あまぐりころころ

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『鬼滅の刃』考察 ~溢れる「赤」と稀有な「青」~(3)

2020-04-25 01:00:00 | 鬼滅の刃 考察

 どうも長らくお待たせしてしまいすみませんでした。
 ようやくスランプ脱出です。
 私はどうしても一年のうち何回かこのような停滞に陥ってしまうのですが、ここ最近は予想だにしない哀しい出来事や嬉しい出来事が立て続けに起きたため、心がついていけず・・・。
 自覚していたより心が消耗していたみたいです★

 ですがその間も「いいね」や「応援」ボタンを押してくださった方々や訪問してくださった方々がおられたお陰で、思ったよりも早く復帰することが出来ました。
 本当にいつもありがとうございます。
 私は幸せ者です。(><。)

 

 

 と、いうわけで。(きたよ)


 『鬼滅の刃』第200回目突破記念考察最終章をようやく書き上げました。


 本来なら、大反響を起こしまくっている本編第201や第202話の感想を書き上げるべきところでしょう。
 ですが。
 その前にどうしても、この考察記事を述べておきたかったんです。
 いえ、述べなければなりませんでした。





 では今回も、まず最初にこの注意書を。
 これから述べる考察はあくまで私という一個人の考えに過ぎません。
 そしてジャンプ本誌最新話までの内容にガッツリ触れていますので、単行本派の方はどうかご注意なさってください。

 

 

 

 これまで『~溢れる赤と稀有な青~』というテーマのもとに、第一部では【青い彼岸花】について、そして第二部では【仲間達の赤の力と青の力】について考えてきたこの記念考察シリーズ。
 最終章の今回は『溢れる赤と稀有な青』の“その先”について考察してみたいと思います。

 

 

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第153

 

 “その先”とは一体何か。
 それについて述べる前に、考察テーマの「青」についてもう少し述べさせて頂きましょう。

 そもそも私がこの『鬼滅の刃』という作品を考察する上で“熱”に繋がる「赤」だけでなく「青」にも着目するようになった切っ掛けは、ネットの海を漂流していた時に目にしたとある意見でした。
 それはどんな意見だったのかというと
 「主人公が水系の技を使うって珍しい、と思って読み始めたのに結局定番の炎系の技になってしまってつまらない」
 といった旨のもの。

 そんな意見に対して私は

 

そ れ は ど う だ ろ う。

 

 と、物凄く物凄く物凄く疑問を抱いたんです。

 

 

むしろ。

 

 

 私は、炭治郎が義勇さんと出会い、「水の呼吸」を習得したのは炭治郎の“運命”における最大級の鍵だったと確信しています。

 

 これは勘です。
 まだこの考えを立証できるほどのロジックは揃っていません。
 ですが、私はこの根拠なき勘を信じています。



 そもそも「水の呼吸」は「炎の呼吸」と同じく、鬼殺隊結成時からずっと途絶えることなく[柱]にいた深い歴史を持つ技です。
 それ故に全呼吸のなかでもトップクラスの型数の多さを誇り、柔軟性や対応性に秀でているのが「水の呼吸」の特徴。
 なかでも特に私が気になっているのは伍ノ型:『干天の慈雨』と拾ノ型:『生生流転』ですね。
 『干天の慈雨』を初めて目にした際は驚きました。
 まるで炭治郎のためにあるような技としか思えない、と。
 これまで多数の技が登場してきましたが、こんなにも相手(鬼)を思い遣った優しい技はこの『干天の慈雨』のみ。
 この技を生み出した人物はきっと炭治郎のように心優しく、鬼という存在の悲しさを理解していた人物だったのでしょうね・・・。
 そして『生生流転』はそのエフェクトにも大いに興奮させられましたが(召喚系大好き人間)、それ以上に興味を惹かれたのがその名称。
 どう見ても「転生」を示唆していますよね、これは。
 そんな「転生」という言葉は“あの花”の花言葉にも・・・。


 そんな「水の呼吸」ですが、最近の炭治郎は「日の呼吸」の方を主力とし「水の呼吸」の方はあまり出番がありません。
 ですが戦場での機転に長け柔軟な思考力を持つ炭治郎の戦闘センスを考えれば、「水の呼吸」は「日の呼吸」に負けず劣らず炭治郎に適した技と言えます。
 実際、炭治郎は身体は「赤」に非常に強く因果している半面、その心は「青」が拡がっている子ですから。

 だとすると。

 

 炭治郎がこれから生み出すであろう彼だけの“力”は、 「赤」と「青」の融合となるのではないのでしょうか。

 

