あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第272話感想

2018-07-29 21:25:40 | 食戟のソーマ

 今週のジャンプは、とにかく一番次回が気になる・・・というか、心配なのが『ゆらぎ荘の幽奈さん』ですね。
 先週までは
 コガラシがハーレム系ラブコメ史上最強の主人公になっちまったー!!(Σ( ̄□ ̄;))
 と、良い意味で緊張感の無いツッコミを存分に入れられる展開だったのに・・・
 予感はしていましたが、やはりシリアス全開の戦いが始まってしまいましたね。

 呑子さんのフルパワーは如何ほどのものなのか勿論気になるけども、ここはやはりコガラシに止めてもらいたいし、コガラシだからこそ止めるべきところ。
 幽奈も自分の衝撃の事実に混乱しているでしょうが、守られるだけではなく、ちゃんと師匠さんにも“己自身”にも向き合ってもらいたいところですね。

 それにしても、師匠さんと再会した時からずっとコガラシは深刻な雰囲気を醸し出していましたが・・・
 ひょっとして、師匠さん・・・
 既に悪霊になっちゃってる・・・とか・・・?(いやそれはさすがに重すぎるかそんなわけないよねっていうかお願いそうじゃありませんように)



 でもって今回一番の注目作は、個人的にやはりコレ。

 
『食戟のサンジ』。

 附田先生はツイッターにて、読者の方々が受け入れてくれるだろうか心配なされておられました。
 確かに熱心な原作ファンであればあるほど、こういうスピンオフには抵抗を抱いてしまう傾向がありますものね。

 取りあえず私の感想としては・・・

 

 まんま『食戟のソーマ』第一話ですね。(扉絵からして)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、これってとても大事なことを示していますね。(^^)

 

 

 

 料理や店を大切にする信念、誇り。
 そんな創真が見せていた姿勢をサンジも見せていましたが、これは「サンジ」というキャラクター単独として見ても全く違和感がありませんでした。

 それはつまり、『ONE PIECE』でも『食戟のソーマ』でも、“料理人としての誇り”が両者ともに共通しているということです。(^^)

 このスピンオフは、そんな作品の壁を越えた同じ信念、誇りを描いてくださったと思うんですよね。
 だからこそ『ONE PIECE』のスピンオフとして初の正史と公認されたのではないでしょうか。

 個人的にはオリジナル作ではあまり見られない構成・演出にもかなり目を引かれました。
 もともと私が『食戟のソーマ』という作品に惹かれた切っ掛けは、その卓越した「演出力」です。
 それがまさに今作では遺憾なく発揮されていたと思います。

 あくまで私の印象ですが、『ONE PIECE』という作品はそのキャラクター数の多さやテンポ感から、全体的にコマが小さめでカメラを引いた俯瞰的描写が多めに感じます。
 そして背景を非常に緻密に描き込んでいるという特徴も。
 ですが、今作ではかなりコマを大きめに取って、サンジの行動一つ一つをカメラをアップにしてゆっくり丁寧に描いているという。
 それが最もストレートに描かれていたのは、料理を始める前のあの一連のシーンですね。
 その結果、サンジの大人としての余裕やダンディズムが申し分なく表現出来ていたという。

 これだけのクオリティなら、できればまた今後も何かの機会で読んでみたいですね。佐伯先生のお体が大丈夫ならば。
 個人的には「マリンフォード頂上戦争」後のサンジの修行に興味あり。佐伯先生のお体が大丈夫ならば。
 でもそれ以上に見てみたいのはやはり!ホールケーキアイランド編!!ウエディングケーキ作りを是非改めて拝見したいです!!佐伯先生のお体が(以下略)。

 佐伯先生、本当に本当にお疲れ様でした。(m(_ _;)m)

 でもって。


 普段以上の鬼作画どうもありがとうございました。
 (「神作画」じゃなくてもはや「鬼作画」。容赦無しで攻めてくる超画力。)

 

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年34号掲載
 掲載順第8位
 第272話 【不穏なる来訪者】

 

 

 今週面白かったです。
 ああ・・・早く今週面白かったと言えるようになりたい・・・。

 

 

 創真達に引き続き、今度はアリス達が[真夜中の料理人]の探査任務に就いている模様。
 っていうか、いつの間に遠月学園って料理界の警察になったの?


 やはり、あの後城一郎とは音信不通になってしまっていましたか。
 こりゃ話がかなり進むまで城一郎の出番は当分無いな★

 [真夜中の料理人]に関する諸事件についても「サイバ」の正体についても進展がないことに苛立つえりな。
 でも創真は相変わらずヘラヘラと悠長な態度。
 そんな創真にえりなは怒るものの、恵は・・・。



 その頃、学園に新しい臨時講師が。
 その人物の名は
 あ―――「鈴木」とのこと。

 間違いなく、絶対、疑いようもなく、『才波 朝陽』ですね。(断言)

 名乗る前の前置きと、ど~ん というオノマトペで明らかに「鈴木」が偽名だということが読者にだけは分かるという巧妙テクニック。
 ここらは上手いですよね、相変わらず。


