あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第67話感想

2014-04-26 20:55:00 | 食戟のソーマ


 週刊少年ジャンプ2014年21号掲載。
 掲載順第6位。
 第67話 【交錯する光と影】

 

 

 

 



















 今回は『静止画MADコンテスト』の結果発表ということで、センターカラー!!

 

 

 

 

(  ) ゜ ゜!?

 

 

か。


かかかかかかかかかかかかかかか

 

 

かっこいい・・・!!!!!











 うっわどうしよう。

 このイラスト、これまでのカラーイラストの中のベスト3入りになるぐらいストライクなんですけど・・・!!
 (ちなみに1位は第一話扉絵、2位は「新鮮力キャンペーン」記念ポスター☆)

 コンテストを反映したこのイラスト。
 「料理バトル漫画」ということから、これまでアナログ風なイラストが主でしたが、これは初のデジタル風。
 創真ヘッドホン似合うね~~~!!!(驚嘆)
 創真はワイルド系なルックスの子だから、当然と言われればそうだけど、まさかここまでハマるとは・・・!!
 この創真がね、色使いがいつもと違っていてクールなの。普段とはまた別の格好良さなの。

 そう、違うんですよ。

 ここで注目すべきなのが、この創真が見ているパソコン画面に映っている創真達。
 彼らの方が、普段の色使いになってるんですよね。 
 
 スマホ画面に映る“料理人”の創真。
 それを手にしている創真は、画面の創真とは違って白いワイシャツにヘッドホンと、まるで“現代っ子”のよう。(「ゆきひら」シャツを着てるか分からないように見せてるのが上手いよなあ・・・)
 そんなアナログチックな創真が画面内に、デジタルチックな創真が画面外に居るというのが何とも巧妙ですね。

 アオリ文にもある通り、これは普段の創真達の世界を、パソコンを通して異世界の創真が見守っているという仮想設定のイラストでしょう。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 読切でその設定の漫画作って頂けませんか附田&佐伯先生?



 そして画面のほんの隙間から映ってくれてる倉瀬ちゃんに、作者の愛を感じる(笑)。

 

 

 


 前回ラストのアリスのリアクションを、別アングルから再び。
 なんでしょうこの男子限定のサービスは。

 ならばこっちも主人公ファン限定のサービスという事で、別アングルから再び!!

 

「御粗末!!」



よっしゃあ!!!!!!!!!!

 

 

 優勝候補と謳われたアリスから完全勝利を収めた創真!!
 
 歓喜する仲間達。驚愕する他の学生達。

 そしてひっくり返っちゃってるアリス。
 完全に創真の料理にノックダウンの図です

 負けてしまった悔しさから、アリスは子どものように泣いてしまいます。
 が、創真の煽りに思いっきりムキになって反発。創真ガンバ(苦笑)。
 このままでは終わらない、そう宣言し、立ち去るのでした。
 ま、なんにせよ創真に対する冷たい見下しは無くなったようでなにより。
 これからは創真のことも、勝つべきライバルとして認めるようになったみたいです。


 ステージを去る途中で、アリスを待っていたのはえりな。
 嫌味を言うためだけに待ってたんかい?(多分これがえりななりの励まし???なんだろうけどサ)
 ん?
 ここでアリスが気になる発言を。
 「リベンジ」?
 ということは、えりなとアリスはこれまで料理勝負をしたことがある模様です。
 そしてえりなが勝利し、アリスが敗北したと。
 今回創真に負けて泣きはしたものの、すぐ立ち上がれたのは既に敗北の味を知っていたからというのもあったようですね。
 果たしてどんな経緯でアリスとえりなは勝負したのでしょう?
 これについても後々語られそうですね。



 アリスが去った後、呟くえりな。

 「いいわね・・・貴方は」
 「そうやって 気ままに泣けるんだもの」

 ・・・多分そうだろうとは思っていました。
 
 君も
 誰にも見られない所で
 泣いてきた子であろうことは。



 ステージを出た創真を迎えたのは、恵の天使の笑顔。(^^)
 うわ~。恵とえりなの、この違い。
 「望みは癒しか挑発か」という言葉のまんまですね。(※「???」な方は、単行本第2巻感想の最後の方をご覧ください) 
 でも、そんなヒロイン2人を差し置いて、創真さんは「癒し」と「挑発」どちらも持ち合わせてると思う今日この頃。


 本番を控え緊張しながらも、動じてはいなかった恵。
 大舞台へのプレッシャーよりも、「自分の料理を楽しめたら・・・」という、初めての気持ちを抱いていたのでした。 

 ここの恵の表情。
 前向きな気持ちが感じられる、非常に良い顔です。 
 そして。
 前のページのえりなと丁度同じアングルで描かれていますね。
 いまだに囚われ続けるえりなと、囚われていたものから解放された恵。
 そんな二人の対照性が示されています。 



 そんな恵に対し、私も創真と同意見。

 成長したね~。()

 初めて一緒に組んだ授業の時を思い返してる創真だけど、それだけじゃないよー。
 親の敵のように「人」の字を飲みまくっていたしー。自分が食戟するわけじゃないのにビビりまくってたしー。合宿で魚を釣ってる間も全然落ち着きなかったしー。(←そこらへんにしときなさい)

 で。
 そんな創真くんがえらくめんこいんですが。
 このままヌイグルミにしてナデナデしたい愛らしさだべ。

 そんな細かい事を覚えられていたことに赤面する恵。
 そうですよ~。
 マイペースでありながら、創真はちゃんと見てくれてる子です。

 しっかしなんつーほのぼのなやり取りだ。
 見てるこっちが癒されますよホント。(^^)



 そして、創真の応援を受け、ステージへと向かう恵。(いいなー私も創真から応援されたい)

 お゛お゛お゛!!!凛々し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにが

あった

創真

 

 

 

 

 

 

 して、ページをめくってみたらば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆笑

 

 

 

 

 創真:(うお・・・呼ばれた)

 

 

 

爆笑

 

 

 

 

 ナレーター:日本の神秘

 

 

 

 

涙目大爆笑

 

 

 

 