 「赤」の日の光

 「青」の水

 そこから育まれるものは―――

 

植物。

 

 

 炭治郎がこれから生み出す力は植物・・・特に“花”に繋がるものになると思っています。


 これが私が推測している「赤」と「青」の“その先”です。
 では“その先”である植物(花)について探っていきましょう。




 私が赤のファクターと青のファクターを“植物(花)”に結びつけた理由は幾つかあります。
 大きな理由はやはり、「炭治郎=青い彼岸花」と私が推測しているため。
 ですがそれ以外にも、“植物に関する布石”が既に本編の随所で描かれているからに他なりません。

 その象徴にあたるのが竈門兄妹の父親:炭十郎。
 第151話【鈴鳴りの雪月夜】の冒頭で彼は「植物のような人だった」と炭治郎から例えられていました。
 そのファクターが子供達にも受け継がれているのを証明しているのが、遊郭編以降の禰豆子のフルパワーバージョンです。
 その身体には全身に渡って葉の文様のような痣が。
 そして炭治郎は両親のうち、どちらかと言えば父親寄りの子。(勿論母親から受け継いでいるものもありますが)
 そんな炭治郎ならばきっと、禰豆子以上に植物のファクターを受け継いでいるはず。
 現に、上の写真にも掲載したように、第153話【引かれる】にて「赫の状態」に入った炭治郎を猗窩座は樹木に形容していましたしね。


 私が炭治郎の最終的な力の形を植物に繋げたいと考える原因となった人物はもう一人います。
 それは炭治郎の同期であり友人だった、不死川玄弥。
 私が前回の記念考察で、玄弥が遺してくれた布石についての考えを敢えて今回に持ち越したのはこのためです。
 玄弥が上弦ノ壱:黒死牟の刀を食べ最後に発動させたのは「植物の力」だったのですから。
 これまでの戦いを振り返ってみると、上弦の鬼達は氷(雪)や植物(花)にちなんだ術を持つ者が多くいました。
 その点から考えても人間側だけでなく鬼側からも「植物」は縁の深いファクターと言えるのです。
 そして玄弥が顕現してくれた力は氷雪系でも月に由来するものでもなく「植物」であったこと。
 これは炭治郎とは直接的には結びつかないかもしれませんが、もし炭治郎が植物に繋がる力を生み出してくれたならば、ある意味で玄弥は炭治郎と一緒に戦ってくれることになる。
 私はそう思っています。


 それに。

 この“偶然”には間違いなく吾峠先生も驚かれたことと思いますが・・・。

 アニメで炭治郎の声を担ってくださっている声優さんは花江夏樹さん。
 何の因果か、お名前に「花」「樹」も入っておられるという☆(もしかしたら炭治郎が生まれなのもそれに由来していたりして)



 炭治郎が初めて編み出した合成技は「日の呼吸」と「水の呼吸」の融合でした。(第90話)
 その事から見ても、彼の最終奥義もまた「日の呼吸」と「水の呼吸」の合成技になる可能性は高いと思われます。
 炭治郎が生み出す炭治郎だけの技。
 それは一体どんな技になるのでしょうか。

 彼の人となりから考えてみた場合・・・
 案外「相手の心」によって効果が変わる技かも。
 悪しき心を持つ鬼に対しては、地獄の業火へと誘う紅蓮の赤に。『日の呼吸 拾参ノ型』のような。
 自らの罪を悔いている善良な心が残っている鬼に対しては、穏やかな蒼海のような青に。『水の呼吸 干天の慈雨』のような。

  しかも最近のジャンプ本誌の展開において、炭治郎が最後に無惨を貫いた技が『陽突』という「華(花)」の文字が入っている技だったこと(第198話)などから考えると

 

 その技名は―――

 

 

 

『紅蓮華』になる可能性はあると思います。真剣に。

 

 

 

 

 個人的には

 

 

 

 

『紅華』になってほしいですけども。
(⌒‐⌒)

 

 

 

 

 「植物(花)」に関わる布石はこれだけではありません。

 単行本18巻に付随していた、各キャラクターのポストカード。
 それには各キャラクターだけでなく、その背後に花や植物も描かれていました。
 これは最近知った事なのですが、その背景の花は各キャラクター毎に違っていた模様。(ちなみに私は童磨で、背景の花は蓮でした)

 では気になる主人公:炭治郎の背景にあった植物は何だったのかというと
 【笹】
 だったとのこと。

 

頭抱えました。

相応しすぎて。

 

