましたが、少々ツッコまさせて頂いて宜しいでしょうか。
 彼ホントに高校生ですか?
 ゴツいわムサいわ五月蠅いわで、 単なるえりな信者のマッチョさんにしか見えませんでした。
 「フライ返しの“輪舞曲”」なんて、派手な動きの割にはただオムレツ返しただけじゃんと思いましたし。
 まあ読切りでしたから、インパクトのみ重視のキャラに落ち付かせたのは仕方ありませんけども。
 176ページに彼を含む十傑メンバー達がシルエットで登場していましたが、連載版では「高校生」という常識の範囲内でのキャラクターに改正されていることを切に祈ります。 
 左端の巨漢と、右端の帽子小僧なんて、これで「高校生です」と言ってきたら「嘘つけーーー!!!」と全力でツッコませて頂きますよ。 

 最後に、この話全体について。
 この読切版では創真とえりなの出会いと衝突が描かれていますが、連載版でも設定や状況の違い等あれども、根本的には読切版に沿ったものとなっています。
 ですが。
 読切版のラストシーンでえりなは創真に、自分こそが料理の究極だと証明してみせると宣言してますが、連載版ではこれが逆になり、創真の方がえりなに自分の料理を認めさせると宣言しています。
 ここもまた大きく興味を引かれる点ですね。
 読切りでは創真とえりなのやり取りはほとんどえりなの一本通行でしたが、連載版ではこの流れに運んだことで、創真の方もえりなの存在をある意味で気に留めることになりました。
 とはいっても、そこは流石の創真くんなので(笑)、えりなほど固執してはいないのですけども。

 そんな要所要所が連載版に巧みに組み込まれている読切版ですが、実は読んでみて気になったことが2つ。
 ひとつはえりなの料理に対しての、創真の意見。
 この発言が引き金になって食戟へと展開していくのですが、只今連載中の本編において、創真はいまだにえりなの料理を口にしていないのですよね・・・。(2013年9月現在/第40話まで)
 もしこの後創真がえりなの料理を食す機会があった場合、この読切版の流れが反映され、創真とえりな両者のぶつかり合いへと展開していきそうな予感が。
 もうひとつは、181ページ4コマ目のえりなの発言。
 ここではまだ詳しくは述べませんが、えりなが今以上に創真の存在を否定する時がいつか、でも必ず訪れるものと思われます。
 その時が訪れた際、えりなは創真の料理人としての未来を懸けて勝負を挑んでくるのではないでしょうか。
 勿論その時が訪れるまで、創真とえりなの間にどんな紆余曲折があるかは分かりませんがね。

 とまあそんなこんなで、読切りとはちょっと思えないほどの完成度に仕上げられた、中々に読み応えのある読切版『食戟のソーマ』でした。



≪番外編 倉瀬さんの日記≫

 本編の補足ともいえるおまけ漫画が、単行本の最後に掲載されています。
 こういう点が単行本ならではのお楽しみですよね♪
 ここで主役に挙げられているのは、倉瀬真由美ちゃん。
 初めて第1話を読んだ時、初見で「ああ、この子がヒロインなんだな」と思っていたのですが、それ以降出番無しとなり、加えて名前も分からず仕舞いになってしまうとは夢にも思わず。
 そんな色々と不憫な子(苦笑)でしたが、ここでようやく名前共々少しだけスポットが当たってくれましたね。
 肝心の内容ですが、本編第1話の裏側が、真由美ちゃんの視点から見た創真の姿と並行して語られています。
 ここで創真と真由美ちゃんが、幼稚園からの付き合いという筋金入りの幼馴染だったことが判明。
 そして、創真くんは昔から「創真」くんだったということも(笑)。
 真由美ちゃんの回想に幼い頃の創真くんが登場しておりますが、彼の左眉の傷は、小学生の時に付いたのですね。
 同い年でありながら、既に自分の道を決めて真っ直ぐに歩んでいる創真を純粋に尊敬してくれている真由美ちゃん。良い子です。
 数分後惨劇が起きることになりますが(合掌)。
 最後に明かされる、誰にも語られることは無かった創真への積年の想い。
 本当にこれだけでも、このままお役御免となってしまうのは勿体無い子ですよね・・・。
 何より、創真のあの新作料理がちょっとだけ気持ち良いと思えるのは、ヒロインとして大変相応しいかと(笑)。



