愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

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2012年01月01日 | 運営
新年を迎え,昨年の反省を踏まえ,本年のゼミ指導に関する決意を述べていきます。

今までブログで述べてきましたが,チームで活動していた3年生の名古屋マーケティング・インカレへの関わり方を観察していて,驚いたのがチーム・マネジメントのへたくそさです。人間関係の持ちように問題があるケースも見られましたが,チームで動くということの意義をメンバーが理解していないことがへたくそさの根本原因です。

チームワークを学ぶことは,今後就職活動を経て職業人として働くためには必須です。なぜならば,日本企業の優位性の源泉はチームワークにあるといわれてきたからです。かつて日本人は教育課程を終えるまでに自然とチームワークの基礎が身についていました。しかし,若い世代では身についていない人が多いようです。多くの企業では,若い社員がチームで働けないことが問題になっているそうです。日本企業の優位性の源泉は今は昔なのかもしれません。

その原因はよく分かりません。少子化や90年代以降の「自分らしくあれ」という言説の流布が影響を与えているのかもしれません。そもそもチームで活動する経験を積んでいないのが原因ではないかと思っています。1990年代以降大学ではサークル活動が低調になりました。そして,ゼミのような小さな単位の集まりでも,ゼミ生間の交わりを避け,仲の良い少数者とのみ群れる姿が2000年代に入ってから目立つようになりました。

今年はゼミ生のチーム・マネジメントに対して積極的にアドバイスを試みていきます。今まではほとんど何もしてきませんでした。ただし,基本的な心構えをしつこく諭すことにとどめ,細かな介入はしないつもりです。なぜならば,教員がチームの運営に介入をすれば,教員がチームリーダーになったも同然で,ゼミ生たちは自発的に運営する気概をなくしてしまうからです。

チーム・マネジメントにおいては,個々人の貢献にも今まで以上に目配せしたいと思います。個人で執筆した4年生の卒論の出来具合を先日確認しました。これを当人たち3年次の名古屋マーケティング・インカレにおけるチームによる研究発表と照らし合わせました。チームは非常に良い発表をしたのに,個人の卒論ではだめだった例,チームの活動はだめだったのに,個人の卒論はその時の印象を払しょくするほど良かった例を見ることができました。

チームは良かったのに,個人ではだめなのは,その個人が3年次のチームにおいてはただ乗りをしていて大した貢献をしていないか,貢献はしたにせよ研究発表の根幹に関わっていなかった可能性があります。そのため能力向上しなかったのでしょう。チームにおいては,役割分担があるにせよ,全員が活動の内容をきちんと理解し,進行に関与している必要がありますが果たしてそれがなされていたのか。

チームはだめだったが,個人では良いのは,3年次メンバー間で衝突して方向性を打ち出せなかったか,足を引っ張るメンバーのおかげで,その個人の活躍がつぶされてしまった可能性があります。4年次に個人で動くことになって,チームの呪縛から放たれ,のびのびと卒論に打ち込めたことでしょう。そして,3年次の苦境時に意外にも学んでくれたのでしょう。この場合,同一チーム・メンバーで,チームはだめで,個人もだめという例も同時に見つかります。その個人がチームの足を引っ張ったことがあぶりだされます。その後何かを学んでくれていればいいのですが・・・。

ともかく今年はチーム・マネジメントに注力することをゼミの指導方針にします。
コメント
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