2月7,8日に、学内研究発表会「ビジカン」が開催されました。80を超える発表が展開され、200名ほどの学生が参加しました。無事に終了し、今年度の本学の教育活動は実質的に閉じることになりました。
7日のポスター発表において、学生による投票に基づいて、教員の評価を加味して優秀賞6つが選ばれました。8日にそれら6つの口頭発表が行われました。そして、その口頭発表の中から、教員の評価によって最優秀賞が選ばれました。
最優秀賞に選ばれたのは、会計学を専攻する学生3名(野口ゼミ所属3年生)による「多角化戦略と財務比率の関連性」です。
この発表が最優秀賞に選ばれた意義を私なりに解説します。企業による多角化と業績との関連を分析する研究は、経営学の関連領域では古典的といえ、研究者の関心を引く大きなテーマです。したがって、沢山の論文が提出されてきました。しかし、研究者間で合意形成ができているとはいいがたい状況です。しかも、このテーマは、経営学、経済学、会計学、マーケティング論等複数領域にまたがっていて、幅広い考察を要します。難しいテーマに学部学生が挑んだこと自体が高く評価できます。
彼女たちは、実証的に、多角化と企業業績との関連を明らかにするため、多角化程度(事業セグメント数)と、使用資本事業利益率や流動比率などの財務指標との関連について、データーベースの財務データを使って分析しています。それによれば、様々な指標において、セグメント数7~9の企業グループが最もパフォーマンスが良いという結果になったいうことです。さらに、それを受けて、多角化数の限界を指摘しています。なかなか今日深い結論です。多角化程度の最適解を求めようとするのは、理論的にも実務的にも意義があります。最優秀賞にふさわしい取り組みです。
ただし、なぜそういう結果が出たのかという説明が不十分です。今後、業種・業態、多角化の類型や経路に分けて分析すること、その理論的背景をきちんと検討することが求められます。今後の発展性を勘案して、4年次に他の学生の模範を見せてくれるであろうという期待を込めて最優秀賞になったといえます。
様々なアプローチによる分析が可能な大きなテーマです。彼女たちの試みを引き継ぐ学生が出て欲しいと思います。それは同じゼミに限る必要はありません。さらにいえば、同じ専攻に限る必要もありません。会計学、経営学、経済学、マーケティング専攻の学生が共同で、彼女たちの試みを引き継いで検討してくれれば、商学部のゼミ教育の水準は格段に上がると思います。
なお、うちのゼミからは、3年生の加藤泰稚・都築公史郎「仮想空間におけるデザインーーどのような消費者がLINEとゲームの見た目に課金するのか」、4年生の中野顕志「アミューズメント業界が発展する為の考察」が優秀賞に選ばれました。前者は、フリーミアム・ビジネスの要であるユーザーの課金動機を深層インタビューやアンケート調査から探り出しています。後者は、祖父祖母と孫をターゲットにしたゲームセンターの集客戦略を検討しています。両者とも、努力の大きさが見えた上に、分かりやすくポスターで聴衆に説明したことが評価されました。ただし、データ分析が不十分であったり、戦略提案の実行可能性が低かったりしたため最優秀には至りませんでした。
次年度、現2,3年ゼミ生は高い評価を受けられるようにさらに努力をしてください。
7日のポスター発表において、学生による投票に基づいて、教員の評価を加味して優秀賞6つが選ばれました。8日にそれら6つの口頭発表が行われました。そして、その口頭発表の中から、教員の評価によって最優秀賞が選ばれました。
最優秀賞に選ばれたのは、会計学を専攻する学生3名(野口ゼミ所属3年生)による「多角化戦略と財務比率の関連性」です。
この発表が最優秀賞に選ばれた意義を私なりに解説します。企業による多角化と業績との関連を分析する研究は、経営学の関連領域では古典的といえ、研究者の関心を引く大きなテーマです。したがって、沢山の論文が提出されてきました。しかし、研究者間で合意形成ができているとはいいがたい状況です。しかも、このテーマは、経営学、経済学、会計学、マーケティング論等複数領域にまたがっていて、幅広い考察を要します。難しいテーマに学部学生が挑んだこと自体が高く評価できます。
彼女たちは、実証的に、多角化と企業業績との関連を明らかにするため、多角化程度(事業セグメント数)と、使用資本事業利益率や流動比率などの財務指標との関連について、データーベースの財務データを使って分析しています。それによれば、様々な指標において、セグメント数7~9の企業グループが最もパフォーマンスが良いという結果になったいうことです。さらに、それを受けて、多角化数の限界を指摘しています。なかなか今日深い結論です。多角化程度の最適解を求めようとするのは、理論的にも実務的にも意義があります。最優秀賞にふさわしい取り組みです。
ただし、なぜそういう結果が出たのかという説明が不十分です。今後、業種・業態、多角化の類型や経路に分けて分析すること、その理論的背景をきちんと検討することが求められます。今後の発展性を勘案して、4年次に他の学生の模範を見せてくれるであろうという期待を込めて最優秀賞になったといえます。
様々なアプローチによる分析が可能な大きなテーマです。彼女たちの試みを引き継ぐ学生が出て欲しいと思います。それは同じゼミに限る必要はありません。さらにいえば、同じ専攻に限る必要もありません。会計学、経営学、経済学、マーケティング専攻の学生が共同で、彼女たちの試みを引き継いで検討してくれれば、商学部のゼミ教育の水準は格段に上がると思います。
なお、うちのゼミからは、3年生の加藤泰稚・都築公史郎「仮想空間におけるデザインーーどのような消費者がLINEとゲームの見た目に課金するのか」、4年生の中野顕志「アミューズメント業界が発展する為の考察」が優秀賞に選ばれました。前者は、フリーミアム・ビジネスの要であるユーザーの課金動機を深層インタビューやアンケート調査から探り出しています。後者は、祖父祖母と孫をターゲットにしたゲームセンターの集客戦略を検討しています。両者とも、努力の大きさが見えた上に、分かりやすくポスターで聴衆に説明したことが評価されました。ただし、データ分析が不十分であったり、戦略提案の実行可能性が低かったりしたため最優秀には至りませんでした。
次年度、現2,3年ゼミ生は高い評価を受けられるようにさらに努力をしてください。
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