 吉野さあ・・・友達思いなのはとっても良いんだけどさあ・・・。





 呼ばれて輪に加わる創真はやはり良い子。
 私だったら気付かないフリして遠ざかります。(酷)
 素直に持ってくれてる郁魅もやっぱり良い子。
 本当にこの子丸くなりましたよね~。(^^)
 ヤンキーな雰囲気で周囲から怖がられていた最初の頃が嘘のようです。

 ずっと頑張ってきた恵に思いを馳せ、応援に気合を入れる創真達。
 ここの創真、さり気に榊、吉野とそれぞれペアのコマになってますね。
 先程の恵とのやり取りといい、ほんと創真ってどんな子と組んでもハマるな~♪



 一方その頃。
 泣きながらステージを後にするアリスに声を掛ける人物が。
 会話を交わしながらすれ違うアリスとその人物。
 なるほど、今回のサブタイトルはここを指していましたか。

 「それにお嬢・・・ そういうセリフは 料理で俺に勝ち越してから言ってくださいよ

・・・っ。

この子・・・。

 

 そうして明かされた恵の対戦相手は、黒木場リョウ!!

 またもや予想大外れ。(/(^0^)\)
 ダミだ私、先見の明なんて1ミクロンもありゃしないわ★


 恵VS黒木場。
 そんな1回戦第二試合の対決テーマは―――

 ラーメン!!

 

 

 


 

 

 

 第一試合、創真VSアリスの対決は創真の完封勝利で決着。
 続く第二試合は、恵VS黒木場という対戦カードに。
 創真VSアリスも「黒VS白」といった感じでしたが、今回もまた「黒VS白」な組み合わせになりました。(むしろ創真VSアリス以上かも)

 今回創真に完敗を喫したアリスですが、それでも手強いライバルであることには変わりません。
 えりなとだけでなく創真とも明確な因縁が出来、いわば創真とえりなの間に立つポジションとなった彼女。
 これからの彼女の動向にも、変わらず注目していきたいと思います。 



 そして今回、なにげに印象に残ったのが画面の「比較表現」。
 まずはえりなと恵。
 上記でも述べましたが、同じ俯き気味なアングルであるにもかかわらず、その表情は対照的だった二人。
 相違点は明確に見えていましたが、相似点はあまり見えていなかったえりなと恵。
 ここにきて、ようやく見えてきましたね。
 恵は「期待」に応えらないことにこれまで苦しんできましたが、えりなは「期待」に応え続けることに苦しんでいるのかもしれません。

 そして、ステージへと向かう恵の正面アップ。
 これを目にして思い出されたのが、第57話ラストの正面アップでした。
 予選突破という事実をすぐには受け入れられず、ただ眼を丸くするだけだった当時。
 ですが、今は真っ直ぐ前を見据えて。
 勇気と自信を胸に、挑む表情です。
 「ただ頑張ろう」という気持ちから、さらに一歩進んだ気持ちへ。
 その恵の成長がこの一コマに凝縮されていました。
 本当に魅入られるぐらい、良い表情&表現だったと思います。
 
 ですが・・・。
 やはり私は創真至上主義者だというのを再認識。
 左下の創真さんに意識の全てを持ってかれちゃった(爆)

 そして・・・黒木場。
 「料理で俺に―――」と言っているシーン。
 冒頭の「御粗末!!」と宣言した創真と同じアングルなんですよね。
 ここの発言。そしてこの描写によって、黒木場に対する予想&考察が一気に湧き上がりました。



 ここの黒木場の発言。
 黒木場がアリスと同等の実力者だということも意味していたでしょうが、私にとっては、黒木場というキャラクターの内面性が一気に見えたように思えました。
 第40話でも、もしアリスとぶつかる事になってもマジで勝つ気だと言っていた黒木場。

 ・・・この黒木場って子・・・。

 下剋上上等な子ですね。

 そうでした。
 過去にアリスが言っていたように(第53話)、黒木場は“忠犬”ではなく狂犬なのですよ。

 料理に関しての発言には、口ごたえされたくない。
 主だろうがなんだろうが、噛みつく時が来たならば遠慮無しに噛みつく。
 
 なんて言うんだろう・・・。
 新戸とえりなの関係が正当で真っ直ぐな主従関係なら、黒木場とアリスは特殊で絶妙な主従関係と言った感じ。
 日常生活では忠実ながらも、料理人としてはいつでも牙を剥くといったその姿勢。
 それはまさに葉山と正反対。
 うっわ・・・。
 附田先生、これまた非常に巧みなキャラを作り上げたなあ~。

 アリスの料理を「きれいすぎる」と言っていた黒木場。
 つまり、上品すぎるという事でしょうね。
 分子料理による「新しさ」「楽しさ」を重視するアリスに対し、黒木場が重視していると思われるのは、相手を屈服させる「膂力」。
 それは、見栄を捨てさせ、なりふり構わず料理に溺れさせる「力」。
 予選で黒木場が、おりえを屈服させていた「それ」ですね。
 

 そしてそれは、創真にもある「力」です。

 なるほど。
 タクミ、葉山と続き、附田先生は黒木場を「そういう面」で創真とシンクロさせてきましたか。
 創真もまた、立場や権力なんてものは全く意に介さずに、噛みつく時には噛みつく子ですし。
 黒木場が狂犬なら創真は野良犬というか、創真が魔獣なら黒木場は野獣というか・・・。
 ・・・・・一応言っときますが、私は創真命ですからね?(爆)



 さて、ラーメン対決となった第二試合。
 カレー、お弁当ときて、今回もまた馴染み深いながらも奥深いテーマがきました。
 ちなみに、世界的に人気のある日本食ですが、ラーメンはお寿司に続いて人気の品だそうです。(次点がお刺身)
 ラーメンって、もともと中国が本家なのに・・・。
 これもカレーと同様、他国の料理を更に工夫を加えて国民食へと進化させた品なのですね。 

 ラーメンと聞いてまず誰しも思い浮かぶであろう品が、城一郎の「特製こってりラーメン」。
 果たして、そこから恵が参考にする部分はあるでしょうか。
 でもそれ以上に恵は、北条からの協力を得た品を出してきそうですね。
 中華のスペシャリストである北条。
 予選が終わった際(第60話)には、協力すると言ってくれていましたし。
 この選抜を通して生まれた絆。
 恵も創真と同様に、これまでの自分のを活かしきった「自分らしい料理」を作り上げてくれることと思います!! 