≪佐伯先生コメント≫

 この漫画の作画の方を担当なされている佐伯俊先生。  
 「原作(=脚本)」は附田先生、「作画」は佐伯先生、となると、漫画の設計図である「ネーム」は一体どちらが担当なさっておられるのでしょうか?
 この作品の演出・構図にはとても感嘆しているので、結構気になってます。
 ※後日談:ネームは附田先生が作成なされているとのこと。
        ですが、肝である食事のシーン(=リアクションシーン)はイメージを伝えた上で佐伯先生にお任せしているそうです。



                                                                           



 単行本単体の感想が終わったところで、次はこの『食戟のソーマ』を全体的に見ての感想を述べさせて頂きたいと思います。


 連載開始当初、作画の綺麗さ、そして何より食後のリアクションに大きな注目が集まったこの作品。
 勿論私もその一人でした。悪い意味で(苦笑)。
 そのせいもあり、正直この作品は丼研編までほとんど読み飛ばしてしまっていました。
 そんな私がどうしてこの作品をこれほど好きになったのか、それは。
 単行本第2巻に収録されている第12話のラストページ。
 不敵な笑みを浮かべる創真。
 そんな彼に惹かれたのが全ての始まりです。


 よって、私もこの作品が好きになったきっかけは作画の綺麗さによるものといえますね。
 ですが、ちゃんと読んでいくうちにその「画力」よりも感嘆させられることになったのが、「演出」です。
 脚本、作画、演出、キャラクター等、“作品”を形作る要素は数多くありますが、私が一番重視しているのが演出。
 演出、それすなわち「魅せ方」。
 この『食戟のソーマ』という作品はとにかくその「魅せ方」が秀逸!!
 分かりやすくもテンポの良い展開の仕方、キメる所、抑える所のメリハリの素晴らしさ。
 特に私が感服させられた演出表現が、「体の一部分だけで魅せること」。
 口元だけ、背中だけを読者に見せ、表情全体は見せないという手法。
 特に用いられているのは「眼だけは見せない」というやり方ですね。
 眼は時に口以上に語る部位。
 この演出によって、“余白”や“溜め”が生まれ、私達読者はその“余白”をキャラクターの全体の表情やその時の心情として“予想”し、“推測”することによって、そのキャラクターの深い読みへと繋がっていくわけです。
 ちなみに、逆もまた然り。
 この作品の「眼力」には言葉を失うほどに圧倒されました。 
 この「眼だけは見せない」という演出。一見簡単なものに思えるかもしれません。
 ですが、実際は少しでも使い方を誤れば、キャラクターに“魂”を感じられなくさせる、作品自体を冷たい無機質なものにさせてしまうという、大変危険な効果も併せ持っています。
 それを一切感じさせることなく、完璧にプラスとして用いている作者の実力には、本当に舌を巻くばかりです。

 次にこの作品の魅力について語りたいのは「作画」。
 これはもはや言わずもがなといったところですがね(笑)。
 もう綺麗というか、美麗というか、秀麗というか。
 個性のある絵柄とはいえませんが、その分老若男女問わず受け入れられる絵柄ともいえましょう。
 キャラクターの喜怒哀楽は勿論、心の動きに伴う繊細な表情の変化等も大変見事に描かれていますし、服や料理といった小道具の描写もバッチリ。キャラクターの体の動きも軸がしっかりしていて、基礎力の高さも充分に窺えます。
 そんな魅力溢れるキャラクターの表情ですが、それと同じくらい私が惹かれたものがあります。
 それは、「手」。
 絵画にとってそこは人体の中で最も描くのが難しい部分。
 そして。
 料理人にとって命と同等に大切な部分。
 現実の料理人の手というものは、切り傷や火傷、あかぎれやタコなど、色々なものが刻み込まれているものです。決して「キレイ」な手ではありません。
 ですが、往々にして描かれる手はため息が出るぐらい綺麗だったり、気圧されるぐらい“力”を感じられたりと、キャラクターの顔と同じくらい“表情”が強く感じ取れます。
 これまでにも他作品で手の描写に惹かれた機会はありましたが、これほど常に惹きこまれるのは初めて。
 それだけ作者の方々が、料理漫画における手の重要性を深く理解して下さっているのでしょう。
 料理を創るには必要不可欠の
 実際この単行本の中表紙でも、手が前面に強調されていますものね。



