『食戟のソーマ』も遂に連載200回突破!!
おめでとうございまーす!!!
★。.::・'゜☆。 \(>▽<)/ ☆。.::・'゜★
200回ですよ二百回!!
それだけ長きに渡り、附田先生がストーリーを構築し続け、佐伯先生が描き続け、森崎先生が協力し続けてくれたわけです。
継続することは本当に大変な事。
それでも頑張り続けてくださっている先生方には本当に感謝するばかりです。
先生方が頑張ってくださっている以上、私も頑張って少しでも内容のある感想ブログにしていきたいと思います!!
第100回目を迎えた時は記念として、小説版『食戟のソーマ ~a la carte~ Ⅰ』と『~a la carte~ Ⅱ』の感想を綴りました。
ということで今回の第200回目記念記事も小説版の感想を。
『食戟のソーマ ~Fratelli Aldini~』について語らせて頂きます。
ちなみに二百回記念という事で双子のアルディーニ兄弟の話を選んだわけではありません。ホント偶然です。
でもこれからの展開におけるタクミの活躍に期待している身としては、丁度良いタイミングでした♪
っていうかタイミング合いすぎ。(今週号のジャンプを横目に見ながら)
この度の小説版は2015年10月2日に発売。
これまでは『a la carte(アラカルト:お好みに選んだ料理)』ということで登場キャラそれぞれの短編集という形でしたが、今回は『Fratelli Aldini(フラテッリ・アルディーニ:アルディーニ兄弟)というサブタイトルの通り、なんと一冊丸ごとアルディーニ兄弟がメインという内容になっています。
この優遇振りには最初驚かされましたが、すぐに納得。
アルディーニ兄弟って、本編の都合上伏せておくべきバックボーンがもう無いんですよね。
「秘密」が全く無いキャラというか。
だからある意味で、レギュラーキャラの中で最も自由に過去話を作ることが出来るという。
そしてそれは四宮も同じ。
附田先生が全キャラクター中でアルディーニ兄弟と四宮のプロフィールを最も早く明かしたのは、きっとそういった理由だったのだと思います。
そういうわけで最初から最後までアルディーニ兄弟尽くしの本となっていますが、彼らのファンはともかく、彼らに特に思い入れの無い読者にとってはあまり興味が引かれないかもしれませんね。
ですが侮るなかれ。
今回もまた、これまでの小説版と同様に原作本編との繋がりを推察させるなかなか興味深い内容になっています。
≪扉絵≫
メインということもあり、扉絵はアルディーニ兄弟の独占です。
タクミはカルツォーネを、イサミはパスタを食べている様子が描かれてますが・・・。
これはあれですね。
「秋の選抜」の予選でそれぞれが出したカレー料理を食べ比べしているのでしょう。
というわけでイサミが夏バージョン(痩せ姿)なのは決して「媚び」なんかではありません(笑)。
ちなみに二人が創ったカレー料理についても、そのいきさつが小説の方で詳しく明かされています。
≪裏表紙≫
表側は格好良く今回の小説版について説明しているタクミ。
でも裏側では相変わらずでしたとさ(笑)。
ちゃんちゃん☆
≪附田先生&佐伯先生コメント≫
御自身の苦手な食べ物について語っておられる附田先生。
「克服」と言わず「和解」と言うあたり、まさに『食戟のソーマ』という作品の原作者たるところですね。(^^)
その一方で、附田先生と同じく“食”に関するコメントをしてくださっている佐伯先生ですが・・・。
イサミ化だけは頑張って回避してくださいませ(祈)。
≪伊藤先生コメント≫
おめでとうございまーす!!(>▽<)
次は一級目指して頑張ってください!(え)
≪特別付録≫
今回の折込ポスターの表面は描き下ろし。
「媚び」の無い扉絵とは違って、このイラストは・・・。
・・・うん、まあ、ええ・・・・・・・・・・。
アルディーニファンの皆様よかったね。
とだけ言っておきます、はい。
ちなみに裏面は本編第126話の扉絵が再掲載。
このポスター一枚で夏イサミと冬イサミ両方堪能できるという便利仕様なわけです(笑)。
≪本編≫
【1.フィレンツェの半月】
- 霧の日にワクワクするイサミ。
その気持ちわかります。
私の場合は強風の日にワクワクするんですよね、なんかどうしようもなく冒険心が湧いて。
- タクミだけでなく、実はイサミも結構負けず嫌い。
- 「―――天然で妄想力の高い―――」
な~んか言われてっぞお兄ちゃーん。
- タクミの工夫が評価されているのを前にして、「こんなことなら自分だって同じように工夫していたのに」と憤るイサミ。
あれ?これって小説版第二弾で綴られた伊武崎のエピソードに似ている・・・。
小学生の時出場した料理コンクールで、相手の勝因を知った時の伊武崎の思いと。
- 心に溜まっていた蟠りが遂に爆発。
ああ、見てて辛いなあ・・・。(><。)
- 終いにはビアンカとさえも。
踏んだり蹴ったりとはまさにこのこと。
- 「自分らしく」。
口で言うのは簡単だけど、実はこれが一番難しい事なんですよね。
- ビアンカすっかり良い相談役だなー。
- 料理を作るだけでなく、客と直に関わる事で見えてくるもの。
この事はスタジエール編で高唯さん(覚えてる人いますかー?)も仰っていた事ですね。
・・・☆
ここで気付いたんですけども、創真って実家の『ゆきひら』でずっと調理と接客の両面共に見えるポジションに居たんですね・・・!