 ただ・・・。
 それと勝敗はまた別の話というか・・・。
 恵には申し訳ない限りなのですが、この勝負、黒木場が勝つと思います。
 予選の結果では創真と同点だったという、かなりの実力者であるというのも理由の一つですが、それ以上に。
 黒木場はまだ本領を発揮していないと思われるので。
 勝負である以上、勝者と敗者に分かれてしまうのは仕方ない事だと思っています。
 ですが、気になるのはそれまでの経緯と決着後の処遇。

 恵の「心遣い」を黒木場が「力」で屈服させそうで・・・、心配です。





 創真VSアリス、黒木場VS恵といった組み合わせから察するに、これ以降の対戦もきっと[予選Aブロックの選手 VS Bブロックの選手]となるでしょう。
 ここまで来た以上、後の対戦図は多分こうなるかと。(ま、どうせこの予想も外れるでしょうがネ★)
 ≪残りの第一回戦≫
 葉山VS新戸 ⇒ 新戸の勝利
 タクミVS刺客 ⇒ 刺客の勝利

 同じスパイス(生薬)の使い手である葉山と新戸との対決は以前から希望していましたし、考察を重ねるうちに、まだ葉山とタクミはガチで対決させるべきではないと考えるようになったので。
 まあ、
 タクミ:「必ず勝ち上がって幸平と勝負してやる!!(闘志メラメラ)」
 葉山:「幸平・・・今度こそ明確に決着を付けてやる。(静かな決意)」
 創真:「おー2人とも頑張れよ~(へらっ)」
 タクミ葉山「「・・・・・・・・・・。」」
 なーんて展開も最高なんですけどね(大笑)。

 ≪第二回戦(準決勝)≫
 創真VS黒木場 ⇒創真の勝利
 新戸VS刺客 ⇒ 刺客の勝利

 そしてこの本戦はトーナメント方式だったはずですので、対戦順的にこの組み合わせになると思います。
 こうなれば、新戸と刺客を通してえりなと叡山との間にも因縁が出来ますしね。
 ただ、肝心の創真と黒木場の対戦については少々懸念が・・・。
 この事については、今回の恵との決着が付いてから述べようと思います。

 
 そして、決勝で創真VS刺客となる、と。
 ちなみに第一回戦はお題形式の対戦方法ですが、第二回戦以降はまた違った対戦方法になるでしょうね。
 これ以降の対決テーマが何になるかもそうですが、どんな対戦形式が用意されているのかも楽しみです。



 でもまずは、恵と黒木場のこの勝負を見届けなくては。
 果たして二人はどんなラーメンを作り出すのでしょうか?


静止画MADコンテスト結果発表!!

2014-04-21 21:07:30 | 食戟のソーマ

『【静止画MADコンテスト二次】 食戟のソーマ』
優勝おめでとうございます!!!
(\(><)/)
 

 いや~~~。
 この方の『ソーマ』作品は【Spider】の頃から好きだったので、いちファンとして感激です。

 ジャンプ本誌の方の発表では、附田&佐伯先生からのコメントも掲載されていますが、優勝作品だけでなく他の作品にも丁寧で的を射たお言葉が述べられており、とても嬉しく思いました。
 そして、【一回も読んだことない食戟のソーマを再び描いてみた】への、佐伯先生のコメントに吹いた。
 
やっぱり附田先生もそう思われましたか…。良い味ありますものねえ~。

 片や「ワールドトリガー部門」は、  【たまこま!黒トリガー争奪戦編】がグランプリを受賞!!
 これも納得の結果でした。

 他の参加者の方々は大変残念でしたが、素晴らしい作品を作り上げ、私達に見せてくださった皆様に、改めて感謝申し上げます。
 本当にありがとうございました!!



 いや~~~。
 それにしても本誌での発表の影響って凄いですね。
 優勝作品の再生数が、昨日までから早くも倍以上になっている・・・(汗)。


『食戟のソーマ』第66話感想

2014-04-19 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2014年20号掲載
 掲載順第3位
 第66話 【その箱に詰めるもの】


























 創真の料理『進化系のり弁』のメインである、ご飯を目にして驚愕する審査員。

 そのご飯の上には、海苔でなく黒い粒が敷き詰められていました!!
 うっわ・・・!!
 これは完全に予想の斜め上をいきましたね!
 果たしてこの粒々は一体・・・?

 何とも得体の知れないその物体に、口にするのに気が引けてしまう審査員のお爺ちゃま。
 ですが好奇心の方が勝り、口にする決意を。
 ・・・箸をシャキン☆て・・・。
 なんか未知なる相手に挑む老武者みたい(笑)。

 「南無三っ!!」
 って
 食べる時のセリフじゃありませんこれは。(^^;A)
 でも。
 創真の「あの」ゲテモノチャレンジスマイルを目にしてしまった我々から見れば、非常に相応しい言葉とも思えてしまう。(^^;;;A)


 いざ口へ。
 すると。
 イクラのような弾ける触感と共に、口の中に染み出るのは海苔の旨味!!
 黒い粒の正体は、海苔の旨味をアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムによって球場形成したものでした!!

 ※塩化カルシウム・・・除湿剤、融雪剤、豆腐用凝固剤、食品添加物などに使用される、至って身近な化学物質。
             水に溶けやすく、海水など自然環境の中に広く存在する毒性の少ない物質として知られている。
             だからと言って無害というわけではなく、皮膚や粘膜に触れると炎症や潰瘍を引き起こすので注意が必要。


 アルギン酸ナトリウムは第57話でアリスが使用していたので、第57話感想を宜しければご参照になさってください。

 それは間違いなく分子料理の技術!!
 それをどうして創真が!?
 訊かれて創真が取り出したのは駄菓子の、人工イクラが作れる知育菓子!!
 
 あ~~~!! あ・れ・で・す・か!!
 私も昔やった覚えがありますよ!
 それを考えると、知育菓子って、最も身近で、最も楽しめて、最も早くから体験出来る分子料理といえましょう!!
 これは見事な着目点でした!!