 それにしてもまさか講師として遠月に潜入してくるとは☆
 前回の時点では年齢がよく分からなかったこともあって予想外でした。
 前後するけど、創真の発言が大的中という(苦笑)。

 そんな朝陽は、今でいう無造作ヘア?といった感じの髪型。
 これは創真のツンツンヘアと良い対照性がありますね。
 ・・・あ~~~・・・。
 だから創真の髪を短くしちゃったのかなあ~~~。
 以前のヘアスタイルだと、朝陽にかなり似た感じになってしまうから・・・。(←ヘアチェンジに盛大に落ち込んだ人)

 そんな気になる朝陽はどんな人柄かというと、まずはお近づきにという事でお菓子を持ち込んで恋バナ大会を開催という、遠月学園の講師としては随分と異色な超フレンドリーな人物でした。
 こういう砕けた感じや、強引に自分のペースに巻き込むところは確かに城一郎や創真との共通性を感じさせますね。

 チータラ好きというのも、創真&城一郎のイカゲソ好きという設定と似通ったものが。
 ちなみに私はチータラとゲソでは、どちらが好きかというと・・・
 ・・・(悩)
 ・・・・・・(悩)
 ・・・・・・・・・・(悩)
 ホタテ貝柱かな?(←贅沢者)




 そんなこんなで、偶々近くを通りがかった創真と恵も巻き込まれることに。
 なんともドラマ性も何もない出会いだね(苦笑)。

 しっかし・・・

 「中々男前じゃないか?いい目をしてる」
 その瞬間、朝陽とがっつり握手したくなりました。(←)


 それにしても葉山に手を取られた時といい(第183話)、今回といい、創真くんって意外と無防備くん?
 そういう所も好きだけどv(←アホ)


 そしてようやく描かれた創真の恋愛観。
 うん。やっぱりそうでしたか。(⌒‐⌒)
 創真のこの反応を意外に思う方は多いかもしれませんが、創真が「色恋」に全く無頓着な子ではないことは、実はもう随分と前から示唆されていたんですよ?
 それは単行本第11巻の同梱版に付いていた、ドラマCDの郁魅編で。
 あれは個人的に大絶賛のお話だったんですが、実は深読みすると「異性」に対する創真の姿勢が垣間見れるお話だったんですよ。
 あのお話を視聴していたからこそ、あの考察記事が書けたといっても過言ではありません。

 ですが、思っていた以上に創真くんは純だった模様。
 可愛いv

 

 そんな創真に、朝陽は“師匠”からの受け売りという「良い料理人になるコツ」を教えます。

 それは


 

自分の料理の全てを捧げたいと思えるような相手と出会うこと。

 

 

 遂に来ました。

 これまで5年余り。

 第一話から提示され、我々読者が最も注目していたこの観念が。

 創真がどうやってこの考えを知ることになるのかは前々から気になっていた案件でしたが、まさか朝陽からだったとは・・・。
 でも確かに、肝心な事ほど言わない人物である城一郎のこの観念を知る人物なんて、それこそ一人いるかいないかでしょうからね。
 堂島先輩でさえ知っていなさそうですもの。



 創真はその言葉に、朝陽に既視感を。
 これはやはり、朝陽に城一郎の影を感じ取っているのでしょうか・・・?



 その「良い料理人になるコツ」を教えてあげた代わりにと、「お願い」を聞いてくれないかと言ってきた朝陽。
 その「お願い」とは・・・
 これから自分と“食戟”をして欲しいと。
 ここ、「ユキヒラくん」とカタカナ表記にしていますが、「サイバ」との対比を意図しているのでしょう。

 これはシチュエーション的に、明らかに司との勝負(第162話~)の対比になっていますね。
 実力的に見れば勝敗の行方はあの時よりも遥かに明白。
 ですがまだ朝陽の目的が不明な事もありますし、相手が手加減をする可能性も。
 ま。取り敢えず司戦の二番煎じにならない事を祈りましょう。

 

 

 

 それにしても最近は“原点”を無下にするような展開が続いていた本作でしたが、そんな悪印象を挽回するかのように最大の“原点”をここで取り上げてきてくれましたね。

 そしてやはりここでも、創真の「出会い」に同伴したのは恵だったという。

 「良い料理人になるコツ」。
 この観念には創真だけではなく、恵も感銘を受けていました。
 恵も(そしてえりなも)この「コツ」を知る必要があると考えている私としては、ここは意味深かったです。

 そもそも恵は今回、私がとてもとても求めている姿勢を創真に取ってくれているんですよ。
 それは、創真を心配してくれていたということ。
 城一郎の件があるにも関わらず、悠長な態度でヘラヘラしていた創真。
 えりなはそんな創真の態度を「いつもの事」と見て怒っていました。
 そして、えりなのこの創真への見方は大抵の人物の創真への見方と同じなんですよね。
 でも、恵だけは違い、創真の内心を汲み取ってくれたという。
 恵のそういうところが、凄く、凄く、創真に必要だと私は思っています。
 それだけに、描写こそは控えめなものの、今回は私にとっては「良い料理人になるコツ」の件も含めて、創真と恵のこれからを考えるうえで見逃せない内容でした。

