明日の葉っぱ(8×8)=69

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冷たい雨 ハイファイセット

2020-11-28 05:51:00 | 僕の音楽日記
♪彼女の名前教えないでね
恨む相手は
貴方だけでいい


彼と喧嘩し、
その彼は喧嘩に乗じて
別の女と思い出の部屋で
暮らす事を
彼女に告げる

まあ、なんと都合のいい
いやらしい男なんだろう

この歌の世界は演歌だ。
日本人的風景が垣間見れるが…

ユーミン的には
洋楽、洋画のシーンに加工して
お洒落に聞こえるように
女性の怨みを悲しみを
全面に出ないように
フィルターをかけて作品として
仕上げてる。


同じ題材を中島みゆきさんが
表現すると
冷たい雨も
氷雨くらいになりそうなのだが…

そこが 「世界」をもった表現者の
個性、違いというやつで…


そうはいっても
ユーミンが表現する
冷たい雨 
自身が歌うのと
山本潤子さん歌唱とでは
ニュアンスが雲泥の差。

ユーミンの
「冷たい雨」のイメージは
個性的な
字体の女の子の手紙

そして
山本潤子さんの歌う
「冷たい雨」のイメージは
綺麗な書体の字の手紙


そんな両者のイメージ

透き通る透明感の力強さのボーカルの山本潤子さん
癖のある白濁色の粘り気のあるボーカルのユーミン
濁りのある、なしで
同じ冷たい雨でも
雨の体感温度にも
差ができる。

♫ あなたは別の人と
ここで暮らすというの
こんな気持ちのままじゃ
どこにも行けやしない

サビの部分にかくされた心情

(こんな気持ちのままじゃ…)
そしてほんとに悪いのは
許しを乞うための
彼女だったのではなかったのか?

それほどまで彼を怒らせたことは
その辺の経緯が書かれてないゆえ
彼女にしか
スポットがあたらず
彼女をふって新しい女と暮らし
始まる男のいやらしさが
浮き上がる

別れのタイミング
乗り換えのタイミングを
はかったように
計算高いのは男として…

突然の出来事として
彼女に思わせるようにして
でも彼女からして
優しい笑顔しか思い浮かばず
突然、電源が落ちたような
機械のように
動きようがない止まった心で
事態を分析し、
なんとかしようといじらしく
気持ちを立て直そうとしてる

人の心も機械と同じで雨に濡れては
動きようがなく機能停止する

ましてや冷たい雨ならば
冷たい雨がふるたびに
あなたを思い出すし、
忘れたい…と切り替えようと
するにも
怨みたいと思うにも

優しい思い出しか浮かばない
突然のシャットダウン

失恋としたら
これ以上ない追い討ちをかけられ
悲しさが
染み込んでくる歌だと
改めて思う。

ハイファイセット
山本潤子さんのボーカルの
凛とした
強さを感じる
ニュアンスがあって
この崩れそうな
どん底へ突き落とされた
悲しみの歌も
整えられて聞き手に
上手く聴こえ、伝わってくる

そしてソングライター自身の
ユーミンが歌えば
また、この歌の本質を
魅せてくれる。

「冷たい雨」
が降る
もう…そんな季節