あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第139話感想

2015-10-24 15:40:00 | 食戟のソーマ

 中路さんに代わって、『ソーマ』の新担当は上野さんという新人の方が務める模様。
 どうぞこれからよろしくお願いします!そして頑張ってくださいね!(^^)



 週刊少年ジャンプ2015年47号掲載
 掲載順第2位
 第139話 【崩れゆく学園】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の扉絵。

 見た瞬間、四方の隅に目を凝らしました。

 ・・・。


 ダメよ附田先生&佐伯先生&担当編集さん!!
 こういう時こそ「食戟のソーマ」は料理の漫画です』って注釈をつけなくちゃ!!(核爆ドッカーン)






 そんな世界観を誤解しそうな扉絵はともかく、本編は薊による放送演説が行われることをアルディーニ兄弟から知らされる創真からスタート。
 彼らが普通に会話してるだけでなんか和んでしまう私は、よっぽどこの組み合わせが好きなんだな~とつくづく。

 ってあれ?タクミの髪型元に戻ってる

 やっぱ嵐のようなクレームがジャンプ編集部に殺到したのかしら?(コラコラコラ)


 一応えりなが極星寮に匿われているのは内緒ですが、アルディーニ兄弟には明かしている様子。
 信用ってやつですね

 まあ、とっくにバレてそうだけど(苦笑)。



 かくして薊の演説が始まります。
 その内容は遠月学園の改革について。
 改革の柱は大きく分けて二つ。

 まず一つ目。
 全ての自治運営勢力の解体。

 つまり。

 全ての授業・研究会(同好会)・ゼミを廃止するということ。

 

 

 

 

 

うっわ~~~。

こんなに晴天が似合わない人面初めて見たかも

 

 

 

 

 当然のことながら反論に沸く学生達。
 その中にいたのは豪田林清志。
 あらなんと。「ちゃんこ鍋研究会」を復活させていたとは☆
 月饗祭編でダンボール買い占めてた甲斐があったね。(←)



 そんな豪田林らの言い分はあっさり無視し、二つ目の改革の柱を告げる薊。
 二つ目は。
 新組織の設立。

 それは総帥と十傑を頂点とし、薊が選出した生徒だけで構成された精鋭組織。
 その名は、中枢美食機関[セントラル]

 そして今後、生徒らが作る料理は全てセントラルで決定するとのこと。

 とどのつまり。

 生徒はセントラルで決めた料理しか作れないということに。



 ちなみにセントラルの教えは誰にでも等しく享受できるとのこと。
 それはどういうことかというと、生徒全てが十傑レベルの技術やアイデアを模倣できるという事だそうです。
 そしてその教えに従ってさえいれば、誰も退学にならないと。



 薊は眼前の生徒達を指さして言います。

 「君たちは捨て石なんかじゃない」と。

 そうでしょうね。

 薊にとって生徒達は
 自分の理想を拡げるための大事な奴隷でしょうから。



 笑顔で演説を終える薊。
 そこに居た生徒達からはもう、反論の声は上がりませんでした。



 勿論反抗しようとする者もいました。
 甲山先輩もその一人。
 甲山先輩って、十傑以外の上級生で今のところ唯一素直に尊敬できる人ですよね~。(小西先輩も良い人なんだけど頼もしさがちょっと、ね・・・/苦笑)
 ですが十傑に敵対することを無謀と言う者、そしてそれ以上にセントラルの教えに希望を抱く者の意見に、何も言えなくなってしまいます。


 そんな学生達の様子を見守るシャペル先生。
 シャペル先生も薊の改革案に反対する者の一人でした。

 「理想郷[ユートピア]」と語る薊の新体制。
 でもその実態は創造を許される者と模倣だけを強いられる者とが二分される、暗黒郷[ディストピア]にすぎないと。





 そうして、次々と新体制の名のもとに粛清の手が入っていく学園内。
 郁魅がここまで盛り立てた丼研究会も。
 恵が所属している郷土食研究会も。
 そして、汐見ゼミも。
 丸井が所属している宮里ゼミも解体されちゃったんでしょうね・・・。 
 それにしても親子揃ってで自分の研究会を取り潰されてしまうとは、豪田林不憫なり。



 そしてあろうことか、粛清の手は極星寮にまで!!
 ええ!?
 遠月学園から独立している極星寮に撤去を申し立てる権限なんて、薊側に無い筈ですよ!?
 しかも極星寮は生徒の居住施設であって、教育とは関係ないのに!!

 ・・・ああそうか。
 単に自分の管理外にある存在は全て気に食わないってわけね。


 因縁ある創真の屈服顔がよっぽど見たかったのか、直々にやってきたのは叡山。 

 

 

 

うっわ~~~。

こんなに踏み潰したいと思う顔初めて見たかも★★★

 

 

 

 


 

 

 

 遂に新総帥による教育メソッドが明かされましたね。

 この「遠月学園」という教育の場において読者が当初からずっと抱き続けていた考えに、これ以上なく真正面から切り込んできました。
 確かにこの意見はネット界でもしょっっっちゅう見かけましたもの。

 第137話の創真の発言といい、今回提示された「新教育」もまた見事なまでにこの作品の「原点」を想起させています。
 こうなってくると、創真の「踏み台」発言もいずれ改めて言及して欲しいな、と密かに願ったり。あの発言ももう一つの側面を持った言葉でしたからね。





 さて、では色々物議を呼んだであろう今回の「改革」について、私なりの意見を述べさせて頂きましょう。

 薊が旧教育システムについての不条理を説くシーンで恵の姿を描いていたのは上手でしたね。
 恵はまさに薊が言う「暴力」の犠牲になりかけた子でしたから。
 思い返せば私が遠月学園の退学システムにはっきりと反感を抱いたのも、恵の一件を目の当たりにしてからでした。
 そこら辺、本当に附田先生は読者の心理もきちんと把握してくださっていますね・・・ちと悔しいゾ☆

 それらを踏まえて考えれば、仙左衛門の教育指針は確かに厳し過ぎて短絡的だったと私も思います。



 合格基準に満たない者は即退学という、「学生」にとって死活問題だった恐怖を常に背負わせていた旧教育システム。
 その恐怖から解放される。
 それは学生達にとって大きな安堵と希望を与えてくれたに違いありません。

 学生達を突き離すような衝撃を与えた仙左衛門の「捨て石」発言。
 それを敢えて再び持ち出して否定宣言したことで、学生達はあの時とは逆に自分達の存在価値を認めてもらえたような、救済されたような感情を抱いたかもしれません。
 “飴”と“鞭”の絶妙な言い回し。
 薊はかなり人心の掌握術に長けていると思います。

 そして「セントラル」の設置によって生徒全体が平等に高い水準の技能を取得できるのなら、そこも評価できる点と言えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「学校」というより「養成所」ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「学校」ってどういう所でしたっけ?
 ただ一方的に決まった学業を教えられて、そこで一定の知識を覚えて、それで終わりの場所?

 違いますよね。

 自分と意見が合ったり合わなかったり、様々な性格や考え方を持つ同年代の相手との出会いと交流の場所。
 そして、そんな中で自分の世界を広げていく。見聞を深める。自己を確立させていく。
 私は「学校」をそういう場所だと思っています。

 「学校」は、子どもが「家庭」というコミュニティから初めて「外の世界」に踏み出す第一歩の場所。
 そして「自分が何者かを知るための場所」なのではないでしょうか?



 確かに将来「プロ」としてやっていくならば、この教育法は有難いかもしれません。
 ・・・技術のみを習得するだけならば。
 はっきり言って、技術なんてものは後から幾らでも習得することはできます。

 大事なのは今、人を通したあらゆる分野の考えや世界を知り、己の器を鍛え上げることではないのでしょうか?

 この料理漫画が「技術」にはあまり焦点が当たらず、「気概」や「発想」「工夫」そして「視点」に焦点が当たっているのもそれが作品作りの念頭にあるからだと思います。



 自分より遥かに上の実力者から教えを受け、そのやり方を模倣する。
 そのやり方でも確かにある程度の“高み”には行けることでしょう。
 ただし、それ以上には決して行けませんが。

 考えてもみてください。

 これまで名を馳せてきた料理人は、己の技術は全て他者から盗んで、自ら貪欲に求めて得てきたんですよ?