 まあ・・・朝陽が創真にガールフレンドの有無を聞いた時に
 朝陽:「あれ?お前ら付き合ってないの?」
 創真&恵:「「え?」」
 とかいうシーンがあったらそれこそ最高☆でしたけど。




 朝陽のキャラクターも中々良いのではないでしょうか。
 「特別に大切な人の存在」、すなわち「恋愛」を最重要テーマに掲げておきながら、この作品は今まで「色恋」に積極的なキャラや場面を描いてきませんでしたよね。
 アリスや吉野等はその話題を出してきたことはあったものの、それらはいずれも番外編小説版といった、本編からは離れたステージででしたし。
 その「色恋」という要素をしっかりと一個人のキャラクター像に組み込んできたのは、作劇的に勿論重要であると同時に、キャラクター的にもかなり新鮮味があります。
 こと、この作品の男性キャラはほとんどがストイックで恋愛事は二の次でしたから尚更。


 今回見せた振る舞いからは、かなり創真や城一郎に似通ったファクターが見受けられた朝陽。
 ですが、それが彼本来のものかどうかはまだ怪しいですね。
 薊の例があるように、裏世界の実力者であればあるほど社交術や人心掌握術に長けているものですから。
 そして。
 そういう一見人気者ほど、奥底に孤独を抱えていたりするわけですが・・・。

 あくまで現段階の、あくまで私の目から見てですが、朝陽は一色先輩寄りのキャラに思えます。
 人当たりが良いように見えて、腹の底が見えにくいところが似ていると。
 ・・・ん?
 ということは・・・。
 朝陽もえりなとお似合いと言えるのでは?


 他にも、現段階で推察される朝陽のバックボーンから窺うに
 タクミの「兄弟」。
 葉山の「血の繋がらない親」。
 黒木場の「一人で過酷な世界を生き抜いてきた過去」
 といったような、創真の三大ライバルのファクターをそれぞれ持ってもいるんですよね。
 その点を考えても朝陽の存在は創真だけでなく、周囲の人間模様にも波紋を広げていきそうです。



 これだけ深読みするのは随分と久し振り・・・。
 それだけ朝陽のキャラクターが良いという事なのでしょう。
 附田先生の実力が久し振りに感じられました。(^^)

 


『食戟のソーマ』第271話感想

2018-07-21 18:40:00 | 食戟のソーマ

 今週号のジャンプは創刊50周年記念号!!

 


 おめでとうございまーす!!(><)

 

 少年ジャンプは私にとって最も身近な漫画雑誌でした。今までも、そして、これからも。それだけはずっとずっと変わらないと思います。
 今月から始まった少年ジャンプ展vol.3も勿論行きますからねー!(実はvol.1もvol.2も行ってたり。レポは後々纏めてUPするつもりでいたり。)



 表紙も過去作と現連載作との共演とは、これまた特別感満載ですね。
 附田&佐伯先生が選んだ作品が『ヒカルの碁』だったことには至極納得。
 いつだったか佐伯先生が仰ってましたものね。『ヒカルの碁』(小畑先生)の作画の秀逸さには大きな影響を受けたと。

 川田先生とミウラ先生のチョイスも納得しかありませんでした。
 特にミウラ先生の『SHADOW LADY』は懐かしいなあ~。
 いえ、実際にちゃんと読んだのはたった一話だけですけど。(←)
 でも「怪盗」「変身」「ラブコメ」「キャラクター」といった多くの要素が印象に残る作品だったんですよね~。

 地味に嬉しかったのが、『魔人探偵脳噛ネウロ』があったこと。
 稲岡先生ありがとうございます。(^^)
 っていうか、今回で初めて気付いたんですけど作者イラストも松井先生に通じるものがありますね。



 鳥山明先生と井上雄彦先生の対談も、まさに50周年だからこそ、ジャンプだからこそといった企画で素晴らしいの一言。
 笑いの多い対談内容で、読んでて雰囲気の良さが伝わってくるようでした。(^^)
 流石は両者共にジャンプの黄金時代を築き上げ、共に「世界」に影響を与えた方々。
 熟年のプロならではの視点や考えもお聞きできて大変貴重な対談でした。



 そして。
 個人的に最も感慨深かったのが歴代漫画家さん達のサイン色紙集ですね。
 うわ~懐かし~『WILD HALF』。(当時の連載陣で一番好きでした)
 うわ~~懐かし~~『DRAGONQUEST -ダイの大冒険ー』。(今思えば、監修が堀井雄二さん直々だなんて凄すぎる)
 うっわ~~~懐かしい~~~『ついでにとんちんかん』。(え)
 もうこれだけで永久保存の価値は充分です。

 中でも一番惹かれたのは『るろうに剣心』の色紙でしょうかね~。ダメモトで応募しよっかな。
 でも『ワールドトリガー』も捨てがたい・・・。(葦原先生、いつまでも待ってますからね・・・!)
 ・・・え?
 『ソーマ』には応募しないのかって?
 確かに『ソーマ』のイラストも良いですよね。色彩鮮やかですよね。カワイイですよね。(肩のりソーマくんv)
 でも。
 98%の漫画家さん達が直筆なのに、どうして複製なんですか附田&佐伯先生?