創真の多面的視点はそういう環境も一因していたのかも。
- 皆で美味しいと分かち合える料理。
それって本当に最高だと思います。(^^)
- ここで登場。
アルディーニ兄弟のシンボルアイテムであるメッザルーナ。
そうでしたか、あのメッザルーナにこんな事情があったなんて・・・。
【2.兄を超えるため】
- 同じようなタイミングでアイデアに苦労し、同じようなタイミングでうっかりさん。
離れていてもやっぱり双子。
- 分かります。料理本って結構高いんですよね。
良い本なら尚の事。
- なんか離れてから溜息ついてばっかりだな~この兄弟は(苦笑)。
- カントリー。ミラネーゼ。ミラカン。
タクミ&栗うさぎ:「???????」
- 日本の郷土料理について考えさせられるタクミ。
ということは。
タクミは今後より一層「あの子」と関わる機会が増えることでしょう。
- ずっと気になっていました。
タクミはもはや言わずもがなであるものの、イサミの方は創真の事をどう思っていたのか。
これまでのストーリーを追ってきて、本当はイサミはタクミのライバルになりたかった事は分かっていましたからね。
それでも。
創真のことを認めてくれていましたか。ありがと。(^^)
- つまりは二人とも失敗からアイデアを掴んだと。
- お土産のくだり好き(笑)。
【3.わたしたちの光】
- 伊藤先生なのか。それとも附田先生なのか。
どちらの発案かは存じませんが・・・。
『辰巳(たつみ)』という名はさすがにあからさますぎると思うの。
【4.極星寮へようこそ!】
- タクミは自分に厳しい子ですね・・・。
そこが甘え上手なイサミとは違うところ。
そして創真と似ているところ。
- おいおいタクミさん、創真はそんな戦術なんて使いませんよ(笑)。
ちょっと気負い過ぎ。
- まさかこんな所にもアルディーニ兄弟のファンがいたとは☆
- 無難な畑仕事の筈が一転。
タクミに迫られる人生最大規模の選択。
- やっぱり創真はタクミにちょっぴり意地悪(苦笑)。
- 頑張れタクミ。むっちゃ頑張れ。(大・大・大苦笑)
- 太陽の光を浴びた野菜。採れたてを食べられる環境。美味しく食べてくれる人々。それだけで贅沢な食事になる。
ごもっとも・・・!!!
「贅沢な食事」というものは高価な食材や高い技術を凝らした料理だけではないんです、決して。
- 創真の素直な言葉が、自分の心と重なるタクミ。
此処からは文句なしの伊藤先生の全力投球が拝見できます。
伊藤先生ありがとうございます。マジありがとうございます(感涙)。
- わーいわーい!!