 他者の考えに委ね、技術や発想のおこぼれをただ頂戴する・・・。

 そんな受け身の姿勢では、少なくとも「世界」を相手に闘えるような料理人にはまずなれやしないでしょうね。


 そして薊の教育法では、実際の「現場」でそれこそ本当に必要とされる対応力や判断力、本当の意味での自信や根性さえも育たない事でしょう。


 四宮編で述べられていました。
 十傑第一席の四宮でさえ、外の料理の世界で生きていくことに散々苦労したということを。

 秋の選抜編で述べられていました。
 「自分だけの料理」の重要性を。

 スタジエール編で述べられていました。
 学校の「授業」と実際の「現場」の大きな差異を。
 与えられたことをただこなしていくだけ。
 そんな料理人は決して“一流”にはなれやしないという事を。


 薊の教育法は、そんな料理人の苦労という誇りを完全否定するものです。



 ですから正直、薊の演説の最中ずっと「何言ってんの?(┐(・・)┌)」と思ってましたよ。
 あまりにも矛盾点がありまくりで。
 「不必要な退学」⇒自分の教育指針に刃向うものは片っ端から退学させるつもりのくせに
 「不必要な選別」⇒キミ一人で選別しまくってるくせに
 「不必要な競争」⇒全生徒を上から支配するのなら、そりゃ競争なんて起きんわな
 
 「無益なぶつかり合いのない世界」と薊は説いてるけど・・・。
 逆に聞きたい。
 無益なぶつかり合いなんてあったっけ?
 少なくとも私の記憶にある限りでは、これまでのぶつかり合いは各々の譲れぬ信念を懸けたものばかりでした。
 無駄なものなんて一つもありませんでしたよ。

 推測するに、多分薊は全力でぶつかり合える相手に出会えなかったのでしょうね。
 城一郎と堂島先輩は良き戦友として存分にぶつかり合えたのに対し、薊は1年生で第3席というとび抜けた実力のため、同年代で対等にぶつかり合える相手がいなかったのでしょう。
 ・・・もしくは。
 自分からぶつかっていかなかったのか。
 そこも、かつてのえりなに類似しているかも。



 今はまだ、学生達は気付いていません。
 ですがこのままこの「新教育」が実行されてしまったら、いずれ必ず思い知らされることでしょう。

 卒業して外の世界に出ても、セントラルの「教え」無しでは料理人として生きていけなくなるという事に。

 ここが多分一番恐ろしい所。
 「退学の撤廃」「平等な高等技術の習得」という“蜜”に見えて、その実は生徒達の「自立の力を失わせる」という“毒”にすぎません。
 一生、「セントラルの教え」から抜け出せない料理人になってしまうという事です。



 ただ、この教育法には「穴」があります。
 それは一年後、二年後と長い目で見ていった場合、特に秀でた実力を持つ生徒は現れなくなってしまうということ。
 これまではそれぞれ個性豊かな教育体制が整っていた分、生徒達も己の資質や持ち味を存分に伸ばせていました。
 ですが「平等」を謳う新教育法では、突出した実力者は育たなくなってしまいます。
 セントラルは総帥と十傑を頂点としている組織ですから、後世にも十傑に相応しいような高い実力者は必須でしょう。
 そこをどうするのか。

 そこでえりなが“鍵”になってくるのかもしれません。

 前回の感想で私が考察した、[神の舌]の量産化です。
 まずは薊の教育指針の賛同者、もしくは崇拝者を抜擢しセントラルに加入。
 そこで人格・思想など薊にとって問題ない人物と認定されれば、えりなの[神の舌]を磨き上げた時と同じ教育を付与し、人工的に味覚能力を向上させたうえで次世代の十傑にさせるという。
 そうして人格・能力共に薊にとって最高の料理人を永続的に作り出そうと計画しているのではないでしょうか?
 ・・・・・・・・・・こうなってくると、完全に「人造人間」を作ってるようなものですがね・・・。



 仙左衛門が創真に言っていた通りです。
 薊のやり口は昔と全く同じ。
 外界との接触を断たせ、えりなにとって薊だけが絶対の存在にして、価値観そのものとなるように仕立て上げたように。
 今度は遠月学園という場を、自分の絶対領域に仕立て上げるつもりなのでしょう。
 とことん恐ろしいことを考えますねコイツは。

 ・・・といっても、その本質はただ単に狭い世界で自分の価値を認めてもらおうとしてるだけなんですけども。
 そう考えると、悲しい人だな・・・と、軽く憐みまで覚えてしまいます。



 今回の話を読んで色々考えた後、ふと思い出したのが単行本第2巻の附田先生のコメントです。

 そして第33話(単行本第5巻収録)の堂島先輩の言葉。
 そして創真の呟き。

 「学校」というものはどういう処なのか。
 それを改めて考えさせられました。





 さあ。
 そしてそんな薊の支配に創真達はどう打って出るのでしょう?
 一学年の中での勝負が繰り広げられたこれまでの章と違って、今回の章は薊と十傑の大半という「遠月学園」そのものと対峙するという、まさに全面抗争となりました。
 敵の力が強大な分、尚更創真達の団結力に期待が高まるところです!!
 タクミや郁魅といったお馴染みの面々はもとより、月饗祭編で創真と新たに繋がった“縁”もきっと協力してくれるでしょうね。
 そう、[鉄腕体躯]北条美代子や、[鍋の前の魔女]貞塚ナオが!!(特に貞塚は薊政権と思いっきり噛み合わなさそうだしな~/苦笑)
 他にもこれまで登場した先輩達等も彼らなりの形で協力してくれたら大変面白くなりそうですね。闘うのは創真ら1年生だけじゃないんだぞっていう。
 団体戦はずっと前から期待していた展開なだけに、ワクワクがノンストップです♪
 

 
ただ・・・。
 薊側についてしまうのでは、と懸念している人物が一人いたり。
 それは葉山。
 今回で汐見ゼミも解体されてしまったわけですが、汐見の表情が他の人物達よりも深刻に見えたんですよね・・・。
 ひょっとしたら葉山にセントラルからの勧誘が来たのでは?
 葉山は「秋の選抜」の優勝者ということもありますし、実力は折り紙つきですから。
 薊の考えに同意はできないけど、葉山のためにはなるのでは・・・と、汐見は困惑しているのかもしれません。
 葉山としても、もし自分がセントラルに加入したならば汐見ゼミは解体しない、とかいう条件を出されたら断る理由なんて全く無いと思いますし。
 彼にとっては「自分の料理を極めること=潤のため」ですからね。
 葉山は汐見のためならば自分の手を汚すことも厭わない子だと思います。
 といっても、薊って料理人の「出身」さえも選り好みしそうなんですが。(なんてったってえりなの父親ですから)
 スラム出身の葉山を純に歓迎してくれるとはとてもじゃないけど思えないんですが、ね・・・。



 一方で、当の十傑達はこれからどう動いていくのでしょうか?