 さすがは50周年という事で『こち亀』も戻ってきてくださいましたが、やはり安定感が半端ないですね。
 50周年だろうがなんだろうが、両さんはずっと変わらないということで。

 お久し振りといえば、長谷川先生の実写版『BLEACH』ルポ漫画も面白かったです。
 逐一入るコマ外のコメントに逐一大笑いさせて頂きましたありがとうございます。

 そんな長谷川先生が敬愛してやまない久保先生も、久し振りに読切でご登場。
 その作品『BURN THE WITCH』には一言のみ。

 おスシちゃんきゃわああああああああああああああああああああああああああああああ。  
 

 

 さて、ひとしきり叫んだところで今週もいってみましょうか。
 ・・・残念ながら、先週と熱量があまり変わってませんけども。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年33号掲載
 掲載順第13位
 第271話 【“世代最強”の息子】

 

 

 落ちたの?
 (初っ端から良いツッコミをさせてくれてありがとうタクミ)



 そんなこんなで、[真夜中の料理人(ノワール)]を日本に仕向けた張本人が「サイバ」と名乗っていた事をえりなに報告。
 純粋に尊敬している故にその事実が信じられないえりな。
 対して創真はというと、酒にでも酔ってたんじゃね?と通常運転。
 ありえる。
 あの親父ならしでかしそうだ。(←もう少し信用しろ byタクミ)


 意外にも、
創真の父親=才波城一郎という件を知らなかった先輩組。
 連帯食戟を行った時点でとうに知ってたと思ってたんだけど。
 その事実に、合点がいく寧々先輩。
 いえいえ、創真の強さはむしろ“もう片方”からの影響の方が大きいんですが。




 とにかく本人に事実確認を、ということで電話をしてみたところ―――
 城一郎が言うには、その「サイバ」は城一郎のもう一人の息子とのこと。


 ふ~ん。

 

 で、禄に説明もないまま電話を切る城一郎。
 彼は今まさに挑もうとしていたのでした。
 当の「サイバ」に。

 

 その結果は―――

 

 「サイバ」の完勝。

 

 ふ~~ん。

 

 驚愕する面子の中に、随分と懐かしい顔触れが。
 マクフリー久し振り☆



 それにしてもこれまでずっと作中最強料理人として描かれてきた城一郎が、こんなぽっと出のキャラに完敗を喫してしまうとは・・・。
 はあ・・・。
 “原点”がまた一つ崩落してしまいましたか・・・。

 

 そんな「サイバ」の本名は、『才波 朝陽』。
 うん、いい名前だね。(←)
 そんな名前のくせして[“真夜中”の料理人]なんてやってるわけですか。
 顔の方も少しだけ見せてくれましたが、なんだか黒木場っぽい奴ですね。
 こいつが城一郎の「もう一人の息子」とのことですが・・・
 まあ、血縁関係が無くても「息子」と呼ぶことなんて割とあることですしね。



 そうして、城一郎を打ち負かした朝陽は今度は創真に会いに行く模様。
 ラストのコマから見るに、『ゆきひら』にも関与してきそうです。

 

 

 

 ・・・とまあ。

 50周年記念号に合わせて「最強」の敗北という衝撃の展開を用意したのかもしれませんが、私にとっては

 ふ~~~ん

 としか思えませんでした。

 これは前回の失望をまだ引きずっているのも大きいですが、それ以上にこれまで丁寧に積み上げてきたものをこんな形で崩落させたことの意味が分からないからです。



 ここ最近の下手に奇をてらった展開を目にするたびに、かつての名言が思い起こされます。
 それは、第170話で創真がえりなに語った
 「行き着く先がわかってたら楽しくないだろ」
 という言葉。

 この言葉には、今でも大きく同意しています。


 ですが。

 だからといってキャラクターやその周囲環境を粗雑に扱っていい理由には全くなりませんよ。



 私がこれほど失望しているのは、予想の斜めをいく展開にではありません。
 その展開に至るまでの理由、キャラクターの掘り下げ、周囲の人物達の言動などといった描写が、あまりにも不誠実だからなんです。

 良いところは相変わらず凄く良いんです。
 でも。
 遠月革命編以降から徐々に、良いところ以上に悪いところが目立つようになってきているんですよね。
 悪いところと言いますか。至らないところと言いますか。
 昔だったらこんな決着理由や伏線無視なんてしなかったのに、といっそ不思議に思えるほどに。