 それでは最後に、この作品の主人公である『幸平創真』について。
 といっても、この単行本感想を書くにあたって一番語りたかったのが彼の事なのですがね(笑)。
 私が抱いた彼の第一印象は
 「なんとま~~~大した子だこと」
 これに尽きます、もう全ての意味で(笑)。
 この創真って子、本当に今日び珍しいタイプの子ですよね。
 とにもかくにも自信満々。大胆不敵。遠慮や謙遜なんてものは微塵も無し。とどめとばかりにめっちゃマイペース。
 彼の半分は挑発で出来ているのではとちょっと本気で思えるぐらい、天然に、無自覚に周囲の反感と怒りを煽るその様に、見てるこっちはしょっちゅうハラハラさせられます。
 話題を集めたあの料理のリアクションに負けていないキャラクター、もはやそうとしか言いようがありません(笑)。

 そんなある種問題児とも云え、やや共感しにくいだろう性格をした創真。
 既に述べてある通り、外見から彼に惹かれた私ですが、彼の内面で私が彼に最初に惹かれたもの、それは。
 “料理人”としての心構え。
 実は私も「食を提供する」ことを生業とする人間だったりします。
 なので、度々語られる彼の料理人としての信念や考え方にはいつもハッとさせられてばかり。
 本物の“料理人”として、そして“プロ”としての彼の姿勢に、素直に尊敬させられ、そして憧れます。
 料理を相手に出す際、創真が必ず言う「おあがりよ」「お粗末!」という決め台詞。
 彼らしい言い回しになっていますが、これらは「料理を提供する側」としての礼儀に沿った言葉。
 こういうところもまた、彼の確固とした“料理人”としての姿勢が感じられて好感が持てます。
 “真[まこと]”を“創る[つくる]”。
 まさにその名前に相応しい人物といえましょう。

 そして彼のブレなさ。
 「退かない」「媚びない」「臆さない」
 この三大基盤を創真はとにかく徹底して貫いてますよね。
 最初のうちは彼のこういった点は傍若無人なものとして見えるかもしれませんが、読み続けていくうちにそれが次第に爽快なものへと変わっていくのですからあら不思議。
 始めから無敵感バリバリな創真ですが、だからといって彼が「天才型」かといえば決してそうではなく、その実力は長年の現場経験を経て培ってきたものであり、彼はむしろ「努力型」といえます。
 自信過剰ともとられそうな彼の高い自信とプライドにも、そうしたきちんとした説得力が付随しているため、それらがとても澄んだものであるのが次第に分かってくるのですよね。
 初見では反感を抱くかもしれませんが、知れば知るほど好感が持てる子。
 そんな人物だと思います、創真という子は。

 創真の特徴は左眉にある傷。
 そしてもう一つは、左手首に巻いてある手ぬぐい。
 ここ一番といった際には、創真はこの手ぬぐいを額に巻いて調理に挑みます。
 この「手ぬぐいを額に巻く」という行為、結構多くの意味合いがありますよね。
 ひとつは「衛生上」。これは至極尤もなこと。
 ふたつめは「気合の充填」。いわば鉢巻きのような役割。これは少年漫画において結構大事。
 そしてみっつめ。これが漫画という、視覚を必要とするものにおいて一番重要なことと思います。
 それは「絵面が映える!」(爆)
 マントや旗が良い例ですが、「はためく物」があると、それだけでかなり画面が華やかになるんですよね~。
 おまけに巻く時だけでなく、解く時も大きく魅せてくれるという。
 一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなる、まさにスペシャルアイテムです。
 そんな手ぬぐいですが、左眉の傷と共に、その「由縁」が明かされる時がいつか訪れるのでしょうね。
 その際には果たしてどんなエピソードが紡がれるのか、今から期待しています。