 えりなはしばらく静観でしょうね。
 新教育に特に反対はしていないものの(だって自分がこれまでやってきたことと大して変わってないし)、単に薊の支配下に置かれることが怖いということで。

 叡山は早速出てきましたね。
 見事なまでの当て馬として。
 もはや悪役全開といった表情という事もあって、尚更創真のダークフェイスに高揚させられます。
 いてこましたれ創真!!!と全力で思えますね。
 まあ、創真は無闇に事を荒立てる子ではありませんから、冷静に対応してくれるでしょうけども。

 久我は反薊派の十傑メンバーのうちで、今のところ一番気になります。
 今回の薊の政策は、久我が中華研で行っていたこととほとんど同じなんですよね。(久我の場合は部員達も彼のやり方に賛同している姿を描くことで、全く嫌味さを感じなくさせていたわけですが)
 それを考えると薊を支持していた可能性は充分あった筈なのに、なぜ根回しがされていなかったのか。
 中華研を解体されてしまったこともありますし、そこらの理由と共に薊政権に反発しそうです。

 一色先輩はというと・・・う~~~ん・・・。
 極星寮がピンチになった以上一色先輩も黙ってはいないと思いますが、彼はやはり最低限の行動しか起こさないかと。
 今や彼は十傑陣と創真ら一般生徒の橋渡し的存在ですからね。
 思慮深い人ですし、中立的な立ち位置でいると思います。

 そして未だに、反薊派でありながら女木島冬輔の動きは全く見えてこない・・・。
 まあ、もう腰を据えてじっくり待つことにしましょう。

 そして残りの十傑メンバーは、一体なんでこんな薊の教育指針を支持したのでしょうか?
 やっぱり「退学者を出さない」という点にでしょうかね?
 それだったなら、確かに共感できますけども・・・。



 “葛藤”。

 これが今回の対決の一つのポイントかもしれません。
 多くの意見が飛び交う中、一体自分はどんな考えを持つのか。譲れない意志は何なのか。
 十傑や仲間達やえりな、そして創真がこれをそれぞれの形で示していくことになりそうです。





 とりあえず。
 この度の章を。
 
 「遠月革命編」と呼ばせて頂くことにします。

 


『食戟のソーマ』第138話感想

2015-10-15 21:25:00 | 食戟のソーマ

 今現在、少々迷っていることがひとつばかり。
 それは最近発売された『食戟のソーマ 小説版』の最新刊を買うか否かについて。
 これまでの小説版は毎回それぞれのキャラクターにスポットが当たっている内容だったため、キャラの理解の為に購入して読んでいたのですが・・・。
 今回は丸々アルディーニ兄弟メインってか★
 いやアルディーニ兄弟は嫌いじゃないですよ?むしろ好きですよ?
 でも彼らの物語を、購入してまで読みたいとまでは正直思えなくって・・・。
 一応ホームページでの「試し読み」も読んでみましたが・・・。う~ん・・・。

 他にどんな話が収録されているのかもう少し知りたくて、調べてみたところ

 一つ目は二人の幼少時のお話。
 ふーん。(全くさほど興味なし)

 二つ目は秋の選抜を前に、メニューを考える話。
 ふ~ん。(やはり食指が動かず)

 三つ目は美作との食戟で負けたタクミが再起する話。
 お。(食指がちょい動く)

 四つ目はスタジエールの前にタクミが極星寮に遊びに行き、創真らと交流。
 購入決定。



 我ながら思います。

私って単純☆/(^0^)\)

 

 

 

 さて、そんなこんなですが今週もいってみましょう。
 実は今回の話は読み込めば読み込むほど考察がどんどん出てきて正直困りました。
 なので、泣く泣く半分ほどカットしてあります。
 それでもいつも通りの文章量なのであしからず(爆)。
 残りは次回以降か、もしくは単行本感想にかな~・・・。



 週刊少年ジャンプ2015年46号掲載。
 掲載順第5位
 第138話 【えりな、極星寮へ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この前のセンターカラーから、さほど間をおかずにまたもやセンターカラー。
 佐伯先生頑張ってるな~。(どうかご自愛くださいませ)
 アニメが終わっても原作の人気は変わらないようで何よりです。(^^)

 で、今回のカラー扉絵は誰かというと竜胆先輩。
 前回は司先輩だった事を考えると、これから順番に十傑のカラーイラストが扉絵を担当していくのでしょうかね?
 えりな(十席)に到達するまで、一体何ヶ月掛かるだろう・・・?(遠い目)

 そういえば・・・。
 竜胆先輩って、茶色の髪に眼という、かなり創真と似たカラーリングなんですね・・・。
 ・・・四宮先輩と同様に。
 キャラクターのカラーリングは、暗に主人公との関係性と関連付けているのではと考えている私にとって、これは少し気になります。






 極星寮へと帰った創真。
 そこに居たのは、ついさっきまで話題の人物だったえりな。
 ちなみにアリスと黒木場は後の事を丸投げにして既に帰宅していました。
 おいおい言いだしっぺが責任取らずかよ。(そんなところもアリスらしいけど)



 一方その頃、薙切邸ではえりなが家を出たことが既に薊に報告されていました。
 ですが薊は無理に連れ戻すことはしませんでした。
 今はえりなの行動を尊重したいと思う、と言って。
 ・・・。
 えりなの「行動」を、ね・・・。
 えりなの「意思」とは言わないんだ・・・。(-"-)

 ちなみに薊に報告していた男性。
 軽く薊に不満を零していた様子から、単なる部下というわけではなさそうです。
 彼は薊の右腕的な人物なのでしょうかね?
 これまたさり気に気になるキャラクターが出てきた予感です。





 お風呂で冷えた体を温めるえりな。
 湯の温かさによる安心感。
 でも全く見知らぬ場所に居るという不自然感。
 そしてこれからどうなるのかという不安感・・・。
 そういった様々な思いがその繊細な表情に現れていたと思います。



 えりなが入浴している間、新戸はえりなを極星寮で匿ってもらえないかと頼みます。
 ですが、家出という行動に協力することへの罪意識やえりなの立場から戸惑う極星メンバー達。
 ま、当然の反応ですわな。
 事情を教えないまま協力を頼むというのも虫のいい話ですし。
 仕方なく、新戸は極星メンバー達にもえりなの事情を話すことに―――。



 その結果。

 えりなは大洪水に襲われました(苦笑)。



 そうして一気にえりなの味方となってくれた極星メンバー達はえりなのために歓迎会を開いてくれます。
 ほんと極星陣の面々って良い奴らばっかりだよね~。(^^)
 あれ?一色先輩が服着てる。


 早速恒例の料理の出し合いがスタート。
 まずは青木がえりなに料理を出します・・・が。

 案の定見事にダメ出し★

 まあ・・・でも、初期の頃に比べれば随分とマシな批評と言えますがね。
 料理を叩きつけるなんて最低行為はしていませんし、一言とはいえ褒めてもいますし、至らない点にも細かにこうしたらより良くなるというアドバイスもしてくれてます。
 ん~~~・・・。(-"-)
 それでも「駄目」と言うのはやめてほしい・・・。
 これは社会に出てからも言えることなのですが、教育の面において「駄目」という言葉は禁句だと思っています。
 「駄目」って、完全否定の言葉ですよね?
 そんな言葉を言われた相手は、自分の品だけでなく、自分自身まで否定された気持ちになってしまうと思うんですよ。
 そして、「駄目」と言われ続けることによって、どんどん自信を失っていってしまうことになると。
 自信というものは、他者に認められてこそ育まれるものですからね。
 「駄目」という言葉は、そんな社会で生きていくうえで必要な自信を容赦なく傷付けてしまうと思っているだけに、私もこの言葉は職場では決して言わないように気を付けています。
 えりなはそこら辺、もう少し否定の言葉を自重してもらいたいところですね。

 というわけで。
 ちょいムカつくから専門用語の解説はパス。(をい)


 すっごくご無沙汰だった意味不明な味の比喩(爆)も入った酷評に、さすがの極星メンバーもドン引きか・・・と思いきや。

 かえって火が点いちゃいました(苦笑)。

  
 
 青木:「神の舌がナンボのもんじゃコラー!!」

 

ごもっともーーー!!!


 

 よく言った!!
 根性のある奴は大好きだ!!(さて、栗うさぎは何時代生まれでしょう?)