小説版の挿絵で遂に創真がーーー!!(\(^▽^)/)
- 読み終わって最初に思ったこと。
友情万歳。(⌒-⌒)
【番外編 『美作昴のどっきゅんドキドキ日記』】
<メッザルーナ編>
今巻では時系列順にアルディーニ兄弟に纏わるエピソードが綴られています。
小説版第一弾では現在の、第二弾では彼らが十三歳の時のエピソードが綴られてきましたが、この章で語られるのはこれまでで最も過去となる、八歳時のエピソードです。
この章は端的に言えば、イサミが“迷子”になってしまう話。
「霧の日」の出来事が切っ掛けで、イサミの心も“霧”に包まれ迷走してしまうことに。
小説版第二弾で明かされていたイサミのもう一つの側面がこの話で再び取り上げられていますが、今回は最も幼少時の出来事のせいもあって、より顕著に表面化しています。
自分自身の気持ちが掴めない不器用さ。
そんな暗中模索の中でも、がむしゃらにもがく熱さ。
そんなイサミの内面的な部分が良くも悪くも露わになっていました。
今回イサミは“霧”という中で自分を見失ってしまいましたが、いずれ本編でも今回のイサミのように自分を見失ってしまう人物が現れてしまうかも・・・と思ったり。
“荒野”もまた、迷いやすい世界ですから。
今でこそ料理面でも生活面でもタクミのフォロー役として落ち着いているイサミ。
そんな彼が初めて抱いた、タクミに対しての対抗心。
その感情が兄弟の初めての喧嘩にまで悪化してしまいます。
普段いつも一緒だからこそ、否が応にも常に自分との比較対象となってしまう存在。それが「兄弟」。
創真と恵、えりなと新戸、アリスと黒木場というように、この作品は「いつも一緒のペア」というものが多く設けられていますが、アルディーニ兄弟はまさにその代表と言えるペアです。
そんな二人組だからこそ、「常に一緒にいるが故に味わうことになる苦しさ」を訴えるのに相応しかったのでしょう。
それでも。
蟠りを乗り超えて、より一層絆を強めるのがアルディーニ兄弟の素晴らしい所ですね。(^^)
そして。
そんな兄弟の絆の象徴となったのがメッザルーナだったと。
この事が今巻の最終章と繋がってくることになります。
<夏休み編>
秋の選抜予選の課題メニューであるカレー料理についてのアイデアを、イサミサイドとタクミサイドから交互に探っていく、というのがこの第2章のストーリーです。
選抜を機に、初めて別行動を取った二人。
そのことで二人がしきりに思った事はというと、「タクミ(イサミ)がいればこんなことには―――」という後悔。
離れることで気付く、お互いの存在の必要性。
別々だったことでお互い自分らしいアイデアを見つけ出せたものの、今回の件ではそれ以上に、お互いの大切さを改めて実感できたことが一番の収穫だったかもしれませんね。
思いましたが、今回のタクミの料理の模索方法は、まさにこれから創真達も多用していくやり方かもしれません。
(予期せぬトラブルだったとはいえ)現地に実際に足を運び、その土地の住人と交流を築き、“自分のルーツ”との境界線を探りながら模索するという、自ら味わう方法を。
それと、第1章に引き続きこの第2章でもアルディーニ兄弟の幼馴染である『ビアンカ』という少女が登場してきます。
小説版第二弾でも登場していたビアンカですが、今回はより一層活躍。
彼女自身は料理人でないものの、その分「料理人」としてではない視点でイサミとタクミのことがよく見えている子です。
第3章で取り上げられている「アルディーニ・ファンクラブ」を始め、アルディーニ兄弟は何かと女の子と関わる機会の多いキャラですが、二人をひたすら擁護するファンと違って、二人の短所や問題点をハッキリと告げることのできるビアンカはけっこう貴重な女の子だと思います。
イサミへの想いの事もありますし、彼女は是非本編でも登場してもらいたいところです。
<アルディーニ・ファンクラブ編>
前回の第三弾では『マクフリー・マクラクラン』という影薄キャラの話が掲載されていましたが、まさか彼以上の影薄キャラが登場してくるなんて誰が想像したでしょうか。
この章の語り手は、遠月学園アルディーニ兄弟公式ファンクラブ「アルディーニ×アルディーニ」のメンバーである『辰巳』という女子生徒。
ファンクラブ発足当時からの初期メンバーであり、ファンとして彼らの事をずっと応援してきたという子です。
ですが、生憎ながら・・・
本編では『辰巳』という名は一回も出ていません。
そのことから察せられるとおり、彼女はもう完璧なまでのモブキャラです。
容姿も一切分からず終いですが、それでも強いて彼女を探してみるならば・・・。
第76話~第80話で描かれているファンクラブの中に居るかも。多分。
このお話では第三者の視点によることもあって、アルディーニ兄弟の「紳士」さが目立っています。