 頑張って今回の展開を前向きに解釈するならば。

 城一郎を最終ボスにしたままでは、創真の決着が綺麗につかないからだと思います。
 創真は勝負事に関しては物凄い完璧主義者ですよね。
 城一郎との料理勝負で、創真は現在0勝491敗という状態ですが、仮にこの先城一郎と再勝負して、仮に勝利を収めたとしても
 勝利数がこれまでの敗北数を越えない限り本当に勝ったとはいえねえ
 とか言って、全然満足しないと思うんですよね。(少なくとも私の中では創真はそういう子)
 その展開の回避策として、今回城一郎以上の腕を持つ「敵役」を用意したのかな、と。

 た・だ・し。

 何度も言うようですが、これまでの積み重ねや布石をことごとく無視するような展開が続いている今のこの作品を見る限りでは、この展開を見事に活かしきることが出来るかどうか、かーなーりー怪しく思えてしまいます。


 「行き着く先が分からない」展開にするなら尚の事、附田&佐伯先生には“原点”を大切にして貰いたいです。
 これまで歩んだ足跡も、「帰る場所」も、見失ってしまっては
 かつての城一郎のように“嵐”に呑まれてしまいかねないので。

 


『食戟のソーマ』第270話感想

2018-07-16 23:00:00 | 食戟のソーマ

 『火ノ丸相撲』連載200回突破おめでとうございます!!
 やはり初期から好きだった作品が長く続いてくれるのは嬉しいです。
 どうかこれからも頑張ってください!!(^^)

 本編の方も、火ノ丸が「闇」から抜け出でられて何より。
 勝敗関係なく、気持ちの良い取り組みを期待します!



 そして『ゆらぎ荘の幽奈さん』も表紙&巻頭カラーおめでとうございまーす!!
 第二回目の人気投票結果も発表されましたが、なんでコガラシの順位が落ちとるん?!?!?(泣) 
 今日び珍しい男前だってーのに!!誠実の鑑のような子だって―のに!!
 不服なのはそこのみ。
 前回と変わらずのTOP3は流石と言ったところですね。 
 
 そして、このタイミングに合わせて遂に「師匠」の登場という、コガラシの背景に触れる展開が!
 それにしても「師匠」がコガラシの初恋の相手でもあっただなんて・・・。
 コガラシが常に身に着けている勾玉も何かのキーアイテムであろうことは察していましたが、まさか師匠とお揃いの品だったとはなあ~。
 思っていた以上にコガラシの中の「師匠」の存在は大きかったようですね。

 それだけに、ラストの衝撃が重すぎる・・・。
 マトラがあれほど衣服を飛散させていながらも、「悲惨さ」にしか見えないというのがミウラ先生の描写力の凄さ。
 次回は真剣なシリアス回になりそうな予感バリバリで、気になって仕方ありません。

 

 

 ・・・その一方で・・・。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年32号掲載
 掲載順第9位
 第270話 【本当の犯人】

 

 

 本当は、今回の感想は書こうか書くまいか悩みました。

 でも。

 私の正直な気持ちとして、綴っておくことにします。



 まず最初に言っておきます。
 ごめんなさい。

 

 

 

 私は今回の章に“最後の希望”を託していたのかもしれません。


 ハッキリ言って前章の遠月革命編は、えりなについての描写はしつこいぐらい丁寧だったものの、その他の描写については

 

 

 

 

 

 

ず さ ん

 

 


 


 

 

 としか言えませんでした。


 ですが、なんとかかんとか譲歩したんです。
 附田&佐伯先生は「これから先」を見据えたうえで、敢えて描写しなかったのかもしれないと。
 遠月革命編はかなりの大長編だったため、多少の取りこぼしは仕方ないと。

 だから今章は大丈夫と思ったんです。
 短編になりそうだったので、これぐらいの短さなら整合性のあるちゃんとしたストーリーになってくれるだろうと。


 

 なのに。




 なにシレッと戻ってきてるんですか?
 お客を捨てて逃げるなんていう「プロ」の面汚しをしやがった旅館の連中は。

 「プロ」としての意識が低いなんてもんじゃありません。酷すぎます。
 本当にこれまで誇りを持って営んできた人達なのですか?

 しかも、創真や乙鳴旅館の板長さんを通して「プロとしての誇りを持つ者がこんな行動を取るのは不自然」と、何度も描写されていたというのに。
 これだけ思わせぶりに描いておきながら、この矛盾かつ軽薄極まりないオチは何なんですか一体。

 失踪した件にモナールカは関与していないと知った際は、良いミスリードになるかもと期待したのでしたが・・・
 裏切られました。
 またもや。



 遠月革命編から徐々にこういった感情を抱くようになってはいたんです。
 あまりにもスジが通っていない展開への・・・
 怒りを通り越した、失望を。

 それが今回で、遂にトドメを刺されてしまった気分です。

 

 

 ・・・もうやめた方がいいのでしょうか。
 考察するのを。
 深読みするのを。

 ・・・期待するのを。

 

 

 約三年ほど前の私なら、今回の展開にワクワクしながら次の展開への予想考察に考えを巡らせていたことでしょう。
 新生十傑の配属に。
 そうなった経緯に。
 そして、「サイバ」に。

 でも。

 いくら考えを馳せても、今のこの作品はそれらの予想を、期待を、ことごとく悪い意味で裏切っていくようにしか思えません。

 