 勢いに押される形ではありましたが、極星陣の料理の味見に応じるえりな。
 でも創真の品の味見には応じず。

この石頭が(怒)。



 お風呂から上がったばかりの創真に寒い思いさせてんじゃねえよ!!(過保護といわれようがアホと言われようが構わないこれが私の創真愛)



 創真にだけは相も変わらずツンケンな態度を取るえりなでしたが、新戸は気付いていました。
 えりなの変化に。

 嬉しそうに話す新戸に、新戸もずいぶん丸くなったと言う創真。

ごもっとも。(⌒‐⌒)

 本当に新戸は穏やかになりました。
 えりなを遥かに上回るほどに。
 それもこれも創真のお陰ですよね・・・。(あと、葉山も少しだけね)


 そんな親しく話し合う創真と新戸に、えりなはヤキモチ(苦笑)。
 ここのえりなの姿は親友を取られそうなことにヤキモチを焼く女の子というよりも、お母さんを取られそうなことにヤキモチを焼く子どもといった感じですな。
 創真と新戸はスタジエールで特に何かあったわけではありませんよ?
 ただ、お互いにちゃんと向き合っただけです。



 仲間達からリクエストを受け、調理態勢に入る創真。(っていうか、いいのか佐藤!!そんなリクエストを!!よりによって創真に!!!/滝汗)

 そういえば創真が前掛けをしている姿ってなんか久し振りな感じ。
 月饗祭編では前掛けをしている印象があまりありませんでしたから。
 でもそれ以上に、鉢巻を巻いている姿をここずっと見ていない・・・。
 創真の鉢巻装着は調理への本気モードを示す大きな演出効果なだけに、これだけ「溜め」を設けていることに逆に期待が高まりますね。
 一体いつ、どんなシチュエーションで装着してくれるのでしょうか・・・。ワクワク。



 そんな創真の姿に、えりなは一瞬だけ「あの方」の面影を。





 夜も更け、新戸は帰路に就くことに。
 見送る創真。
 本当にこの二人仲良くなりましたよね~。(^^)
 この程良い信頼感は見てて気持ちいいです。

 えりなの今回の家出の件で、薊が反省してくれるのを願う創真でしたが、新戸はそう上手くは行かない事を分かっていました。

 そして仙左衛門が創真に言っていなかったことを教えます。


えりなは薊の計画における“鍵”なのだと。





 


 

 


 そんなわけで、えりなの身柄は極星寮で預かることに。

 今回は雰囲気的に、小休止な話と言えたかもしれません。
 ここ最近は別人かと思うほど不安定で恐怖に震える姿を見せていたえりなでしたが、ようやくいつも通りの姿が戻りました。
 ついさっきまで暗い部屋で一人打ち沈んでいたのが、数時間後にはこんなドンチャン騒ぎの渦中に巻き込まれることになろうとは。いやはや現実は小説より奇なり。(漫画だけど)
 やっぱえりなは振り回してナンボだよね!!(Σd(><))


 
 えりなを迎え入れてくれた極星陣。
 一般人が
大抵抱くであろう、えりなの立場や家柄に対する「壁」。
 そしてえりなの過去への「同情心」。
 えりなへの見方に対するマイナス要素としか思えないそれらが上手い形で組み合わさり、対等な態度という大きなプラス要素へと転じてくれました。
 
 そしてえりなの容赦ない酷評を喰らっても全くめげないタフネスさも非常に爽快でしたね。
 考えてみれば極星メンバーは全員入寮時にふみ緒さんの「入寮腕試し」を受けた身。
 根性は人一倍あるわけです☆

 今回極星陣の代表として、えりなの[神の舌]による酷評をくらってしまった青木。
 ですが、そもそも青木の得意分野は揚げ物なんですよね。
 そこを考慮すると、青木の実力を推し測る余白はまだ充分にあります。
 そこらが上手い造りになっていたかと。



 えりなの冷酷で非情な人格形成について語った仙左衛門に続き、今回は新戸がそんな彼女の「変化」について語ってくれました。
 ですが、私から言わせれば創真の言うとおりです。

 えりなよりも新戸の方がずっと変わりましたよ。物凄く素敵に。

 新戸とえりなの出会いの回想時に小説版の挿絵が用いられていましたが、本当に小説版を読んでいた私としてはより一層新戸の成長(変化)が実感できました。
 つい数か月前はえりなに近づく者は誰であろうが警戒しまくり、従姉妹であるアリスにさえも心を許していなかった新戸。
 これまでの新戸のままだったならば、きっとえりなに気安く接するな馴れ馴れしくするなと、バリケードを張りまくっていたことでしょう。
 でも。
 今では嘘のようにえりなへの敬愛が柔らかく寛大なものへと変わってくれました。
 多くの同級生に囲まれているえりなに、笑みを浮かべる新戸。
 そこに寂しさや嫉妬は微塵もありませんでした。
 
あるのは、ただ温かい喜び。
 そんな風に寛大な愛情を持ってえりなを見守る姿は、まさに「母親」のよう。
 今の新戸はまさに私が望んでいた姿そのもの。
 嬉しいです。とても。(^^)

 えりなが変わった事を喜ぶ新戸でしたが、えりながここに至るまで変われたのは忠義と共に惜しみない愛情を注いでくれた新戸のお陰。
 新戸は恵に匹敵するほど母性愛の強い子だと思います。





 そんな真っ当で深い愛情がえりなに向けられている一方で、歪んだ愛情で彼女を束縛している輩がいるわけで。
 えりなが自分の手元から離れても、とりあえず放置しておくことにした薊。

 薊は分かっているのでしょうね。
 えりなが自ら薊の元へ戻ってくるであろうことを。

 これは「洗脳」だけではなく、えりな本来の性格、そして彼女がこれまで生きてきた人生や世界と非常に深く絡まり合っていることだと思います。
 だからこそ新戸やアリスら多くの協力がこれまであっても尚、えりなの「呪縛」は完全に解かれなかったのでしょうから。
 その意味では、薊はえりなを理解していると言えるのかもしれません。


 この作品は三本の柱で構成されていると考えています。
 一つ目は「料理バトルを通した友情」。
 二つ目は「積み重ねられる交流の中での恋愛」。
 そして三つ目が「親子(家族)の絆」。
 一つ目と二つ目の柱は既にこれまでの作中で大きく提示されていましたが、「親子の絆」が提示されている描写はこれまで創真と城一郎の幸平親子のみでした。
 ですが。
 実は[三大ヒロイン(えりな・恵・郁魅)]も、[三大ライバル(タクミ・葉山・黒木場)]も、これまでの作中で「親子(家族)の絆」に関する布石が既に置かれているんですよね。(※小説版含む)
 
 その三つ目の柱の重要性を創真らより一足先に示してくれたのが四宮先輩。
 スタジエール編にて、彼は母親を通して料理人としてのルーツを見せていました。
 これらの三本柱は作中の構成要素だけでなく「良い料理人になるための必須要素」としても重要な役割を担っていると考えています。


 そして今現在の章でまさに、えりなと薊という薙切親子への「絆」に照準が当たっているというわけですね。
 あ、ちなみに私、「絆=プラスの繋がり」とは決して思ってません。
 その形によっては幾らでも「束縛」になったり「重荷」になったりするものだと思っています。
 薙切親子はまさにその「マイナスな絆」の模範なわけですね。

 似ているようで違う。
 それが幸平親子とするならば。
 違うようでやはり同じ。
 それが薙切親子なのでは。

 
もし創真を通した城一郎の存在が今回の章で関わることになるならば、薊とえりなの感情・判断・選択などそれぞれの行動から、二人の相似点が否が応にも浮き彫りになるかもしれません。

 

 

 

 今回の終盤で、一瞬とはいえ遂に創真と城一郎の「繋がり」を感じ取ってしまったえりな。
 極星寮の面々との新たな出会いは「救い」へと繋がる「変化」を期待できた反面、創真との関係は一切変化無しのように思えました。
 ですが・・・。
 やはり水面下では着実に創真とえりなの関係における「変化」も進行しているのですね・・・。
 あ~~~・・・気が重い。
 今回の件で共同生活を送ることになった以上、ある程度は創真とえりなの仲は柔らかくなるかもしれません。
 でも。

 多分この章のどこかでえりなは再び創真に対して一方的な否定という「壁」を作ってしまうのではないかと思います。
 その「地雷」が、創真が城一郎の息子という事実関係の発覚になってしまうのだろうと。
 離れようとしても会ってしまう。
 追っても逃げる。
 腐れ縁。
 背中合わせ。
 それが創真とえりなの関係性だと思っていますから。

