今日<18日付>の新聞の社会面に、13歳の時に阪神大震災にあって助かったものの、今回の震災で津波にのみこまれて亡くなった女性を 取り上げた記事がありました。女性は、29歳で、妊娠3カ月だったそうです。兵庫県西宮市で阪神大震災にあい、結婚して暮らすことになった岩手県陸前高田市で今回の震災にあいました。
新聞には、震災の半年前に家族旅行をした時の女性の写真と、竹灯篭のろうそくに火をつけるご両親の写真が 掲載されていました。在りし日のはつらつとした女性の表情と 祈るようなご両親の表情が 印象に残る写真でした。
一人の女性と一人の赤ちゃんの 尊い命が失われたのだという 事実の重さを 感じました。失われた多くの命に それぞれの人生があり それぞれの家族があり 残された家族や友人の哀しみがあるのだということを 改めて思いました。
昨日は、阪神大震災があってから17年目。1.17と3.11は、忘れることのできない日としていつまでも心に刻まれていくような気がします。亡くなった方々のご冥福を心から祈りたいと思います。
また、記事には我が子を亡くしたアメリカの女性がつくった詩が 全文掲載されていました。亡くなった女性もこの詩を朗読する機会があったとのこと。ご両親も、妹さんが図書館から借りてきたこの詩を読んで、心が打たれたそうです。アメリカでは、同時多発テロ事件の追悼番組や集会でも朗読された詩だったそうです。我が子に対する愛しい思いがあふれる、心にしみる詩です。
最後だとわかっていたなら
作 ノーマ・コーネット・マレック 訳 佐川 睦
あなたが眠りにつくのを見るのが / 最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて / 神様にその魂を守ってくださるように
祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが / 最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして / そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが / 最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終を ビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくても / わかってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら
一言でもいい……「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう
たしかにいつも明日はやってくる / でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら / わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい
そして わたしたちは 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら / 今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら / あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための / ほんのちょっとの時間を
どうして惜しんだのかと / 忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと
だから 今日 / あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも / いつまでも大切な存在だということを
そっと伝えよう
「ごめんね」 や 「許してね」 や
「ありがとう」 や 「気にしないで」 を / 伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
大切な家族や愛する人に、今だから できること、今だから 伝えたいこと、今だから しておくベきことを 心のままに 実践することの大切さを 強く感じます。
明日は、誰にも約束されていないのだということを 自覚しながら、自分の周りにいる かけがえのない 大切な人への思いを 問いなおしてみたいと思います。