 笹の花言葉は「ささやかな幸せ」そして「抱擁」
 「ささやかな幸せ」は欲の無い炭治郎にそれこそピッタリな言葉ですし、「抱擁」もこれまた然り。
 炭治郎は惜しみなく相手に抱擁を与えてくれる子ですから。
 禰豆子を筆頭に、伊之助らといった仲間達や、死を目前にした他者にまでも。
 歴代の少年ジャンプの主人公で最も優しい主人公は誰か、という問いには数多の答えがあることでしょう。
 ですが、最も抱擁を与えてくれる主人公は誰か、という問いならば間違いなく炭治郎は歴代1位の主人公なのではないでしょうか。
 そしてこの「ささやかな幸せ」という花言葉は、継国縁壱とも重なるなあ・・・と思ったり。

 

 とまあ、炭治郎にとてもピッタリな花言葉だったわけですが、私がそれ以上に絶句したのは別のところにあります。

 実は
 笹の花は60年~120年に一度しか咲かないという、非常に稀有なものなのです。

 それこそ見付けることが出来たら凄く幸運とさえ言える程に。

 ここで気付いた方もおられるでしょう。
 そうです。これって。
 青い彼岸花の稀有さと共通しているんですよね。


 滅多に見られない花を持つ植物である笹。
 目にすることが極めて困難な花である青い彼岸花。
 炭治郎に「笹」が宛がわれたのは果たして偶然なのでしょうか?

 

 

 

 もし本当に。
 私の考察通り炭治郎が[青い彼岸花]だったならば―――

 無惨との因果もこれまた相当深いものに。

 鬼の始祖と銘打っておきながら、鬼の力の象徴である血鬼術はたった一つしか使わなかった無惨。
 それは『黒血枳棘』。
 術名にもある通り、この術は「枳殻(からたち)」に因んだものでしょう。実際枳殻は鋭い棘を持った植物ですしね。
 ですが、私はその名前と術の様相を初めて目にした時、こう思ったんです。
 「まるで黒薔薇みたい・・・」と。
 それで試しに調べてみたんです。黒薔薇の花言葉を。

 赤い薔薇の花言葉が「愛」「情熱」なのは有名なところですが、では黒薔薇の花言葉はというと・・・

「憎しみ」  「恨み」  「あなたはあくまでわたしのもの」  「永遠」

 

頭抱えました。

当て嵌まり過ぎていて。


 「憎しみ」や「恨み」はもとより、無惨が夢見ているのは「永遠」。
 そしてなにより。
 ジャンプ本誌掲載の第201話をご覧になられた方ならお分かり頂けるでしょうが、「あなたはあくまでわたしのもの」という花言葉は炭治郎への歪んだ委託とも受け取れるという。

 更に驚くべきことに、黒い薔薇は天然で生息しているものは大変希少とのこと。
 特有の土壌と気候という特別な条件のもとでしか咲かない花で、目にするのはめったにないそうです。
 ・・・そう。
 黒薔薇もまた、青い彼岸花と同様に稀有な花だったという。

 仮に。
 炭治郎を「青い彼岸花」に
 無惨を「黒薔薇」に
 それぞれ置き換えるならば。
 二人とも「ありふれた赤」のままならば普通の生涯を終えていたものの、運命の悪戯によって「稀有な色」へと変わってしまった存在と言えるんです。


 炭治郎と無惨。
 二人の因縁は私達が思っているより深いかもしれません。

 

 

 

 ですが、“植物”を通して炭治郎と強く繋がる人物は無惨だけではありません。
 それが先述した通りの、炭治郎の父親:炭十郎。
 そしてそれは母親の葵枝も。

 実は私は、竈門兄妹の両親も「赤」と「青」に深く関わる存在と考えています。

 炭十郎は「青の力」に。葵枝は「赤の力」に。
 それぞれ深く関与していると。

 この考察記事の冒頭で「炭治郎が義勇さんと出会い、「水の呼吸」を習得したのは炭治郎の“運命”における最大級の鍵だった」と断言させてもらいましたが、この勘を支えている数少ない証拠が炭十郎の“力”です。
 それは第151話【鈴鳴りの雪月夜】にて。
 病身でありながら瞬く間に巨大な熊を倒した炭十郎。
 常人とは思えぬ体捌きも驚くべき点でしたが、それ以上に注目すべきは
 彼の構えは「水の呼吸」の『壱ノ型:水面斬り』のそれと同じだったということ。
 一介の炭焼き職人という肩書ではとても説明がつかない強さから考慮しても、多分炭十郎は鬼殺隊と何らかの関わりがあったのではないでしょうか。
 もしそうだとしたら。
 炭治郎が鬼殺隊士となり、「水の呼吸」を習得したのは間違いなく“運命”と言えましょう。