 ああもう!!
 毎度のことながら附田先生は「期待感」と「不安感」の配合の達人ですね!!(><)






 こうしてひとまず落ち着いたえりな。
 ですがこれはあくまで一時しのぎ。
 これからどうやって薊に向き合っていくかが当面の課題でしょう。
 それと並行して、次回からいよいよ薊政権による遠月学園の「変革」が行われることになるわけです。
 

 おそらくかなりの長編になるに間違いないであろう今回の章。
 薊を頭とした遠月十傑の大半と対峙することから考えて、「秋の選抜編」ぐらいの長さになるのではないかと思っています。
 ですが今回の章では、創真は前線から一歩下がった立ち位置を選ぶのではないかと予想。
 例えるならば「スタジエール編(前半)」で新戸が自ら努力し成長する様を見守ってくれた、いわばサポート的ポジショニングに基本的に徹するのではないかと思います。
 実際(ここが『幸平創真』という人物の凄い所なのですが)、創真はサポート役として動いてもしっかりと存在感を発揮できる子ですからね~。
 もし補助役に回ったとしても、なんら問題なく主人公としての働きを務め上げてくれることでしょう。

 でも。

 薊が主犯となる今回の章はえりなが中心であり、また“鍵”でもあることが今回のラストで明かされましたが。

 暗に、創真もまた今回の章の“鍵”になると思います。





 ではここから、私が今回の話で一番語りたかった考察に入らせて頂きます。



 ラストの新戸の発言に爆発しました。私の考察脳が。
 えりなは薊の計画における“鍵”だということ。
 そして薊の教育メソッドに驚愕する教員達。



 結論から言わせてもらいましょう。

 

 

薊は[神の舌]の量産化を計画しているのでは。

 



 薊がえりなの[神の舌]に執着し、「洗脳」という「教育」を通してより一層[神の舌]の精度を上げようとしたことは、これまでの回想で既に述べられている通り。
 “料理人”として頂点に立つことを目指す者ならば、喉から手が出る程欲しい能力であろう[神の舌]。
 それを後天的に付与することが可能ならば・・・?

 「最高の料理人を輩出する料理学校」として、究極の教育機関となるに間違いありません。

 薊はえりなをオリジナルとし、彼女の天性の能力をコピーした料理人をこれからの教育で育て上げようと目論んでいるのではないのでしょうか?

 私がこの考えに至ったのは、第134話での考察によるものです。
 もし本当に、創真もえりなに負けずとも劣らない味覚の持ち主だったとしたら。
 先天性のもので、高級で厳選された美食によって維持してきた味覚。
 片や元々ごく一般的なレベルだったものの、ゲテモノ料理を始めとしたあらゆる味の経験から鍛え上げてきた味覚。
 その二つは「料理人の味覚の向上の形」において完全に相反するもの。

 そしてこれこそが薊の「野望」を打ち砕くものになると同時に、えりなのこれまでの「存在価値」を打ち砕くものにもなってしまうのでしょう。

 仙左衛門が創真のこのポテンシャルを知っていた上でえりなのことを頼んだと考えるのはまだ尚早でしょう。
 それに、この能力は料理人にとってあまりにも強力すぎるスキルです。
 創真のこのポテンシャルが作中で明かされるとするならば、それはずっとずっと後・・・。
 この物語が本格的な終盤に入る頃になると思います。

 それに創真は既にお得意の「創意工夫」で[神の舌]に充分対抗できることを証明していますしね!!(^^)
 多分この章でも、創真はこれまでと変わらない己の武器で闘ってくれると思っています!


 もし次回の内容が上手い具合に合っていたら、そこで上記の理由を述べさせて頂こうかと。
 もし合っていない内容だったら・・・。
 多分単行本感想まで持ち越しになると思います。
 その際はどうかご了承くださいませ・・・。 

 

 


『食戟のソーマ』第137話感想

2015-10-11 23:50:00 | 食戟のソーマ

 前々回のジャンプの話で恐縮ですが、ちばてつや先生の対談に釘付け☆
 生きるレジェンドのお言葉ですよ・・・!!!
 思わず拝みそうになりました。(←)
 ちばてつや先生の「漫画作りにおいてコマ割りに一番苦労している」というお話にはいたく納得。
 「コマ割り」、すなわち構成&演出。
 確かに幾らストーリーや作画が良かろうが、演出&構成によって作品の面白みは大きく左右されますものね・・・!!
 私自身が演出に煩い人間なだけに、凄く頷かせられました。

 というわけで。
 映画『バクマン』観たい。
 『図書館戦争 THE LAST MISSION』も観たい。

 あああ時間が欲しい・・・!!!



 週刊少年ジャンプ2015年45号掲載。
 掲載順第5位
 第137話 【希望の灯火】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブボハァア!!!!!

 






 吹きました。

 いろんなものを。

 終盤の創真を目にした瞬間に。

 

 

 

 

 もう今回の感想はこれだけでいいんじゃね?
 と主張する栗うさぎの本能。

 ですが、いいわけねーだろと栗うさぎの理性が断固反対したので(笑)、いつも通りの感想をば。

 

 

 

 

 普段通りに定例会議を行う十傑。
 ですが、久我は欠席していました。
 久我のボイコットはしょっちゅうのようですが、紀ノ国寧々は何か思う所がある模様。
 今回の久我の欠席は新総帥:薊への反発によるもので、そしてそれに一色先輩が一枚噛んでいるのではと勘繰っているように見えますが・・・?
 にしても、やっぱ紀ノ国寧々は美人だな☆

 久我に対してもそうでしたが、叡山やえりなに対しても至ってフレンドリーな竜胆先輩。
 やっぱり良い人なんだよねー。
 きっと竜胆先輩はムードメーカーというか、マイペースでありながら十傑メンバーのギスギス感を和らげてくれている存在なんだろうな~。 


 あ、そうそう。
 十傑の姿を見て思い出しました。
 以前から述べようと思っていた十傑絡みの考察を何点か、ここで纏めて述べさせて頂きますね。

  •  前回の仙左衛門の話から思い至ったのですが、叡山が薊側についたのは薊が海外を活動拠点にしているからだと思います。
     かつて創真に「見ているステージが違う」と言っていた叡山。
     彼は薊の「改革」に乗じて、「世界」に向けて自分の事業拡大を狙っているのでは?

  • 公明正大そうなイメージから、薊側についたのが意外だった斉藤綜明。
    ひょっとしたら彼は食の「礼儀作法」において薊の方針と考えが合ったのではないでしょうか?
    元々第一印象から「武者侍」のような硬派な雰囲気を感じてはいましたが、彼の料理ジャンルも「和」のようですし、礼儀作法を重んじる料理人のように思えます。

  • そして最近料理ジャンルが「スイーツ」らしきことが判明した茜ヶ久保もも。
    「スイーツ」といえば、これまでその分野に関わってきたのはタクミと美作ですが・・・。
    小説版で明かされたバックボーンも踏まえると、郁魅と関わる可能性も大いにありそう。
    それに・・・。
    茜ヶ久保ももはいつもヌイグルミを持っていますが・・・。
    郁魅もヌイグルミにまつわる切ない思い出がありますからね・・・。
    そこらと絡めて二人の交流があるのでは、と予想。



 竜胆先輩に食事に誘われるえりなでしたが、ハンターに捕獲されたため同席できず。
 ・・・え?
 ハンターじゃなくって薊の部下ですか?失礼しました。
 薊の部下に連れられて移動するえりなでしたが・・・。
 これどう見たって護衛じゃなくて監視だろ。


 そして薊さん・・・。
 それ真剣では・・・(汗)。
 おまわりさーん銃刀法違反者がいますよ~。

 新戸に代わって、えりなのスケジュールを伝える薊。
 ここまではまだよしとしても、またもや薊は勝手な事を。
 えりなに何の断りもなく、独断でえりながこれまで新戸と一緒に受けてきた授業をキャンセルさせてしまったのでした。


 話は横に逸れますが、茜ヶ久保ももの得意分野といい、今回の件で「お菓子」も学園の調理授業に組み込まれていることが判明した事といい、着実に「お菓子作り」もこれからの展開で織り成されるであろうことが推察できます。
 創真も作るのかな~♪
 どんなお菓子を作ってくれるのかな~♪
 ん~、でもホットケーキぐらいしか想像できないや~♪(←)



 話を戻しましょう。
 こうして真綿で絞められるように、外界との接触をえりなは奪われていきます。
 十年前も薊は同じようにして、えりなとアリスの文通を絶たせていたのでした。

 随分とみていなかった過去の「悪夢」を再びみてしまい、暗い自室で打ち沈むえりな。
 とそこへ、彼女に掛かる声が。

 その声の主はアリス!