 観衆らと読者が納得する一方で。
 のり弁に加え駄菓子も知らず。
 そんなアリスはとことん箱入り娘ちゃん(笑)。

 かくして、この黒い粒は味付け海苔を創真なりに進化させた海苔の旨味爆弾だったのでした。
 予選のカレー料理の際は「香りの爆弾」を仕掛け、続いて今回は「旨味の爆弾」ってか☆
 爆弾発言も天然でかますし。
 創真ってさり気に“破壊”をステータスに持ってる子だと思う。


 しかも工夫はそれだけにとどまらず。
 なんとご飯が四重構造になっており、間の層にはマグロ節の佃煮が。
 ここでもマグロ節を用いてきましたか!
 これによって、ご飯・おかず・汁物全てに統一性が出ましたね。

 おおお!そしてこのご飯への工夫で遂に!
 お弁当のイメージの一つ、“蓋を開けてのお楽しみ”という項目もクリア―!!
 アリスの品が「宝石箱」なら、創真の品は「宝箱」とは、非常に上手い例えですね~~~!
 とてもしっくりきます。


 それでもダメ出しを言うアリスですが、めっちゃのり弁をパクつきながらでは説得力なんてまるで無し(笑)。
 ほんとアリスって良いキャラしてるなー。
 憎めないなー。
 かわいいなー。
 そして今回もナレーターさんツッコみありがとう。

 「旨味の相乗効果」、「分子料理の技術による驚きの演出」、そのいずれも踏破されてしまったアリスの品。
 それでも〆の鯛茶漬けまで仕込んであるのは自分だけ、とアリスは言うものの・・・。
 ところがどっこい。
 その点までも、創真はしっかり用意していました。
 創真のお弁当の〆、それは葛餡かけご飯!!
 
 一般家庭では、料理にとろみをつける際使用するのは普通片栗粉でしょう。
 ですが、片栗粉は時間の経過と共にとろみが無くなっていってしまうんですよね。
 それに対して、とろみが長時間続くのが葛粉。
 そしてとろみのある液体は、普通の液体よりも冷めにくいという。

 とことんまでこのお弁当は、「温かさ」というものに配慮し尽くされています!!


 アリスの時とは打って変わって、とても楽しげに創真のお弁当を食す審査員達。
 そんな審査員達の様子に、 「弁当に詰めるべきは“心”だとでも言うつもり?」と創真に言うアリス。
 ほう・・・まだ誰からも言われていないのに、“心”について自分から言ってくるなんて・・・。
 どうやらアリスは自分の料理には“心(人間味)”が足りないことに気付いていたようです。
 きっと、第57話で恵の料理と比べられた時から。

 それでも、大事なのは美味しいかどうかであり、“心”なんて精神論は問題ではない。
 そのアリスの言葉に異を唱えたのは、仙左衛門でした。
 そして創真の品とアリスの品との違いについて語るわけですが・・・。
 「おはだけ」状態なせいで、いま一つ締まりが無いなと思っちまうのは私だけ?(爆)


 「温かさ」を維持させる創真のお弁当に対し、「冷たさ」を活かしたお弁当を出したアリス。
 何故なら、お弁当は冷めるものだから。
 ですが、創真はそう決めつけていませんでした。 

!!!



 私も当たり前のように思ってしまってました。お弁当は冷めるものだと。
 だから、お弁当のイメージの一つを“冷めていても美味しく食べられる”と述べたのです。
 これは“決めつけ”だったのですね。 
 そんな“決めつけ”に創真は対抗し、保温性能に優れた「ランチジャー」を使用して、あらゆる点において「温かい」美味しさが活かされる、楽しさや新しさが詰まったお弁当を創り上げたと。

 「寿司対決であっても同じ品を出せただろう」という仙左衛門の言葉は大変分かりやすい例えでした。
 アリスは自分の技術を箱に当てはめただけ。
 お弁当だからこそ伝えられる美味しさ。
 お弁当ならではの工夫。
 それがアリスの品には無かったと。
 「新しさ」も、「楽しさ」も、アリスの料理の最大の特徴であったというのに。 

 創真はアリスの欠点を指摘したのではなく、アリスが最も得意としていながらも見落としていた点を指摘していたのでした。



 仙左衛門から全部言われちゃった創真くん(笑)。
 まあまあ、その「おあがりよ」だけで充分にオイシイ所持って行ってるじゃありませんか。
 そうして、アリスに〆である餡かけのり弁を差し出す創真。
 「大事なのは美味しいかどうか」というアリスの最終的言い分に、自分の料理をもって示します。



 差し出された餡かけのり弁を口にするアリス。
 その美味しさに、アリスの胸に去来する思い。
 ―――こんな所で負ける訳にはいかない―――





 幼少時から「神の舌」を持つえりなばかりに目が向けられ、自分は二の次に見られていたアリス。
 なるほど。だから比較されることに敏感だったのですね。
 予選での恵の審査の時、そうであったように。
 自分も薙切家の者として、価値のある存在として見てもらいたい。
 そんな周囲の暗なる比較を見返すため、幼い身でありながら自分だけの武器を手に入れるため、北欧へと渡ったアリス。
 慣れない土地。
 寒い世界。
 それでも、えりなに勝つために。



 一口口に付け。
 二口。
 そして三口目。
 耐え切れず、夢中になってかっこむアリス。
 「思うままかっこめ!」という郁魅戦に相通じるものがあります。



 寒い雪降る世界の中、一人泣くアリス。
 そんなアリスに差し出される、創真の料理。
 ここの創真の上半身を見せない描写・・・良いですね。情緒深いです。
 その料理から染み入るのは、「温もり」。





 そして・・・きました。
 アリスのリアクション。

 はい。
 もう隠す気ほとんど無しの完全なる「まっぱ」です。

 はあ・・・。

 ・・・と言いたいところなんですが・・・。

 ここまで真正面から堂々と描かれてしまうとねえ・・・。

 約1年前の私だったら絶対思わなかったでしょうが、今では、こういう描写にも「意味」が感じられるようになりました。
 ここのアリスの姿。
 料理の「温もり」によって、“浄化”される様に見えます。
 食してのリアクションをコスプレでなく一糸纏わぬ姿にさせたのも、アリスがこれまで囚われていたものからの“解放”をイメージしているのでしょう。

 ふう。私もすっかりこの作品に感化されてしまったぜ☆





 そうして。

 審査員達の意見は全員一致。
 筆を持つ仙左衛門。

 点数形式だった予選とは変わって、本戦は多数決方式。
 そして審査結果の発表は電光表示ではなく、仙左衛門がわざわざ勝者の名前を記入するという形の模様。
 ・・・リアルだったらけっこうまどろっこしいですよこれ(爆)。
 でも祭典ですから、これも一つの演出のようなものなのでしょうね。
 それにこの発表形式なら、4:1とか3:2などの違いを細かく比較しないで済みますし。

 仙左衛門の宣言と共に掲げられる勝者の名前。
 それは幸平創真!!!