 

 どうしましょう。

 これまでの中で一番、私のこの作品への“熱”が下がってしまっています。

 哀しいです。

 この作品に、こんな感情を抱いてしまうことが。

 こんな捻くれた目線で見てしまうことが。

 

 

 

 お願いですから附田先生、佐伯先生。

 私に“熱”を取り戻させてください。

 夢中でこの作品を応援できていたあの時の“熱”を。

 


唐突にキングダムハーツ考察 ~「ニューセブンハート」について~

2018-07-09 09:30:00 | キングダムハーツ

 先月開催されたE3(世界最大規模のゲーム見本市)にて、『キングダムハーツ Ⅲ』が「ベストRPG賞」を受賞!!おめでとうございます!!

 全世界で期待が集まっている『キングダムハーツ Ⅲ』。
 ・・・そういえば、少し前の金曜ロードショーにてディズニー最新作『シュガーラッシュ オンライン』の予告映像が公開されてましたっけね~。
 いやホント、
 ディズニー、ここまでやる!?
 って感じでした。(^^;;;A)

 でも。

 この世界観は今後のディズニー作品も勿論ながら、キングダムハーツの世界も大きく広がることを予感してワクワクしました!

 既にキングダムハーツは『Ⅱ』の時点から「スペース・パラノイド(by『トロン』)」のワールドを通してコンピューター世界との繋がりを開拓していました。
 そして『コーデッド』でその繋がりを更に盤石にしてくれましたよね。
 その上で更にデイズニー側から、『シュガーラッシュ オンライン』という「インターネット」という無限の世界を冒険する作品が登場してくれたという。
 この作品はソラ達の冒険を更に面白くしてくれる牽引役になってくれそうです♪



 そんな『シュガーラッシュ』ですが、 『キングダムハーツ Ⅲ』でもラルフが召喚キャラとして登場することが既に明らかになっていますよね。
 そんな中、「ニューセブンハート」という新しい言葉も出てきたわけですが・・・
 ノムテツさんによると、これは「次世代のセブンプリンセス」とのこと。
 カイリ以外のプリンセス達は代替りしており、今回登場するアナやエルサ、ラプンツェルはその候補だそうです。

 カイリ以外は、ねえ~。
 なるほどねえ~~~。

 まあ、取り敢えずその件は置いといて。

 気になるのは新しい「セブンプリンセス」が誰になるのかということ。
 まあ、
 アナ
 エルサ
 ラプンツェル
 はまず間違いないことでしょう。

 あと3人は誰になるのか。
 個人的な考えでは、キングダムハーツの世界がこれから先更に広がるならば、「セブンプリンセス」達も先代より更に一皮剥けた、個性的でアクティビティな女の子が相応しいと思うんですよね。

 というわけで、取り敢えず私としては

 ヴァネロペ
 ティアナ
 そして
 アリス

 と予想してみます。



 ヴァネロペは上でも述べた『シュガーラッシュ』のキャラであり、なにより公式でも認められている「プリンセス」ですから、ほぼ確実。
 それに、ヴァネロペはある意味で“完璧”なプリンセス達の中で唯一“欠陥”を持つ存在だというのが、キングダムハーツとの繋がりを考えるうえでとても興味深い点だったりするんですよ。

 更に彼女は、そんな己の“欠陥”をラルフとの交流を通して自分だけが使える“能力”へと変えたという点もまた興味深いという。
 そのキャラクター性、背景共に魅力ある個性の持ち主だと思います。


 ティアナも『プリンセスと魔法のキス』という出演作品名から分かる通り、公式の「プリンセス」です。
 私はこの作品は見たことないんですよね。(ディズニーだから必ず見るというわけではないのです)
 取り敢えずあらすじを簡単に調べたところ、「『美女と野獣』の道連れ版」といったところでしょうか。(←)
 選んだ理由としては、これまでの「セブンプリンセス」達はヨーロッパ系がほとんどだった分、アメリカ系のプリンセスも迎え入れたかったから。
 加えて、上記の「セブンプリンセス」達がほとんど3Dの世界の住人なので、一人ぐらい2D出身のプリンセスがいてもいいじゃん!という理由もあったり。(←)
 しかもこの作品、ストーリーとしても興味深いんですよ。
 「本当の望み(願い)」に気付くことが今作の鍵。
 そして、 「星」というものも大きな役目を担っているんですよね。(ある意味で切なくはあるのですが・・・)
 中でも予告映像「大切なものは心の中に」というモノローグが私のこの予想の決め手となりました。


 そして、最後の一人はアリス。
 え?アリスは既に先代の「セブンプリンセス」として選ばれてるだろって?