 黒木場と新戸を引き連れ、アリスはえりなを屋敷から脱走させます。
 走れ!走れ!!走れ!!!(メロス!)
 でないとハンターが追ってくるぞ!!!
 ・・・・・え?
 だから『逃●中』じゃないって?こりゃまた失礼しました。



 それぞれ親から、えりなが薊から受けた所業を聞いていたアリスと新戸。
 沢山手紙を送ったのに一通も返事をくれなかった!とアリスはえりなに言います。
 でもこれはえりなを責めているわけではなくて、えりなも寂しかったであろうが自分だって寂しかった、という意思表示。
 小説版第3弾で書かれていますが、気心の知れた同年代の相手に恵まれなかったのはアリスも同じでしたからね。

 つまりは、あの時と同じように気持ちまで離れ離れになってしまうのはもうたくさん、ということ。

 普段は困った子ですけども、根が良い子ですよねアリスって。(^^)
 ここの表情もとても良いな~。


 過去と同じ事態には二度とさせるわけにはいかない!!
 ということでアリスが発案したのは「家出」。

 「家出」という言葉に一瞬高揚の表情を見せるものの、すぐに不安げな表情になるえりな。
 薙切家を出るという初めての体験への好奇心と、父親に逆らうことの恐怖心や罪悪感といった葛藤が窺えます。
 ラプ●ツェルと同じような心境なわけね。(←)



 そこに入る、黒木場の至って冷静な質問。



 うん。



 やっぱノープランでしたかアリスちゃん(苦笑)。



 押し問答を繰り広げるアリスと新戸。
 あまりにもツッコミ所が多いので箇条書きで(笑)。

  • をーーーい!!!
    大丈夫か著作権!?(小●館からクレームきたらどうすんの!?)
    確かに「家出」といえばこの方の右に出る者なんていやしませんけど!(←)

  • 思いっきりギャグのノリながら、実はここの新戸の発言には引っかかりを。
    えりなを憧憬しているが故の言葉だというのは分かっていますが、こういう見方こそがえりなと他者との“隔たり”になっているんですよね・・・。
    新戸が創真の発言を実践できるのはまだもう少し先かな。

  • これだから箱入りのお嬢様は。

  • えりなの世間知らずさは私も太鼓判を押そう。(←←←)
    考えてみればホテル暮らしも、洗濯とか色々一般常識が必要だものね。



 そういうわけでいきなり手詰まりになってしまったところに、更に雨まで。
 その前途多難さもあり、新戸達の立場も危惧したえりなは折角逃げ出した屋敷に戻ろうとしますが・・・。
 そこに現れたのは恵。
 いつの間にか極星寮の裏まで逃げていた新戸達の会話を聞きつけ、様子を見に来たのでした。
 そして恵に促され、えりな達は極星寮に雨宿りすることに。





 一方その頃、創真も一向に止まない雨足に極星寮に帰ろうとしていました。
 去り際に、創真は仙左衛門の頼みに対する返答をします。
 雨に濡れながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

濡 れ な が ら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 附田&佐伯先生ありがとうございます。

 

 

 

 本当にありがとうございます。

 

 

 

 

Thank you!!! 

(↑↑↑)

 

 

 

 

 いつかはやってくださるだろうと信じてました。濡れ創真。
 信じて良かった。ああ幸せ。

 これほど健やかな色気に溢れた主人公って、長いジャンプの歴史上でもいないと思う。

 マジで惹かれる惚れる魅入られる。
 水も滴るいい男ってこういうのを言うのね。



 そんな創真に思いっきり吹かされましたが、もしやと思って電子版のフルカラーの方も見てみたところ・・・。

 

 

 

 

 

グボハァア!!!!!

 

 

 

 

 

 やっぱ色がつくと破壊力激増です・・・。

 極星寮だけでなく、創真自身にも希望の光が灯っていますよ・・・。

 

 

 


 

 

 

 えりなを救えるとすれば
 それはきっと
 彼と
 彼らの世代なのだろう


 仙左衛門のこの言葉がまさに全ての総括と言える内容でした。
 えりなを救えるのは創真だけではなく、彼女の周囲に沢山居る。
 今のえりなは決して独りではない。
 その事が今回を通して描かれていました。





 前回にてえりなの薊に対する恐怖の理由が明かされましたが、今回は冒頭にて、えりなの視点も入った薊の「教育」が描かれていましたね。
 あらゆる点に合点がいきました。
 えりなが根底で他者を信用していなかったのも薊の「洗脳」が関与していたんですね。

 そしてこれは以前から思っていた事ですが、えりながあれほど城一郎を慕うのは、自分の求める「父親像」を城一郎に重ねているのだと思います。

 えりなは愛情に飢えた子ですから・・・。

 超裕福な家に生まれ育ち高価な物品に囲まれていても。毎日あらゆる贅沢な食事を献上されていても。
 どんなに沢山与えられても、決して満たされない“飢え”を抱えている。
 えりなはそういう子なんですよね。
 それが最も顕著に示されている画が、単行本第2巻の表紙イラストだと思っています。





 そして期待していた創真の返答はというと、極めて真っ直ぐな原点回帰。

 すっごく納得。

 そして嬉しい。

 この初志貫徹の姿勢は非常に創真らしかったです。(^^) 

 ・・・凄いですよね。
 ここの創真の発言は表面だけ受け取れば薄情で自分本位なものです。
 だけどその表情は発言とは正反対。
 言葉と表情の不一致さが読者に働きかける、キャラの意思の深読み。
 こういった手法は、表情の描写に非常に力を注いでおられる佐伯先生だからこそ出来る技。
 そして附田先生も佐伯先生の実力に全幅の信頼を置いているからこそ、ここぞというこの場面でこの手法が取れたのでしょう。

 「高級」「完璧」「勝利」。そういったえりなの絶対的価値観を打ち砕くこと。
 ひいてはえりなと真逆の信念を持つ自分の料理を認めさせること。

 そんなことはとっくの前から決めていた。
 自分の誇りの為に。
 だから、下手な同情なんてしない。
 自分で勝手にすることなのだから、仙左衛門も何も気に病むことは無い。
  

 きっと創真はこういう思いで、仙左衛門に言ったのでしょうね。
 本当に、創真ってなんて良い子なの・・・!(><。)


 と、いっても。
 創真は凄まじく良い子ですが、決して聖人君子なんかではありません。
 そういうわけで。
 次のページではアクマな笑みを浮かべているのも、これまた創真様らしい・・・(大苦笑)。キバキバ・・・


 フレンドリーでさっぱりした態度から忘れがちになってしまいますが、創真は受けた屈辱は絶対に忘れない子ですものね。(^^;A)

 結局、仙左衛門の真摯な頼みも、創真にとっては今までの目標を更に確たるものにさせただけだったわけです。(^‐^)





 それと、前回述べ忘れてしまったのですが、創真はえりなの「囚われているもの(絶対的価値観)」を打ち砕く非常に大きなファクターをもう一つ持っています。

 それは。

 創真は、えりなにとって唯一の「不正」ということ。

 何度も言うようですが、こと料理に関しては正論をかざし、かつ自身も常に正しくあろうとしているえりな。
 「正しさ」。
 これもまた彼女にとって絶対的信念の一つです。
 でもそんな彼女は、たった一つだけ明らかな「間違い」をかつて犯しました。

