Tさんから、家のハウスで育てているという巨峰をいただきました。Tさんの家で飼っている愛
犬が、たわわに実った巨峰を食べているということで、その愛犬をとてもうらやましく思っていた
ところ、わざわざ自宅までその巨峰を届けていただいたのです。
食べてみて、納得しました。これだけおいしいのですから、愛犬が大好物になるのももっとも
で、そんな犬の気持ちがよく分かりました。
であれば、我が愛犬クウタも、この巨峰のおいしさが分かるのではと考え、2粒ほどあげてみ
ました。しかし、クウタはなめてはみるのですが、食べてみようとはしません。
そこで、皮をむいて中味をちぎってあげました。
食べてみてうまいと思ったのでしょうか、それからは皮をむいてあげたものをおいしそうに食べ
ました。
我が家の愛犬にとって初体験のぶどうとなりましたが、ちょっとぜいたくをさせてしまったかなと
も思っています。
貴重なぶどうを届けていただいたTさん親子に心から感謝いたします。ごちそうさまでした。
まどみちおの詩に、ぶどうのことについて書いた作品がありますので、次に紹介します。
ブドウのつゆ
まど みちお
私の中に おちてくる / ブドウの つゆの / この一しずくの あまずっぱさが /
こんなに はるかな 光の尾をひくのは /
そのはじめ / かみさまの 心の中に / 生まれでた思いだからなのか /
そして 私にたどりつくまでの / なんおく年間 /
そんなまぶしい銀河の中を / めぐりめぐって いたからなのか/
クモの糸よりも ほそい / 一すじの せせらぎとして /
ブドウの つゆの / この一しずくの あまずっぱさが /
こんなにはるかな 光の尾をひいて /
星がおちるように / 私の中に きえていくのは /
ブドウは、連なる宇宙なのでしょうか。一つの星である 一粒のブドウから 彗星の光のように 一しずく 口の中に落ちる。 そのあまずっぱさが、時の流れをはるかに超えて、広い宇宙をめぐりめぐって、私の心の中にまで 浸み渡る。神様の思いのように・・・・・・生まれて初めてブドウという果物に出会い、その一粒のあまずっぱさを味わった時、感じた思いが、そうだったのかもしれません。