なるほど。こんなにも丁寧で誠実に接してくれるならば、彼らに好意を持つのも当然でしょう。
彼らがモテるのは伊達ではないという事ですね。
遠月学園という厳しい競争環境の中、アルディーニ兄弟の事にひたすら熱を上げているファンクラブの面々。
彼女らの姿は傍から見れば現を抜かしたものに見えるかもしれません。
ところがどうして。
彼女らの姿勢は「ファン」としてとても見上げた姿勢だと私は思います。
アルディーニ兄弟達に迷惑が掛からないように節度を守っていること。
グループ内で争いや諍いなどを起こさず、皆で平等にアルディーニ兄弟への愛を分かち合っていること。
彼らを応援する傍らで、本業である料理も決しておろそかにはしていないこと。
そして何より、タクミの「ライバル」である創真を敵視していないこと。(個人的にここむっちゃ重要)
一方的な偏愛ではなく、周囲の事情やアルディーニ兄弟の都合をきちんと配慮している彼女らの気概は、まさに「ファンの鑑」と言えましょう。
そんな彼女らの情熱には思いのほか共感出来ました。
なにぶん私も「ファン」ですから。
創真の。そしてこの作品の。(^^)
だからこそ分かります。
「ファンの力」というものは凄いですよ。本当に。
片や本当に熱心に応援し、片や誠実に向き合ってくれているという、信頼性さえある良好な関係を築いているファンクラブとアルディーニ兄弟。
だからこそ彼女らはいずれ、時に大きな人手となって、時に強力なネットワークとなって、アルディーニ兄弟の頼もしい助っ人として活躍してくれる時が訪れることでしょう。
創真はすみれ通り商店街の面々。
恵は漁師達。
吉野は猟友会。
一色先輩はお料理教室のマダム達(笑)といったように、それぞれ独自のコネクションを持っているレギュラーメンバー達。
そしてまた、アルディーニ兄弟も頼もしいサポーターがいることがこのお話で証明されました。
ちなみに。
実はこのお話には、さりげに衝撃の背景が明かされています。
まさかアルディーニファンクラブに、十傑の「あの人」が関わっていたとは・・・!
この事実は本編でもこれまで一切示唆されていなかっただけに、かなり驚かされました。
果たしてこの繋がりは、これから本編にてどんな形へと発展していくのでしょうか?
<極星寮編>
まず最初に言っておきましょう。
誰が何と言おうが、この章こそが今回のベストストーリーです。
最高でした。
ええ、最高でしたとも。
もう表情筋が痙攣するわ悶えるわほっこりしまくるわで大変な事に。
あまりにも素晴らしすぎて、山ほど語りたくも上手く言葉が出てこないという、なんとももどかしい状態に陥ってしまいました。
正直言って、このエピソードだけでもアニメ化してもらいたいくらいです。
秋の選抜で美作に屈辱の敗北を喫した後、どうやってタクミが立ち直ったのか。
本編ではあまり詳しく描かれなかったタクミの再起が、この章でしっかりと補完されています。
あらすじとしては、秋の選抜終了後に極星寮を訪れたアルディーニ兄弟が、「一日体験」として極星寮の面々と生活を共にする、といった内容です。
例の美作との一件のことがあり、創真との関係がぎくしゃくしてしまっていたタクミ。
最初は色々と気負ってやってきたものの、なんやかんやと大勢で騒いでいるうちに肩の力が抜けていくのでした。
そんな中、普段は気付けなかったイサミとの関係、料理の事、そして己の事に気付いていくわけですが、特に創真の言葉には大きく気付かされることに。
やはり思いますね~。
タクミにとって、創真の影響力というのはいかに大きいかを。
直前の第3章ではファンクラブの面前で再起を宣言したタクミでしたが、やはり処理しきれていない気持ちは沢山残っていた模様。
「兄」だからこそ。「男」だからこそ吐露できなかった気持ち。
でも。
イサミにもファンクラブにも見せなかった己の内面を、唯一見せることが出来たのが―――普段は突っかかってばかりの創真だったという。
基本的に他者には紳士的に接するものの、創真にだけは煩く一方的に突っかかっていくタクミ。
それは、それだけタクミが創真を「ライバル」として意識しているという事ですが・・・。
だからこそ創真にだけは見せられる面もあるのでしょうね。
そんなタクミの気持ちを、彼らしく受け止めてくれた創真。
創真って、相手への距離の取り方が非常に絶妙だと思うんですよ。
ずっと傍にくっついてあれこれと心配するわけでもなく。それでいて、突き放すように離れるわけでもない。
遠からず近からずという、相手が最も気遣いを要しない距離を取ってくれているという。
思えば、タクミが美作に敗北し失意のどん底にいた時も、創真はタクミに“声”は掛けずとも“言葉”は伝えるという、絶妙な距離で接してくれていました。
そんな創真の本当にさり気ない思い遣りが、タクミの再起への一因になってくれたと思うんです。
そして。