 料理人としてはその偏った価値観から。人間としてはその幼稚で意地っ張りな性分から。
 編入試験時に、充分合格基準を満たす実力を持っていた創真を「不合格」としてしまった。

 だからこそえりなは自分の「正しさ」を取り繕おうと、これまで散々創真を否定し、彼が学園を去るのを望んできたわけです。
 犯してしまった唯一の過ち。
 それがえりなと創真の大きな確執の一つであり、これからへと続く因縁に。
 そしてこれが創真が今回仙左衛門に告げた決意にも繋がっているわけです。
 これだけは他のキャラが請け負うことが出来ない、創真とえりなだけの関係。
 この関係は全ての始まりとも言える超重要なポイントと見ているだけに、附田先生はかなり丁寧に扱ってくれると思っています。





 ・・・さて。

 薊政権の対抗勢力として極星寮が拠点になるであろうことは分かっていましたが、まさかえりな本人がそこにやってくることになろうとは。

 アリスの行動は気になってはいましたが、まさかこれほど大胆な行動を起こしてくれるとは思いもよりませんでした。
 ナイスだぜアリス☆(d(‐ ‐))
 アリスのこういう無鉄砲な行動力って、ホント重宝すると思う。
 少々無茶苦茶な展開でも、アリスが関わるだけで納得できちゃうんだもんな~。
 つくづく附田先生はキャラを育てるのが大変お上手だと思います!!



 こうして偶然にも極星寮にお邪魔することになったえりな。
 こうなってくると極星寮に身を寄せることになるのは間違いないでしょう。

 ・・・ただ、心配事がひとつばかり。

 そこには裸エプロンという、えりなサマにとって気絶レベルの存在がいるんだけどネ・・・。(核爆ドッカーン) 

 

 


『食戟のソーマ』第136話感想

2015-10-01 02:00:00 | 食戟のソーマ

 アニメの『ソーマ』終わっちゃいましたね~。
 長かったような短かったような・・・。
 個人的には不満点も強かったですが、それと同時に称賛部分もちゃんとあったアニメだったと思います。
 総合的には良アニメと言えた・・・かな?
 まあなんにせよ、スタッフの皆さんお疲れ様でした!!
 いずれ時間に余裕が出来たら、中断していた感想記事もちゃんと書き上げたいな・・・。

 そして。
 アニメ終了と同時に。

 原作担当さんが交代だとーーー!!!???

 正直こっちの方がよっぽどショックでしたよ!!
 うわーーーん!!中路さーん!!
 『ソーマ』をここまで成長させてくださったこと、心から感謝しております!!
 これまで約3年間、本当にありがとうございました!!(><。)
 これからもジャンプを新たに支える作品を育てるお仕事、どうか頑張ってください・・・!





 週刊少年ジャンプ2015年44号掲載
 掲載順第3位
 第136話 【囚われの女王】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異国の地で偶然出会った城一郎と堂島先輩。
 あらまあ☆
 城一郎はともかく、堂島先輩も外国にいたなんて。
 月饗祭時は遠月リゾートがフル稼働とあったので(第122話冒頭参照)、観光部門のトップである堂島先輩は当然国内で先頭に立って働いていると思ってましたよ。
 ・・・薊がこのタイミングで変革を起こしたのも、堂島先輩が遠月を離れている今を狙ってのことだったのでしょうか・・・。

 飄々とした城一郎を叱責する堂島先輩。
 番外編の『別腹! #1』(単行本13巻収録)を読んだ時も思いましたが、この二人のやり取りって創真とタクミのやり取りとよく似てますよね(笑)。
 といっても聞く耳もたずな城一郎に対し、創真はちゃんと相手の話を聞く素直な子ですが。(^^)

 そんなやり取りの最中、堂島先輩に届く仙左衛門の失脚の報。
 「薊」という名に、眼を見開く二人。


 

はい、「薙切薊=中村薊」正式に解禁です。

 

 加えて追加情報も。
 当時の第一席が堂島先輩で、第二席が城一郎。そして薊が第三席だったわけですが、薊が城一郎らと同い年だったらちょっと強者感が弱いな~と思ってたんですよね。
 なので、薊は城一郎らより一つ年下かな、と予想していたのでした。
 ところがどっこい、附田先生は更に強者感をはっきり付けてくださいましたよ。
 なんと薊は二人より二つ年下。
 つまり、高等部1年生で十傑第三席という座に就いていたという事実が判明します。
 凄いですね・・・!!
 今の世代の十傑はおろか、えりなでさえまだ十席という末席だというのに。
 ・・・ということは、近いうちに薊は策略的にえりなと現三席の女木島冬輔を食戟させて、えりなを第三席にのし上げさせるかも・・・。(丁度女木島は薊を支持していない十傑ですし、失脚の狙いも兼ねて)





 一方、話があるということで外に出た創真と仙左衛門はというと―――。
 ランニングしてました(苦笑)。
 堂島先輩とは裸の付き合いで、仙左衛門とは鍛錬の付き合いですか、なるほど。(←)
 確かに何事にも体力は大事だけど、無理はしない程度にね、お爺さん。


 で、気になっていた仙左衛門と城一郎の関係はというと・・・。

 教えてくれないのかよ!!!


 なんだよもう!!
 それを一番の楽しみにシルバーウィークを挟んだこの9日間を乗り切ったのに!!
 連休を楽しむ世間を横目に、それだけを心の支えにしてお仕事頑張ったのに!!(←大袈裟&どうでもいい話)
 あ~~~・・・肩すかし。
 展開的には出し惜しみ一切無しだけど、やはり城一郎(ひいては創真)に関することは滅茶苦茶焦らしてくださいますね~附田先生・・・。



 そういうわけで、えりなの事を話し始める仙左衛門。
 えりなは、かつてはよく笑う子だったと―――





 以前、第33話の冒頭にてちょっとだけ語られていた、えりなとアリスの4歳時の過去エピソードが再起用。
 あの時は、誕生祝に折角作ってあげたケーキを不味いと言われたと語っていたアリス。
 確かにえりなは当時から料理に対して容赦の無い感想を言う子でした。
 しかしながら、作り手の気持ちをちゃんと汲んでくれる子でもあったという。
 ここのえりな、アリスを初めて「お嬢」と呼んだ時の黒木場と似てますね(第98話)。
 某赤髪少年と同様に、アリスもツンデレタイプと相性が良いようです(笑)。

 そんな風にケンカしつつも仲良く笑い合えたえりなとアリス。 
 でも5歳の頃にアリスは最新の調理技術を手に入れるため、北欧へ。

 そして時が流れ、えりなが6歳の頃、薊の「教育」が施されてしまう事に。
 薊の後をついて行くえりなめっちゃ可愛い。
 この笑顔がじきに失われてしまうと思うと・・・。





 ここからの「教育」シーン。



 連載開始以降過去最高に気分が悪くなりました。



 「美味しい」と思った料理ではなく、「正しい」味付けの料理を選ばせる薊。
 そしてあろうことか、「正しくない」料理は屑入れに捨てさせるという悪行を強要させます。

 

 

 

 

 

ふ ざ け る な

 

 

 

 

 

 食べ物を粗末に扱う事を教え込むなんて、料理人としてだけでなく、人としても最低行為です。

 分かってんのか?
 その料理一品が出来上がるまでにどれだけの時間と手間と思いが込められているのかを。
 生産者の方々が汗水流して、苦労と時間を費やして作った食材を。
 料理人が手間暇掛けて、試行錯誤と熟考の末に作り上げた品を。
 それらを独りよがりな判断で価値の無い物と決めつけ、侮蔑の果てに廃棄させてしまうなんて・・・!!