 そして母親の葵枝。
 鬼殺隊(人間)と鬼が表裏一体の関係であるのと同じように、炭十郎が鬼殺隊に関わる存在だとしたら葵枝は鬼に関わる存在だったのではないのでしょうか。
 何故ならば禰豆子が初めて血鬼術『爆血』に目覚めた時、彼女の力の覚醒を促したのは他ならぬ葵枝だったのですから。(第40話)
 もともと一般的な鬼とは少々異なっていた禰豆子。
 そしてそれは炭治郎も・・・。
 彼ら兄妹が異質な鬼となったのは、母親の影響によるものなのかもしれません。


 禰豆子と入れ違いの形で鬼になってしまった炭治郎。
 覚えておいででしょうか。
 第189話の感想記事にて私が「多分炭治郎は禰豆子よりも・・・」と呟いたのを。

 ・・・当時から。
 いいえ、ずっと前から予感してはいました。
 ただ絶対に現実になってほしくなかっただけで。

 炭治郎はもし鬼になったら 禰豆子よりも特別な鬼になるだろうと。

 


 何故なら。

 炭治郎は兄妹達の中で最も赤が濃い子”だから。


 髪と眼が赤みがかっている[赫灼の子]と炭治郎が定義されたその時から、ずっと私は彼の「赤」に着目していました。
 そして。
 鬼の始祖である無惨の目が「赤」と知ったその時から、この嫌な予感は始まっていました。
 この『鬼滅の刃』という作品において「赤」が示すものは、日の呼吸や炎や血だけではなく“鬼”を示すものでもあるのではないかと。

 

 遊郭編の第85話【大泣き】で描かれていた禰豆子と葵枝の思い出。
 子守唄の歌詞にちなんで母に問いかけた禰豆子。
 「お兄ちゃんのお目々が赤いのは お腹の中に居た時にお母さんが赤い木の実を食べたから?」
 その問いかけには答えず、代わりにとても温かく微笑んでくれていた葵枝。
 もし。
 あの素朴な疑問が核心をついていたものだったならば。
 六人いた竈門兄妹達の中で炭治郎だけが最も「赤」が濃いのは、その「赤い実」が原因なのではないのでしょうか。
 だとしたら、その「赤い実」とは一体?

 現実の植物に結びつくかは分かりませんが、それでも調べてみました。赤い実がなる植物を。

 見つかりました。

 とんでもなく意味深い植物を。

 それは
 【七竈(ナナカマド)】。

 はい。
 もうこの名前の時点で注目せざるを得ません。
 「竈」という漢字が用いられているのもさることながら、竈門家の血を引く者は嫁の葵枝を除けば七人なのですから。(炭十郎・炭治郎・禰豆子・竹雄・花子・茂・六太)

 加えてその名前の由来もまた、とても意味深かったんです。
 その由来とは「木が燃えにくく、七度竈にくべても灰にならない」という意味からきているとのこと。
 思えば鬼は死ぬ際に灰のように消えていきました。
 実際炭治郎も那田蜘蛛山編(第42話)で鬼が消える時の匂いを「灰のような匂い」と表現しています。
 これはもしかしたら、竈門家の者はもし鬼になった場合、大抵の事では死なない鬼になと解釈することも出来ます。
 実際に。
 炭治郎はそれを身を以って証明していますし、ね・・・。

 ですが、私がそれ以上に関心を引かれたのはもう一つの由来の説です。
 それは前述の説とは逆に「七度焼くと良質の炭になる」というもの。
 この瞬間、炭治郎がどうして「炭治郎」という名前になったのかが私の中で完全に腑に落ちました。
 これまで何度も心を燃やし、熱い戦いを繰り返してきた炭治郎。
 もし吾峠先生がこの説に則ってくださっているのならば、炭治郎はあと少しで“本当の力”が開花するということになるのではないでしょうか?

