愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

第7回名古屋マーケティング・インカレ本大会

2012年12月02日 | 名古屋マーケティング・インカレ
12月1日午前9時から午後6時に,第7回名古屋マーケティング・インカレの本大会(日経ビジネス協賛)が名古屋学院大学において開催されました。今回は,愛知大学,愛知工業大学,愛知淑徳大学,名城大学,名古屋学院大学,愛知学院大学から28チーム約150名の学生が参加しました。また,特別審査員として,日経新聞社の田中陽氏,日経BPマーケティングの中尾貴志氏をお招きしました。

午前中に5つの発表グループに分かれて全チーム発表の予選が行われ,学生による相互評価(採点)によって各グループにおいて優秀賞を決定しました。午後は各グループから勝ち上がったチーム(優秀賞)による決勝の研究発表が行われました。

優秀賞は以下の通り。

名古屋学院大学 CASA
愛知大学 ネピネピ
愛知大学 ふわふわ
愛知大学 らいおん
愛知大学 クローバー

なお,決勝には残れなかったものの,発表内容が非常に良かったと教員が評価した名城大学のマチルダ・ハヤシに特別賞が授与されました。

最優秀賞に選ばれたのは名古屋学院大学CASAでした。このチームの目的は,若者の海外旅行離れが指摘されている昨今,その要因を探って,解決策を提示することにありました。若者の海外旅行離れの要因として,資金的要因,時間的要因,不安要因を挙げ,その中で,実質的に重要なのは内向き志向につながる不安要因であることを指摘しました。そして,不安解消こそが海外旅行離れを食い止める策の方向性であることを確認しました。その後,専門家によるコンサルテーションが展開される旅行代理店の店舗こそがその不安解消の切り札になるという論理の下,業界1位のJTBに着目し,その店舗の活用策を導出しました。若者が気軽に立ち寄ることができるカフェと旅行代理店との融合業態,大学などへの移動型店舗の可能性を提案して,発表を締めくくりました。

彼らは,アンケート・ヒヤリング調査や理論の検討をきちんと行い,上手なプレゼンテーションで,分かりやすい論理を説明しました。論理性,調査,プレゼンテーション,すべてにおいて減点の少ないバランスの良い発表をしたことが高評価につながったと思います。店舗が若者の不安解消の拠点になるという論理について,もう少し理論やデータで補強すればさらに良い発表になったでしょう。

予選から全体を総括すると,今回,参加者の多さという点で,量的には過去最高の大会になりましたが,参加チームの発表レベルは高かったとはいえませんでした。事象の要因を追求するにせよ,戦略を提案するにせよ,根拠の弱い主張を展開するチームが続出していました。そのためか,結果的にプレゼンテーションの上手なチームやそつのない「突っ込みどころの少ない」チームが高評価を得る傾向にありました。

特別審査委員の田中氏は,決勝での発表を聞いた後の講評で,提案した戦略の実現可能性や根拠の検討不足,大学生対象アンケートの安直さを指摘されました。

例年注目する,第2回の「長浜商店街の二極化」を超える発表があったかといえば,残念ながらありませんでした。最優秀賞の発表も含め,オリジナリティーが今一つという印象です。

運営にも課題を残しました。参加チームが多いため,本大会の発表時間がいつもの20分(プラス質疑応答10分)から15分(プラス質疑応答10分)に短縮せざるを得ませんでした。これに対して,多くの学生は不満を感じていたようでした。1年間の集大成なのだから,もっと多くの時間できちんと説明したいと訴える学生がいました。

予選での採点は,項目ごとの絶対評価によるものでしたが,他チームに厳しい評価をするチームがいたことに,不満と不信感を持つ学生がいました。順位付け評価の方が良いという意見を本大会後の懇親会で何人かの学生から聞きました。

参加者が多い上に,休憩の少ない進行のためか,決勝での会場の雰囲気が散漫になってしまった(学生の集中力が切れがちだった)のは残念でした。

参加者の多さは,懇親会の開催にも困難さをもたらしました。中間発表会を含め,開催校はその会場探しに難渋しました。懇親会は全体的なまとまりを欠いた雰囲気になってしまいました。

いくつか問題のある今年度の名古屋マーケティング・インカレでしたが,参加した学生はみな能力を向上させることができたので,基本的に成功だったでしょう。
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