 チッチッチ。("d(-x・))

 アリスはアリスでも

 『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスです。

 公式では「プリンセス」に入っていないアリス。
 そんなアリスがキングダムハーツの「セブンプリンセス」に選ばれた際は、なにやら色々と意見が飛び交ったようですね。
 私としては、ノムテツさんならそんな意見を自分の作品を通して覆してくれると思うんですよ。
 アリスが「セブンプリンセス」に選ばれたのはアリスだからこそだという。

 それに、既に 『パイレーツ・オブ・カリビアン』という実写作品がキングダムハーツのワールドとして立派に採用されているのですから、「セブンプリンセス」だって実写作品から選ばれてもおかしくないんじゃありません?
 もしそうなってくれたら、それこそ先代を遥かに超える個性溢れる面子になってくれますし♪

 勿論違う理由もありますよ。
 先代の時は「セブンプリンセス」の中で最も年少という“子供”だった彼女ですが、この作品での彼女は一人の“大人”へと成長を遂げています。
 もし彼女が新世代になっても「純粋な光の心を持つ者」として選ばれたのならば。
 大人になっても子供の頃の純粋な気持ちを持ち続けることは出来る
 ということを示してくれるのではないのでしょうか。



 そういうわけで新世代の「セブンプリンセス」達は、カイリを筆頭に自分で動いて考え、戦う女の子達になってくれることでしょう。
 まあ、『キングダムハーツ Ⅲ』ではまだ選考の段階ですし、彼女達が正式に選ばれるのはまだまだ先の事でしょうけどね。
 それに、正式に決定するまでにまた新たな「プリンセス」が生まれる可能性だってあるわけですし。
 ですが私としては彼女らを「ニューセブンハート」と見て、キングダムハーツの未来への予想を膨らませていきたいと思います。
 


『食戟のソーマ』第269話感想

2018-07-06 23:10:00 | 食戟のソーマ

 おお!今週のジャンプの【レジェンド作家スペシャルインタビュー】は松井優征先生ですか!
 私が「天才(鬼才)」と尊敬している漫画家さんは現在のところ二人だけですが、そのうちの一人が松井先生なんですよね。(ちなみにもう一人は藤田和日郎先生です)
 この方のセンスにはただただ脱帽。
 『魔人探偵脳噛ネウロ』から受けたインパクトは未だに覚えています。
 『暗殺教室』の面白さは言うに及ばず。
 私の中では数少ない、「その人にしか描けない漫画を描ける漫画家」です。


 【アクタージュ】
 なんとも「青春!」といった感じで読後感の良かった回でした。
 っていうか、先週から夜凪ちゃんどんどん可愛くなってきてません?
 連載が始まってすぐの頃は「天才だけど何処かが欠落している危うげなキャラ」という印象でしたが、出会いを得て随分と感情豊かになってきましたね~。(^^)
 
 派手なアクションや特殊設定の無い現実世界が舞台で、しかも女の子が主人公の作品は「少年ジャンプ」という掲載誌ではなかなか人気を得るのは厳しい傾向にある中、よく頑張っていると思います。(上から目線ですみません)
 これはそれだけこの作品の話作りがしっかりしているということ。
 そして「読み込み系」の読者が一定層いることを反映していると思います。


 【ハイキュー!】
 随分と珍しい掲載位置ですね・・・!!(驚)
 入稿遅れでしょうか?


 【ゆらぎ荘の幽奈さん】
 夏のお約束ともいえるダイエット回でしたが、やはり今週もコガラシはイケメンでした。
 大抵のラブコメ主人公はダイエットを目指すヒロインに対して、「無理に痩せる必要は無い、そのままで良い」といった宥めの言葉を掛けがちですが、そこがコガラシの一線を画すところ。
 ヒロインの決意を尊重し、一緒に付きあってくれるというのがもう誠実すぎる・・・!!(><)
 一番大きいのは、そんなコガラシと仲間達の協力のお陰で雲雀が楽しみながらダイエットできたということ。
 なんといってもダイエットの最大の敵はカロリーでも間食でもなく、ストレスですから。
 まあ、でも・・・。
 五日間で1.5㎏減量出来た、という記述を見た瞬間オチが分かってしまいましたがね。
 さすがにそのペースは急激すぎ。
 理想は一ケ月で1~2㎏程。
 ダイエットは時間をかけてゆっくりやるのがベストということですね。

 それにしても作中の「時雨煮のせ素麺」美味しそうだったなあ~。

 と、いうことで。



作ってみた。


 ちなみに左上の小鉢に入っているのは、余った胡瓜を醤油・胡麻油・ラー油で浅漬けしたものです。
 お味は勿論。

 ウマーーー。(^^)
 でしたよー♪




 『ゆらぎ荘』に出てくるお料理が『ソーマ』に負けないクオリティになってきていると感じる今日この頃。
 『ソーマ』も頑張って欲しいところです。

 

 

 

 週刊少年ジャンプ2018年31号掲載
 掲載順第15位
 第269話 【創真と恵の湯けむり事件簿 其の5 ~恵のホスピタリティ~】

 

 

 恵が出した料理は・・・

 

 お子様ランチ。(カレープレート)

 

 

(・・;;;)

 

 

 素でボーゼン。

 予想が全く掠りもしなかったのもそうですが、これは予想外すぎ。

 っていうか、旅館でお子様ランチなんて出ないんですけど?
 これの何処に「ホスピタリティ」が??
 大の成人相手にこれを出すなんて、侮辱しているとしか思えませんよ???



