柔らかい日々
手のひらの中で
僕は君を見つけたんだ
君は僕のことなんて
知らなくて
ただ無邪気に振舞ってたんだ
けっして深みに足を入れず
浅瀬でピチャピチャと
自由に泳ぎまわっていたよ
棘のある言葉で心をえぐられ
自分に向けられた
ナイフの切っ尖に
怯えて
失意の底にいた僕に…
見えない光の代わりに
君が口ずさむメロディに
重ね合わせて
歌いだしたなら
歌が重なった。
ホラ
その歌。
こんなサビだったわね
そうだよ
これ
いいよね
それからまた
歌いだす
口ずさむ
歌が楽しくて
言葉が嬉しくて
手のひらの小さな世界の
記憶は
昔と今を
行ったり来たり
求めていた時間があるとするならば
目指していた場所があるとするならば
あの時あの頃の輝きは
今からすれば
眩しくて
照れ臭いほど
蒼い。

ささやく冗談でいつも つながりを信じていた
砂漠が遠く見えそうな時も
ぼやけた六等星だけど 思い込みの恋に落ちた
初めてプライドの柵を越えて
風のような歌 届けたいよ
野生の残り火抱いて 素足で走れば
柔らかい日々が波の音に染まる 幻よ 醒めないで
ねじ曲げた思い出も 捨てられず生きてきた
ギリギリ妄想だけで 君と
水になって ずっと流れるよ
行きついたその場所が 最期だとしても
柔らかい日々が波の音に染まる 幻よ 醒めないで
渚は二人の夢を混ぜ合わせる 揺れながら輝いて
輝いて… 輝いて…
柔らかい日々が波の音に染まる 幻よ 醒めないで
渚は二人の夢を混ぜ合わせる 揺れながら輝いて