「御粗末!!」







よっしゃあ!!!!!!!!!!










 







 もうね。

 

すんごいスカッとした!!!(><)



 第60話で癒されたものの、葉山戦での悔しさが今回で思いっきり挽回出来たといった感じ!!
 それぐらい、創真がバリバリ全開で快勝を収めてくれました!!




 アリスの料理の最大の特徴である分子技術に、独自の視点から対抗策を見つけ出した創真。
 丸井も言っていましたが、分子技術というとまだまだ料理への活用が開拓されていない、一般生活に馴染みの薄い分野と思っていたのですが、やはり、視点を変えてみると分かる事ってあるものですね。
 まさかこんなにも身近な所にある技術でもあったとは!!
 少し視点を変えるだけで、こんなにも色々な事に気付かされるんだなんて・・・。
 本当に、なんてこの漫画は面白いのでしょう!!



 そして、指摘されるに違いないともはや確信さえしていた、「温かい人間味が無い」というアリスの料理の最大の欠点。
 創真の料理の「温かさ」に関連させて、その精神論が語られるとばかり思っていたのですが・・・。

 裏切られました。非常に良い意味で。

 まさか「温かさ」から、「お弁当のこれまでの“常識”を覆す工夫」へと繋げてくるんだなんて!!

 それを考えると、前回のキヨお婆ちゃんの回想は物凄く巧みなミスリードでしたね。いや~完全にやられました!!

 それでもそこはやはり創真。
 直接的な言葉ではなく、己の「温かい」料理を通してアリスに「温もり」を与えたというのが、もう流石としか言えません。
 料理を通したアリスの「寒さ」と創真の「温かさ」。
 その絡みが大変秀逸でした。
 偶然か意図的だったかは分かりませんが、これまでのアリスの料理が全て「冷たい」品だったこと、そして創真の品もこれまでずっと「温かい」品だったことが、よりこの二人の違いを確たるものとしていましたね。
 ・・・もし意図的に仕組んでいたのだとしたら、凄いなんてもんじゃねえぞ附田先生。

 ・・・てっきり創真の「温かさ」によって、「冷たさ」が溶かされるのはえりなとばかり思ってたのになあ・・・。
 まさかアリスとの勝負で、このエピソードが用いられるとは思いもしませんでしたよ。



 北欧育ち。
 白い肌と髪。
 既にこれらは語られていたものの、今回でようやく理解。
 創真は「荒野」、恵は「田園」というイメージがあるのと同様に、アリスのイメージって「雪」なのですね。
 綺麗だけど冷たい、でも柔らかいという。
 そしてえりなは「氷(氷山)」。同じく綺麗で冷たい、そして硬いという。

 マイペースで裏表の無いアリス。
 そんな彼女のこれまでの表情に“嘘”は無かったと思います。
 それでも。
 ようやく彼女の“本当”の顔が見れたような気がしますね。(^^)

 
 果てさて、創真に完敗を喫したアリス。
 そんな彼女がどう出るかは次回への持ち越しになりました。
 果たしてこれまでの関係からどう変化するのでしょうかね?
 もし郁魅と同じパターンになるとしたら、どこをどう見ても仲の良い友達にしか見えない関係になっちゃうでしょうね~。
 アリスはお喋り好きそうだし、創真の会話の得意さは本人も周囲も読者(笑)も認める所だし。
 今回の勝負の中でのやり取りから、一般常識について疎いアリスが、創真と世間話を弾ませる様子が簡単に目に浮かんでしまいます。(^^)
 個人的にはタクミとは違う形で、良き友であり良きライバルな関係になってくれたら、とっても嬉しいんですけども。

 でも、「今度こそは負けないんだから~!(>o<。)」とか言って、子どもっぽくムキになっちゃう流れもあり得そう。
 それはそれで別に構わないのですがね。
 創真に対する冷たい見下しさえ無くなればそれで良いんです。(←とことん創真至上主義者)

 そして今回の件でえりなは、そして黒木場はどう思うのでしょうか。
 特に黒木場は個人的に注目している存在なので、結構気になります。



 そして今回、ほんっと~~~にひっさし振りの「御粗末!!」を披露してくれた創真。
 彼の「御粗末!!」を最後に見たのはいつだったでしょう・・・。
 第38話の唐揚げ編決着からだから・・・リアル時間で半年以上前!!
 ふえ~~~ん!!
 そりゃ禁断症状も出るよね!!(え?私だけ?)
 葉山戦での敗北に加え、この長期間の我慢もあっただけに、今回の完全勝利はひとしおでした!(><。)

 「弁当は冷めるもの」という思い込みに対抗するという、先入観の無さ。
 身近な駄菓子から分子料理への着想を得るという、自由な発想。
 「のり弁」に科学技術を組み合わせるという、定番を踏まえた上での斬新な工夫。
 何より、「温かさ」を通した思い遣り。

 文句無しの「創真らしい」料理で掴み取った今回の勝利は、喜びもさることながらとても感慨深くもありました。
 改めて、創真の料理って本当に良いですね。



 郁魅戦(初の食戟)とほぼ同じ流れだった今回。
 ですが。
 あの時よりも確実にストーリー作りの“深み”が増していましたね。
 その一方で、あの時より確実に料理人としての腕を上げている創真。
 だけど。
 相手の“欠点”を指摘するのではなく、相手が“見落としていた部分”を気付かせ、そして己の料理で相手が本当に求めていたものを伝えるという姿勢は、当時と何ら変わっていません。
 “変わらないでいてくれる良い所”と“より良く変わっていくもの”。
 それらが作品自体と主人公を通して示されていました!!
 まったくもって天晴れです!!!



