日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

思考放棄。

2015-12-05 21:04:32 | 発達応援
 ローストビーフを作ろうと、お肉の塊を買いに行ったら、
「ちょっと待ってね、今日は塊があったかなぁ~。」と言われて待っていると、
肉を切るところの小窓からバツをしながら、店員さんが出ていらっしゃいました。

 売り場を見ると、いつも以上にモモ肉のステーキ用が出ています。
売り出し日なので、モモ肉のステーキ用に切っちゃったんですね。
残念無念。

 口の中がローストビーフになっていたのに。
厚めのモモ肉のステーキ用でできないか挑戦してみます。

 自分がなかなか解けない問題に打ち当たったとき、
自分で考えを切り替えられる人もいれば、誰かにヒントをもらう人もいるし、
解けないままそこで止まる人もいれば、パニックになる人もいます。

 昨日は、小3の子どもさんともフォイヤーシュタインの点群の問題をする機会に恵まれました。

 

 まだ、学校から帰ってきて時間も経っていなかったので、
ちょっと遊びからと思い、カラーの積み木で色々な形を作る遊びをやりました。

 小さい頃は、積み木で形を作るのも苦手だったと聞いていましたが、
小3の今は、積み木同士の微妙なつながりにも注意して、次々と見本の積み木をクリアーしていき、
「まだ挑戦する?」と聞くと、「やる!」ということで、積み木の数も多いものも作りました。

 やり方を見ていると、上からとか下からという順番にという感じではなく、
自分の手元にある色からはじめて、真ん中が出来上がり、
次に、手元にある色を使って作り、と近くにある色の部分から作って、あとで合体させるという方法でやったり、
少ない数のところからやったりと、あまりやり方に統一性がない感じでした。

 積み木をやってから、本題のフォイヤーシュタインの点群の問題に移ると、
最初の正方形と直角三角形が重ならない問題や正方形の点だけ大きいものは難なくできるのですが、
正方形と直角三角形の点の大きさが同じになったり、直角三角形が2つになってくると、
持つペンが止まりだしました。

 この子どもさんは、問題をやりはじめたときに鉛筆ではやろうとせずに、
消せるボールペンでやることにもこだわっていました。

 最初にペンを持ってきたので、
「できないところは、消すから鉛筆のほうがよいよ」というと、消せるボールペンをもってきたのです。
これは、おそらく、「ぼくはやりたくないんだ、本当は」という意思表示でもあったと思います。

 そうするうちに、やりながら、どうしてもできない問題があり、同じところを行ったり来たりしています。

 そのできないところでの行ったり来たりは、まったく、問題の正解に行き着こう!とする
試行錯誤ではなく、ただ、できないモヤモヤを紙に当たっているだけのものでした。

 「見本を見てみよう。」と言っても、
紙にただ線をぐちゃぐちゃぐちゃと書くだけで、目は動きません。

 「ふだん、学校でどうしたらいいかわからないとき、どうしてる?」と聞くと、
「友だちに教えてもらう」という言葉を引き出せただけで、
この問題について、どうしたらいいか聞いても、まったく、言葉が出てきませんでした。

 ただ、何度も同じ三角形を書き、そして、大きさが違うので消す、ということを繰り返しています。
不思議なくらい、同じ、間違いの三角形をかたくなに書き続けています。

 消すボールペンは、同じところを消し続けると書けなくなるのですね。

 では、と一緒にひとつの点から、三角形を作って見本と同じか比べていきましたが、
正解の三角形でも「違う」というので、
ああ、もう、完全に学ぶことへの拒否の状況だなぁ~と思い、
その日の学習はそこでおしまいにしました。

 最後に、気分転換にスケッチブックに20秒間「なるべ真っ黒くなるまでぐるぐる線でいっぱいにする」という遊びをすると、
最初に積み木遊びをしていたとき同様の楽しそうな顔でやりはじめました。
 
 積み木の作り方を見る限り、ひとつの視点から作り上げるという方法をまだ習得していない感じもします。
これが点群のように、ひとつの点から図形を探す作業を難しくしているのだと思います。
 
 さて、この子どもの課題は、できないことよりも、
できないことにあたったとき、「自分ではどうにもできないもの」と、
ヒントに耳を傾けることができず、考えることを放棄してしまうことかなぁと思うことです。

 考えることを放棄するきっかけは、何だったのかな。
どうやったら、自分で考えることや試行錯誤する楽しさを思い出してくれるかな、わかってもらえるかな、と思うことでした。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする