今日は愛知学院大学において2018年最後の授業日です。師走に入りゼミでは大きなイベントが2つありました。
1つは,ゼミ3年生の名古屋マーケティング・インカレ本大会への参加です。12月1日に開催されました。うちから3チーム参加しましたが,どれも満足のいく発表はできませんでした。ただ,結果的に,自分たちの能力や努力において足りない部分を皆認識してくれたようです。また,研究発表の面白みを感じてくれたようで,本大会後も継続的に,自分たちが設定したテーマを追究する姿勢を見せてくれています。彼らの成長を見ることができて,参加による教育的意義はあったと考えています。
今回最優秀賞に選ばれたのは,愛知大学為廣ゼミさんぶんのごによる「家庭における食料備蓄を増やすには」という発表でした。南海トラフ地震発生が迫っていると報じられているなか,その時の避難者の大半を占めるといわれている自宅避難者が生き残るためには家庭での食料品備蓄が必要である。しかし,それが進んでいないので,いかにしてその備蓄をすすめるのか方策を案出するというのがこの発表の目的です。彼らが注目したのが定期セット販売です。現在非常食の定期セット販売が実用化されています。しかし,普及はしていない。そこでその問題点を探ったところ,備蓄品の消費や処分を嫌う消費者が多いため,定期セット販売が進まないことが分かりました。そこで,消費期限が切れる前の備蓄品をフードバンクに寄付するという社会貢献活動を組み込んだ定期セット販売を提案することで,その普及を目論むというのです。消費者白書によれば社会貢献につながる商品を意識的に選択すると答えた消費者が過半数を超えるというのが,その実現可能性の根拠になっています。
この発表がなぜ最優秀になったのか,私のなりの分析は,主張が明快で,大きな論理破綻がなく,「突っ込みどころ」が最も少なかったからというものです。また,アイディアに強い独創性はありませんが,実現可能性が考えられていることもあげられます。コーズ・リレーテッド・マーケティングなどの理論に触れていたことも評価をあげました。ただし,私なりに発表の欠点・課題を指摘すると,消費者白書において社会貢献につながる商品を意識的に選択すると答えた消費者が過半数を超えるというデータがあったとしても,実際に消費者がフードバンク寄付付き定期セットを購入するかどうかは別問題であるので,もう一段その点に関する具体的な根拠データが必要であるということです。
優秀賞に選ばれた5つのなかには,個人的に首をかしげるものがありました。「何でこんなんが選ばれたの?他にましなのはなかったの?」とゼミ生や他大学の先生と会話しました。学生相互評価の限界を示しているのかもしれません。他の発表内容のレベルが低いために相対的に浮かび上がったのか,内容に優劣つかなかったためにプレゼンの上手さで浮かび上がったのか,単に学生に見る目がなかったのか。理由は複合的であると思います。しかし,優秀賞の中から選ばれた最優秀賞については納得しています。例年,最優秀賞は,上手なプレゼンによる,そつのない,突っ込みどころの少ない発表が選ばれます。最優秀賞受賞者は,明快で論理的なプレゼンで聴衆を納得させるという能力を発揮し,それが他の学生のモデルになるという点で,教育的に好ましい評価になっていると思います。
もう1つは,ゼミ4年生の卒論提出です。12月14日が締め切りでした。早速,私はそれらを読みました。そして昨日のゼミで,4年生たちにそれらを返却しながら言い渡したのは「書き直し」の一言です。ゼミ生ごとに,書き直し個所を大まかに指摘しましたが,全てに共通しているのは,「結論はどうしたの?」ということです。あれこれ文献を読み込んだり,ヒヤリング調査をしたりしたことは理解できましたが,自分たちが主張したいことが不明確です。そもそも主張がないものもありました。主張のない卒論はあり得ないので,4年生は後1か月間,悩みに悩んで,書き直しをして欲しいと思います。
1月22日の補講日に卒論発表会を開催します。そこで,4年生に卒論内容を発表してもらい,下級生にそれを評価してもらいます。下級生たちに,「先輩たち,いつも偉そうなこと言っていて,こんな卒論でお茶濁しするのか」などと陰口たたかれないように,改善に努めて欲しいと思います。卒業直前まで卒論改善に努力する姿は,下級生に範を垂れることになります。なにより社会人になってから良い思い出になります。
2月7日には学内の研究発表会ビジカンで,ゼミの2,3,4年生は発表することになっています。3年生は名古屋マーケティング・インカレの発表内容,4年生は卒論を,きちんとブラッシュアップして,発表に臨んでください。
1つは,ゼミ3年生の名古屋マーケティング・インカレ本大会への参加です。12月1日に開催されました。うちから3チーム参加しましたが,どれも満足のいく発表はできませんでした。ただ,結果的に,自分たちの能力や努力において足りない部分を皆認識してくれたようです。また,研究発表の面白みを感じてくれたようで,本大会後も継続的に,自分たちが設定したテーマを追究する姿勢を見せてくれています。彼らの成長を見ることができて,参加による教育的意義はあったと考えています。
今回最優秀賞に選ばれたのは,愛知大学為廣ゼミさんぶんのごによる「家庭における食料備蓄を増やすには」という発表でした。南海トラフ地震発生が迫っていると報じられているなか,その時の避難者の大半を占めるといわれている自宅避難者が生き残るためには家庭での食料品備蓄が必要である。しかし,それが進んでいないので,いかにしてその備蓄をすすめるのか方策を案出するというのがこの発表の目的です。彼らが注目したのが定期セット販売です。現在非常食の定期セット販売が実用化されています。しかし,普及はしていない。そこでその問題点を探ったところ,備蓄品の消費や処分を嫌う消費者が多いため,定期セット販売が進まないことが分かりました。そこで,消費期限が切れる前の備蓄品をフードバンクに寄付するという社会貢献活動を組み込んだ定期セット販売を提案することで,その普及を目論むというのです。消費者白書によれば社会貢献につながる商品を意識的に選択すると答えた消費者が過半数を超えるというのが,その実現可能性の根拠になっています。
この発表がなぜ最優秀になったのか,私のなりの分析は,主張が明快で,大きな論理破綻がなく,「突っ込みどころ」が最も少なかったからというものです。また,アイディアに強い独創性はありませんが,実現可能性が考えられていることもあげられます。コーズ・リレーテッド・マーケティングなどの理論に触れていたことも評価をあげました。ただし,私なりに発表の欠点・課題を指摘すると,消費者白書において社会貢献につながる商品を意識的に選択すると答えた消費者が過半数を超えるというデータがあったとしても,実際に消費者がフードバンク寄付付き定期セットを購入するかどうかは別問題であるので,もう一段その点に関する具体的な根拠データが必要であるということです。
優秀賞に選ばれた5つのなかには,個人的に首をかしげるものがありました。「何でこんなんが選ばれたの?他にましなのはなかったの?」とゼミ生や他大学の先生と会話しました。学生相互評価の限界を示しているのかもしれません。他の発表内容のレベルが低いために相対的に浮かび上がったのか,内容に優劣つかなかったためにプレゼンの上手さで浮かび上がったのか,単に学生に見る目がなかったのか。理由は複合的であると思います。しかし,優秀賞の中から選ばれた最優秀賞については納得しています。例年,最優秀賞は,上手なプレゼンによる,そつのない,突っ込みどころの少ない発表が選ばれます。最優秀賞受賞者は,明快で論理的なプレゼンで聴衆を納得させるという能力を発揮し,それが他の学生のモデルになるという点で,教育的に好ましい評価になっていると思います。
もう1つは,ゼミ4年生の卒論提出です。12月14日が締め切りでした。早速,私はそれらを読みました。そして昨日のゼミで,4年生たちにそれらを返却しながら言い渡したのは「書き直し」の一言です。ゼミ生ごとに,書き直し個所を大まかに指摘しましたが,全てに共通しているのは,「結論はどうしたの?」ということです。あれこれ文献を読み込んだり,ヒヤリング調査をしたりしたことは理解できましたが,自分たちが主張したいことが不明確です。そもそも主張がないものもありました。主張のない卒論はあり得ないので,4年生は後1か月間,悩みに悩んで,書き直しをして欲しいと思います。
1月22日の補講日に卒論発表会を開催します。そこで,4年生に卒論内容を発表してもらい,下級生にそれを評価してもらいます。下級生たちに,「先輩たち,いつも偉そうなこと言っていて,こんな卒論でお茶濁しするのか」などと陰口たたかれないように,改善に努めて欲しいと思います。卒業直前まで卒論改善に努力する姿は,下級生に範を垂れることになります。なにより社会人になってから良い思い出になります。
2月7日には学内の研究発表会ビジカンで,ゼミの2,3,4年生は発表することになっています。3年生は名古屋マーケティング・インカレの発表内容,4年生は卒論を,きちんとブラッシュアップして,発表に臨んでください。