 そして次回は早くも恵の出番の模様。
 果たして、対戦相手は新戸かもという、私の予想は当たるでしょうか。





 それでは最後に。

 

創真!!
第一回戦完全勝利おめでとー!!!!!

 

★。.::・'゜☆。 \(><)/ ☆。.::・'゜★




二次創作の素晴らしさ。

2014-04-14 23:59:01 | 食戟のソーマ
 いよいよ来週グランプリ決定と迫った、「静止画MADコンテスト」!!
 その結果発表はニ●ニコ動画だけでなくジャンプ本誌でも行われるとのことで、次回は『ソーマ』『ワートリ』共にセンタカラー!!

 それに先駆けて(?)、『【静止画MADコンテスト二次】 食戟のソーマ』の製作者様と『白と黒』の製作者様がタッグを組まれて、新たなMAD作品をお作りになられました。

 『【少年ジャンプ】 Friendship,Efforts,Victory 【静止画MAD合作】』

 冒頭にちょっとした(???)オマケが付いた、『ハイキュー!!』『斉木楠雄のサイ難』『アンチラバーズ 』『57th』『食戟のソーマ 』『ワールドトリガー』各作品の静止画MAD集なのですが・・・。



 いや~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・。



 
凄 す ぎ ま す ね ! ! !





 確信を持って言わせて頂きますけど、諸先生方がこの作品をご覧になられたら、絶対皆様感激してくださるに違いありませんよ!?
 とりわけ附田先生と麻生先生、KAITO先生は本当に喜んでくださいそうだなあ~。(^^)

 『斉木楠雄のサイ難』はギャグ漫画だというのに普通にカッコイイし、『アンチラバーズ 』は知らない作品だったのですが、読みたいと興味が湧いてくる、原作の魅力が伝わる良いMADでした!

 でもやはり何と言っても、『食戟のソーマ 』が・・・!!『ワールドトリガー』が・・・!!

 これまでの週刊感想の中ではあまり触れる機会が無かったのですが、実は私は創真とタクミのやり取りが大っ好きです。
 もしベストコンビ投票なんてものがあったら、絶対「創真&タクミ」と投票するに違いないぐらい。(次点が「創真&恵」)
 熱い正当なライバルでありながら、普段はマイペースな創真にタクミが空振りしまくるというあのコントな関係が、私のツボにクリティカルヒットなのですよね~♪♪♪
 でも『ソーマ』って、女の子が(色々な意味で/苦笑)無くてはならない作品なので、ゴリッゴリに男臭い熱いMADを誰か作ってくれないかな~と密かに願っていたのでした(他力本願でゴメンナサイ)。
 そんな時に降臨なされたこの作品☆
 もう感涙ものでしたよ!!(><)
 しかも。
 [7:10]からの音楽の歌詞と静止画のナイスさが・・・(大笑)。
 創真とタクミの関係を凄く理解してくださっている、大変素晴らしいMADでした!!

 そして『ワートリ』。
 もうもうもう、流石としか・・・!!!(><)
 本当にこの方は、一体どこまで上達なされるのでしょう!?
 綺麗だわ見事だわハイセンスだわで、非の打ち所が無いとはこういう事を言うのだな、と思いました。
 本当にこの方のMADは、どんな作品であれ満足度が半端ありません。

 そして、これまで拝見したどの静止画MADを見ても思ったことなのですが…。

 皆様一体どうやって、こんなにも作風にドンピシャな音楽を見つけになられるのでしょう???
 
 ほんと、これだけは不思議で堪りません。 



 あ~良い眼福でした♪
 さて、それでは『ソーマ』本編の感想書きに入りたいと思います。
 頑張りまーす!

『食戟のソーマ』第65話感想

2014-04-13 19:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2014年19号掲載。
 掲載順第8位。
 第65話 【弁当進化論】






























 さーてさてさてさてのさて!
 遂に創真の料理、海苔弁当のお披露目です!!
 
 観客の反応はやっぱりな反応だったけど(苦笑)。

 郁魅と吉野も、やっぱり榊と同じ反応だったけど(苦笑&苦笑)。

 海苔弁当と聞き、創真の名を呼ぶアリス。
 これがえりななら、格式ある大舞台で超庶民的な料理を出してきた創真を罵倒する言葉を連発してくるに違いないでしょうが、まさかアリスも・・・!?
 と身構えたらば。
 スカッ☆(空振り)
 
ナイスだアリス。
 さすがは外国育ちのお嬢様。


 創真のこしらえたのり弁。
 その名も「ゆきひら流進化系のり弁」。
 
 いつもとは一味違う舌の肥えた“お客”ということで、創真も普段より少しだけ礼儀正しく、「どうぞ」を付けて料理を提供。
 ま、出す様はめっちゃ堂々としてたけど(笑)。

 創真の出した弁当箱は、“ランチジャー”と呼ばれる重ねて運ぶタイプの保温容器。
 ご飯とおかずだけでなく、スープも熱いまま保てるランチジャーの性能に感心するアリス。
 ああ、そうか・・・!
 「お弁当」が日本独自で発展してきた文化なら、「弁当箱」も日本独自かつ世界トップクラスの技術力を誇っているということなんですよね!
 
 
 ランチジャーについて親しげに話し合う創真とアリス。
 そんな二人のやり取りは、一見緊張感の無いものでした。
 ですが、アリスの笑顔は創真を見下しているからこその余裕によるものだったのです。


 そうしていよいよ審査に。
 まずは「3種のおかず!」
 ふむ・・・ここはプロト版と全く変わっていません。
 ですが評価は上々。
 磯部揚げを始め、金平牛蒡の細部までこだわった仕事ぶりに感心する審査員達。
 そうなんですよね~。個人的にマヨネーズって苦手なんですけど、“隠し味”としてのマヨネーズの力ってかなりのものがあると思います。
 ちょっと加えるだけで、コクがまるで違うんですよ。

 お次は鱈のフライに手を付ける審査員。
 箸で簡単に切れる柔らかさから、一度煮てから揚げていると分析します。
 え~!煮てから!?
 それは初めて知りました!
 そんなことしたら、身からの水分でベチャベチャな揚がり具合になりそうと思ってたので・・! 

 口にした審査員の反応は・・・


アハハハハハ・・・  ウフフフフフ



鳥さんかわいいv 
(←え?そっち?)



 

 B級グルメとは思えない上品な味に驚愕する審査員。
 その理由は鱈を煮た“出汁”に。
 それは「マグロ節」と「利尻昆布」から引いた出汁でした。
 「マグロ節」については本編で説明が述べられているので、ここでは「利尻昆布」について少し。
 ※利尻昆布・・・真昆布や羅臼昆布に次ぐ高級品で、生産地は北海道の利尻島、礼文島及び稚内沿岸。
           利尻島産の物が最上品質とされているが、そのほとんどが京都に流れていくため市場に出ることは滅多になく、幻の昆布とも言われている。
           味は他の品種より薄いものの、澄んでおり、やや塩気のある出汁が採れる。
           素材の色や味を変えないため、懐石料理や煮物で重宝され、京都では最も一般的なだし昆布として使われている。
           千枚漬、湯豆腐など用途が広く、肉質が硬いため、高級おぼろ昆布やとろろ昆布の材料にも

 「マグロ節」と「利尻昆布」による合わせ出汁。
 これはアリスが手鞠弁当の特色として用いた、「旨味の相乗効果」と全く同じ効果を発揮しているものです。
 合わせ出汁は和食の基本中の基本。
 前回の感想でも述べさせて頂きましたが、世界にとっては“最先端の美食学”でも、日本にとっては“昔からの料理法”なのですよ。

 揚げ物が2種類ともなると、食べる相手によってはどうしても重く感じられてしまいますが、この「マグロ節」による繊細優美な味わいとビールを用いた衣によって、油っぽさを感じさせないとても軽やかな仕上がりに。

 お次は汁物。
 これには「ベーコンと玉葱の味噌汁」が。
 このお味噌汁にも、審査員達はあははうふふなリアクション。
 正直どうツッコんだらいいか困っちゃいますが(苦笑)、アップの表情は大変良い笑顔ですね。(^^)

 これらの審査員達の反応、さりげに嬉しく思いました。
 食の世界の重鎮に違いないでしょうに、どっかのお嬢様と違って、庶民的な料理であることに先入観や偏見を持たず、至って公正に評価し美味しそうに食べてくれて。
 どなたも、安心して審査を任せられる方ばかりで本当に良かったです。(^^)
 個人的に、仙左衛門の隣に座っている着物のお爺ちゃまが可愛らしくてお気に入り♪

 この味噌汁についても豆知識を披露する創真。
 ここ最近本当に日常生活に役立つ豆知識が紹介されていますよね~。とても面白いです。
 これはランチジャーの高い保温効果を利用した、余熱による調理法ですね。
 こうすれば時間短縮だけでなく高熱費の節約にもなるという、まさに一石二鳥の裏技☆
 確かに野菜スープは弱火でじっくり煮込むと、野菜の甘みが出て美味しくなりますものね~。


 そんな創真の弁当に対する博識さを褒めるアリス。
 ですが、同時にダメ出しも。
 他人の料理を見下し、自分の料理が一番というこのセリフ。合宿で出会った頃もこれと同じような事言ってましたっけね。
(単行本5巻44ページ)
 ここで引っかかったのが
「お弁当といえど」という言葉。
 ・・・「いえど」
 アリスのこの言い方、お弁当への思慮の浅さを感じるのですが?
 

 そして創真もあの頃と同様に。
 認めるべきところは認め。
 言うべきところは言いました。

 「お前の品って ちゃんと“弁当として”すごいわけ?」

 なんかすっごく久し振りに思えます。
 きましたよ、創真の核心を突く言葉が!!

 創真達料理人が「弁当」という箱に詰めるべきものは何なのか、それは―――――





 話は過去へと遡り、創真が小学4年生の・・・こ・・・・・ろ・・・・・・・・・・おお゛を゛!!!???

 

 


 

 

可愛いーーーーー!!!!!!!!!!

 (〃>〃)

 


 

 

 これまで創真の幼少期は何度か描かれてきましたが、そのいずれもややコミカル気味に描かれたりしていた創真。
 こんなにしっかり描かれているのは初めて!!

 お目め真ん丸ーv
 ほっぺたも真ん丸ーv
 髪の毛はツンツンーv(←それは今もですよ)
 
手ぬぐいもね、今は裾が背中に掛かっているけど、当時はまだ小さいから腰下に掛かっているの。
 そんな細かい描写がホント嬉しい。ホント可愛い。

 キヨさんという、「ゆきひら」の常連客だったお婆ちゃんを実の祖母のように慕っていた創真。
 とっても温和そうなお婆ちゃまですね。(^^)
 わちゃわちゃな創真ちゃんがかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいが止まらない。 
 そしてキヨお婆ちゃんもまた、創真を実の孫のように想ってくれているのが伝わります。
 ああ、なんてほっこりなシーン。

 創真は実の祖母を知らないから・・・と話す城一郎の表情に少し漂う、創真への負い目。
 祖母だけでなく、多分創真は祖父も知らないのでしょう。
 という事は、現状創真の肉親は父親ただ一人なのですよね・・・。
 果たして創真の祖父母について、これから後明かされる機会はあるのでしょうか?
 それは附田先生に委ねるのみです。



 そんなある日、腰を痛めてしまい「ゆきひら」に行くことが出来なくなってしまったキヨお婆ちゃん。
 そんなキヨお婆ちゃんに、創真はお弁当を届けに。
 どうやらキヨお婆ちゃんは一人暮らしの模様。そりゃ心配だよね。

 嘘偽りを全く言わない創真。
 だけど。
 もし彼が嘘を言う時があるならば。
 きっと「こういう場合」だと思っていましたよ。(^^)

 で、そんな(分かりやすすぎる/笑)嘘を誤魔化すのに気を取られ、創真は門に衝突★
 大丈夫か創真ーーーーー!!!???
 あああ「痛い痛いのとんでいけ」してあげたいっっっ。(><)

 創真が持ってきたお弁当は、温かいのり弁。
 そのお弁当にはちょっとした“仕掛け”がありました。
 その“仕掛け”に、キヨお婆ちゃんの眼には涙が。
 私の眼にも涙が。





 あの日、創真が弁当箱で届けようとした物。
 それを今回のお弁当にも詰めた創真。

 おかず、汁物といき、そして審査はのり弁のメインとも言うべきご飯へ。
 弁当箱の蓋を開け、中身を目にした審査員達は驚愕の表情に。
 果たしてその中身とは!?






