大学はコロナ禍で、昨春からサークル活動を制限。1年半以上と制限が長期化するなか、サークルの存続を危ぶむ声が上がり始めている。大学サークルは、マイナーなスポーツや文化活動のファン層の確立にも貢献してきており、その影響は学内にとどまらない。
ステージの熱気に、模擬店のにぎわい、室内イベントの白熱──秋の風物詩ともいえる大学の学園祭。だが、昨年に続き今年も多くがオンラインでの開催となった。こうしたなか私立大学2年の女子学生(20)の胸には不安が渦巻く。女性の通う大学も学園祭はオンラインになり、所属するダンスサークルは参加しないことになった。オンラインでは音楽や振り付けの著作権の制約により、希望するダンスが踊れないからだ。また、声援や拍手を受けながら、観客と共に空間を作り上げるライブと、オンラインは別ものでもある。
例年、3年生は学園祭での発表を区切りに引退し、2年生が運営を引き継ぐ。その方針は今年も変わらない。女性は言う。「私たち2年生は、1年生の前期はキャンパスに全く入れず、サークルの勧誘も禁じられていました。後期になって解禁され入部しましたが、1年生の間は一度も練習がありませんでした。初めて練習に参加したのは2年生の5月です。今年の1年生に『ここって、どんな感じのサークルなんですか?』と聞かれても『私たちにもわかりません』と答えるしかありませんでした」
朝日新聞と河合塾が、今年6~8月に共同で調査した「ひらく 日本の大学」で、大学の学長が選んだ「大きな課題」のトップは「課外活動の実施」(73%)だ。どう実現するか。大学だけでなく、行政や社会全体で考えていく必要がある。待った無しの分岐点に、いま差し掛かっている。(編集部・石田かおる)※AERA 2021年11月8日号
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上記のアエラの記事は、大学の課外活動について問題にしています。私もいくつかのクラブ・サークルの顧問をしているので、理解しています。本学でも、新入生の勧誘ができなくて、部員が獲得できないクラブがいくつも存在しています。また、部員は獲得できたものの、活動が活発に行えず、活動に必要なノウハウが上級生から下級生に移転できない例も多くあるようです。
同様の問題がゼミの活動にも生じています。もちろん、ゼミは正規の授業なので、対面授業ができない状況でも学生の各ゼミへの配属を学部で決定します。しかし、うちのゼミでは、対面授業が滞り、授業外の活動も盛んに行うことができなくなって、上級生と下級生との交流がほとんどなくなりました。学年入り乱れて同じ空間で時間を共有することがありません。そのため、研究発表について、上級生が下級生の指導を行うことがこの2年間非常に少なくなりました。研究発表には学生なりのノウハウが存在しています。それを上級生から下級生に移転させることができないでいます。うちのゼミ生は、2,3年次研究発表で失敗を例年重ねます。その失敗を糧に4年次の卒論で挽回をもくろむゼミ生が例年存在していました。そういう4年生が自分の失敗を下級生に語ることで、下級生のテーマ探しや調査の迷いを軽減していました。しかし、今年度はそういう姿がありません。そもそも4年ゼミ生が昨年度研究発表を経験が不足しているので、語るべき言葉を持たないという理由もあります。
したがって、今の3年ゼミ生の研究発表の準備は例年以上に遅れています。一次データの調査は言うに及ばす、文献調査すらも不十分です。教員の私が読むべき文献や行うべき調査を指示しても、今一つきちんとやっていきません。それを教員の「授業中の勉強課題の提示」だと受け取って、自分たちに必要な事柄だと得心していないからでしょう。これが上級生の体験からくるアドバイスならば、自分たちに学生にとって本当に必要な事柄であると信じることができたのではないでしょうか。
同じ空間で過ごすということは人的交流にとってやはり重要なのだと感じる日々です。
ステージの熱気に、模擬店のにぎわい、室内イベントの白熱──秋の風物詩ともいえる大学の学園祭。だが、昨年に続き今年も多くがオンラインでの開催となった。こうしたなか私立大学2年の女子学生(20)の胸には不安が渦巻く。女性の通う大学も学園祭はオンラインになり、所属するダンスサークルは参加しないことになった。オンラインでは音楽や振り付けの著作権の制約により、希望するダンスが踊れないからだ。また、声援や拍手を受けながら、観客と共に空間を作り上げるライブと、オンラインは別ものでもある。
例年、3年生は学園祭での発表を区切りに引退し、2年生が運営を引き継ぐ。その方針は今年も変わらない。女性は言う。「私たち2年生は、1年生の前期はキャンパスに全く入れず、サークルの勧誘も禁じられていました。後期になって解禁され入部しましたが、1年生の間は一度も練習がありませんでした。初めて練習に参加したのは2年生の5月です。今年の1年生に『ここって、どんな感じのサークルなんですか?』と聞かれても『私たちにもわかりません』と答えるしかありませんでした」
朝日新聞と河合塾が、今年6~8月に共同で調査した「ひらく 日本の大学」で、大学の学長が選んだ「大きな課題」のトップは「課外活動の実施」(73%)だ。どう実現するか。大学だけでなく、行政や社会全体で考えていく必要がある。待った無しの分岐点に、いま差し掛かっている。(編集部・石田かおる)※AERA 2021年11月8日号
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上記のアエラの記事は、大学の課外活動について問題にしています。私もいくつかのクラブ・サークルの顧問をしているので、理解しています。本学でも、新入生の勧誘ができなくて、部員が獲得できないクラブがいくつも存在しています。また、部員は獲得できたものの、活動が活発に行えず、活動に必要なノウハウが上級生から下級生に移転できない例も多くあるようです。
同様の問題がゼミの活動にも生じています。もちろん、ゼミは正規の授業なので、対面授業ができない状況でも学生の各ゼミへの配属を学部で決定します。しかし、うちのゼミでは、対面授業が滞り、授業外の活動も盛んに行うことができなくなって、上級生と下級生との交流がほとんどなくなりました。学年入り乱れて同じ空間で時間を共有することがありません。そのため、研究発表について、上級生が下級生の指導を行うことがこの2年間非常に少なくなりました。研究発表には学生なりのノウハウが存在しています。それを上級生から下級生に移転させることができないでいます。うちのゼミ生は、2,3年次研究発表で失敗を例年重ねます。その失敗を糧に4年次の卒論で挽回をもくろむゼミ生が例年存在していました。そういう4年生が自分の失敗を下級生に語ることで、下級生のテーマ探しや調査の迷いを軽減していました。しかし、今年度はそういう姿がありません。そもそも4年ゼミ生が昨年度研究発表を経験が不足しているので、語るべき言葉を持たないという理由もあります。
したがって、今の3年ゼミ生の研究発表の準備は例年以上に遅れています。一次データの調査は言うに及ばす、文献調査すらも不十分です。教員の私が読むべき文献や行うべき調査を指示しても、今一つきちんとやっていきません。それを教員の「授業中の勉強課題の提示」だと受け取って、自分たちに必要な事柄だと得心していないからでしょう。これが上級生の体験からくるアドバイスならば、自分たちに学生にとって本当に必要な事柄であると信じることができたのではないでしょうか。
同じ空間で過ごすということは人的交流にとってやはり重要なのだと感じる日々です。
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