 ちなみに七竈の花言葉はというと、以下の通り。

「慎重」   「賢明」   「私はあなたを見守る」

 これは炭治郎にも当て嵌まりますが、それ以上に両親の想いとして解釈できそうです。
 しかも七竈は西洋では「魔除け」として用いられているという面も。

 

 

 炭十郎と葵枝。
 もしこの二人によって炭治郎の運命が決定付けられていたとしても。
 それはどちらも炭治郎の命の灯を消さないためだったに違いありません。

 第201話の冒頭にて、無惨は生まれる前から死と隣り合わせにいた境遇だったというのが明かされていました。

 ・・・もしかしたら。

 炭治郎も同じような境遇だったのでは。

 ここからは完全に憶測ですが・・・
 葵枝が炭治郎を身籠った時、病気かもしくは何らかの理由で炭治郎が死産になりそうになった時があったのではないでしょうか。
 そんな炭治郎を守るために、葵枝は「赤い実」を口にしたのではないかと。

 

 炭十郎も葵枝も既に故人。
 もはや彼らに直接真実を聞くのは不可能です。
 ですが、両親の炭治郎への愛情は、想いは、確実に彼の身体と心に根付いています。
 そしてそれらの絆はきっとこの先も炭治郎を助けてくれることでしょう。
 そう。無惨の呪縛からも。きっと。

 

 

 

 ここまで「植物」に関わる考察を述べてきましたが、最後に記念考察シリーズの最初に戻る意味も兼ねて、改めて[青い彼岸花]ひいては彼岸花について考えてみます。

 青い彼岸花はさすがに分かりませんが、赤い彼岸花の花言葉はというと・・・

「悲しい思い出」 「独立」 「転生」 「再会」 「情熱」 など。

 花の中でも結構多数の花言葉を持つ彼岸花。
 その意味合いも希望的なものから哀しみを含むものまで多岐に渡ります。

 まずは「悲しい思い出」。
 これはもう語るまでもないでしょう。
 そもそもこの『鬼滅の刃』という作品は竈門兄妹の悲しみから始まったのですから。

 次に「独立」。
 この花言葉は今になって見つめ直すと非常に考えさせられる言葉であることが分かります。
 あの第201話によって炭治郎は無惨の血の呪縛に囚われることになってしまいましたが、これは炭治郎がその呪縛から“独立”していくことを示しているのではないのでしょうか?

 そして「転生」。
 これは今回の冒頭付近でも述べた通り、『生生流転』と重なる言葉でもあります。
 作中でも何度か絆を示すものとして用いられてきた「転生(生まれ変わり)」という言葉。
 「死別」という絶望が容赦なく襲いかかるこの作品において、「転生」はある意味での希望とも取れます。

 そしてこれが
 もう一つの花言葉「再会」に繋がるのではないのでしょうか?
 「転生」を示唆する剣技『生生流転』。
 それを扱う剣士は炭治郎。そして義勇さん。
 ひょっとしたら炭治郎は先祖である竈門炭吉の生まれ変わりなのでは。
 そして義勇さんは継国縁壱の生まれ変わりなのでは。
 もしそうならば炭治郎と義勇さんは時を超えて「再会」を果たしたのでは・・・などと妄想してしまったりする今日この頃です☆

 最後に「情熱」。
 これはまさに真っ赤な色合いを持つ彼岸花のイメージ通りの言葉。
 この作品の最大のキーワードを「熱」と考えている私からしても願ったり叶ったりです♪
 残酷な面がどうしても目立ってしまうこの作品ですが、それ以上に描かれているのは絆を通した「情熱」ですからね。




 彼岸花は日本にある植物の中でも一番別名が多い植物とのこと。
 方言も含めると1000以上(!)もの別名が。

 
その色合いや形状から見ても、彼岸花は「火(炎)」のイメージしかありません

 ・・・が。

 なんと。

 「火」のイメージしかない彼岸花には

 水」の文字を持つ別名が。

 それは
 
 【水子衆花(みずくしのはな)】


 その由来がまた衝撃でした。
 
 「水子」とは、生まれる前、又は生まれて間もなく亡くなった赤子のことだそうです。

 先ほど述べた「炭治郎も無惨と同じで、本来なら死産になっていた子かもしれない」という予想はちょっと本気で当たってしまうかも・・・。

 

 

 

 さて。
 これまでシリーズを通して「赤」と「青」についての考察を述べてきましたが、この作品における「赤」に直結するものは「火(日)」、もしくは「血」。
 そして「血」と対極するものは「涙」。
 「血」が“命”の象徴であるならば、「涙」は“心”の象徴です。

 そして炭治郎は間違いなく
 歴代の鬼殺隊士の中で最も鬼の涙に触れてきた人物。

 どんな時も、どんな鬼にも、慈悲の心を決して忘れなかった炭治郎。
 家族や仲間を通した「赤の絆」「青の絆」、そして「赤の力」「青の力」が果たしてこれからどういった形で彼の“運命”を紡いでいくのか。
 これからも決して目を離さず、この作品と共に炭治郎を応援し見守っていくつもりです!!!

 

 大変な長文だったにも関わらずここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!!(^^)

 


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