愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

理不尽さ

2009年03月06日 | 就職
もうすぐ現4年生は卒業です。既に一部の企業においては新入社員研修が始まっているようです。現4年生は春先の好調な就職活動を経験し,大半の学生がすんなり内定を獲得しました。1人で複数内定が当たり前でした。秋以降景気は急激な落ち込みを見せましたが,ほとんどの4年生は崩壊前にすべりこんだ形で,無事就職することができます。現3年生はわずか1年入学が遅かっただけですが,厳しい就職活動を経験することになりそうです。

入学・卒業年に左右される就職という現実に理不尽さを感じる学生は多いようです。先々若者に挽回の機会が十分に用意されているのなら,運悪く就職状況の良くない年に卒業する学生を慰めることができますが,今本当に若者にとって十分な挽回の機会があるのかどうか分からないでいます。

日本的経営の特質を資本主義ならぬ人本主義だと主張した経営者や経営学者がいました。それは,企業が人を最も重要な資源と考え,人のネットワークを安定的に作ることを重要原理とするというものです。これぞ日本企業の神髄だというのです。しかし,今報道されている企業の雇用をめぐる動きを考えてみると,人本主義で想定している人はどこまでの範囲を指しているのかという疑問がわきます。あるいは,そもそも本当に日本企業は人本主義を貫いているのかという疑問もわきます。

学生を送り出す立場からすると,企業の採用活動に不信感を持たない訳ではありません。社員採用が最も重要な投資であり,長期的な企業発展の源であると標榜しておきながら,企業は時々の情勢によって,大量採用したり,採用を極端に絞ったりします。大量採用の時には,こちらが首をかしげるような学生をほいほい採用し,逆に採用を絞ったときには,こちらが太鼓判を押すような優秀な学生を相手にしません。もちろん,環境変化に柔軟に対応しなければ生き残れないことは重々承知していますが,少々無定見だなと思ってしまいます。

もっとも,企業側は大学関係者がそんなことをいう資格があるのかと怒るかもしれません。何しろ,試験では把握できない個性的な学生を取りたいため推薦やAO入試を実施していますと標榜しておきながら,受験生が減ってくると,その基準を緩和させて学生をかき集めているのが多くの大学の実態ですから。
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