 怒りを抱きました。本気で。





 元々えりなは好きではないと公言している私ですが、初期のえりなは特に大嫌いでした。
 その大きな理由の一つだったのが、気に入らない料理を無下に扱うという酷過ぎる横暴さ。
 料理に携わる者として絶対に許せない所業でしたが、それを大の大人が、ましてや父親が教え込んでいたんだなんて・・・。
 しかも。
 父親(薊)の認めるもの以外は塵だ芥だ屑だと・・・。


 どうしよう、この先何があったとしても批判しそうな勢いで薊への嫌悪感が止まりません。


 どんだけ自分本位なんだという。
 真性の独裁者ですね。支配者ですね。
 最低です。





 「教育」を受けさせる前に、えりなにいい料理人になりたいか」と聞いていた薊。
 城一郎もえりなに言っていましたよね。「いい料理人になったら御馳走して貰いに来る」と。
 薊の言う「いい料理人」と、城一郎の言う「いい料理人」。
 それは非常に対照的な考えであることが今回を通して分かります。
 薊は、薊自身の独りよがりな価値観を強制的に植えつけた。
 それは「自分が認めた料理以外は塵」という、完全に自己中な考え。
 対して城一郎は安直に教えず、えりな自身が精進してそれを模索させるようにした。
 それは「他者の為に自分の全てを捧げた料理こそが尊い」という、他者への思い遣りを大切にする考え。
 完全に真逆の教育方針です。

 ・・・ひょっとしたら。
 こうも対照的だと、「いい料理人」に基づく考えの“原因”も一緒だったりして。
 城一郎は自分の大切な女性(妻)によっていい料理人になれたのに対し、薊は自分の妻(えりなの母)が原因で料理人としての考えが捻じれてしまった、という可能性もあるかも。
 仮にそうだったとしても、同情の余地は一切ありませんがね。





 そうして本来ならアリスと同様に、よく笑いよく怒りよく泣くような子に育っていたであろうえりなは、ほとんどの感情を消された冷徹で非情な「女王」になってしまった、というわけですか。

 こうして現在に至る、と。



 しかしながら薊は遠月を追放されても尚、海外で富裕層だけの活動を行なっていた模様。
 お。
 秋の選抜や月饗祭に続き、ここにもまた伏線が張られましたね。
 「世界進出」への。


 薊の「教育」という名の「洗脳」は根深かったものの、多くの者達の協力によってえりなは自分自身を少しずつ取り戻していったとのこと。
 レオノーラと背中合わせにいる人物は、きっとアリスの父親だと思います。
 薊が婿養子ということは、薙切の血を引いているのはえりなの母親の方。
 ということは、アリスの父はえりなの母の弟でしょうね。
 未だに名前は明かされていませんが、薙切の血を引く者として、そしてえりなの母を知る人物として、彼も中々重要な人物になりそうです。
 そしてもう一人の眼鏡の男性は景浦久尚かと。
 考えてみれば『食戟』という遠月学園の絶対権限を管理するという立場において、仙左衛門は信頼できる人物に任せるでしょうしね。
 一体景浦はどういった形でえりなを助けてくれたのでしょうか?(もし彼のスーツの柄と関係してたりしたらどうしよう/爆)
 そしてそんな面々の最奥にいるのが城一郎なわけですね。

 ですが、そんな多くの協力があっても尚、えりなの心は未だに薊という「鳥籠」から抜け出せていなかったのでした。



 ここで創真に向き直る仙左衛門。

 そして、頭を下げます。

 えりなを救ってやって欲しい、と。

 

 


 

 

 

 

 「頼む、えりなを救ってやってほしい」

 

 

 

 

・・・いいんですね?

 

 

 

 この仙左衛門の頼み。

 

 

 

 

私は「えりなを打ち負かしてほしい」と受け取りましたが。

 

 

 

 

 「鳥籠」の扉を開けたくらいじゃダメ。
 「鳥」がそこから外に出るとは限りません。
 「鳥籠」をブチ壊すぐらいのことをしないと。

 

 

 

 でもその前に、ひとつ聞きたい。

 どうして創真に頼むの?


 えりなと親しい人物ならば新戸やアリスが。
 実力的にならば葉山や他の十傑(一色先輩や女木島冬輔)など、頼める相手は他にもいる筈。
 なのに、何故。

 ・・・もし「創真が城一郎の息子だから」という理由だったなら、私は仙左衛門に軽い怒りを抱きますよ。

 創真が「創真」だからこそ、仙左衛門は頼んだと思いたいです。

 えりなとは全く真逆の価値観を持ち、彼女がこれまで知らなかった“世界”そのものだからこそ。
 相手の“壁”がどんなに分厚く高かろうが、いとも軽々とそれを飛び越えてしまうような人物だからこそ。
 どんなに強大な権力や強者を敵に回そうが、決して揺らがないからこそ。
 そして、相手に真っ向から相対しつつも、同時に真っ直ぐに向き合ってもくれるからこそ。
 仙左衛門は、創真を選んだのだと。 

 創真しか「えりなが囚われているもの」を壊せないと、仙左衛門は分かっているのでしょう。
 薊はあくまでえりなが囚われているものの象徴にすぎません。
 「特別」。
 「才能」。
 「上流階級」。
 生まれながらにそういったものを持たされ、それらが自分の“世界”であり“存在価値”そのものになってしまってこれまで生きてきたえりな。
 だからこそ、「特別な才能のある自分の判断こそが正義であり絶対」という考えが根源にある薊の「呪縛」が完全に解かれることは無かったわけです。
 その「呪縛」を完全に解いてえりなを救うには、えりながこれまで「絶対」としてきた価値観を真逆の方向から打ち砕くしかありません。
 それを成すことが出来るのが、「一般庶民」であり「天性の才能」も無く、「大衆料理」を武器とする料理人である創真しかいなかったのでしょうね。



 でもこれは、きっと荒療治。
 創真とえりな双方が今より更に悪化した事態に陥りかねない、一種の危険な賭けとも言えます。
 えりなが囚われていたもの。それはえりなを縛り付けるものであると同時に、ある意味でえりなを守るものでもありました。
 ずっと以前から危惧していた事ではありますが、それを壊されたらえりな自身さえも壊れてしまう危険性は充分にあります。

 そして危険なのは創真も。
 えりなが薊の手に落ちてしまった今、えりなと対立するという事は薊とも敵対するということ。
 ひいては十傑のほとんどを、遠月学園そのものを敵に回すことになってしまいます。
 そんなことになってしまったら、あの薊のこと。
 創真の料理人人生は勿論、創真の実家や仲間達まで叩き潰そうとしてくるかもしれません。


 下手したら、お互い全てを失ってしまうかもしれない。
 これはそういう頼み。


 この頼みがどれほど重いものかを重々承知しているからこそ、仙左衛門は薙切家の長としてでなく、ただ一人の祖父として、創真に頭を下げたのでしょう。







 ・・・さて。
 この仙左衛門の頼みを受け、創真がどうするかですが・・・。


 創真はきっと、この頼みを受けてくれるでしょうね。


 本当に創真は、相手の真摯な気持ちを真っ直ぐに受け止めてくれる子ですから。



 ただし。



 仙左衛門が考えるような手段ではえりなと対立しないことでしょう。




 恵の時も。
 タクミの時も。
 美作の時も。

 創真は常に相手を「料理人」として信用し、その上で本当に真っ直ぐに誠実に向き合ってきました。

 えりなに対しても、えりなの料理人としての実力はとうに認めていることでしょう。
 ただ認めていないのは、その排他的で局所的な考え方だけ。

 だから・・・。

 私の考えとしては、創真はえりなと相対しつつも、これまでと変わらずに不躾に、真っ直ぐに、温かく、己の姿を通してえりなが囚われている「鳥籠」を少しずつ解体してくれると思います。
 えりなが自分から「一歩」を踏み出せる勇気が出せるように。
 短絡的で力任せな方法は取らず、本当に創真は長い目で向き合ってくれる子ですから・・・。(^^)


 もっとも、薊の「改革」によって創真の仲間達が窮地に立たされたりしたら、創真はそれこそ真正面からぶつかってくるでしょうがね。


 恵の時や葉山、そして新戸の時に垣間見せていたように、創真は相手が自分の心を偽ることを良しとしない子です。
 
きっと創真はえりなの心を解放させようとしてくれることでしょう。


 
 果たして次回、創真はどんな判断を下し、どんな言葉を口にするのか。

 期待しています。