今回も、また。
ちなみに今回のクライマックスであるその交流は極星寮の「とある場所」で行なわれるのですが、これも巧妙だなあといたく感心。
互いの間に“隔たり”の無いその場所でなら、タクミが意地や虚勢を張らずに気持ちを打ち明けるのにまさに相応しい場所ですから。(^^)
タクミがメッザルーナを取り戻すことに焦っていないのは、取り戻してくれた相手が創真だったからこそ。
完敗を喫したままの自分ではなく、完全に自信を取り戻した自分で創真と闘いたい。
それだけ、タクミにとって創真との勝負は特別だということです。
このエピソードを読んだからこそ。読む事が出来たからこそ。
ここで改めて述べておきたいことがあります。
地獄の合宿初日に初めて対面し、そのまま勝負へとなだれこんだ創真とタクミ。
あの時創真は、タクミに料理の鍵となる重要な食材を預けましたよね。
そして。
美作との食戟後、タクミは創真に己のメッザルーナを預けました。自分の誇りや家族との絆の象徴である、特別に大切なものを。
・・・私が思うに
創真とタクミはお互いの“大切なもの”を預け合える関係になれると思うんです。
誇りや気概がよく似ている創真とタクミ。
そんな二人だからこそ。お互いを認め合えている二人だからこそ。
大切なものを信頼して預け合えることが出来ると思うんですよ。
そして。
その“大切なもの”は「物」だけではなくなるでしょう、きっと。
やー・・・。それにしても。
第一弾を読んだ時も目から鱗を落とされましたが、やはりタクミというキャラクターは主人公である創真に、そしてこの作品の王道的テーマにアクセスできる大変重要なキャラクターですね。
流石は[三大ライバル]の一人。
私の目に狂いは無かった☆
タクミの偉いところは大事な点に自分で気付くことが出来、そしてその気付いた事にちゃんと向き合えるところ。
猪突猛進で向こう見ずのように見えて、実は冷静に多方向から物事を見ることが出来る。自分を顧みることが出来る。
そういう点もまた、創真と共通している所です。
実力的には創真に一歩及んでいないかもしれないタクミ。
ですが、この機に“敗北”を知ったことで、精神的には確実に創真に近づいたに違いありません。
敗北を受け入れたタクミはこれからより一層、創真の最良のライバルになっていくことでしょう。
本当にタクミが創真のライバルで良かった。創真がタクミのライバルで良かった。(⌒-⌒)
―――変わらなければいけない予感―――
これがこの章のラストの一文です。
それは、これまでの小説版で「これからもずっと―――」と“不変”を望んでいた新戸やアリスと相反する考え。
そして。
これもまた、創真と重なる思い。
この予感の通り、きっとタクミはスタジエールにて自分を変えたに違いありません。
タクミがスタジエールで得たものは、いずれ本編で描かれるはず。
創真がそうであったように、タクミは果たして己の何をぶち破ったのか。
創真共々、彼の成長はこれからも大きな見所です。
<美作昴のどっきゅんドキドキ日記>
タイトルからして、今作は前巻の番外編【倉瀬さんのドキドキ日記】の派生版とみていい・・・・・・・・・・筈がない!!!
健全さといじらしさに溢れた前回とは大違い。
ドン引き必至です。
いや~~~、本編も相当凄かったけど、小説でも相変わらず凄いね美作・・・。(^^;A)
“見る”は“見る”でも、倉瀬に見られていた創真はやっぱ運のいい子だと思う。
でもって美作にストーカーされてた見られていたタクミはやっぱ不運な子だと思う。
そんなヤバさ全開の美作の自白日記ですが大丈夫。
ラストの一文で、やっぱり本質的には真面目な人物なんだとちゃんと安心させてくれます。
ホント美作って良いキャラ☆
そんなわけで、今回散々語られていた美作の危険極まりないストーカートレース行為ですが・・・
ものは考えよう。
異常にしか見えない美作のこの思考は、解釈次第ではかなり重要な点に関わっていると思うんです。
美作のスキルである[周到なる追跡(パーフェクト・トレース)]を成り立たせるのは、徹底した相手の観察と分析。
その観察において、美作は相手への愛着を付随させます。
ま、これが傍から見ればヤバイ以外の何物でもないんですが(滝汗)。
でも。
“愛”というものは“憎しみ”と同様に、相手に対する最大の執着です。
それだけの執着をもって相手を観察するからこそ、完全なる人格把握を可能にさせているという。
“愛”というものは小説版第二弾でも「スイーツ(甘さ)」という形でテーマに取り上げられた通り、この作品のキーワードの一つ。
「良い料理人になるには特別に大切な人と出会うこと」という城一郎の言葉の意味を考えたうえでも、美作のスタイルはある意味で、本当にある意味で(大苦笑)、この作品の重要テーマに関与していると言えるのではないでしょうか?
