愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒論発表会

2017年01月14日 | 卒論
今年度のゼミの卒論発表会を今月13日に実施しました。4年生に個人で卒論の概要を20分の持ち時間で口頭発表してもらい,それに対して,2,3,4年生参加者全員が投票形式で評価しました(4年生は自分以外について)。また,2,3年生にも同時に研究発表してもらいました。3年生の発表は評価対象になりました。

今回最も評価が高かった卒論は瀧本大介「JR名松線の利用者増加に向けての課題」でした。その卒論では,過去20年にわたり利用者を減らし続けている名松線の現状と課題を,利用者データや沿線地域データからあぶり出し,それを踏まえたうえで,利用者増の策を検討しています。定期券による利用者(沿線住民や通勤・通学者)が利用者のほとんどを占める中,観光客を呼び込むため,他路線の成功事例と失敗事例を引きながら,トロッコ列車,レストラン列車,グリーンツーリズムなどの策を導出しています。論旨が単純明解で分かりやすかった点はよかったでしょう。ただし,調査に不十分な点がありました。実現可能性の検討も不十分でした。後輩たちにはそれらを自らの課題として捉えて欲しいと思います。

全体として卒論のレベルは例年通りでした。うまく結論を導き出すロジックが組めなかったものもいくつかありましたが,みな大まかなテーマを狭く絞り込む過程を経てきたことが分かりました。その過程が思考を深める過程であるということができます。卒業を前に,それを4年生がみな経験できたことは重要な教育的意義であると思います。

今回良かったのは発表時の質疑応答です。4年生たちはお互いに,論理のおかしさ,用語定義の不十分さ,目的の不明瞭さを指摘しあいました。例年よりもそのやり取りは活発でした。2年次の頃には満足に質問ができなかったことを振り返ると,随分成長したと思います。

今回ゼミ生間の評価が高かった上位4つにAAの評価を与えることにしました。それは私個人の評価とほぼ同じです。4年生や3年生は評価眼が身についてきたようで,発表内容の論理性や独自性をきちんと捉えた評価ができていました。

3年生にはチームで,名古屋マーケティング・インカレ本大会発表の修正版を発表してもらいました。元々は海外テーマパークの日本市場参入に関する指針を探るというテーマでした。しかし,大きくあいまいであるため,論理性と独自性のある発表をインカレ本大会では満足に展開することができませんでした。本大会では恥をかいてしまいました。そこで,修正を図ってもらいました。結局,彼らは,日本国内にある映画のテーマパークの成功例と失敗例の比較分析というテーマに変更しました。ようやく自分たちなりの,結果の見通せるテーマを見つけ出したようです。やっと知的成長の跡を示したといえます。

2年生には先日論文コンテストに提出したものを修正して,口頭発表してもらいました。2年生の発表は評価対象にはしませんでした。論文執筆,口頭発表をやりきってもらい,その過程で,調査や発表の基礎的方法を学んでもらえばよいからです。うまくテーマが絞れず,焦点の定まらない発表をしてしまいましたが,やりきることが大事。その経過で次年度の課題を見つけ出してくれればよいでしょう。

今月末に商学部学生のためのビジネスカンファレンスにゼミ生全員が参加し研究発表します。全員今回の発表と同じ内容を発表しますが,私からは再度反省と改善を要求します。もう少し粘ってください。
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