 






天使だ!!!!!!!!!!


天使がいるぞ!!!!!!!!!!





 
 スクープ!
 天使は田園だけでなく荒野にもいた!!!

 
当時から思いやりのある良い子だった創真。
 もうね、創真のこの優しさは国宝級だと思う。


 
うっかりしていました。
 「お弁当」には“携帯できる食事”、“冷めていても美味しく食べられる”、“蓋を開けてのお楽しみ”の他にもう一つ。
 “気持ちの箱詰め”という重要なイメージがあることを!!

 第57話で「温もり」や「人間味」が欠けている点が示唆されていたアリスの料理。
 それをアリスに教えるのは恵とばかり思っていたのですが、その役目を創真が担うことになるとは。
 でも、確かに創真も適任ですよね。
 創真の料理も、恵に負けず劣らず“温かい”ですから。 
 


 創真とキヨお婆ちゃんの過去エピソード。
 初めてでした。
 辛い話でもない。
 お別れの話でもない。
 心温まる話で涙が出たのは。
 

 キヨお婆ちゃんに届けたお弁当も、“温かい”お弁当。
 そっかー・・・。
 前回の感想で「そろそろ創真の冷菜も見てみたい」なんて言っちゃったけど、今回の創真の弁当は「温かくした」のではなく、「温かくなければならなかった」のですね。
 何も分かってなかったくせに勝手な事言っちゃって本当にごめんね、創真。


 そんな可愛い天使が、よくまあこんなにも格好良く大きく成長してくれて・・・(ほろり)。
 心は天使で考え方と力は魔獣。

あ、こりゃ最強だわ。






 創真を見下していたからこそ、余裕の笑みを浮かべていたアリス。
 そんなアリスの笑みが次第にはがれていく様は中々見応えがありました。

 私から見て創真とアリスの関係は、創真とタクミの関係の逆バージョンといった感じに思えます。
 創真とアリスの場合は一見親しげだけど、根本的な部分で対立し合うピリッした緊張感がある感じ。
 対してタクミとの場合は、一見競争相手的な関係(といってもタクミがほぼ一方的にですが/笑)に見えるけど、根底ではお互いの事をちゃんと認め合い、料理に対する信念も似ているという安心して見守られる関係、といった感じですね。(^^)



 合宿編で出会った当初から、創真の料理の姿勢を侮辱していたアリス。
 そんなアリスが最も重要視しているのが「最先端の科学技術」。
 
ですが、
最先端、最先端とこだわっているものの、それって一方向からの目線でしか見ていないのでは。
 最先端と思っていたものが、ちょっと目線を変えればなんてことはない、ずっと以前から当たり前のように用いられている工夫だったりすることもあると思うのです。
 皮肉にも、今回のアリスの料理がまさにその例となりました。
 
最先端の技術と知識によって用いた、「旨味の相乗効果」という美食理論。
 それは日本の食文化からしてみれば、アリスが最も見下していた「古くからの知恵」だったという事実。
 アリス・・・墓穴を掘ってしまったかも。

 そして、「お弁当」というお題に対する思慮。
 今回の話で浮き彫りになりましたが、アリス、「お弁当」に対する知識がかなり浅いですね。
 もともと日本の一般生活の中から発展してきた「お弁当」というお題が、外国育ちなお嬢様であるアリスにとって馴染みの薄い分野だったというのは事実です。
 でも、それを差し引いたとしても、アリスの「お弁当」に対する見解は甘いと感じずにはいられません。
 おそらくその最大の原因は彼女の“驕り”。
 
「最先端の科学技術」を重視するあまり、「お弁当」の本来の持ち味、魅力、なぜこれほど発展し、親しまれてきたのかという理由に思い至らなかったこと。
 それが彼女の最大の落ち度になると思います。




 その点創真は、実家の定食屋で培った“経験”を充分に踏まえていますね。
 弁当箱の機能やその活用法を充分に活かした品となっています。
 その上で、「お弁当」という料理に求められるものを理解している様子。
 おかずや汁物では、しっかりした工夫を加えながらも王道な料理を、そしてメインのご飯で、いよいよ「創真らしい」料理が披露される模様です!

 アリスの手鞠寿司弁当の特色だった、「旨味の相乗効果」と「驚きの演出」。
 その内の「旨味の相乗効果」を、今回のおかずと汁物で落城させた創真ののり弁。
 そして次回。
 アリスの料理の最後の砦である、「驚きの演出」も壊されることとなるでしょう。

 そして、「温かい人間味が無い」というアリスの料理の最大の欠点も指摘されるに違いありません。
 創真は今回の弁当をキヨお婆ちゃんの事を想って作ったようですが・・・。
 ひょっとしたら創真はアリスに、本当の祖父である仙左衛門が食べてくれるのに、アリスは仙左衛門の事を考えて作ったのかどうかということを問いかけてくるかもしれませんね。
 暗に今回の話は、第61話の「料理に心をのせるには、誰か一人、特別に想っている人を思い浮かべること」ということと関連していたかもしれません。
 創真に「特別に大切な人」はまだいないかもしれない。
 けど。
 「大切な人」なら、創真には沢山いますから。(^^)



 打ち負かすつもりでいた創真から、想像以上の返り討ちをくらいそうな気配が濃厚なアリス。
 ここで指摘された自分の弱点を認め、自分の糧とすることが出来るならば大したものなのですが・・・。
 そこはえりなの従姉妹。
 はてさてどうなることやら。(前回の黒木場のセリフもあるしネ)

 今回の話を読み進めるうちに、アリスがダークサイドに落ちるかもという不安が湧いてしまいましたが、最後のページでその不安は無くなりました。
 創真の料理を食べてダークサイドに落ちるなんてことはあり得ませんから、絶対に。(^^)



 どうやら期待以上の完全勝利を収めそうで非常に楽しみな次回。

   

創真の「御粗末!!」、心から期待しています!!!