私にとって美作昴という人物は、[三大ライバル]に匹敵する程重要視しているキャラクターです。
タクミとも、創真とも大きく関わる存在である美作昴。
彼は間違いなく、今後も読者の予想を超える大活躍を披露してくれることでしょう!!
<総評>
う~~~ん、やっぱり小説版も面白い!!
この記念記事に手を付けた当初はなるべく簡潔に纏めようと思っていたのですが、あれよあれよと書きたい言葉が積もっていき、気付けば前回の四周年記念記事とほとんど変わらない文章量になってしまったという罠。
それもこれも第4章が素晴らしすぎたのがいけないんだい!!(責任転嫁)
それにしても今作は小説版としては第4冊目ということもあって、本編はもとより他の小説版を読んでいるほど“繋がり”が楽しめる造りになっていました。
いやマジでこの伏線張りは大変巧妙なものになっています。
特に第1章は重要と思しき伏線が多く張られていました。
中でも私が気になったのは
アルディーニ兄弟の両親の出会い
父親が兄弟に言った「ある言葉」
そしてメッザルーナの背景
これらが何故気になったかというと、ひとえに私が創真とタクミはよく似ていると考えているからです。
既にこの事はこれまでの本編感想でも、そして考察記事でも散々述べてきたことですけどね。
ですが、二人の共通点は今本編で明かされている事よりももっと、もっと多いと私は思っています。
上記に挙げた三点は、そんな私の予感をより強くさせてくれました。
創真の両親も出会ったことで、「その覚悟」を城一郎が決めたのでは。
創真も、きっと「あの人」から言われたであろう「その言葉」を覚えているのでは。記憶としてだけでなく、その躰が。その舌が。
そして、創真の包丁も実は似た背景が秘められているのでは、と。
その一方でもう一つ気になったのが、第4章でのイサミと一色先輩の交流。
イサミと話したかったと言う一色先輩。
兄弟のうち、「弟」であるイサミの方と。
単行本第三巻感想等で述べているように、一色先輩と伊武崎はひょっとしたら血縁関係があるのでは・・・と推測している私にとって、これは見逃せませんでした。
もしかしたら・・・。
一色先輩は聞きたかったのかもしれません。
自分より上と評価されている「兄」を持つ、「弟」の気持ちを。
創真以外とはまだあまり深い交流が築かれていないアルディーニ兄弟。
ですが、いずれ本編に繋がるであろうこれら多くの伏線を考えると、これからの展開においてまだまだ沢山の深い交流が用意されているという事が分かります。
というわけで、存分にアルディーニ兄弟の事が堪能できた今作。
第1章はイサミの視点で、第2章はイサミとタクミが半々ずつ、そして第3章では第三者の視点から、トリの第4章はタクミの視点で物語が綴られているという、実にバランスの良い構成になっていました。
時系列に沿って綴られていたアルディーニ兄弟の物語。
初めての喧嘩。
初めての別行動。
それらはいずれ二人が歩むことになる、「自立」におけるまでの大切なプロセス。
生まれた時からずっと、ずっと一緒だった二人。
ですが彼らも“出会い”を通して「二人の世界」から旅立ち、それぞれの道を歩んでいくのでしょう。
・・・ふう~~~!!
ようやく既存の小説版の感想を全て書き切ることができました!!
ちょっとした達成感♪
現在連載中の番外編『食戟のソーマ L’etoile -エトワール-』の方に伊藤先生が注力なされているためか、ここ最近発刊されていない小説版。
ですがいずれまた発刊されたら、勿論感想記事を書くつもりです。
こんなに面白い小説版の感想を書かないなんて勿体無いですものね!(^^)
それでは、またその時まで。
どうもご馳走様でした!!