 
 周囲の学生達とは違い、1人だけ中学からの学生服(学ラン)を着用している創真。
 これもまた彼の「異端性」を示すものとなっていますね。
 英才教育を受けてきた料理業界のサラブレッド達が集う中での、たった1人の外部からの編入生。
 エリート意識が高い風潮に真っ向から対立する創真の特異さを、彼だけ違う服装にすることによって表しています。
 実際、創真はブレザーよりも学ランの方が似合ってるし(笑)。

 
そして創真がその制服の下に着ているのが、実家である「お食事処 ゆきひら」のTシャツ。
 料理の際は当然のこと、通学中もプライベートな時でも着ていますが、寝る時まで着ているのにはさすがに驚かされました(笑)。
 その店員服を常に着ていることから、創真にとって「お食事処 ゆきひら」はとても大切な存在なのだということが窺えます。
 そしてこの事は、自分が「お食事処 ゆきひら」の店員だということの誇りにも繋がっているのでしょう。


 彼の武器は型に嵌らない、自由な発想による料理。
 その料理の腕をもって、立ちはだかる敵を痛快に倒していきます。
 そしてその料理以上に強力なのがその「お口」(笑)。
 倒すべき敵に対して、その料理で屈服させ、そのお口で容赦無く攻める。
 そんな彼の発言スタイルを、私は「言葉責め」ならぬ「言葉攻め」と命名(爆)。
 この作品において、彼に口で勝てる相手はいないと本気で思っています。
 
 そんな創真の料理の腕前と口の達者さは、いうなればフィジカル的な武器。
 では彼のメンタル的な武器はというと、純粋なポジティブさと屈強なタフネスさ。
 
失敗を「非」としない。むしろそれさえも受け入れ、自分の糧とする。
 角ばった形式や偏見に全く囚われない、真っ直ぐな物の見方。
 権力等に絶対動かされない、自我の強さ。
 それでありながら
軟な考え方や発想力も併せ持っているという。
 それは料理だけに留まらず、周囲の物事に対しても。
 フィジカル的なものよりも、創真のこのメンタル的なものこそが彼の最大にして最強の武器と言えましょう。

 第一話の冒頭から語られ、大きな印象を与えた彼の壮絶に不味い失敗作。
 これを他人にも食べさせるのが創真の最大の悪癖といわれてますが、この事も上記の理由に裏付けられているのですよね。
 料理への偏った先入観を持たないからこそ、明らかに合わないであろう食材の組み合わせにも挑戦する。
 失敗を否定しないからこそ、「不味さ」も「美味しさ」と同様にひとつの“味”として受け入れている。
 
だから他人にも喜んで失敗作を勧めるのでしょう。
 その“味”を知って欲しいから。
 本当に、本当に創真は心から料理が好きな子なのですね。

 飄々としてるのに熱血漢で、至ってマイペースなのに常識人的な部分もあったり。
 プライドが非常に高いけど、人の話はきちんと聞く素直な子でもあったり。
 大人顔負けのプロの料理人でもあれば、普通の少年でもあったり。
 見ててどうしようもなくハラハラさせられるのに、何故かとても安心も出来るという。
 物凄く絶妙な子です、創真は。
 しかもそれでいてキャラクターが全く破綻していないという。
 まったくもって、附田先生は大した主人公を生み出してくださったものです。
 創真への褒め言葉は無尽蔵に出てきますが、一言でいうならばかっこい!!!
 
これに尽きます。


 彼はまさに「荒野」そのもの。
 それは第一話のサブタイトルにして、最初に語られている通り。
 湿り気の無いカラッと乾いた世界。
 時に嵐が巻き起こる。
 無限に広がる大地。

 とんでもない大器を感じさせる主人公、幸平創真。
 そんな彼の成長と活躍を、最後まで見守っていきたいと思います!!!


 とにもかくにも、これからが大いに期待できる『食戟のソーマ』第1巻。
 どうもごちそう様でした!!