 旅館の風情も特徴も全く見受けられないその品に女将さんは疑問をぶつけますが、恵は至ってあっけらかんと対応。(ここらも創真に影響された模様)
 モナールカはもはや勝利を確信して料理を口に運んだところ―――
 震撼。

 女将さんや板長さんも食べてみたところ、確かにそのカレーは大変美味でしたが、気になったのは
 自分達よりも、モナールカの方が遥かにその料理が心に響いていることでした。

 モナールカは分かったのです。
 その料理はカレーではないことに。
 
 その料理の本当の名前は、メキシコの家庭料理『ガンボ』。

 そしてそのガンボは、モナールカの生まれ故郷の料理だったのでした。



 何故恵はモナールカの出身地が分かったのでしょう?
 それは、モナールカの喋り方にスペイン語に似た“訛り”があったからとのこと。
 え?

 それだけでなく、服装からはアメリカの雰囲気も感じ取ったと。
 え?え?

 それらの観察点を総合して推理し、モナールカの出身地がメキシコということを割り出したと。
 えええ~~~?

 私達読者だけでなく、モナールカ達も恵のそのワールドワイドな発言に驚愕。
 その秘密はというと
 遠月十傑の権限を使い、沢山の国々を巡ったためでした。

 へ~~~。は~~~。(・0・)

 その行動を取るのは創真とばかり思っていたのでしたが・・・まさか恵が。しかも十傑になってすぐにそんな行動を取っていたなんて。
 これは良い意味で意表を突かれましたね。
 現十傑陣の中で今のところ最も実力が下位に思われているであろう恵ですが、充分[十傑]の名に恥じない料理人になっているようですね。

ん?恵でこれということは、創真はここ数ヶ月の間に
どんな経験を積んだのでしょう?


(これで特に変わった事はしていませんでした、なんてオチだ
ったらガチギレしますよ?)



 でもって「メルシー」とお礼を言う恵が安定の美少女なのである。ここ加点。
 でも犬ぞりを引くワンちゃんの足がなんだか不自然なのである。ここ減点。(佐伯先生?愛犬もこ丸君の走る姿をちゃんと観察なさいましたか?)

 

 それでも、自分がここまでこの料理に感銘を受けてしまったのがモナールカには納得できません。
 でも。
 恵は見抜いていたのでした。
 モナールカの出身地だけではなく、心の奥で求めていたものにまで。


 なるほど。
 今章は推理物っぽいストーリー展開でしたが、その「推理」という点を恵の勝因の一つに組み込んだとは。これは見事。
 しかもその「推理」と並行して、モナールカという人物を「観察」し内外共に看破したという行為が
「相手を見る」というこの作品の最大の鍵ともマッチしているという二重の巧みさになっているわけです。これまた見事。

 ・・・まあ、強いて欲を言わせてもらえば、この推理を披露する前にモナールカが「故郷」を求めていたというのを匂わせる描写をもう一歩だけ丁寧に描いてもらいたかったですね。
 確かに日本の家庭的な「ホスピタリティ」の思想をこの推理に繋げる発想は納得できるものはあったのですが、モナールカのキャラクターの浅さがその納得性をも浅くしてしまったかなあ、と。




 そんな恵の味は、四宮も感じ取っていた「母の味」。


 かつてのえりなも、四宮も、薊も、そしてモナールカも。
 自分が指示した事だけをやればいい。それ以外は余計なこと。という考えを権力や実力を盾に押し通していましたよね。
 ですが恵を柱にして、この作品は主張しているわけです。
 そんなのは所詮子供の我が儘だと。
 
 そんな「子供の我が儘」の向こう側にあるのが「飢え」。
 それは自分を丸ごと受け止めてくれる愛情や理解、温もり。
 そんな「飢え」を、見事“母”の視点と心、そして味で満たしてくれた恵でした。




 そんなわけで、第一印象はふざけているのかと思わんばかりに予想外だったものの、中々スジの通った見事な料理であった恵の「お子様ランチ」。
 でも・・・。
 理由がこれだけならば、カレー(ガルボ)だけ出せばいい話で、「お子様ランチ」という形にする必要は全くありませんよね?
 いくらモナールカの「幼稚性」を反映するためとはいえ、自覚していない相手にいきなりそれを出すのはどう見ても不躾です。
 なので出来れば「お子様ランチ」にする必要性を、付け合せのハンバーグやプリンにも何らかの意図や工夫が込められているといったような補足説明を、次回してもらいたいところ。
 そうしてくれれば、この料理は非の打ち所が無くなると思います。

 

 さて。
 
次回は個人的に留意している「十の倍数回」です。
 この作品の「十の倍数回」は全体的に見て、ストーリーの転機や重要な話になる場合が多いんですよね。

 見事モナールカの舌を唸らせた恵でしたが、失踪した旅館の従業員と調理道具の件は未解決のまま。
 個人的には急展開を期待しますが、果たしてどんな展開が待っているのでしょうか。