≪今巻のベストシーン≫
 126ページ ・・・ 1&2コマ目
 
この宣告が全ての始まり☆



≪今巻の“裏”ベストシーン≫

 119ページ ・・・ 12コマ目
 「女王」の顔がブッ壊れた瞬間(爆笑)


やったぜ東京!!!

2013-09-08 11:13:53 | 日記

 決定しましたね!!


 2020年夏季オリンピックの開催都市が東京に!!!


 まあ、リアルタイムでは、私は完全に夢の中でしたけど(爆)。

 都やスポーツ界、国や政財界など各々の方々が連携して、見事勝ち取った今回の結果。
 招致活動に勤しんでくださった方々、頑張ってくださいましたね。本当にありがとうございました・・・!

 さあ、これから7年後の開催に向けて、国を挙げて、世界の方々を迎える準備をしなくてはいけませんね。
 今回残念な結果になってしまったマドリードやイスタンブールの方々に、「東京で良かった」と心から認めてもらうためにも・・・!

 今こうしてブログを書いている最中も、テレビではずっとオリンピックの開催地決定の関連報道が続いています。
 最終プレゼンテーションにおいての滝川クリステルさんの「お も て な し」の言葉、とても共感出来ました。
 思えば日本は大きな挫折に遭った時、いつもスポーツによって活力と元気を貰っていました。
 今回もまた、日本に大きな力を与えてくれることでしょう!
 

 さて、そんな興奮も冷めやらぬ中、今晩はその2020年夏季オリンピックの実地競技の投票が行われますね。
 投票対象はレスリングと野球・ソフトボール、そしてスカッシュの3種目。
 既にレスリングが存続確実と言われていますが、最後まで何が起こるか分からないのが現実というもの。
 個人的にはレスリングか野球・ソフトボールが存続されて欲しいとは思っていますが、各種目の関係者の方々には最後まで頑張って、自分達の競技の魅力をアピールしてもらいたいです。


いよいよ始動・・・!!

2013-09-07 19:00:03 | 食戟のソーマ

 5月から約4ヶ月もの長きに続いたディズニー旅行記も、やっと(ホントにやっと!)書き切りました。

 さあ・・・(ニヤリ)。

 いよいよ始めたいと思います。

 

 『食戟のソーマ』の感想&考察を!!

 

 本当は第一話から地道に書いていきたいところなのですが、ジャンプ本誌に永久に追いつかないと思うのでまずは単行本の方の感想から述べていきたいと思います。
 先日単行本4巻も買ったしね!

 とりあえず単行本の方では、頭を極力冷やした上での全体的な感想、加えて作品もしくは各キャラクター毎の考察等を。
 単行本感想が落ち着いたら、各お話を心のあるがままに述べていきたいと思います。(※アホ全開の感想になること間違いなしなので、閲覧の際にはどうかお気を付け下さいませ)

 勿論『ソーマ』の感想の間にも、日記や他作品の感想等も機会があれば書いていこうと思います。



 とりあえず、以前紹介した動画の製作者様が『ソーマ』の新作を発表なさったので、ご紹介をば。(ただ、残念ながら「You●ube」での閲覧は出来ませんでした/泣)
 ファンの間でも伝説級の話となった、第20話~第27話の総集編といった内容になっています。よって、単行本未読の方はネタバレにお気を付け下さい。
 ですが、前回から更に進化したものとなっておりますよ。(この方プロですか!?っていうぐらい!)
 一見の価値アリです!

 こちらからどうぞ(↓)
  【食戟のソーマ】 闇を暴け 【静止画MAD】

 本当にこれ、附田先生や佐伯先生がご覧になっても、喜んでくださる出来なのでは・・・!


東京ディズニーリゾート30周年記念旅行(9)

2013-09-06 22:01:14 | 旅行
 安らかな眠りから目が覚め、遂に今日は最終日。
 ここにきて職業病が出てしまったのか、6時前という、かなり早い時間に目が覚めてしまった栗うさぎ。

 折角なのでホテルのお庭を散策することに。
 外の天気は百点満点の大快晴!
 これで旅行中の3日間、パーフェクトを達成!!
 ああもうお天気の神様愛してる!!



 メインエントランスを出ると、正面には映画『ファンタジア』がイメージされた「ファンタジアコート」が。

       

 この噴水、映画の世界観が良く表現されていますよね。
 夜ライトアップされた様子も撮っておくべきだったなあ~。


 まずは「アリス・ガーデン」へ。
        
 ここは「ふしぎの国のアリス」をイメージしたやや小さめの庭園。
 でもトランプのハートやクラブなど、シンメトリーに配置された植木は綺麗に刈り込まれ、丁寧で可愛らしい雰囲気でした。
 私が訪れた時は早朝だったせいか花が蕾んでいましたが、太陽が高く上った頃にもう一度訪れた際は花開いておりました。

 
      
 あとひと月ほど経っていたら、バラが咲いてより素敵な雰囲気になっていたことでしょうね。


 次に訪れたのは、「シャーウッドガーデン」。
 ここはホテル宿泊者のみ入れるお庭。(入るにはお部屋のカードキーが必要です。)

     

 
     

     

 噴水が印象的な「シャーウッドガーデン」は美しく落ち着いた雰囲気で、小粋で可愛い感じの「アリス・ガーデン」とはまた違った趣。
 素敵な雰囲気に浸かりながら、のんびりお散歩しました。


 ホテルの中庭である「ミッキー&フレンズスクエア」にはミッキーやその仲間達の姿をした植栽(「トピアリー」と云うそうです)が。
  デイジーと。
  ドナルド。
  (見辛いけど)プルート。
  そしてグーフィー。

 ここで栗うさぎ、肝心のミッキー&ミニーは撮り忘れるという失態をかます(爆)。


 散策も終わり、昨日と同じく「ドリーマーズ・ラウンジ」で朝食を。
 今回は窓際の席に案内され、満足(笑)。
 ここの窓からの眺めも良かったですね~。


 そして、3日間お世話になったお部屋に別れを告げ、「マーセリンサロン」にてチェックアウト。
 うう、名残惜しいです。
 どうもお世話になりました・・・!



 こうしてランドホテルを後にし、ディズニーシーステーション内のコインロッカーに荷物を預け、最後にディズニーシーへ。



 昼過ぎにはここを出発しなければならなかったので、待ち時間が少なかった「アクアトピア」に。(なんと5分!)

 ラストに選んだのは、「ウ゛ェネツィアン・ゴンドラ」。
 

 ゴンドリエさんの案内によって、運河を一巡り。
 天気が天気だけに、とても快適。
 
 
 
 
 かねてより噂の「サンタ~~ルチィ~ア」な歌も、しかと聞かせてもらいました(笑)。
 他にもイタリア語の基本的な挨拶も。
 それではゴンドリエさ~ん、アルデベルチー(「さようなら、また会いましょう」という意味だそうです)。

 「マンマ・ビスコッティーズ・ベーカリー」にて、帰りの新幹線内で食べる昼食を購入しようとしましたが、どういうわけか食指が動かず。
 結局昼食は、東京駅内のお弁当屋さんで購入しました。



 そして別れを惜しみつつ、ディズニーシーを退園。帰宅の途に就きました。
 またねミッキー、ミニー!
 





 新幹線と電車に揺られ、無事に帰宅。
 その30分後、職場の会合へと出席したのでした。





 
 ちなみに自分へのお土産は、30年間のミッキーヒストリーのクリアファイルセットと、スプリングウ゛ォヤッジ版と30周年記念版のダッフィー&シェリーメイのぬいぐるみバッジを購入。
 特にスプリングウ゛ォヤッジ版は以前から可愛いな~と気になっていたので、ゲットできて嬉しいです。
 
 
 



 こうして今回の二泊三日のディズニー旅行は、大変な充実振りで終わりました。
 この旅行記の一番最初に述べたとおり、とにかくありえないほど幸運で!
 申し分ないお天気には恵まれるわ、ショーは勿体ないほどのベストスポットで鑑賞できるわ・・・!
 多分今年の思い出ベスト3に入る、そんな幸せ一杯の旅行でした。

 絶対また行きたいです!!

 っていうか、行きますよ(ニヤリ)。




 最後まで読んでくださって、誠にありがとうございました!!!